ただ、今回からは、前回までの戦闘シーンはほとんどないかと思われます。非日常9割戦闘1割くらいでしょうか。
とりあえず、事前の補足として、艦これの舞台となる時代は、太平洋戦争から80年、つまり現在より少し未来という設定にしています。(公式はどうなんでしょう)
そして、飛龍を含め、多くの艦娘はその戦争をあまりよく知らない設定ということにしておきます。(赤城、加賀、大和など、一部はアニメの通りに知っているはずですが)
「ここは・・・・・・」
薄らと太陽の光の届く海底で飛龍は目を覚ました。無音。まるですべてが静止しているかのような静かな空間だった。不思議と海水の冷たさも、本来なら重くのしかかる水圧も感じない。
あたりを見回してみても動くものは何もなく、小さな岩が点在しているだけで、それ以外は真っ白な砂が海底に広がっているだけである。
「あれ、艤装は?」
自分の身体を見回してみて、飛龍は自分の艤装が全て無くなっていることに気が付いた。あの時、飛行場姫との戦闘で失った弓と矢筒はともかく、飛行甲板も、靴も無くなっていた。
「私は・・・死んだのかな・・・」
自分の口からこぼれ出た言葉に思わずゾクッとした。実際のところ、彼女自身、この光景が夢なのか死後の世界なのかはっきりとわからないのだ。ただ本能的に夢だと言い聞かせている自分の存在があった。
(でも確かにあの時私は・・・)
「沈んだ」という単語を無理やり押し戻し、頬を両手でパチンと叩く。ほんの少しだけ、気分がすっきりした気がした。
「とりあえず、進むしかないよね・・・」
ネガティブな感情を押しのけて,飛龍は先の見えない海底を歩き出した。
歩き続けて五分ほどが過ぎた頃、遥向こうに、なにやら巨大な影が見えた。
「何だろう・・・あれ」
岩礁かなにかだろうか、と考えをめぐらしながら、飛龍はその『何か』へと足を進めた。
薄らとしか確認できなかった影は、近づくにつれて徐々にその姿を露わにしていく。
そして
「・・・・・・船だ・・・」
飛龍の前に姿を見せたのは巨大な沈没船であった。あちこち錆びついた船体は、その船底を飛龍に向けて、ほとんど横倒しに近い状態で海底に横たわっている。
「なんでこんなところに船が・・・それに、なんだろう。何か懐かしい気がする」
不思議な感覚を味わいながら、飛龍は船の表側に回った。
「これ・・・空母だ」
表側に回ると、目の前に大きな飛行甲板が現れた。その端には、艦橋らしき直方体に近い建造物がくっついているのが確認できた。
「・・・ひどい状態だねぇ・・・」
大部分が木でできたその飛行甲板は、あちこち焼け焦げ、特に四か所が直撃弾を受けたのか、大きく穴が空いている。
「何か書いてある・・・・・・ほとんど消えかかってるけど・・・えーっと、カタカナの『ヒ』?」
なんだろう、どこかで見たことあるような・・・・・・あ、そうだ、私のいつも装備してた艤装だ、あの飛行甲板にも『ヒ』の字が書いてあった。そうそう、飛龍の『ヒ』だ。・・・・・・ってことは、つまり、えーっと・・・・・・
「って、えええええぇぇぇぇ!?」
静かな海底に、飛龍の叫び声が響いた。
「この空母が私ってこと!? でも私は今ここでこうして叫んでるわけだし・・・」
彼女の言い分は半分ほど正しい。
彼女の前に横たわる沈没船こそ、数十年も昔に人間同士の戦いによって沈んだ、大日本帝國海軍の主力空母『飛龍』である。
ついに春休みが終わり、学校が始まってしまいました・・・・・・そのため、更新は不定期になり、時間の都合上、千文字程度での小分けの投稿になると思いますが、ご了承くださいorz
次回か次々回には、赤城さん等を、艦娘とはちがった形で出せたらいいなと思っています。
それでは、また次回に。