孤独のプレイヤー   作:ベリアル

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今回はオリキャラ出しちゃいました。許して下さい。ごめんなさい。



それと何故か三人称になっていました。






未来の犯罪王

 

 

 

翌日の早朝、一人の男が大衆の前で頭を下げ、千を越えるプレイヤーからの誹謗中傷がぶつけられていく様を見守っていた。

 

 

 

彼は軍のトップに君臨していた攻略組最古のプレイヤーの一人キバオウ。先日の失態を公表し、武具及びにアイテム没収の罰をさせられた。

 

 

 

「見ていて気分のいいもんじゃないな」

 

 

 

SAOの中でも若いキリトがそう言うと、瞳に生気が感じられないエイトは少年と同じ方向を見ながら返した。

 

 

 

「罰だからな」

 

 

 

「本当によかったのか?これでキバオウの奴自殺したりするんじゃ」

 

 

 

「そん時はそん時だろ。ミスったら素早く謝罪。相手の印象を可能な限り悪くしない方法の一つだ。先延ばししたり、隠したりすれば余計に印象が悪くなるだろ?」

 

 

 

「そうだけどさ………」

 

 

 

優秀なプレイヤーであるキリト。彼はまだ14歳の子供。そう割り切れるものではない。

 

 

 

「25層ボスは明後日。えらく早いがキリトにフェンサーさん。風林火山が参入するなら軍の穴はギリギリ埋まるな。お前から見て勝算はどんぐらいだ?」

 

 

 

レベルが高いキリトに尋ねると、難しい顔をして悩んだ末出した答え。

 

 

「戦えば間違いなく勝てる。全体のモチベーション次第で犠牲者も変化する」

 

 

 

明確な答えは出さなかったものの、エイトはそれにどこか納得した様子で、″ローズ・クイーン″を倒して熟練度が上がり、新たに追加された斬華スキルを使うことを懸念している。

 

 

 

働かずに手の内を晒したくない彼にとって、見せるのはリスクしか生まれない。状況が状況なだけに、攻略にだって参加しているのだ。八幡を知っている人間がいれば、病院に搬送されるだろう。

 

 

 

「じゃあ帰るわ。やることねえし」

 

 

 

「アスナに怒られないか?」

 

 

 

「待機してろとも言われてないんだ。俺は俺で投擲ナイフの準備とかしなきゃいけんしな」

 

 

 

今日も気怠げに社蓄に励むエイトは攻略組の参加を呼び掛けるアスナの声を耳にしながら、その場を後にした。

 

 

 

「へイ。忠犬」

 

 

 

圏外に出ようとした時、聞きたくない声を聞いてしまい、ため息を返事に声の主へ向く。しばらくメールのやりとりしかしてなくても、別段変化が見られない彼女の姿を捉える淀んだ瞳。

 

 

 

「会いたくなかったぞ、鼠」

 

 

 

「にゃハハハハ。挨拶だな」

 

 

嘘か本当かも分からないエイトの言葉に恋する乙女の心は微かに傷つきながらも、独特な笑い方で取り繕う。反面、久々の再会に気分が高揚して舞い上がってしまう。

 

 

 

「用はないけど、たまたまエイトを見つけてナ。どこ行くんだ?」

 

 

 

「用ないなら行くぞ。レベリングに行くんだよ。もうちょいで34に上がんだよ。停滞してたからな」

 

 

 

ちなみ全体的に見てエイトのレベルは上位に位置するが、同じソロプレイヤーのキリトは38である。これはキリトのセンスによるところが大きいと言えよう。

 

 

 

「用はないけど、忠告してやろうと思ってな」

 

 

「情報屋のお前がか?どうせ金取るだろ、いらねえよ」

 

 

 

去ろうとしたエイトの腕を掴む鼠のアルゴ。

 

 

 

「いいから聞ケ」

 

 

 

「………………」

 

 

 

余裕のないアルゴの表情を見てただごとではなさそうたと、判断したエイトは耳を傾けることにした。

 

 

 

「最近PK(プレイヤーキル)が活発になっていル。これは同一人物が絡んでると判明していル」

 

 

 

PKとは名の通りプレイヤーがプレイヤーを殺すことである。SAOではPK=殺人なのであるが、現実世界では茅場に責任があるという方針になるだろう。

 

 

 

またPKにも様々なやり方はある。一般的なのは直接手を下すことにより、PKの証であるレッドプレイヤーと変化する。ただし、グリーンがレッドをPKしてもレッドになることはない。

 

 

 

「プレイヤーネームは?」

 

 

 

「PoH(プー)」

 

 

 

情報が整うと真っ先にエイトへ教えに来たのは、彼に死んでほしくないという願いがあったから。

 

 

 

「可愛らしい名前だこと。蜂蜜大好きさんかよ」

 

 

 

軽口を叩くのとは裏腹にPoHを警戒対象と頭に入れるエイトは圏外へと歩き出す。

 

後にPK最多を誇る犯罪者と激闘を繰り広げることになることは、この時誰一人知ることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

―――――パリーン

 

 

 

硝子が割れる音。同時にエイトのレベルが34に達した。

 

 

 

「帰(けえ)るか」

 

 

 

薄暗い森の中で腐ったゾンビ(エイト)が覇気のない口調で、悲鳴が響き渡る。

 

 

 

「はぁ」

 

 

 

面倒だと愚痴る一方で、即座に悲鳴が上がった場所へと駆け出すエイトが目にしたのは、黒いローブに身を包んだ鉤爪を装着するプレイヤーが一人のプレイヤーに襲いかかっていた。

 

 

「ひいいいいぃっ!」

 

 

 

「じゃあな」

 

 

 

死にゆくプレイヤーを面白そうに笑みで人生を締めくくらせようとした時、二人の間にナイフが飛ぶ。

 

 

 

「あ?」

 

 

 

レッドプレイヤーは即座に膝をつき、エイトの跳び蹴りを回避し鉤爪ですくい上げるようにエイトの首を狙う。

 

 

 

が、予測していたのか身をよじり、尻餅をついたプレイヤーの前まで移動し、レッドプレイヤーと向き合う。

 

 

 

「逃げろ。ここは俺が請け負う」

 

 

 

「ひ、ひいいいい」

 

 

 

震える足でその場から彼が逃げ去るまで、エイトとレッドプレイヤーは喋ることも動くこともない。

 

 

 

「止めの邪魔すんじゃねえよ。せっかくこの世界から解放してやろうって親切心なんだからよ」

 

 

 

無論、レッドプレイヤーの言うことは嘘であり、ただ己の快楽のためだけに先程のプレイヤーを葬ろうとしたのだ。

 

 

 

「攻略が遅れたらどうすんだよ?」

 

 

 

そうレッドプレイヤーに切り返すと、大きな笑い声を上げて鉤爪でエイトを指す。

 

 

 

「はははははははは!攻略に影響するかよあんな雑魚!レベルも低けりゃビビりだぜ!」

 

 

そして、舌なめずりをするレッドプレイヤーは目を細めて殺意を漂わせる。

 

 

 

「そもそも攻略なんざどうだっていいんだよ」

 

 

 

膝を限界まで折り曲げると、低空飛行でエイトに詰めより鉤爪を突き出し、槍で防がれても次の攻撃へと移り、フェイントを入れつつ攻撃していく。

 

 

 

単純な速さで言えば、アスナの方が圧倒的に速く、相対するエイトも彼よりも上回る。しかし、フェイントを入れた不規則な攻撃にエイトは戸惑ってしまう。

 

 

 

「ハッハァ!」

 

 

 

「チッ」

 

 

 

顔面を狙ったかと思い防御すれば、太股を切り裂かれてしまう。加えて、槍や投擲ナイフを武器にするエイトにとって、ダガーに属する鉤爪は相性が悪いと言えよう。

 

 

 

本来距離を取らなくてならない場面に対し、見知らぬプレイヤーを救出するために相手との距離が近くなってしまったのだ。

 

 

 

少しでも距離が開ければ望みはあるのだが、レッドプレイヤーが近距離の鉤爪である以上、そう易々とはさせるはずがない。

 

 

 

が、エイトの表情は曇ることはなく、ただ相手の動きをじっと見つめる。

 

 

 

―――――ギャイン

 

 

鳴り響く金属音。

 

 

 

「気に食わねえな、その面。もっと脅えろ!泣きわめけ!命乞いをしろ!膝を抱えて震えとけ!そうすりゃ殺してやるよ!」

 

 

 

怒涛の猛追。フェイントを加えることもなく、重たい刃がエイトを襲いにかかる。

 

 

 

そして、防御を解きホルダーから一本のナイフを投げた。

 

 

 

「どこぉ狙ってんだよぉ!はははははははは!」

 

 

 

レッドプレイヤーの言うとおりエイトが投げた場所はレッドプレイヤーに当たることなく、地面に短い刀身が突き刺さったのだ。

 

 

 

更にナイフを投げるために防御を解いた犠牲に鉤爪が幾度なく、エイトを突き立てていくではないか。

 

 

 

凄まじい速度で削られていくHP。

 

 

 

「っわりだあ!」

 

 

 

それでもエイトの表情は変わらない。

 

 

 

「ガァッ!」

 

 

 

レッドプレイヤーの背中に突き刺さるナイフの数々。怯んだ隙を見逃さないエイトはレッドプレイヤーに蹴りを食らわせて吹き飛ばす。

 

 

 

ダメージに影響はほとんど見受けられはせず、蹴りを受けた屈辱なのか表情から憤怒が現れている。

 

 

 

「この俺に蹴りをくらわせやがって………!仲間もいやがったとは………!」

 

 

 

「どうだろうな」

 

 

 

その焦りがなく、余裕のある態度にレッドプレイヤーは苛立ちを募らせ、一直線にエイトに飛び込む。

 

 

 

しかし、一度距離を取ってしまったのだ。エイト相手には愚策。彼を知らないのならば無理もないが。

 

 

 

「斬華スキル」

 

 

 

一本のナイフを構え投げる体勢へと入る。既に慣れた所作に投げるまでの時間はそうはかからない。

 

 

 

「あ?」

 

 

 

迫り来る一本のナイフ。それは一歩ズレれば避けれるものであり、現にそうしたレッドプレイヤーの判断は間違っていない。

 

 

 

「【睡蓮】」

 

 

 

「んなッ!」

 

 

 

発せられた花の名前。

 

 

 

レッドプレイヤーは目を見開き、ナイフから派生したナイフを躱しきれず、何本か受け立ち止まってしまい、エイトは離れすぎず近すぎず距離を取った。

 

 

 

「エクストラスキルだぁ!?」

 

 

 

激昂しながらも攻撃の正体は流石に見破ったようだ。

 

 

 

「チッ、攻略組に腕の立つナイフ使いってのはテメエのことか」

 

 

 

「エイトくん!」

 

 

 

レッドプレイヤーが戦いを続けようとした時、声が2人の耳に入り同じ方向を見るとアスナがいた。

 

 

 

「話は聞いてるわ。レッドプレイヤーね!」

 

 

 

レイピアを抜くアスナはエイトと肩を並べて武器を構える。

 

 

 

「攻略組2人かよ。まとめて殺してやるよ!」

 

 

 

自分が負けると毛ほど思わないその姿勢にエイトとアスナは勢いに押されてしまう。

 

 

 

「Stop………そこまでだ。″ベルーガ″」

 

 

 

ベルーガと呼ばれたレッドプレイヤーが分の悪い戦いを始めようとした瞬間、ポンチョを羽織る黒ずくめの男が彼を制止する。

 

 

 

「邪魔すんじゃねえ!止めを邪魔されてイラついてんだよ!」

 

 

 

「oh………従わなかったらどうなるか、言ったはずだろ」

 

 

 

その言葉聞き、ベルーガは舌打ちをして鉤爪を下ろす。

 

 

 

「OK………帰ろう。ザザとジョニーが待ちくたびれているぞ。悪かったね、攻略組」

 

 

「行かせると思う?」

 

 

 

 

未だに武器を構えるエイトとアスナはベルーガとは比べものならないほどの、暗く冷たい底知れぬ闇を身に纏う男に警戒をしていた。

 

 

 

「non………戦う気はないさ。それでもやろうと言うなら、どちらか1人は死ぬよ」

 

 

 

出刃包丁を持つ男の真実を帯びた言葉は子供でなくても、恐怖に陥っても不思議ではない。

 

 

 

それにムキになるアスナ。

 

 

 

「私達は攻略ぐ「行けよ」」

 

 

 

それを遮るエイトにアスナは目線だけ邪魔した対処に向ける。

 

 

 

「多分こいつは言ったことを実行する。俺はともかくお前までいなくなったら攻略組は壊滅に近い状態になるぞ」

 

 

 

現実世界で死にかけた経験のあるエイトは恐怖を感じながらも、冷静に最善の道を模索する。

 

 

 

確かに今や攻略組の司令塔的立場にいる彼女が軍に続いていなくなれば絶望的。

 

 

 

「…………今回だけよ」

 

 

 

理解したのかレイピアを鞘に収めると、エイトを睨みながら去っていくベルーガと

 

 

 

「sorry…………見逃してもらう礼だ。″PoH″だ。いずれSAOで面白いことが起きるよ」

 

 

 

名を名乗って去っていくPoH。

 

 

 

「あいつがPoHか」

 

 

 

レッドプレイヤーが去っていった方角を見つめて呟く。

 

 

 

そこにアスナがエイトの肩に手を置く。

 

 

 

「で、どうして演説に居なかったのかしら、エイトくん?聞きたいことが山ほどあるの」

 

 

 

笑顔で有無を言わせない怒気が含まれる力強い発言に、チキンハートを携える腐った死体は畏縮する。

 

 

 

「いや、それはだな。あれだあれ」

 

 

 

「どれ?」

 

 

 

「………………」

 

 

 

この後滅茶苦茶説教された。

 







PoHの英語の使い方がいまいち掴めません。とりあえず簡単な単語にしました。


ネタバレになるか分かりませんが、この先PoHは本作に比べて出てきます。



また茅場にも劣らない頭脳にしようという設定にします。



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