孤独のプレイヤー   作:ベリアル

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比企谷八幡の性格が難しいです。




探し物

 

 

 

日付が変わるか、変わらないの時間となった空は既に満天の星が散りばめられていた。

 

 

ホルンカ村に到着した2人の少年は仮想空間にも関わらず、全身に疲労が溜まっていた。その甲斐あってか、ホルンカ村には彼ら以外のプレイヤーはおらず、一番乗りとなった。

 

 

「今日は宿で休もう」

 

 

キリトの言葉に従い、安いコルで部屋を借りて、ベッドに仰向けになるエイト。

 

 

彼は疲労で眠気に誘われる中、一つの武器を取り出した。

 

 

それは槍ではなく、投擲用のナイフ。

 

 

ゲームを楽しむなら接近戦の方が楽しめるが、せっかくなら他のも試したいという気持ちで買ったものだ。

 

 

無論、与えられるダメージは少ない。遠距離からの攻撃が強みである。

 

 

(間違えるな。このクソゲーは生き残ったもん勝ちだ)

 

 

エイトは武器をしまい、眠りについた。

 

 

彼は武器的に投擲を主体に戦った方が生き残れると、考え始めた。

 

 

彼は弱い。姑息で最低で卑怯で卑屈で頭が回り、性格も捻くれているのだ。故にこのデスゲームに合っている。

 

 

何時の世も生き残るのは強いものではなく、その環境に適した生物。

 

 

エイトは一つの結論に至った。

 

 

このデスゲームは負けたら死ぬ、ではない。

 

 

死んだら負けなのだと。

 

 

 

「はぁああっ!」

 

 

時計の短針は12を指している時間にエイトとキリトは、ホルンカ村の近くにあるリトルペネントを狩っていた。

 

 

村人の娘が病気で治すには″リトルペネントの胚珠″を取ってくることで、一層最強の片手剣が手に入るそうで、エイトはそれにつき合っている。

 

 

代わりに一層最強の槍が手に入るクエストを手伝ってくれるのだ。利用したり利用されあったり。

 

 

ちなみにクエストを受けてる時のエイトは

 

 

(トドメを刺すクエストか)

 

 

と人道がぶち壊れた発想をしていた。

 

 

そんなこんなで目的の花付きリトルペネントを出現させる為に、必死で通常のリトルペネントを黙々と狩っているエイト。

 

 

素早く、ある程度の攻撃パターンを読み終えると単純作業のように槍で突く。

 

 

彼にとって行動パターンを予測するのは得意な部類である。

 

 

また、狩り終えて、遠くからやってきたリトルペネントには投擲用ナイフで攻撃していく練習台となってもらう。

 

 

あくまで練習台、彼は少なくとも一層は槍を主体にするようだ。

 

 

「出ねえな……」

 

100体は狩っているのに花付きがいっこうに現れない。

 

 

「付き合わせて悪いな、エイト」

 

 

「気にすんなよ。お互いにメリットがあるからやってんだ。リアルじゃメリットもないのに掃除を押しつけられたりしてたんだ」

 

 

「……………」

 

 

卑屈な笑みを見たキリトはドン引きしている。

 

 

キリトはだんだんとエイトがどういう人間なのか分かっていき、一つの答えがはっきりした。

 

 

(友達いないな……)

 

 

そうして、波乱が起きる。

 

 

気を抜いていたのか、あるいは慢心か、実付きのリトルペネントを割ってしまった。

 

 

強烈な破裂音。

 

 

「「………ッ!」」

 

 

ぞわりと背筋に寒気が走る。

 

 

次々と出現していくリトルペネント。

 

 

単純にリトルペネントの実を割ってしまうと、リトルペネントが大量発生してしまう。

 

 

ただのゲームなら笑い話で済む。

 

 

しかし、これは死に直結するゲーム。

 

 

視界を覆い尽くすリトルペネント達に14歳の中学生であるキリトは後悔と恐怖に呑まれる。

 

 

どんなに強くても彼はまだ中学生。

 

 

命に関わる問題で恐怖に呑まれるのは恥でもない、人間である証拠だ。

 

「ご…ごめ……エイト」

 

 

しかし、そんな状況でもエイトに対する罪悪感が勝った。

 

 

当のエイトは槍を構え口を開く。

 

 

「立て。死にたくないからお前の力が必要なんだ(ひいぃぃ!)」

 

 

死に対する恐怖は理性の化物にもあるし、生きる為の選択肢にはキリトも戦わなければならない。

 

 

そこで冷静さを取り戻したキリトはしっかりと武器を構え、2人は足並み揃えてリトルペネントの軍勢に突き進む。

 

 

 

 

 

「ギッリギリだな」

 

 

「ははは、ごめんて」

 

 

2度目夜を迎えたエイトとキリトはあの後、花付きを倒し追ってくるリトルペネントから逃げ切り、クエストをクリア。

 

 

″アニールブレイド″

 

 

嬉しそうなキリトの手には新たな武器が握られているのに対し、エイトは若干不機嫌そうな顔で投擲用ナイフが握られていた。

 

 

彼の槍は耐久値に限界が訪れ、残り少ない投擲用ナイフで凌いでいたのだ。

 

 

「……ありがとな、エイト」

 

 

「あ?」

 

 

自分よりも背が低いキリトを見ると、エイトとは正反対のキラキラ輝く瞳がエイトを捉えていた。

 

「ななななななにがでゃぁ?」

 

 

普通の女子ならキモいというところだが、キリトは男で気にかけることもない。

 

 

「エイトがいなかったら俺は死んでたかもしれない」

 

 

「…………それは違うだろ」

 

 

頭を掻きながら、溜め息混じりに吐き出した一言。

 

 

「お前いなきゃ俺はここまで来れなかった。もっと自由にやれて、俺も足を引っ張らなかった。俺はお前を利用してるだけだ。最終的に頑張ったのはお前自身だ、キリト」

 

 

「……………………」

 

 

確かにエイトの言うとおりだ。しかし、

 

 

 

「それでも、あの時あの言葉を言われなかったら俺は死んでいた」

 

 

エイトがキリトを助けた事実は変わらない。彼は捻くれて、感謝の言葉を素直に受け取れない。

 

 

だからなのだろう。エイトにとってキリトを友達や仲間だとは感じず、ビジネスパートナーと認識していた。

 

 

卑屈な彼はこの世界でも変わらない。

 

 

しかし、見てみたい。

 

 

人間の本性が晒されるこの世界。

 

 

偽物に溢れた仮想空間で本物と出会えるか。

 







えーっと、次回は一人称で頑張ってみたいとおもいますので………。
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