Fate/kaleid saber   作:faker00

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はい本編切嗣きたあああ!!(≧▽≦)(こっちとの折り合いどうしよう!!(;・∀・))
そしてfgoもきたあああ!! 647171327 これフレコなんでよかったらフレンド申請おねがいします!!

ここまで来たらやるしかない! と言うわけで本格再開はまだですがとりあえず1話上げます!


ドライ編
Prologue 遠坂凛


「セイバー、紅茶は嫌いじゃなかったわよね? とりあえずあったまってなさい」

 

「ありがとう、リン……」

 

 私がカップを受け取るとリンは柔らかく微笑み、どういたしましてと言うと再びキッチンへと戻っていく。

 椅子に座って彼女が持ってきてくれた毛布に包まり紅茶を飲みながらその後ろ姿を眺める。

 随分と髪が伸びたようだし、雰囲気も大人のそれになっていたが根本は変わらない。

 彼女はかつて私やシロウと共に戦い、そして最後にサクラとの決戦に赴いた遠坂凛に違いなかった。

 

「ん……どうしたのよ、ぼーっとこっち見ちゃって。なに? 体調が悪いなら寝ててもいいわよ。別に今すぐに何かしなきゃいけないってわけでもないんだし」

 

 リンは私の視線に気付いて振り返ると、一瞬怪訝そうな表情を浮かべたがそれはすぐに私を気遣うものへと変わる。

 

「い、いえ。そう言う訳ではないのです。ただ色々な事が起こりすぎて少しばかり混乱してしまったというか……」

 

 今でさえ彼女が目の前にいることが信じられないのだ。

 先ほどまでは意識が半ば朦朧としていたためにそこまで気がつかなかったが、ようやく落ち着き始めるとこの状態の異常さにようやく理解が追いつき始めた。

 

 非常識的な経験などこれまでいくらでもこなしてきたつもりでいたが、そのどれもが現在直面している状況には及ばないだろう。

 

「それはお互い様よ。私達には知らないことが多すぎる……貴女を見つけた時なんていよいよ私の頭はおかしくなったんじゃないかと本気で疑ったものよ」

 

 それはリンも同じようで苦笑いを見せると私に向かい合うようにテーブルの向こう側に座ると自分のカップにも紅茶を注ぐと上品な仕草で1口飲む。

 そしてカチャン。と軽く音を立ててテーブルに置くと

 

「ま、それでも今の貴女に比べたらましなのかもねー……色々と聞きたいことはあるけどまずはそっちの知りたいことに答えましょうか。

 もちろん私の分かる範囲でだけど」

 

 両肘を付き顎に顔を乗せ、いつか何度も見た射抜くような眼差しをこちらを見据えた。

 

「―――――」

 

 分からないことだらけのはずなのだが、なんでもと言われると意外に出てこないものだ。

 上手く優先順位が決まらず、なかなか言葉が出てこない。

 どれもこれも重要すぎてそこに差をつけられない。なら最初は軽く入るとして――

 

「では聞きたいのですが……そもそもここは一体何なのでしょうか……?

 慣れた様子で使っているようですが……」

 

 ぐるっと周りを見渡す。

 

 壁にかかる大きな時計を中心にかなり年季の入った、それでいてかなり高級感溢れる家具が並び、床には彼女の着ている服と同じ目の覚めるような赤の絨毯が敷き詰められている。

 このリビングの大きさから察するにかなり大型の洋風建築だと言うことはわかるのだが――

 

「ああ、そういえば貴女はここに来たことなかったのよね」

 

 リンは納得したようにポンっと手を叩く。

 

「ここね、実は私の家なの。もちろん正確に言えば違うんだけど」

 

「リンの……?」

 

「ええ。遠坂は冬木の管理者だからね。平行世界にもあるかどうか不安だったけど無事見つけたからこっちを本拠にしてるの」

 

「では――」

 

「そうね、質問からは少し離れて本題に入っちゃうけど……別に良いわよね? まさかさかセイバーの趣味がお家鑑定なんてことはないだろうし」

 

 そんな風に思われるのは心外の一言だ。

 

 彼女の言葉に頷く。

 

「じゃあどこから話しましょうか――時間はかかりそうだけど全部話しちゃう方が簡単そうね。セイバー、貴女がどんな道のりを辿ってここに来たのかは知らないけど、この冬木は貴女や私がいた冬木じゃない。

 何者かに連れてこられた平行世界。そして……その敵にシロウが拐われたわ」

 

 

 

 

 

 

 

―――――

 

「なんというか……ファンタジーな世界ね、イリヤスフィールが本当にただの女の子で魔法少女になってるだの、私とルヴィアが共同任務をしてるだの……」

 

「――そうですね。私も彼女の変わりようには驚いた……もしかするとあれが彼女本来の人格なのかもしれませんが」

 

「そうね……まあ今は置いておくとして……核心をまとめるとこういうことになるわけね。信じたくないけど」

 

 お互いの話を終えると今まで和やかな表情を浮かべていたリンが苦い表情になる。

 残りの紅茶をグイッと飲み干すとそのまま背もたれに身体を預け天を仰いだ。

 

「どこのどいつかは知らないけどようやく終わった聖杯戦争を平行世界を飛び越えてまでわざわざ蒸し返して聖杯の力を使おうとしてるやつがいる。

 しかもそいつ……いや、そいつらか――の腕前は普通じゃない。ライダーのサポートがあったとはいえ貴女を打倒し、今ではアーチャーの腕を使いこなせるようになった士郎を倒し、更にその仲間と覚しき相手は貴女まで圧倒したと。

 そんでもってこっちの士郎もそっちの士郎も連れ去られて情報はほとんどなし。なによこれ。桜の方がよっぽど楽だったわ」

 

「……悔しいですがそうなるでしょう。その前の対ギルガメッシュで疲弊していたのは間違いないですが、私が全力で放ったエクスカリバーを正面から受け止められたのもまた事実です。

 あの者の実力は人の領域を遥かに越えている」

 

 とは言え私も気持ちはリンと同じだ。

 彼女と同様にカップを空にすると溜息が口をつく。

 

 私のは置いておいておいて彼女の話を纏めるとだ……私がダリウスやアンジェリカに敗北してここへ飛ばされてきたのと同様に、リンも聖杯戦争から数年後、シロウと共に大聖杯を解体しようと大空洞へ向かったところそこでジュリアンと言う人物に遭遇。

 文字通り英霊と同等の力量を身につけたシロウが迎撃するも敗北。

 そこからは私と同じで気がついたらこの街のはずれまで飛ばされていて、この家を見つけたり街全体の変わりようからここが平行世界だという結論に至りシロウの情報を探りながら今に至る、というのが現状のようだ。

 

「昔のこと、というのも全く気にならないわけではないですが今はいいでしょう。貴女も、シロウも生きているのですから。それよりも問題はだ」

 

「そうね。私も貴女の行く末は気になっていたけどこうして元気……とは言えないかもしれないけど元に戻ってるのを見れただけで充分よ。

 今はとにかくここからの事を考えないと……」

 

 前から薄々思っていた事なのだが、どうやら私達はこういう場面では気が合うらしい。

 

 かつて……私がシロウに倒されてから彼やリンがどのように戦い、そしてここまで生き延びたのか、興味がないと言ったら嘘になるが一番の優先順位はそこではない。

 リンもリンで私と同じような感情を抱いているようではあるがそれを表に出すことはしない。

 ここで優先されるべきは過去の感傷に浸ることではなく、この状況をどうやって打開するかだ。

 

「一応ね、何もせずに手をこまねいていたってわけじゃないの。私達が来たのは大体2週間前。それからこの街に点天と残ってる魔力の残滓を追ってみたりこっちからあからさまに残してみたり……

 結局こっちの撒いた餌にはなんも反応しなかったけど、少し気になるところがあって」

 

 そう言うとリンは立ち上がると戸棚へと歩いていき何やら大きな紙を取り出すと戻ってきてそれを机の上に広げた。

 

「これは……」

 

「そ、この冬木の地図ね。何があったかは知らないけど随分おかしなことになってるみたいだけど」

 

 かなり大きなそれは、至るところに赤ペンやら青ペンで線が引かれた地図だった。

 見てみれば私にも覚えがある地名がいくつかある。

 

「とりあえず簡単に説明するとね、赤く丸がついてるのが自然と比べて濃い魔力の痕跡があったところ。それで青が自然のマナの流れとは違うおかしな流れ方をしてるところよ。

 本来なら気付かないような小さなものが多いんだけど……まっ、冬木の管理者たる遠坂の目を簡単に欺けると思うなってのよ」

 

「――っ!? それでは……」

 

「ええ、これは人為的なものよ。それもかなり大規模かつ周到に偽造された……ここ見て。印が集中してるとこ」

 

 リンが地図の真ん中を指差す。

 

 そこは彼女の書き込み以外は完全な空白になっていた。

 

「この空洞は……広場? いえ、それにしては形が……そもそもこの街にこんなものは」

 

 かつて何度も深夜の街を彼女らと歩いたはずなのだが記憶にない。

 

「そう、ないわ。少なくとも私達の冬木にはね」

 

 リンが私の言葉を肯定する。

 

 それはそうだろう。見るにこの空洞とかした空間は街の数%を占めている。

 こんなものがあれば気づかないはずがない。

 

「けど現実にこっちにはあるのよ。何度か足を運んだんだけど、ほんとにバカでかいクレーターみたいなのが。

 それでもって魔力痕はそこらへん一帯に集中してるでしょ? これはクロだなと思ってたんだけど……」

 

 そこで彼女は溜息をついた。

 

 なんというか……落胆というか疲れたような顔をしながら。

 

「肝心のものが見つからない……と言うことでしょうか」

 

 この顔には見覚えがある。

 私は彼女と始めてあった時の夜のことを思い出した。

 シロウのど素人っぷりに困惑と怒りと哀しさとその他諸々のどうしようもない感情がごちゃまぜになっていた時、あの時の顔に非常によく似ている。

 人がこのような顔をするのは期待が裏切られたり、途方もない道程に放り出された時くらいだ。

 

「――そう、そうなのよ。人為的な痕跡を発見したのもいい。そして本来の冬木にはやい異常地点を見つけたのもいい、けどそれだけなのよ、そこにあったのは。

 人は愚か使い魔の姿も無し。おかげて2週間ずっと手詰まりよ」

 

 ……リンがそう言うのなら本当にそうなのだろう。相手がサーヴァントならば私の感知も負ける気はしないが、魔術となると彼女の専門である。

 

「ですが……」

 

「分かってる、分かってるから言わないでセイバー。この痕跡の理由を解かなきゃ事態は一向に進展しない。

 そうなったら永久にシロウを取り戻せない……それもなるべく早くしないと今だって無事かどうか……」

 

 そこまで言うと彼女は立ち上がると部屋の端まで歩くとサッとカーテンを開ける。

 そこから見えるのは灰色の空と白く舞う雪だけだ。

 

「――ふう……らしくないなあ、こんなに焦っちゃって……」

 

「いえ……私こそ申し訳ありません、リン。貴女が何も考えもせずに過ごしているわけがないというのに……」

 

 頭を下げる。

 

 大きく深呼吸をする彼女の焦燥を見抜けなかったのは完全に私の落ち度だ。

 どうもあまりの急展開に私もいつもの自分を見失っていたらしい……

 

「いいのよ、とりあえず今は情報収集ね……実はこっちに飛ばされてきたのはシロウと 私だけじゃなくてもう一人いるの。その人と私とで交代交代でクレーターを見張ってるんだけ、ど――」

 

「――? リン、どうかしましたか?」

 

 こちらに振り向こうとした途中でリンが固まる。まるで何か重大なことを思い出したかのように。

 その視線は私とあさっての方向を行ったり来たりしている。

 

「リ――」

 

「セイバー、貴女第四次の聖杯戦争も参加してたのよね?」

 

「――はい……ですがそれがどうかしましたか?」

 

 唐突な質問、私が答えるとリンは、まずったなあ……なんて言って顔を手で抑える。

 

「いや……実はその私とこっちに来た人なんだけどね、実は第四次の聖杯戦争の生き残りなの……ライダーのサーヴァントのマスターだったって聞いてるけど、もしかして面識あったりする?」

 

「な――」

 

 ある。確かにある。

 懐かしい記憶がフラッシュバックする。

 ライダー……征服王イスカンダルは前回の聖杯戦争でも特に縁が深かったサーヴァントの一人だ。

 そしてそのマスター……確かウェイバーと言ったか、彼とも何度も直接顔を合わせていたはずだ。

 そこそこ常識はある人物だったと記憶しているがそれよりも様々な面で規格外のイスカンダルに振り回されていたことの方が印象に残っているような――

 

「――ん?」

 

 記憶を引っ張り出してきていると部屋にベルの音が響く。

 

「あ、噂をすればちょうど帰ってきたみたいね……ちょっと待ってて」

 

「あっ、リン!」

 

 呼び止めようとするがリンは既に廊下から階段へと降りてしまっていた。

 

「さて……どうしましょうか……」

 

 椅子に座る。

 こちらとしては別に避ける理由はない。極悪非道な人物と言うわけでもないし、何か遺恨があるということもないのだ。

 しかしあちらがどう思っているかと言えば……

 

「ん? どういう事だ遠坂?」

 

「だから助っ人ですよ先生! それも先生も知ってる人が!」

 

「私が知っている……? 一体誰が……」

 

 開いたドアの隙間から声が聞こえる。

 間違いない。多少声は変わっているが私の想像している人物だ。

 となると余計に相手としてはやり辛いと思うのですが……なるようにしかないのでしょうか。

 

「はい、それでは15年ぶり? の御対面です――さ、先生入って……先生?」

 

「お久しぶりです、ウェイバー・ベルベット……あの夜のカーチェイス以来ですね」

 

「――――」

 

 リンがドアを開けて彼を伴って部屋に入る……が、後ろの彼は動かない。

 私を認めるとまるで幽霊でも見たかのように目を見開いて立ち竦んでいる。

 背は随分と大きくなり風貌も変わったかようですが……やはりあの時の記憶は消えていないらしい。

 

「な――な――」

 

 口をパクパクするがうまく言葉になっていない。まあこれも仕方ないと言えば仕方ないのだが。

 

「ちょっとセイバー、どうなってるの!? 尋常じゃないわよあの震え方! 貴女一体昔あの人に何して」

 

「そうですね――色々なことがありましたが――」

 

 焦ったようにリンが私の袖を掴み部屋の隅へと移動すると詰問してくる。

 

 それに対して私は

 

「最後にあった時は彼は目がけてエクスカリバーをぶっ放したはずです。それも直線距離で10mもないところから」

 

 ありのままを正直に答えた。

 

「な、なんでお前がここにいるんだよー!!」

 

「先生!?」

 

 どうやら前途は多難なようだ。

 

 

 




とりあえず色々動き過ぎてもう、ね。まさかグランドオーダーちゃんと開始するなんて思ってなかったので……(メンテ?あれくらい延期地獄を常に経験してる型月厨からすりゃ余裕よ)

しばらくやり込もう。

連載再開はまだしません。てかグランドオーダー抜きにしてもそこまで余裕がないのです……

それではまた! 評価、感想、お気に入り登録じゃんじゃんお待ちしております!

PS 作者は今のところレベル12 鯖は☆3 牛若丸ライダーでレベルは11? 概念は☆5の桜でごさいます。

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