ミーティアート・オンライン   作:I love ?

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駄文注意です。ソロアートも頑張らなければ……


第2話

仮想世界(アルヴヘイムオンライン)にダイブして、思わず眩しさに目をつぶり、ゆっくりとまぶたをあけると、見慣れた店の中にいた。

今いるメンバーは、桐……じゃなくてキリト、リーファ、アスナ、リズベット、シリカ、それにユイ……か。

 

「パパ、どうやらヒキハさんが来たみたいです」

 

「ん?よう、ヒキハ。来たんだな」

 

「……おう、キリト。今日は何すんだ?」

 

ソファーにどっかりと座っていたスプリガン――キリトに声を掛ける。特徴は全身真っ黒なことだ。キリトをパパと呼ぶ少女はユイという。色々訳ありだが、優秀なサポーターだ。こうして部屋を見回していると、なんか酒池肉林に見えんこともないが、実際にハーレムを築いているのが腹ただしい。爆発しろ。

 

「そうだな……今いるメンバーで、なにかクエ行こうとしてたんだけど……」

 

「丁度いい感じのクエストがあったよ、お兄ちゃん」

 

キリトをお兄ちゃんと呼ぶのはリーファ――本名桐ヶ谷直葉。種族はシルフで特徴は……あれだな、二つのエベレスト。

 

「おー、どれどれ……えー、クエスト名は《巨人狩り》……内容は、《ギガ・ヒューマン》二十体の討伐、か」

 

うぇ、あいつめんどくさいんだけど。攻撃は単調だけど、HPが多いし……

 

「もー、顔にめんどくさいって書いてあるよ、ヒキハ君」

 

揺り椅子にもたれ掛かっている俺に声を掛けてきたのは、幼馴染みのウンディーネ、アスナだ。特徴は髪型だ。

 

「だってあいつめんどくせぇじゃん……」

 

「そのやる気のなさをなんとかしなさいよ、あんたは」

 

呆れた声で言ってくるのはキリトハーレム初号機ことレプラコーンのリズベットだ。特徴は鍛治屋なのにメイド服っぽいのを着ていること。

 

「そうですよ。ゲームにもやる気を出せないなら、出すところがないんじゃないですか?」

 

礼儀正しい口調で注意してくるのは、キリトハーレム零号機のシリカだ。特徴はフェザーリドラのピナ。

 

「いや、妹を愛でるときは常にやる気を出してるぞ?」

 

「相変わらずのシスコンぶりだな……」

 

苦笑するキリトに同調するように全員頷く――が。

 

「……どうした?アスナ」

 

「へ!?ううん、なんでもないの」

 

顔を赤くし、首を横に振り全力否定するアスナを見て、キリトが悲しそうな顔をする。更にそれを見て、リズベット、シリカの二人が嫉妬が混じった眼でアスナを見る。最近よくある一幕だ。

二人が嫉妬の視線を向ける←わかる。キリトが悲しそうな顔をする←わかる。アスナが顔を赤くする←何で?

 

「(うう、一瞬小町ちゃんが羨ましいって思っちゃったよ)」

 

なにやら煩悩を払っているように頭を振るアスナを見ながら、キリトに確認をする。

 

「じゃあ、今日はそのクエストでいいんだな?」

 

「あ、ああ。それじゃあ、行こう!」

 

「「「「「オー!」」」」」

 

元気なことである。元気が有り余って魔法とか誤射されないか怖いでござる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウオオォォォッ!!」

 

キリトのヴォーパルストライクが、深々と巨人の腹に刺さり、巨人はグオォォ……というどこか悲しげな声を残して爆散した。

 

「あいつチート過ぎるだろ……」

 

スキルコネクトって……二刀流だからこそできる芸当だ……

 

「ヒキハ君も大概だと思うよ……何よシステム外スキル《第六感》って」

 

「……い、いや、あれはやろうと思えば誰でもできるぞ?」

 

「……ふぅん、どうやって?」

 

胡散臭げに首をかしげて訊ねてくる。そんなに信用ありませんかね……

 

「まず直感ってなんだと思う?」

 

「えっ?うーん……危険をなんとなく感じること?」

 

おお、かなり正解に近いな。かなり抽象的だが。

 

「まあ大雑把に言えばそうだな。ハッキリと認識していない違和感が、重なり重なってなんとなくヤバいと感じる、これが直感だと俺は思ってる」

 

「……直感と第六感は何か関係あるの?」

 

「……ん、ああ。まず目に見えないところから攻撃されたとするだろ?そうすると、攻撃を喰らう前に聴覚とか触覚がなにかしらキャッチするんだ、音とか空気が動く感触とかな。それが第一段階」

 

「……まさか、それ全部キャッチしてるの?」

 

まあボッチゆえに鋭敏になった感覚神経がないとできないのかもな。主に視線に敏感です。

 

「ああ、まあな。んでキャッチできるようになったら常に意識を張り巡らせて、いつもと違う違和感が解るようになったら第二段階」

 

「待って、おかしい。何かおかしい」

 

アスナが何か言っているが、ノープロブレム。大丈夫、問題ない。

 

「最後に意識を張り巡らせて、無意識に察知できたら完璧だ」

 

「ナ○トの螺旋丸かよ……」

 

突っ込みありがとうキリト君。ぶっちゃけ狙ってました。習得に三年もかからなかったけどな。

 

「……やっぱりこんなことできるのヒキハ君くらいだよ……」

 

諦めたらそこで試合終了ですよ……しょっちゅう俺は諦めるけどな。

 

「ほら、巨人がリポップしたぞ。行け、キリト」

 

「いや、あんたもやりなさいよ!」

 

別にいいじゃん……SAO最強プレイヤーのキリトがいるんだから……これ以上はオーバーキルですよ?リズベット君。

 

「さっきは俺、リズ、リーファ、シリカで倒したから、次はヒキハ達やれよ」

 

見事にハーレム軍団で倒したな……愛は力ってか、あん?

仕方ないので寝転んでいた芝生から起き上がり、傍らに置いていた俺の得物――ダブルセイバーを構える。

リポップした巨人が大剣を振りかざしてくるので、手首を軸に刃を相手の剣の腹に当て、攻撃の軌道を僅かに逸らす。このダブルセイバー系統の武器は、手首を軸に変則的でトリッキーな動きができるのでかなりのお気に入りだ。

次の攻撃モーションに入らせず、こちらは懐に入り込み、二連撃十字斬り《クロス・エッジ》を発動。血色に包まれた刃は、同じく血色の十字のダメージエフェクトの痕を相手に残した。

 

「す、すごいです……」

 

「ああ、さすが攻略組でも最強と名高かったヒキハだ。《デスエッジ》の二つ名があっただけはあるな……」

 

黙れ、《黒の剣士》。俺をその中二臭い名前で(勝手に)呼ばないで……

相手がノックバックしている間に技後硬直が解け、腰を落とし、左手を下げて逆に右手を上げる。二連撃投擲スキル《スピン・ブーメラン》だ。

放たれたダブルセイバーは、まず巨人の左脇腹を抉り、ブーメランのように戻ってきた二撃目で右脇腹を抉り、上半身と下半身を真っ二つに分けたと思ったら、《ギガ・ヒューマン》は眩しいほどの光を発し、爆発した。

 

「「「「うわあ……」」」」

 

「あんまりユイの教育に悪いものを見せるなよ、エイト」

 

「さすがに酷いよ……ヒキハ君……」

 

若干……いや、かなり引いている五人に、俺に注意をしてくる親バカキリトとオカンアスナ。お前らもう結婚しろ。

 

「えー、倒したのにそんな反応?」

 

ならお前らやれよ。なんでこんな天気がいい日にむさ苦しいデカイおっさんと戦わなきゃならんのだ……

この後のクエスト進行は、キリトが無双しているのを見て熱っぽい女子達を芝生に寝そべりながら見ているだけでした……もう一度言おう。リア充(キリト)、爆発しろ。


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