「いやー、スーパーで売ってのが安くてよかったよ…アーシアも無事であることが分かったことだし」
正輝と話を終えた後、ディオドラの眷属達の分の寿司を買って誰にもいない路地裏で転移しようするが、
「…隠れてないで出てきたらどうなんだ」
上級悪魔のディオドラが背後からの殺気に気づかないわけがなかった。
出てきたのはゴロツキではあったものの、武器が異様なものばかりになっている。
普通はバットや鉄パイプを持っているが、彼らの持っているものは刀とチェーンソー、機関銃など完全に銃刀法違反ものだった。
「結界⁉︎それに彼らは洗脳でっ…力も」
普通の人間とは違い、悪魔と同等の力を用いて武器を振り回す。しかし、ディオドラの方は上級悪魔であり簡単には倒されない。
(ここはグレモリーの領域、下手に人を襲って殺すわけにはっ…)
流石に殺すわけにはいかず、一人ずつ腹に魔力弾を撃ち込んで防ぎながら全員の気を失わせた。
「うっわ、全員気絶かよ。しかも傷一つ負わずに、やるねぇ上級悪魔…いや、ベルゼブブの後継者さん」
「どこから声が…なんでこっちの事情を知っている!」
彼らが持っていた武器は粉々になり、襲ってきたゴロツキの集団は地に伏している。
ディオドラは変身し、構えていた。
「その前に広い場所に移動するか」
「⁉︎僕ごと転移魔法を」
互いに転移魔法がかけられ、さっきまでいた路地裏から学園の体育館へと移動される。男は両手にメリケンサックを持っており、衣服は半袖長ズボンの上下真っ黒の格好で待っていた。
待っていたのは彼だけではない。
「そんなっ、なぜだっ⁉︎」
「随分と堕落した生活をしているようだな、愚か者が」
ディオドラが一番驚いていたのは、ベルゼブブの真の後継者であるシャルバ・ベルゼブブとアスモデウスの真の血を引くものであるクルゼレイ・アスモデウスが待っていた。二人がその男のと共についており、ディオドラを殺そうと手を貸していた。
(おかしすぎる…あの二人が人間に手を借りるわけがない)
協力している男の方は悪魔でも堕天使でもない人間。
その人間を差別している二人が何の理由で手を貸しているのか理解できない。
「それ以前に、なんで人間である俺が接点のない
「我々の目的はまず、愚か者であるディオドラ・アスタロト…貴様をまず葬りさること」
ディオドラとシャルバとは両方ともベルゼブブの血を引いている。しかし、旧魔王という存在自体をシャルバが否定して
「蓋を開けてみりゃあ…アーシアが無事でよかったダァ?
アッハハハハ…ハァ。
なんだそれ、あ ほ く っ さ」
男がメリケンサックを装着して殴りにかかってくると、ディオドラは防御魔法で防いだ。しかし、防御したと同時に立ち眩みが起こってひざまづいてしまう。
(なんだ、さっきのは⁉︎)
防御が手薄になり、 腹部を殴り飛ばす。
「僕に…何をしたっ⁉︎」
「クズであるこそがディオドラだろうがぁぁっ‼︎‼︎綺麗事ぬかすディオドラなんざ求めてねぇんだよ!俺はなぁ…原作違いのものなんて求めてねぇんだよボケがぁ‼︎
賀東の糞野郎のせいでリアス達が穢れると思っただけでどれほど気が狂いそうになったことか!
「君は何を言っ「お前はサンドバッグにでもなれば良いんだよ‼︎」」
ディオドラの方は普通の武器で殴られたところで即死するほどひ弱というわけではないが、人間相手に鋼鉄の武器で蹴り殴りを何回も食らってしまえば悪魔といえど意識が遠のいていく。
(…何もかも、間違っていたのか?)
立つ力もなくなり、骨も砕けて死にそうにっていたときに。
「⁉︎やめて‼︎‼︎」
ディオドラの眷属が帰ってくるのを不審に感じたのか、転移してディオドラの元へと向かう。
念力魔法で彼を突き飛ばし、彼女はディオドラを抱えた。
「何をしている、早く逃げ」
「嫌です!私の命はあなたと共にあります!」
彼の眷属である女の悪魔が必死に守ろうとしている。彼女は彼を背負い、すぐにここから立ち去ろうとしても周囲の光が二人を包もうとする。
シャルバが既に攻撃の用意をしていた。
「悪いなぁ?名前もわからないモブには何の価値も興味ねぇんだ。
二人まとめて仲良く死ねや。
じゃシャルバ・ベルゼブブ。望み通りに、一思いに殺ってくれや」
「貴様ごときに言われるまでもない」
男は撤退し、シャルバは二人まとめて光を喰らわせトドメを刺そうとしたその時、
ーーーー待ちやがれぇぇぇっ‼︎‼︎‼︎
兵藤一誠の叫ぶ声が横に割って入ってきた。
彼が見ていた光景は、とても信じられない状態になっていた。
血まみれのディオドラと彼の眷属が泣きながらも必死になって助けようとしている。
「テメェら…この学校で何してやがる!」
「チッ…よう、赤龍帝。賀東を倒したんだってな?
お前らの性格が豹変してなくて良かったよ。
変わってたならどんな手段を使ってでもでも更生させなきゃいけなかったからなぁ?」
彼はディオドラを仕留め損ねたことに苛立っていたが、一誠達と出会ったことによりいきなり表情が急変した。
「こいつ⁉︎あいつのことを知って…てゆうか、なんなんだこいつらは‼︎それに、ディオドラお前っ‼︎」
「赤龍帝、助けに来たのか…ガハッ‼︎」
「ディオドラ⁉︎これはどういう…アーシア、彼を!」
アーシアは眷属に担がれているディオドラの怪我を治療している。リアスは学校を戦場にしている3人に対して殺意を向けた。不良を洗脳させて、拳銃やチェーンソーを持たせて襲ってきたことはリアス達には既に明白だった。
「よくも好き勝手にやってくれたわね…‼︎」
「校舎を滅茶苦茶に壊さないだけマシだろ?」
リアス達はこの学校を戦場にしていることに憤っている。対して彼はリアス達の性格を見て安堵していた。
「賀東を潰したんだから成長したんだろ?嫌だよなぁアイツは。原作は壊すし、邪魔する奴は従わせようとする。
だからさ。俺と一緒にこの世界に生きるはずのない俺以外の異端者をぶち殺そうぜ!」
「何、意味わかんねぇこと言ってんだ!」
(俺だってあいつを倒して、悪魔界で修行をしてかなり成長したんだ!)
一誠は赤龍帝の籠手を殴ろうとしても、全く当たらない。彼の攻撃を防ぐことができるが、なぜか彼が攻撃した後から防いでしまう。
「一誠君!」
「一誠先輩!」
悠人も一誠と同じように感覚が鈍ってしまい、防御が遅くなってしまう。しかし、猫又モードに変えて仙術で遠距離から援護している子猫の方は身体に変化はない。
(さっきから正確に狙ってるはずなのに、攻撃を防ごうとしても間に合わねぇ…まさかあの神器のが俺の感覚を遅れさせてんのか⁉︎)
クリザリッドの修行のおかげで普通なら防げる攻撃を、一誠の感覚器官が遅くなっているせいでギリギリで防げるようになっている。
悠人はクラスがナイトであるのが理由で、ギリギリの状態で避けたり防いでいた。
「お前らは降りることを許されないんだからな」
「上等だ!てめぇを倒したら、今度はあそこにいる二人もぶっ飛ばしてやる‼︎
テメェの神器はわかった!
速攻で片付けてやる‼︎
プロモーションナイト!
パワーがいくら上がっても、身体能力の感覚や反射と反応速度が遅くなりすぎたら彼に猛ラッシュされるだけ。
なら攻撃を受けなければ良いだけ。一誠が速度を上げて赤龍帝の籠手で殴ろうとするものの見聞色で避けられてしまう。
「そんなのこっちも分かりきってんだよ‼︎」
(こいつ、賀東のよりも早く見切って⁉︎)
一誠は賀東の能力を知り尽くしているが故に、見聞色や武装色の力を知っている。避けた後に神器をチェーンソーに変形させて一誠を殺そうとするが、
ーー邪魔だ
戦っている一誠を横から割って入ってきた白髪のサングラスの男に踏まれ、転生者を蹴り飛ばして吹き飛ばす。
「つっ…一体誰が俺を」
一誠の方は強く蹴ったものの怪我はしていない。対して、男の方は盛大に地面に叩きつけられて血塗れになっていた。
「こんの…糞イレギュラーガァァァッ‼︎武装色、硬化ァァッ‼︎」
彼はすぐに起き上がると顔を怒りで真っ赤にしたままメリケンサックを黒くさせ、K'をすぐさま殺そうと襲ってくる。彼はすぐに防御するものの神器に近づいたことによって感覚が遅くなる。故に、
(馬鹿が‼︎)
K'は防御するのが出遅れて直撃した。
普通の人間なら一撃で再起不能になるが、K'は軽傷で済んでいる。
「おい!そいつの能力は「あぁ、もうさっきので分かった。なら話は簡単だ」
K'は起き上がると手をかざし、無防備な姿のまま棒立ちになっている。
「舐めてんのか、ぁあ‼︎」
そのままの状態で動こうとはしないK'を殺そうとまた殴り飛ばそうとするが、
ーーー白羅滅精
彼が近づいた瞬間に空間が歪み、彼が持っていた神器にヒビが生じて崩れていく。壊れたと同時にK'の方が遥かに素早く顔を殴り、もう一度吹き飛ばす。
「な、にっ⁉︎」
「だったら、近づかずに殺られる前にその神器を潰すだけだ」
神器が壊され、普通の殴りに変わっていく。格闘家でもない者がただ殴るだけの行為で、K'には全く効くわけがない。
「俺の神器が見破られて…聞いてない、こんな破格外な奴が転移されてるなんて聞いてねぇぞ⁉︎ヒッ…」
「お前、リングに降りるなって言ったよな。痛ぶる趣味はねぇが、手加減なしで潰す」
K'は黄色い火花を散らし、高速に接近して、
「バカが!
「爆ぜろ」
防いだ能力も、彼の黒い炎の一撃に耐え切れずに黒焦げになっていった。
「あづぃぃぃっ‼︎あづぃあづぃあづぃ‼︎ああああああっ‼︎」
彼は全身に纏っている炎に焼かれ、皮膚がただれ、炎でのたうちまわって身体全身が黒コゲになっていく。
彼はまだ死んでないが、焼かれていく激痛で叫んでいた。
「次は…どいつだ」
「フン、能力を持っているとはいえ所詮は人間か」
「「「「そこまでだ(よ)」」」」
シャルバが前に出て、K'を始末しようとする前にアザゼルとサーゼクス・ルシファー、海堂真弓とオリジナルゼロが集合していた。
この騒ぎと
シャルバとクルゼレイの方にもフードで隠れている者がK'に敗北した彼にまとわりついている炎を消し、フェニックスの血を手渡す。
彼はそれを強引に取って、一気に飲み干した。
「何をやっている。あんな雑魚にかまけている場合か?」
「あんの…白髪野郎が‼︎おい…もっと良い力をよこせよ‼︎あんな役立たずの神器じゃ駄目だっただろうがぁ‼︎」
「消し飛びなさいっ‼︎」
「雷光よ!」
彼に神器を手渡したのはフードの男だった。リアスと朱乃の二人が攻撃しようとするものの、防ごうとする素振りを見せずに、何もないところから障壁ができる。
「今日はディオドラだけ殺そうかと思ってたのによー。俺もこんな状態だし、殺そうにもできないな。
でもねぇ、俺の目的はちょーっと違うのよねぇ?お前ら?なーんか大事なこと忘れてなーい?」
「あんたが阿久戸ね…貴方以外の異端者を片っ端から皆殺しにしているってデウスから聞いてるわ。後々それが原因で始末されて、地獄に収容されたってのは聞いたけど…てことは…」
クリザリッドを襲っているのなら、ディオドラが殴りつけられている最中は既に襲われている。トリコと小松は真弓の家におり、結界を張っているため入ろうとした時点で気づく。
しかし、正輝達には家で安静にするようにと忠告しただけ
「まさか…本命は正輝なの?」
「ピーンポーン!大正解‼︎お前らが擁護している正輝達もちゃーんと狙ってるよ、他の奴に」
正輝とミッテルトが狙われてることにリアス達が怒っていた。本来彼らは悪魔界や堕天使界に関わらずに生きてきた。
賀東の件で一誠に協力して、彼を倒した。それなのにまた今度は正輝を理不尽に潰そうとしている。
「ふざけんなっ…あいつらがお前に何かしたっていうのかよ‼︎」
「一誠、あいつらは存在そのものが害悪なんだぜ。よく考えてみろや、正輝とかの異端者がミッテルトを隠していたあの歪な力。
異能力を隠して幸せな生活を暮らすだなんてことしたって無駄無駄。何故なら存在そのものが罪なのよ!
生きているだけで死に値する‼︎
腐ってやがる堕天使と仲良く共存なんて愚の骨頂、反吐がでる‼︎
だ・か・らぁ!
彼は即抹殺されるべきなんだよ!
ミッテルト、あぁ…あんのクソアマがそもそも改心なんてするわけないだろ、死んだほうがマシだ。一緒にいる天の助はまぁ…最後に回して潰すとすっか?
あんな原作外の連中を生かす価値なしでしょ?この世界の悪い連中が改心なんて無理に決まってる!
俺のやっていることは害虫駆除なんだ。だから分かってくれよ一誠。
俺はこの世界を清く正しく為に、行動して良くしようと思っているんだぞ?」
「貴方の言っていること、何もかもが無茶苦茶だわ…‼︎」
「じゃあ何か…テメェの下らない被害妄想が原因で、ディオドラをここまで痛めつけて、無関係な正輝達の命を狙って、俺を救ってくれた真弓達まで…絶対に許せねぇ‼︎」
一誠一人で突っ込んでいくものの、リアスと朱乃の攻撃を防いだように攻撃を遮っている。
「今は引くとしよう。ここは部が悪すぎるシャルバ、クルゼレイ。よいな?」
「んじゃ、またねー」
「逃すと思っているのか」
今度は上級悪魔の魔王であるサーゼクスと堕天使の総督のアザゼルが同時に攻撃するが、全く通らない。
「オイオイ、どうなってんだ?」
「攻撃が全て届いていない…奴は何者だ」
本気で攻撃したつもりが、見えない壁によって遮られている。
あのフードの男がまたしても攻撃を全て防いでいた。
「どうなっているの…⁉︎」
「ディオドラの方は無事よ。すぐに悪魔界に転移させて送ったわ」
「身体の至る部分が…ボロボロでした」
ディオドラと眷属の姿はなく、アーシアが回復してくれたおかげで応急処置はどうにかなった。
「なぁ真弓さん。あの人は誰なん…ってあれ?」
「あぁ、紹介が遅れたわ。彼はK'よ。
私の家に住むことになってるから」
一誠に指をさされたK'は数秒後にはいなくなっていた。
彼はトドメを刺されそうになった一誠を一応助けて、阿久戸を撃退した。
K'は真弓からの依頼を終えて、さっさと帰っている。
(ちょっと整理しようかしら…)
まず、シャルバとクルゼレイはディオドラがアーシアを奪う計画の時に死ぬことが確定されている。そもそもディオドラの過去が善良的なものになっているために、シャルバとクルゼレイが出ることもなく、一誠が
そもそもこの世界には違う路線へと変わっていた。
ソーナとイリナの姉妹関係やミッテルトの改心と生存。
賀東という男によってイリナが早く知ってしまったことも。
一誠が人生から転落して、それ以降かなり強くなったことも。
当然、ディオドラが100%間違いなく悪い悪魔だというわけではない可能性があるというのはあった。
次に阿久戸という転生者について。
真弓達はゼウスの知らせで彼の名前と情報を知った。
地獄で脱獄したことによってこの世界に転移された一人。前の転生先はハンター×ハンターだった。
凶暴な力と念能力で相手を徹底的に苛めて潰す。悪趣味な刑具を用意し、狙う敵はその原作で出てきた悪役キャラと正輝のような転生者、そして原作外から出てきたキャラなどを嬲り殺しにしようとしていた。
彼はゴン達とは敵対することなく、原作とは違う路線で向かうのが気に入らない。最初は傍観者となっており、彼の知る物語と異なると怒り狂う。
それが原因で、他から危険視され殺されてしまった。殺されたと言っても邪魔されたことにより、憎まれたり殺そうとした相手を確実に呪い殺すという史上最悪な念能力を持っていたため。ハンターと殺し屋のほとんどがその呪いにより心臓麻痺で死亡した。ゾルディック家は彼を殺そうとはしたものの呪いにはかからず、幻影旅団の彼らも彼を殺そうとはしたものの呪いにはかからなかった。かかったのは転生者とモブキャラだけが大量に死んだ。
転生させた結果がその世界の大量虐殺させた罪状により、地獄での無期限の懲役となった。凶悪な呪いの念能力は自分で手に入れたものであり、その存在は神やその世界で生きている人達には全く知らされていないものだった。特典は全て剥奪、彼は生き地獄を味わうこととなった。
賀東について何故知っているのかと言うのは、まだ不明だった。
彼は賀東のような欲望は持っていない。が、原作の世界に溶け込む自分が好きすぎてそれ故に、異端者や改心した悪キャラは単なる汚物としか見ていない。どんな原作キャラでも洗脳して元のキャラに強制的に変えようとする。一誠達はほとんどが元の性格であるが故に蔑ろにはしてなかったものの、真弓達や正輝達のようなものの存在を良しとしない。
そんな彼が脱獄し、こうして敵対している。
そして、その彼にフェニックスの血を手渡したロープの者もまた一番厄介に違いない。
その者は彼に神器を手渡し、こうして襲ってきた。話からして、その者は幾多の神器を作れると考えるしかない。
禁化した赤龍帝とリアスと朱乃の攻撃、更にはサーゼクスとアザゼルの攻撃を防いでいる。ヒビ割れた様子もなく、攻撃が全く通用しなかった。空間断絶か、上級の悪魔や堕天使などが攻撃しても異常なほどに硬い透明な壁を用意したのか。
その者は不明な点だらけだが、危険に越したことはない。
「何はともあれ、次は原作遵守の転生者ねぇ…これまた面倒で。
まぁ、あの
「賀東という男が生きていたら、間違いなく両者の殺し合いが勃発するだろうな」
「そうしてもらったほうが嬉しいわ。
にしてもヤバイわね…正輝が。オリゼロ君。急いで彼の救援に行って。問題は、誰に正輝達の暗殺を命じたかよ。相手によっては…とにかく、クリザリッドに電話するわ」
*****
「すまない、用を思い出した。すぐに戻る」
家に帰ってきたクリザリッドは外出しており、家には正輝達二人とところてんしかいない。
帰りを待っていたものの正輝とミッテルトは堕天使の結界が張られたことに不審を抱き、すぐに家から出た。
天の助もわからないまま正輝と共についていってる。
しかし、黒い羽が落ちると共に追いつかれた。黒髪で長く、ボンテージを着た女性の堕天使が。
「久しぶりね、ミッテルト。どうしてあなたはそんなに裕福な暮らしをしているのかしら…私はあの忌々しいグレモリー家に殺されたのに」
「レイナーレ…姉様」
「…下がっててミッテルト」
リアスによって消し飛ばされて死んでたはずの堕天使レイナーレが生きて殺そうと光の槍を持っている。ミッテルトは正輝の身体に捕まりながらも怯え、正輝は自分の神器を構え、黒い龍を用意していた。
そんな緊縛な状態で、天の助がガッツポーズをして任せろと自慢げにしている。
「助けられた恩だ、俺に任せときな「ちょっと天の助…今は冗談抜きでふざけてる場合じゃないから。
てゆうか、絶対瞬殺されるでしょ」うわぁぁぁん!ひどいよぉ〜‼︎」
冷たいことを言われて体育座りをしながら、泣いている。
レイナーレを天の助一人でどうにかできる相手なら正輝とミッテルトが焦ったり、冷や汗なんてかいてない。
「人間ごときがそんな力を持っているなんてねぇ?」
「君はミッテルトの知り合いだったのは聞かせてもらってるよ。でも、君が至高なら僕らを殺そうとする前にやるべきことがあるだろう?
リアス達を襲ったりするとか」
「そんな口車には乗らないわ、私はあなた達を殺すように命じられてるのよ。脱獄してくれたあのお方に命じられて」
転生前の前の頃の正輝はどんな怪物だろうが捻り伏せて殺そうとしていた。だが、今の正輝は全然戦ってない人生だった以上、神器を持ったところでただの人間。堕天使相手に正面で戦って勝てるわけがない。
「あっ、アザゼル総督とグレモリー眷属が認めてくれたの…その、この人と一緒にいることを」
「ミッテルト…あなたってバカね!こんな男のどこがいいのよ?こんなダサい男をよく選んだわね。
前の私は、確かにアザゼル様やシュムハザ様に褒められるように頑張ったわ。でも最後には見放された。だから…全てを壊して私が一から作り直してあげるわ!あなた達を踏み台にしてね‼︎」
「あたしは、あたしは本心で正輝を選んだの!選んだこと、全然後悔してない‼︎」
レイナーレは堕天使のお偉いにはもう興味をなくし、自分の手で作り直すことを考えていた。ミッテルトは正輝を侮蔑されたことに怒り、こうして反論している。
「そう、なら二人仲良く死になさ」
正輝はレイナーレが槍で殺そうと襲ってくる前に、龍から黒い霧と煙を放出して逃げだした。
煙が目に入り、レイナーレを苛立たせる。
彼女が目を開けた時には、当の既に逃げられていた。
「あのガキが、人間の分際で‼︎こうなったら二人纏めて殺してやるわ‼︎」
(今の俺は、あの堕天使を倒す体力を持ち合わせてない。だから…今の俺にやれることは外出しているクリザリッドさんか真弓さんの家に合流するしかない!)
正輝はミッテルトを連れ、即座に逃げることにした。逃げると言っても気配遮断をしたままレイナーレの目を欺くしかない。正輝はミッテルトと共に逃げながらクリザリッドに電話している。
なお、天の助の方は
「あれ…?」
泣き止んで、頭を上げると一人で取り残されて堕天使レイナーレに見向きもされずに置いてけぼりにされていた。
*****
刑具
敵に近づけば近づくほど、敵の神経や感覚を遅らせる。悪魔だろうと天使だろうと、敵が上級であれば効力は強くなって行き、感覚器官を急速に減少させることができる。だだし、減少は近づいた時の場合で、離れると元の状態に戻る。
効力を例えで言うならば、ゴールドエクスペリエンス(痛みがゆっくりとやってくる&相手の感覚を鈍らせるだけ)の弱いバージョン。トドメを刺すときは変形して、神器の所有者が残酷な処刑方法を考え、形を変える。
対人戦で効果を発揮する刑具だが、遠距離での攻撃や罠の対策などの多様性は皆無。
普段の形はメリケンサックになっており、リーチが短い。
対策を知っていれば、原作一誠でもドラゴンショット一発で沈められる。
こんな弱い神器を持っている理由は、転生ではなく地獄からの脱獄だからだ。そのため、転生における特典は一切もらってない、