Q.転生って? A.ああ、そこってARC-V!? 作:ムラクモYP
あ れ は 嘘 だ 。
ちがっ、クリボーが勝手にデュエルシーンを先送りにしろって……。
次回には必ず入りますから……。(震え声
ところで、制限改訂が変更なしというのはコナミお前の仕業か?
キーンコーン、カン☆コーン
授業終了のチャイムが学校に鳴り響いて今日の授業が終わり放課後になった。
いやぁ、教科書無しで授業とかスリリングなことをしたぜ。
まあ、転生前は大学生だったから中学二年位の内容は教科書無しでもできたけどな。
とりあえず、教科書持ってきていないてことがばれなくて良かった……。見つかってお説教されるなんてごめんだからな。
そんなこともあり俺の精神的ライフはゴリゴリと減っていたのだが、妹と合流したとたんにライフアゲインした。
こんなことでDark Nightの恩恵を受けるとは驚いたなぁ……。
ちなみに今は、朝に妹と約束したとおり氷結界堂で甘味を買いに来ている。しかし、だ。
「何でお前らもついてきてんの?」
はい。俺と妹の後ろには遊矢、柚子、権現坂の幼なじみ3人がついてきています。
きっさまら、俺の妹とのハッピータイムをよくも……。
「え? 別にいいじゃない?」
「別によいだろう。俺もちょうど甘味が食べたかったのだ」
「俺もだ。 やっぱりエンタメには甘いものが必要だからな!!」
嘘だ!!と言ってやりたいところだが……
「いいじゃん、柚子お姉ちゃん達にはいつもお世話になっているんだからたまには甘いもの位おごってあげればいいんじゃない?」
くっ。 優香まで敵に回ってしまうとは俺に味方はいないのか。
「はぁ……。 わかったよ、電子マネーがいくらかあるはずだからな。 ただし!ひとり五百円までだからな!!」
学校についてデュエルディスクを確認してみたら驚いたことに電子マネーには七桁の数字が表示されていた。
恐らく俺の前世での全財産の総額なんだろうが、中学生が持つ金額じゃねぇよ。おいそれと銀行行けないじゃねぇか。
しかし、問題はもう一つある。それは、俺がLDS所属ということだ。いや、まだLDS所属だけなら良かったのだが俺の所属している学科が問題だった。
俺の所属していることになっている学科は、『総合実戦学科』という原作勢からしたら、「あっ……(察し)」となる学科だった。てか、こんな学科原作には無かった気がするんだが……。大丈夫かな?
「…ちゃん、お兄ちゃん!!」クイクイ
「うん?どうした優香?」
自然と優香と呼ぶのにも慣れてきたなぁ……。妹とは良いものだ……。
「どうしたの、ボーッとして?」
っと、いかんいかん。 あまりボーッとしてると『いつもの兄』ではないということがわかってしまうだろう。そうしたら優香の知る兄とは違う存在である『俺』が転生したことがバレてしまう。
それは、優香(お兄ちゃん大好きっ子)にとっては何よりも耐え難いことだろう。
だからこそ、今の『俺』は『優香の知る兄』を演じなければ。もしかしたらいつかバレてしまうかも知れない。そうしたらどうすればいいんだろうな……。こればっかりは決闘者の思考でも答えがでないしなぁ。
「おう。しかしまた、何で『氷結界堂』なんだ? 甘いものなら『ラヴァル村』とか『ⅣⅠ(フォーティワン)』とかにもあるのに」
ふう。事前に話の種を集めておいて正解だったな。甘いものが好きなんだろうと思ってあらかじめ調べてあったのさ!!ちなみに先の三つ以外にも洋菓子専門店『マドルチェシャトー』や北欧の伝統料理を扱っている『ラグナロックック』とかもあったりした。
「お兄ちゃん知らないの? 今日は氷結界堂でデュエル大会があるんだよ。 なんとね、優勝すれば氷結界堂特製の『氷結界の盛り合わせ』が景品としてでるんだよ!!」
なにその禁止や制限たち規制組みの集まりは、どう考えても悪さしかしてない奴らじゃねぇか。最近では影霊衣とかいうコスプレ集団にも取り込まれたし。影霊衣は手札誘発をつけなくて良かったのになぜつけたし、コンマイぇ……。これも全部、ドン・サウザンドって奴のせいなのか!!絶対ゆるさねぇぞ!!ドン・サウザンド!!
「……なんか、腹こわしそうなほど冷たそうだな」
主に、効果テキスト的な意味で。
「それでね、参加には300円以上のお買い物が必要なの。私はあの『ドゥローレンのシューアイス ~バウンスパックを添えて~』がいいな」
優香が手にした物は一見ごくふつうのシューアイスかと思ったのだがドゥローレンの焼き印が押されたシューアイスの下に袋に入ったカードが見えていた。
ああ、ここは商品にカードがついているんだな。さすがデュエルで世界が滅ぼせたり時空を超えたりできるだけあるな。
「じゃあ、私はこの『舞姫のシャーベット ~バウンスパックを添えて~』にしようかな」
「俺は、『伝道師の大福 ~蘇生パックを添えて~』にしよう」
「ふむ。なら俺は、『武士の最中 ~ドローパックを添えて~』にするか」
それぞれが思い思いの品を選んでいる中俺は、ふと片隅にポツンと置いてあった一つの紙袋を見つけ出した。値札に500円としか書いてなく、なにが入っているのかはわからない。と言うか、『福袋』と書いてあった。中身は何なのだろうかと軽く振ってみるとカサカサと軽い音がしていた。恐らくカードが何枚かと飴か何かが入っているのだろう。
「そうか、お前もひとりぼっちなのか。ならおれが買ってやろう。ひとりぼっちは寂しいもんな」
どこぞの魔法少女のセリフを呟きながら紙袋を取り、優香たちの方へ向かう。そこで、みんなが買ったものを精算する。その場で俺たち5人分の大会の参加登録をしてデュエルスペースにもなるテーブルスペースに移動する。そこで、俺たちは各々と買ったものをパクついた。ちなみに福袋の中身は予想どおりブルーハワイの飴ちゃんだった。しかし以外にこの飴、普通の飴とは違い途中から味が変わったのだった。最初はブルーハワイ、その次にはイチゴと変わっていった。そういやあ、飴の中に赤い色がしていたと思ったらあれはイチゴの部分だったんだな。
そんなこんなでみんなが甘味を食べ終わったら、付属していたパックの開封に移っていった。
「あ、私は強制脱出装置だ。ちょうど欲しかったからちょうど良かった~」
「私も優香ちゃんと同じだったわ。汎用性の高いカードだから良いわね」
「お、俺は死者蘇生だ。そう言えば、蘇生系のカードを入れてなかったからこの際入れてみるか」
「俺は、カードカー・Dだ。俺のフルモンスターデッキと相性は最高だ」
みんなはそこそこいいカードがでているようだった。さて俺のはどうなのだろうか。
「俺のはなにが入っているのかなぁ……、みた感じ三枚入っているみたいだな」
スリーブの中には三枚のカードが入っているのがわかった。せめて、使えるカードにしてくれよ。
「えーと、一枚目はと……ブリューナクのシークレットか。禁止カードじゃねぇか」
はい。一枚目は禁止カードのブリューナク=サンでした。
「気を取り直して二枚目にいこう……」ガクガク
「お、お兄ちゃん。震えてるけど……」
「ばっか、これは武者震いだ……(震え声)」ブルブル
「あーうん。わかったから早く次見てみなさいよ」
「ああ。えーと、二枚目は……グングニールの、シークレット……。うん、まあ、使えるんだけどねぇ……」ションボリチュア
ドーモ、グングニール=サン。
……さ、次行こう。
「ああ!お兄ちゃんが、うつろな目になっちゃった……」
「HAHAHA、ダイジョウブダヨユウカ。ナンノモンダイモナイヨ」カタカタ
「こりゃあ、重症だなぁ。柚子、あれを」
「うん。ほら、戻りなさい遊一!!」スパーン!!
鮫の一閃ならぬ、柚子の一閃が俺を襲う!!
「っと。あぶねぇ……。はっ、俺はどうしていたんだ」
なにやら、闇磯野が向こうで手招きしてたきがしたんだがうん。気のせいだろ。
「良かった……。お兄ちゃんが帰ってきたよ」
「ああ、ただいま優香」ヒシッ
「お帰り、お兄ちゃん!!」ヒシッ
俺と優香が抱きついていると、
「そこの二人離れないと変な目で見られるわよ。と言うか、見られているわよ……」
柚子の言葉をきいて周りを見回すと、なぜか俺は睨まれていた。しかも、「なんであんな奴があんなに可愛い妹がいるんだ……」や「俺もお兄ちゃん!!って呼ばれてぇ……」、「リア充爆発しろ」などという声が聞こえてくる。おい、最後のはヨスガるからアウトじゃねぇか。
「ゴホン。じゃあ、気おとりなおして最後のカードは何かなーと……ト、トリシューラ!!??」
ドーモ、トリシューラ=サン。
……アイェェェェ!!ト、トリシューラ!!トリシューラナンデ!!??
しかも、シークレットじゃねぇか!!やったよ、ハルトォォォォォォォ!!!!
「え!? トリシューラって氷結界堂のオリジナルモンスターじゃない!?」
「確か、氷結界堂100周年記念に発売されたオリジナルパックの看板モンスターだよな」
「ああ。だが、あまりにも低い封入率のせいで手にした者は数少ないと言われていたな」
なるほどね。この世界ではトリシューラは販売直後のような状況なのか。
当時は本当にすごかったなぁ……トリシューラ三体はしゃれにならない……(白眼
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「えー、これから氷結界堂デュエル大会を開始します。参加の方は番号が書いてあるカードを持ってフリースペースまでお越しください。コールを始めま~す。
まず、一番と二番の方はこちらのテーブルで、続いてーー」
みんなで開封したカードを本にデッキ構築を練っていたら店員の兄ちゃんがコールを始める為にフリースペースに入ってコールを始めた。そういや意外と時間過ぎてたなこれだからデッキ構築を考えるのは楽しいんだ。
「お、そろそろ始まるようだぞ。みんなは何番なんだ?俺は16番だが」
「私は、10番ね」
「俺は、7番だな」
「うむ。俺は9番だ」
ふむ。てっきり番号が続けざまかと思っていたが思いの外そうでなかったみたいだな。
まあ、下手に身内と当たるよりかはいろいろな人と当たった方が楽しいもんな。
「あれ? 優香はどこいったんだ? もしや、誘拐か? セキュリティ、セキュリティはどこだ!?」
ふと周りを見るとそこには愛しのマイシスターがいなくなっているではないか。
あれだけかわいい妹なんだ、黒咲さんじゃなくてもシスコンになるはずだから、他人から見たら相当美人、妹じゃなければおっ持ち帰りぃ~~したくなるはずだ!!そんなことは絶対にさせねぇぞ!!どこ行ったんだ、優香ーー!!
「遊一!! 落ち着けって、優香ならもう番号呼ばれてテーブルに向かっただけだよ」
え? 本当に、どれどれ……。 あっ、本当だ。 こっちに愛くるしい笑顔で手を振っている。 さっきのコールのすぐからでたところを見るとおそらく優香は一番か二番だったのだろう。さすが俺の妹、世界一可愛いよ!!
「ああ。 良かった。 誘拐されたわけじゃなかったか……。」
「相変わらずのシスコンっぷりね……。 知り合いじゃなければドン引きしていたわよ」
「優香が可愛いから別に引かれても構わん。 ただ、優香に引かれたら軽く絶望するがな……」
「はいはい。 せいぜい引かれないように努力なさい。 じゃあ、私たちも呼ばれたから行くわよ」
そう言って、柚子はテーブルに向かっていった。一応応援しておくか。
「おう。 頑張れよ」
手をあげると向こうも軽く手を振って答えた。
さて、俺のコールはまだかなぁ……。