霊界の魂霊   作:HASE36

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立ちはだかる脅威

翌日

鍛錬場に朝早くから結人は訪れていた。

 

封龍『いいか。ワシの霊力と主の霊力を練り合わせそれを波のように外に流し出す。ワシの能力の1つとして特殊感知が宿っている。ワシの霊力に触れたものを自動にマークし、そのマークした敵に必然と主から放つ攻撃は磁力に引かれるように攻撃が導かれる』

結人「、、、」

封龍『どうした?』

結人「凪沙が心配なんだよ。アイツ今頃混乱してるんじゃねぇのかって」

封龍『ルームメイトというのが昨日迎えに来てくれたのだろう?。ならいいではないか』

結人「だから違うんだって」

封龍『ワシには理解しがたいことだな。他人を気遣うなど』

結人「ドラゴンには理解できねぇよ」

封龍『ふむ』

 

するとそこに花がやってきた。

 

花「あ!。結人くんだ!」

結人「あ。た、確か、、、めっちゃ食ってた」

花「、、あのさぁレディーの名前くらい男は一回で覚えるものですよ!」

結人「んな決まりねぇだろ、、、」

花「やれやれ。モテませんぞそんなんじゃ」

結人「うるせぇよ。もっかい教えろよ」

花「日向花だよ」

 

花はベンチに腰掛けた。

 

結人「、、、日向は何しに来たんだよ」

花「鍛錬をしに来たんだけど結人くんいるしいなくなるまで待ってようかなーって」

結人「別に気にすんなよそれくらい」

花「そう?。へへ、じゃあやろっ」

 

花は丸太の前に立ち、大勢を下げ腰に力を入れ、拳を振り下ろした。

 

ズガァァァァァァン

 

その拳からとてつもない破壊力が満ち溢れ、花の周りに吹く風を弾き飛ばした。

 

結人「な!?」

花「えへへ。すごいでしょ?」

結人「お前、ちっこいクセに力あるんだな」

花「一応鍛錬だからこれくらい序の口だよ?。4割くらい」

結人「4割!?」

 

結人の驚いた顔を見た花はニヤニヤと笑みを浮かべた。

 

花「あれれ〜。結人くんって意外と私より弱いのかなー?」

結人「はぁ!?。馬鹿じゃねぇの。俺だって本気出せば」

花「じゃあ私と組手やろ!」

結人「組手?。女相手に?」

花「手出したくないらしい私の攻撃を3分間全部躱しきったら結人くんの勝利。どう?」

結人「、、、わかった」

 

花は体をウズウズさせて結人と距離をとった。

 

結人(さすがに負けねぇだろ)

封龍『、、、いや。あまり甘く見ない方がいいだろう』

結人(それはしないわ)

封龍『いや。要注意という意味でだ』

 

結人は表情を険しくさせた。

 

花「せーのっ!」

 

地面を蹴ると結人との距離を一気に縮め、空中で回し蹴りを披露した。

結人は振り下ろさせる足の動きに合わせて腕でダメージを受け流しながら受け止めた。

 

結人(くっ、、、けど重い!)

花「へへ」

 

花は両足でその腕を挟み、結人を宙に振り上げた。

 

結人「なっ!」

花「行くぞーっ」

 

花は飛び上がり結人に拳を向けた。

結人は受け止めた。

 

花「むっ」

結人「簡単にはやらせねぇよ!」

 

今度は逆に結人が花の腕を掴み、下に振り投げた。

 

花「わっ!」

 

花はしっかりと着地した。

 

花「少しはやれるね」

結人「俺だってこの世界で頑張ってんだ。負けてられるかよ」

花「ふーん。結人くんはどうして強くなるの?」

結人「なんで?」

花「死にたくないから強くなるの?。勝ちたいから強くなるの?。それとも弱く見られたくないから?」

結人「、、、護るためだ。今はどこにいるのかわかんないけど俺は護りたい奴がいる」

花「、、、ある人」

結人「その為に死ぬわけにはいかない」

 

花は口を尖らせ眉をしかめた。

 

花「そういうの私にはわからないや。私はいつも護られてた側だったし」

結人「護られてた、、、ってその強さでか?」

花「この見た目じゃん。強くみられないでしょ?」

結人「はは。確かにそうかもな」

花「むっ。結人くんにはわかりませんよーだ」

 

花はムスッとしてその場を立ち去った。

 

結人「、、、ほんとに何なんだよ」

その同時刻、デーモンのアジトではある動きが始まっていた。

 

デーモンの手下達は青光りする洞窟の中で高さ3mほどの謎の巨大な結晶石に邪気を注いでいた。

 

マチス「いいか。冬には摩天楼は必ず動きを見せている。冬を待っていては遅いんだ。全力で氷結晶に邪気の注入を努めろ」

 

マチスの後ろで長椅子の上にあぐらをかくガーゴの姿があった。

 

ガーゴ「三ヶ月で国一個分のマイナス霊子を集められっか?」

マチス「これ以外に何がある。この世界の気候の変化は全て一緒だ。ここが冬の時には世界も冬だ」

 

ガーゴはあくびをした。

 

ガーゴ「デーモン局長もこれにはよく賛成したなぁー」

マチス「合理的で馬鹿らしいが仕方ないだろう。摩天楼の10人のほとんどは我々2人と同等なんだぞ。早めに手は打っておかねばな」

 

するとそこに十闘士の1人が現れた。

 

マチス「No.3のアラスか」

アラス「B地区の軍が妖魔連合の2翼にやられたとの情報が入りました」

ガーゴ「B地区の軍って言ったら、、、俺の軍隊じゃねぇか!!。あ~にやってんだよぉ、、、たっく」

 

アラスがガーゴをチラリとみた。

 

アラス「部下が殺されたというのにヤケに呑気ですね」

ガーゴ「部下?。ちげぇよ。駒だ駒!。んなもんに気を配ってどうすんだよ」

 

アラスはガーゴに殺気を放った。

その異変に気づいたマチスがアラスの肩を抑え、首を横に振った。

 

アラス「、、、っ」

ガーゴ「命知らずの野郎だな」

 

ガーゴはだるそうに立ち上がった。

 

アラス「十闘士の下位組は全滅した。だが俺達はそうは行かせない」

ガーゴ「ふーん。まっ、期待しててもしゃあねぇから精々頑張れよ」

 

アラスは頭を下げた。

 

マチス「大丈夫だ。お前らなら我々の期待に応えてくれるはずさ」

アラス「、、、」

 

 

デーモンの王室にて

 

?「ここまでロードセンターの組織に十闘士のほとんどを消されるとはな」

??「くふふふ。いかがなさいますか?。デーモン局長」

 

そこには組織の名を刻むボス、両こめかみから生える角に眉間に生える一角が厳つく威圧感を出すデーモンの姿があった。

 

デーモン「所詮はクズだっただけだ。雑魚が集ろうが最終的には個の力だと思わないか?。ミハイル」

ミハイル「んくく。いやぁデーモンのその思想には敵いませんねぇ」

 

デーモンの傍らに就く紫色のローブを着る仮面の男ミハイルはニタニタと笑みを浮かべていた。

 

ミハイル「私は一度また現世へ戻りますので。しばし出ますね」

デーモン「好きにしろ」

 

ミハイルは時空を歪ませその中に入っていった。

 

 

新たな予感をさせる動きがあるのを知らずに結人たちはもう一つの謎に迫ろうとしていた。

 

夜のフロアリビング

 

結人「で、黒閖って野郎の正体暴いて何すんだ?」

朱雀「ここの組織から抜ける。もしくは打首だ」

凪沙「さすがに退職はさせられる可能性は無くはないけど打首は言いすぎじゃ、、、」

 

そこで意外な人物が反論を買った。

彩香「あんさぁ、、黒閖がやったことにロードセンター全体の落ち度として見られたくないわけよ。妖魔連合と関係があった以上、あまりいい答えがないのは知ってる。町の人はそれを組織全体の評価に繋げちまう」

朱雀「ふん。まさかテメェと意気投合する日が来るとはな」

彩香「、、、あぁ!?てめぇ見てぇなナポリタン頭と思考が一緒だぁ!?。冗談かますなボケ!。テメェはただ強いやつとやりてぇだけだろうが!!」

朱雀「ナポリタン頭?、、、よくわからねぇなぁ。ロン毛でもねぇしトュルトュルしてねぇだろぉが?。髪の色が赤いだけでそんな発想が出ちゃうのはバカが思いつくことだぜ?。ガキの中のガキンチョのな!!」

 

二人は額を押し付け合い火花を散らした。

 

結人(ダメ、、、こういうの藤堂とかならどうしてんだろ)

彩香「やめたやめたぁ!!。アタイは帰るよ!!。こんなナポリと同じ空気吸ってたら口の周りが脂ギッシュになって美貌が衰えそうだ」

朱雀「誰もテメェを目の保養として拝むやつなんかいねぇよ!!」

 

彩香はその場を退散した。

 

結人「、、、、、、え?。ほんとに帰った」

 

しばらく沈黙が続いた。

 

凪沙「は、はは。こんなことってあるんだ」

朱雀「3人で行くぞ」

結人(何このグダグダ展開)

封龍『人間とは不思議だな』

結人(この二人な)

 

そこにもう一人の人物が現れた。

 

花「おっきな声したから何かと思ったよ~」

 

そこに水玉のパジャマ姿でいかにも眠りの邪魔をされた感を出す花が現れた。

 

朱雀「よし、、4人になった」

結人「は?」

 

そして4人は黒閖の豪邸の前の木の茂みに身を潜めた。

 

花「そもそも豪邸に黒閖准佐のそういう機密情報あるのかな〜。絶対じゃないのに入るのって少し無謀じゃないかな?」

 

花は首を傾げると朱雀は得意気に物事を語り始めた。

 

朱雀「俺は今までどれだけの人間の情報を盗んできたと思ってんだ。もうここまで来ると勘なんだよ。とにかく行くぞ早く黒閖のマヌケた顔を見てみてぇ」

結人(、、、こいつそれが絶対本音だろ)

 

凪沙は真剣な顔で豪邸を眺めていた。

 

凪沙(あの中には私の秘密も何かが、、、でも私の秘密ってなに?。私自身わからないのにそれを知ったら私どうなるの)

 

朱雀は一瞬にして庭にいる3人の警備員を気絶させて木に戻ってきた。

 

結人「は、はえぇ」

朱雀「ほら行くぞ」

 

しかし黒閖は部屋で結人たちの動きは手に取るように把握していた。

 

黒閖(聞こえてますよ)

 

黒。閖は耳を澄まして館内の内部から外にいる結人たち、ましては庭の外だというのにその距離から的確に声を聞き当てていた。

 

黒閖「しばらくこのまま泳がせましょう。合図を出すまで向かわないでください」

?「、、、」

 

影で姿を隠す男がゆっくりと部屋を後にした。

 

そして警備員を速やかに気絶させ館内を歩いていた。

 

朱雀「なんだ。やけに簡単な構造してるな」

結人「豪邸いってもなんの仕掛けもないんだろ?。やっぱそこまでマズイものはないと思うぜ?」

朱雀「ん」

 

朱雀は足元に違和感を感じた。

 

朱雀「、、、」

結人「今度はなに?」

朱雀「ここの石畳みの床だけおかしくないか?」

結人「、、、あんまわかんねぇけど」

花「こういうのは神経質な朱雀くんにしかわかんないよ」

 

朱雀はその床を触った。

 

朱雀「、、、これ」

 

違和感を感じた石畳みの1個隣のをスライドすると

違和感を感じた石畳みの中は空洞でスライドされた石畳みはその中にしまわれ下を覗くと地下通の階段が続いていた。

4人は階段を下るとそこは血の臭いと、長机には4冊の古そうな本が置かれていた。

 

結人「くっさ、、」

 

結人は本を開いた。

 

結人「、、、?」

 

=覇皇魏獅=

覇王の雷、皇帝の権力

魏の風格、獅子の威感

この4頭の象徴。

 

結人「覇皇魏獅?」

凪沙「、、、こっちの本にはマザーのことが書かれてる」

 

=マザー=

世界に存在する唯一の封術師。

マザーの聖殿とされる、マザー教会。

古の血が再び還らんことを

 

凪沙「、、、ここにか書かれていない」

朱雀「邪神についても書かれているぞ」

 

=邪神=

世界の闇

次元を喰らう魔物

また次に現れるときはこの世界が食われるであろう。

世界の軸とされる鳳石が眠るエデンレベストの砦

そこだけは崩されてはならない。

 

朱雀「エデンレベスト、、、世界の軸」

 

花も適当に本を取り出した。

 

花「封龍と元龍?」

結人「、、、封龍」

 

すると結人の中で強い鼓動が脈を打った。

 

封龍『なぜワシらの存在がそこに印されている!?』

結人「えっ?」

 

するとサイレン音が館内に響き渡った。

それを別の部屋で聞いていた黒閖の手先の男は

 

?「合図か」

 

地下の4人には少し動揺した。

 

朱雀「気づかれたか!!。行くぞ!」

結人「花さっきの本は」

花「こ、これ!」

 

結人は花からその本を貰い地下を抜けた。

すると廊下のシャッターが次々と降ろされた。

 

結人「なっ!?」

凪沙「上へいこ!」

 

4人は近くの階段から階を上がり続けた。

 

朱雀(なんだこの違和感、、、。まるで誘導されているようだ)

 

黒閖は自分の部屋で地下での様子も全て地獄耳で聞いていた。

 

黒閖「君達は私が探し求めている謎を解き明かす駒にしか過ぎない。この調子で頼みますよ。まぁ、、勝手に侵入したことに関しては少しお仕置きが必要ですけどね」

 

4人は屋上に出た。

 

結人「ハァハァ、、飛び降りるか!?」

朱雀「それしか方法はないだろ」

凪沙「待って!!」

 

凪沙の声に3人は動きを止めた。

 

凪沙「、、、誰かいる」

花「、、、!」

 

館内のサイレン音が微かに屋上の外まで聞こえる。

4人が息が呑む先にいたのは、、、

 

結人「アイツ、、、」

 

結人が前に見かけた男子寮の屋根に座っている男だった。

 

結人「俺見たことあ」

 

結人は朱雀を見ると尋常じゃない汗の掻きようだった。

 

?「、、、4人か」

 

朱雀は息を吐いた。

 

朱雀「、、、アイツは兆弥彦(キザシやひこ)。恐らく俺達の代で宗介と同等に張れるのはアイツくらいだ」

結人「!!」

 

弥彦は常時鋭い眼差しで4人を見続けた。

 

弥彦「何もしないなら殺していいか?」

 

弥彦から漲る霊力は冷たく重く、汗が逆さに登るほどだった。

 

結人「なっ!!」

 

ゴゴゴゴォォォォ

 

思いもしない強敵が4人の前に立ちはだかるのだった。

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