早朝
結人達のロードセンターの本拠地、赤雛区から車で30分走り
微風連絡網という港についた。
水平線にまだ現れない陽の光が沿って光る。
凪沙「もし十闘士と戦闘になった時。実力はきっとこの前襲撃してきたNo.10、9、8よりも上の実力を持つわ。その下回る今の三人にさえ一人一殺でギリギリだった。必ず一人ではやらないこと。わかった?」
賢二「短期決戦されるのは俺が困るしな。俺の特殊スキルからもしても。俺は出来ればここにいるチームで結成して戦いたい」
結人「俺は別にどっちでもいいけどよ」
するとそこに朱雀が現れた。
朱雀「まっ、何人来ようが十闘士は束でいてくれりゃそれでいい。これから探していくのは面倒だ」
賢二「はは。朱雀はそこらの奴とは格が違うからな」
4人は船の前に立った。
そこに船の操縦士でありロードセンターの海上兵士として働く
橋本武(はしもとタケシ)が船から出てきた。
武「ようテメェら!。集まったならさっさと乗りな!!。全力で行っても2時間は掛かるからよ。チンタラはしてらんねーぞ」
凪沙「お願いします。それじゃみんな乗ろ?」
そして結人達一行は暫しの間、船の中での時間を過ごした。
結人は船の後に出た。
結人「すげぇ。なんか海賊になった気分」
賢二「あはは。大袈裟だぞ結人」
賢二も外の空気を吸うため結人のところにやってきた。
結人「賢二?」
賢二「いい風だな」
結人「そうだな、、」
空にはカモメが飛び交っていた。
結人「なんかいつの間にか俺はここで生きたいって思えるようになった」
賢二「、、、」
結人「生きてた頃は絶望に満ちてたからな」
結人は少し切なげな笑みを浮かべた。
無表情だった賢二は暫くして微笑みを浮かべた。
賢二「誰だって辛いことは一つや二つあるけどよ。死んだら全ての荷物が降ろされてすごく軽くなるんだろうな、、、って思ってた」
賢二は波の音に耳を澄ました。
賢二「俺達は自分達で幸せを壊すしかなかった。それ以外に方法はないから。だから俺達は死で償おうとしたけどよ、、、」
賢二は結人の顔をちらりとみた。
賢二「自分のエゴだった。ホントは生きることが何より辛くて逃げてただけなんだよな」
結人は賢二の放ったその言葉が胸に深く刺さった。
賢二「生きることが本当の罪償いだなんて考えもしなかった。きっと心の中ではその答えに気づきながら、、知らないふりをしてたのかもしれない」
結人(、、、そうだよな。俺は逃げてた。死んでから気づくなんてな)
賢二は結人の肩をポンと叩いた。
賢二「まっ!人生生きてりゃ色々あるさ」
結人「、、、」
賢二「それはここでも同じだから。ここではしっかり生きていこうぜ」
結人「ああ。ありがとう」
賢二「んじゃ少し寝てくるわ」
賢二はいなくなり、静かに潮風は結人の体を通り抜けた。
そして時間は経過し船は密林に辿り着いた。
鳥の鳴き声が孤島に鳴り響いた。
結人「湿気が凄いな。ほんの数時間でこんな気候が変わるなんてな」
凪沙「地面も泥濘んでる」
朱雀は霊力を感知しようとした。
朱雀「、、、だめだな。面識のない奴等の霊力は感知できないが、少し感覚に厚みがある。これは空中に舞ってる霊力じゃねぇ」
皆は警戒し始めた。
朱雀は同時に1つの霊力に気づいた。
朱雀「コイツは」
賢二「気づいたか?。まずは昨日話した目撃者に会う」
結人「トレジャーっていう?」
賢二「ああ。藤堂宗介(とうどうソウスケ)ってんだ」
舵の武は船に残り、4人は密林の丘まで登り詰めた。
そこに緑色のテントがあるのに気づいた。
賢二「ここにいる」
結人「、、、」
すると草影が動き、何者かが刃物のような物を突きつけ向かってきた。
結人「魔人か!?」
賢二「いや!」
賢二は前に立ち大刀を装備し、相手のサバイバルナイルと交えた。
?「腕は落ちてなくて安心したよ」
賢二「半年振りか、、、。もっと会えるのはずっと先だと思ってたけどやっぱ世界はちっちぇな」
結人はそのやりとりを見て相手の正体がすぐにわかった。
結人「もしかしてこの男が」
クリーム色の少しパーマ掛かるマッシュヘアーで赤いヘアバンドをし
タンクトップに丈夫な革のジャケット、野生のハンターのようなとても軽躁な格好をしていた。
宗介「話は聞いてるよね新人くん?。僕は藤堂宗介。よろしくね」
トレジャーと聞いてどんな人間かと思いきやとても穏やかな美青年だった。
結人「ゆ、結人、、よろしく」
凪沙「藤堂くんはすごいよ。エリートクラスに任命されて、そこから更にスキルの進化でエリートでは括れない存在になって今では佐官クラス。ロードセンターで数少ない逸材。その特別性もあって藤堂くんに関しては上の者はフリーに動かしてるの。当然、月に一度は自己報告はするらしいけど」
結人(じゃあ皆から散々褒めやかされてる朱雀よりもすげえのか?)
朱雀は少しムスッとしていた。
宗介「けど僕の身勝手さにさすがの賢二も怒ったかと思ってずっと連絡できなかったんだよね。自体が自体で賢二もちょうどデーモン調査団関係で動いてるしさ、一か八かと思って連絡したんだけど、怒ってなくてよかった」
賢二「ばぁか。むしろ応援してたっての。トレジャーなんて早々いねぇしな。それよりキレてんのは他にいるってことわかってるよな?」
宗介「、、、いつかは謝るよ」
宗介は少し深刻そうな顔を浮かべた。
結人「?」
一行は日が暮れるまでアジトを探していたが中々見つからず
そのまま夜になり、丘から下を見下ろし魔人がいるか見張っていた。
体制は交代形式で3組に分かれている。
1組2時間の見張りで4時間の仮眠がとれることになる。
賢二、宗介が最初に見張りをしていた。
そうして2時間経ち結人と凪沙が出てきた。
結人「ありがとな。寝ていいぞ」
賢二「ふぁ〜。依然変化なし。旧アジトの場所知りてぇのにこれじゃなぁ」
宗介「夜は仕方ないさ。朝になればまた散策しよう」
そうして結人と凪沙は丘から下を眺めていた。
凪沙は毛布を体に包めた。
凪沙「さ、寒いね」
結人「ああ、まさかここまで寒くなるとは思わなかったな」
凪沙「、、、」
凪沙は目をうつろに首をカクンと揺らしていた。
結人「俺は中途半端な時間だよな。どうせなら一気に4時間寝てたいのに」
凪沙「ぁ、ぅん」
結人「、、、眠いのか」
凪沙「そんなこと、、ない」
凪沙は体を丸くして震わせていた。
結人(、、、か、かわいいな)
凪沙「!、、なに」
結人「な、何でもねぇよ」
凪沙は結人をじっと見つめていた。
凪沙「変なこと考えないでね。私いましっかり見張ってる最中なんだから」
結人「へ、変なこと考えてないって!」
凪沙「どうだかー」
結人「大体なんだよしっかり見張ってるって、、意識飛びそうな奴がよく言えるな!」
凪沙「わ、私は眠くなどなってない!!」
結人「あ!。急にかしこまった!図星の証拠だ!」
凪沙「なっ!、、、ン」
凪沙は地べたに寝転んだ。
結人は凪沙に上着を貸した。
凪沙「ぇ?」
結人「それだけじゃ風邪引くだろが」
凪沙は結人の横顔を見つめた。
結人「、、なんだよ」
凪沙「、、人を好きになるってこういう時なの?」
結人「あ?、あぁ!?」
結人は顔をしかめた。
凪沙「人ってどういう時に好きになるんだろうなって思って」
結人「わ、わかんねぇ。けどあんま考え過ぎんなよ」
凪沙「、、、え?」
結人「お前には似合わな過ぎの感情だからよ!」
結人はからかうように凪沙に言った。
凪沙「なっ!。べ、別に考えたっていいじゃんかバカ!!」
結人「ははは」
見張り終了10分前、二人の間に再び沈黙が続き凪沙はまた眠そうにしていた。
凪沙「今から、、しりとり、、ね。、、、、、、りぼん、、、つぎ結、、人」
寝ぼけているように凪沙はしりとりを始めた。
しかし頭が回らないせいかリボンっと言い、自らしりとりを終わらせてしまった。
結人(、、、こいつアホか)
すると結人は密林の中に何かの影が見えた。
結人「!!。今のは」
そこに朱雀がテントから出てきた。
朱雀「少し早いけど休めよ。あとは俺が」
結人「何か人影みたいなのが見える!」
朱雀「んだと?」
朱雀は丘から見下ろした。
朱雀「二人か?」
結人は賢二と宗介を起こしに行った。
丘に皆が集結した。
結人「奥に向かっていったな」
宗介「あの奥は岸壁に覆われた祠で行き止まりだ。まさか隠してたのか」
皆が集まったその時だった
海の方で爆音が鳴り響いた。
朱雀「武のところじゃねぇか!!」
実はその数分前、朱雀の携帯に連絡が入っていたが気づかず今まで放置していたままだった。
朱雀「ちっ。おい聞こえるか武!!」
すると少しのノイズが聞こえたあと武の声に変わった。
武「はぁはぁ、、十闘士の、、二人がこの島に来てる」
朱雀「んなの想定はしてたことだ!。テメェは無事なのかって聞いてんだ!!」
武「俺は無事だ。船を避難する為には1回島を出た。いいか。俺が戻るまで深追いはするな」
朱雀は連絡を切った。
朱雀「ここまで十闘士の動きをよんでいるのもロードセンターの組織だと相手も感じてるはずだ」
宗介「なら。向こうもいち早くこの場の用を済ませて帰還したいはずだ」
凪沙「行くなら今行くしかないわね」
結人は丘を駆け降りた。
結人「なら行くしかねぇだろ!!」
賢二「たく。、、、やるしかねぇか」
一行は先へ進んでいった。
その頃、道を進むデーモン達は
?「おいセブン。ここら辺だったよな」
セブン「シクス。場所くらいいい加減覚えろ」
すると二人の場所にもう一人の魔人が現れた。
??「さぁ行くぞ。ここに我々が隠した邪神の刻印がある」
シクス「闇の波動に満ちたこのアジトをわざと捨ててロードセンターからの目を外させる。そうして放置され続けたこのアジトは隠された刻印とってはゆっくりエネルギーを吸収できる癒やしの場となった。流石だよな」
セブンは岩壁の前に立ち、剣で衝撃を与えた。
すると岩壁は奥に引き込まれ地下へ進む道が現れた。
セブン「行くぞシクス。そして、お守りさせていただきますマチス様」
マチス「我々の存在より上などないとロードセンターの輩に教えてやる時だ。そして、、何より摩天楼にな」
結人達は道中で十闘士の手先と戦闘になっていた。
結人「邪魔だぁ!!」
結人は固有スキルの技、龍炎の際を発動した。
凪沙「こんなところで使わない!。本命の前にバテるでしょ!?」
結人「くっ!」
朱雀が皆の先頭に立った。
朱雀「なら一瞬で塵にしてやらぁ!!。雷光!!」
敵の群れの間を閃光の如く通り抜け、一人残らず蹴散らした。
結人「す、すげぇ」
宗介「半年と比べて格段に速くなったけど光刃の異名を持つにはまだ遠いかな?。見た感じ結構制御出来てないところも見れたし」
いちゃもんをワザとつける宗介に朱雀は不審な目で睨んだ。
朱雀「こっから調整すんだろうが。それに殺気のねぇ戦闘に全力出そうたって出せねぇよ。もっと死に際の戦いに俺は強くなれる」
結人(この二人の力の次元がもう違うのか?。当たり前に今の動きを見極めてた藤堂は何者なんだよホントに)
賢二は周りを見渡した。
賢二「ここにはいない。やっぱ足止めでここにいる奴等を配置させたのか」
そして先程まで結人達がいた丘のところでフードを頭に被る男が立ち、丘からでは見えることのできない結人達の光景を目に映し眺めていた。
?「デーモンってのはロクな部下も作れないのか。哀れだな。例の十闘士の実力を見てもそう。僕の手下より明らかに低劣なものだ。いらないんだよな」
もみあげの髪の毛をくるくると指でいじり、舌打ちをした。
?「死んでもらうよ」
男の目に映る場にいる結人達は倒れている魔人の群れから感じる霊力の膨張に気づいた。
結人「こ、ここに来てまだ何があるのか!?」
賢二「い、いや。完全にさっきまでの奴等が抑えられる霊力じゃない!。まるで力強くで引き出されているようだ!」
宗介は全員に呼びかけた。
宗介「まずいぞ、、、この魔人の肉体爆発する!!」
凪沙「!。皆引いて!!」
皆はそれぞれその魔人の死体から離れていった。
ゴォォォォォォ!!!!
爆発は規模を広めていき、その地響きにより、地面が崩れ落ちていった。
結人「なっ!」
凪沙「結人!!」
落ちる結人の手を凪沙が掴んだ。
結人「バカ!。俺はいいから逃げろ!!」
凪沙「でき、、なぃ」
ガガガガガガ
賢二「ダメか!」
地割れによりそれぞれが落下しバラバラに逸れてしまった。
しばらくして爆発は収まったが、島に大きな傷跡を残してしまった。