面倒くさがりやの異世界道中   作:黒月雫

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ギリギリですが、出来たので投稿します。
踏み台転生者の雰囲気が少し出てたらうれしいです。
それでは、どうぞ!



勘違いされた?

 

よし、きちんと現状を把握しよう。

地面に転がっている体に穴が空いて明らかに絶命している化け物。その隣に立つ右腕が血に染まった化け物状態の自分。周りには多少とはいえ存在する戦闘痕。

 

明らかに化け物と化け物が殺しあった状態だな。事実だから仕方が無い。

 

しかし、どうしようか。この状況を弁解したいとは思わないがしたとしても面倒な事が起きそうだ。能力を問い詰めたりとか勧誘とかストーカーとか……。かといって、このままだと第二ラウンド行きそうだし……。

 

 

「部長、あ…あの黒い化け物がバイザー、ですか?」

「いえ、そこに倒れている悪魔がバイザーよ。あれは報告にはないわ」

 

 

怯えているように見える兵藤が私を指差しつつグレモリー先輩に聞くと、グレモリー先輩は困惑しながら答えた。というか、人に指差すな、人のことをあれ言うな。他の御一行様メンバーも困惑しつつ警戒している。私の出方を疑っているのか?面倒だ。早く帰りたいから渡そう。

 

小さく溜め息を吐いて胡乱げに睨みつけると、一斉に警戒を上げた。そんな雰囲気を無視して襲ってきたはぐれ悪魔の死体の片腕を掴み、グレモリー先輩御一行様に向かって軽く投げ渡す。まさかそんな行動を取ると思わなかったのか、反応は遅れたもののすぐに避けて死体の下敷きにはならなかった。ただ、一人の馬鹿が暴走した。

 

 

「イレギュラーは死ねぇぇぇえええええええええええ!!」

「ちょっ?!祐二!!止めなさい!!」

 

 

グレモリー先輩の言葉を無視して、いつの間にか持っていた黒い包丁を等身大くらいに大きくして柄が包帯のような白い布でまかれた武器で神谷が斬りかかってきた。他の御一行様メンバーもいきなりの暴走に驚いているようだ。だが、黙って斬られる気はない。そんなマゾではない。

 

私は右側にスルリと避け、振り下ろされた武器に対して回し蹴りして武器を吹き飛ばした。その後、流れるようにもう片方の足で斜め下から上に向かって顎を蹴り上げてさっきまでいた場所に飛ばした。

 

 

「あぐはっ」

 

 

……なんか奇声を上げて気絶したんだが、何がしたかったんだ?こいつ。ただそれがきっかけで、こちらの攻撃を見て武器取り出し始めたが。それが目的……なわけないか。単なる考え無しだろう。

 

何がしたかったんだ、こいつ。そんな雰囲気が流れたが、気を取り直したのか、グレモリー先輩と木場君が笑顔でこちらに一歩近付いた。

 

 

「こちらがしたことは謝るわ。でも、悪いけど、私達についてきてもらえるかしら?」

「ここは部長の管理する土地なんだ。大人しく来てくれないかい?」

 

 

……馬鹿か?謝る気配が一切無い人達に着いていく訳ないだろう。馬鹿が襲いかかってきたのにカウンターしたのだって一応正当防衛に入る……はずだ、うん。

 

人間の時の姿だと眉間に皺がよっていただろうと思いつつ、ちらりとグレモリー先輩御一行様の様子を今度はきちんと確認する。さっき交渉してきたグレモリー先輩と木場君は笑顔だがこちらを上から嘲るような目で見ているな。注意人物はさっきの馬鹿の行動に唖然としたまま。塔城さんと姫島先輩は私を見てカタカタと震えている。最後の二人は本能的な恐怖が原因か?それでも誘いを止めようとしないのは何でだ?まあ、どうでも良いが。

 

さて、観察してみても結論がどうでも良いだから、私は彼らに良くも悪くも興味を持たなかったということだろう。なので、いい加減早くしないと士郎に叱られてしまうから帰ろう。これ以上考えるのも面倒だ。

 

私は翼を広げて辺りに土埃を多量に舞わせるように羽ばたき、一瞬で雲の中に身を隠した。多分下では私が消えて驚いているだろうが。オレクシスの姿のまま私は町に向かって隠れながら飛び、自宅の庭が真下にきたと同時にフュージョンを解いた。完全に飛ぶ術を失った私が重力に従って落ちていく。そのまま士郎の時と同じように池に落ちるかと思った時、横から何かに抱えられた。分かっているが。

 

 

「帰りが遅いと思ってたら……何危険な事してんだよ」

「空中命綱無し安全対策無しのバンジージャンプ?」

「それバンジージャンプ違うから。ただの空中落下だ」

「そうとも言うな」

 

 

言った途端頭の上に拳骨が一発落ちてきた。何で毎度毎度殴られるんだ?ハァっと溜め息をつきながら私を助けた拓人がゆっくり地面に降りていく。そのまま空中散歩も気持ちいいだろうとかなりどうでも良い事を思いながら、遅くなった理由を言った。

 

 

「はぐれ悪魔らしき物体…でいいのか?そいつを殺したらグレモリー先輩御一行に会ってなんやかんやあって帰るのが遅れた。すまない」

「ちょっと待て。帰るのが遅れたのはそんな理由なら仕方ないが、もっと詳しい説明頼むわ。なんやかんやもそうだがそもそも何ではぐれ悪魔を殺すことになったんだよ」

 

 

こういう時は確か……

 

 

「ツッコミおつ……?」

 

 

だったか?

 

 

「ツッコミ乙……じゃねーよ!てか、知ってて言ったって感じじゃ無かったな!誰に教えて貰ったんだよ!なんとなく元凶分かるけどな!」

「ルナだな」

「ヤッパリか!何覚えさせてんだ、あの愉快犯んんんんんんんんんんんんん!!」

「で、話すの面倒だから説明しなくてもいいか?」

「ダメだからな!」

 

 

……今日は災難か?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、何で途中から俵担ぎを姫抱きに変えたんだ?腕きついだろ」

「その方が担ぎやすいし顔見れるだろ?」

「いいのか……?」

「いいんだよ(ある意味役得だしな)」

「ならいいか」

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