今回は遥輝sideです。次からまた和哉sideです。
作者の事情で更新が遅れます。すみません。
それではどうぞ。
遥輝side
士郎から危険人物についての情報を教えてもらい、満場一致で関わったら直ぐに逃げるか一般人の振りをするという方針が決まった。けど、これまでの結果から絶対巻き込まれると思う。だって、漆姉さんって巻き込まれに行ってるようにしか見えないし。それで俺達が助けられてるから何とも言えないけど、あの体質治らないかな?
家族会議の次の日、学校に行くとなんか屑兄が動きにくそうに登校してきた。絡みに来なかったからいいけど、多分全身傷だらけだよな?一日であんなに怪我するとか……喧嘩か?いや、しないか。外面良くしてる奴が疑われるようなことしないか。まあ、こっちに被害が無ければいい。
今日は俺とヴァーリが買い物当番だったため、学校がら帰る途中でスーパーによっていく。頼まれていた物を買い終え、学校での出来事について話しているといきなり殺気がきた。
2人でバッと振り返ると、へんなおっさんがそこにいた。厭な予感がしたのかヴァーリが一般人が入らないようこっそり結界を作る。臨戦態勢を取った俺達にニヤリと笑った。
「誰だよあんた」
「ふん、こいつらが神器持ちか」
「なんなんだこいつ」
「こいつという名前ではない。ドーナシークだ」
偉そうにふんぞり返るおっさん。悪いがちゃんと名前を聞き取れなかった。あとキモイ。
「ドーナツシーク?」
「ドーナシークだ!!」
「ドーナツだか常夏チックだかどうでもいい。俺たちに何のようだ」
「ドーナツでも常夏チックでもない!!……ゴホン、お前達に興味はない。が、神器持ちだと判れば話しは別だ」
呆れているヴァーリの言葉に反応するが、直ぐにペースを取り戻した。つか、なんで殺気に気付いた人間ってだけで変な勘違い起こすなよ。俺神器持ってない、と突っ込みを入れる前にドーナシークが光る槍を出現させる。それを見た俺達は携帯電話を取り出し、ソロモン王の鍵を起動させる。
「「【ゲイル】!」」
「死ね」
二人の地面に魔法陣が出現しその光が二人の体に染み込んだ。それと同時にドーナシークが投げるが、ヴァーリの神器で時間を5分止めて避ける。ヴァーリが殴りかかるが、ドーナシークはいきなり現れたヴァーリに驚きながらもバックステップで躱し、羽を出して空中に浮いた。
「何をした」
「俺達の速度を速めただけだ」
あとヴァーリが神器の能力使ったが手の内をこれ以上明かす必要はない。ていうか、
「お前、堕天使か」
「だったらなんだ」
「漫画とかに出てくるチンピラみたいだなっと」
「言動のことか?確かに俺もそう感じていたが」
「何だと!!」
「だよなー。俺達の街では不良って見なくなったから新鮮に感じる」
「それ、新鮮に感じるのは不味くないか?聞かれてたら保護者に怒られると思うぞ」
「それは勘弁」
「無視するな!」
ドーナシークがキレる。槍が速度を速めて襲いかかる。
だけどさ、少し速めた程度で姉さん達に毎日鍛えられてる俺達に勝てる訳ないから。ドーナシークが終わったと思いニヤリと笑うが、体を貫く感覚とブスッと刺す音が同時にきた。ドーナシークが後ろを向くと、俺が右手を手刀の形にして体を貫いたことに驚いている。
「なっ?!こんな……人間ご、とき……に」
「人間嘗めるな」
遥輝が右手を抜き取る前にドーナシークが一枚の羽に変わる。それを見てヴァーリが結界を消す。堕天使が死ぬと羽だけ残るらしいから大丈夫だろ。俺は鞄からタオルを取り出して血のついた部分を拭い、制汗シートと制汗スプレーで血の匂いを上書きする。ヴァーリが傍目で見つつ軽く地面についた血を砂で隠す。にしても、
「へー、堕天使が死んだらこんな風に変わるんだ」
「漆姉さんの性格うつったか?」
「そうか?」
「挑発が姉さんみたいだったな」
「したつもりないんだけどな」
だって考えてみろよ、と俺が一拍おく。
「神聖さとか邪悪さとか一切ないチンピラ擬きのいい年したおっさんが羽つけてるんだぜ……きもいコスプレだろ?だから早く羽を消して欲しかったんだ」
「あぁ、納得した。が、種族特有のものだから諦めろ」
「分かってるけどさ」
心底気持ち悪そうにする俺の言葉に想像したヴァーリが頷いた。そんな話しをしながら地面に置かれたままの買い物袋の中身が無事でいることを確認する。無事だったことにホッとしながら、ついでに落ちた羽を拾おうとした途端、魔力の流れを感じた。
「この感じ……魔法陣がここにでてくるな」
「不味いな。行こう」
姉さんの嫌う面倒事を避ける為、俺達は買い物袋を抱えて物が落ちないようにしつつ全力疾走で家に帰宅した。報告?きちんとしたぞ。危ない真似はするなって2人で1時間説教されたけどな!でも、1番巻き込まれる姉さんに言われたくない!!
第三者side
離れて10分後、二人のいた公園に魔法陣が発動し、そこからリアスが出てきた。
「あら、誰もいないわね」
魔力が確認されたのに、と怪訝そうに周りを見回すと二人が拾わなかった羽を見つけ、拾う。
「この羽……堕天使ね。羽だけということは誰かが殺したはずよね。あの化け物かしら?」
リアスが来たときには誰もいなかった為、これしか分からない。きちんと魔力を探れば何かの痕跡は辿れたかもしれないが、リアスがそれを思い付くことは無かった。
「でも、これを使えば少しは評価が上がるはずよね」
そう言いながら顔を紅潮させるリアス。ここに誰かいれば注意されそうだが、生憎誰も見ていなかった。
リアスの評価はこの町の管理を任されてしばらくすると徐々に悪くなっていた。当初は理由が判っていなかった。だか、はぐれ悪魔の討伐がきちんと成されておらず人間に被害が行っていること、不法に侵入されやすい状況を作っていることから管理を放棄していると考えられているということを知り、慌てて仕事をしはじめた。
遅れを取り戻そうとするも、何者かによるはぐれ悪魔の討伐によりなかなか評価があがらなかった。そろそろ管理者であることから外される危機に少し怯えていたところに堕天使の羽を見つけリアスはこう思った。これを使ってきちんと管理出来ている事を証明しよう、と。それがバレればもっと厳しい評価をつけられる事を無視して。
「早く帰って和哉に誉めてもらいましょう」
そう言って魔法陣でその場を後にした。漆達にとっては幸運なことに完全にその堕天使を誰が殺したのかという疑問も捨て去って。