面倒くさがりやの異世界道中   作:黒月雫

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今回は拓斗とヴァーリの話です。
それではどうぞ!


特攻しかけます!中編

拓斗side_______

 

俺は二人とは別の道を敵を斬り殺しつつ走り抜けていた。

 

 

三人で走ってた時よりも少ないから、二人のどちらか又は両方の道に敵が集中している可能性が大きいな。

 

 

初めての人殺しが無双状態になってるから少しはマシかと思ってたが、殺しに対する罪悪感が半端ない。少しでも思い出そうものなら吐き気が堪らなくなる。だが、立ち止まっている訳にもいかねぇ。

 

 

無理矢理気持ち悪いのを押し殺しながらも奥に辿り着くと、地下に続く階段が目の前にあった。灯りが点いてないせいで下が暗すぎて見えない。

 

 

「地下があるって事は、何かあるのか?ルナ、魔力をライト代わりに出来るか?」

「普通そんなこと考えないッスよ!」

「じゃあ出来ないのか?」

「出来るッス!」

「とっととやれよ!」

 

 

ツッコミと同時に宝石部分をギリギリと握りしめる。それに慌てたのかルナがチカチカと点灯した。

 

 

「痛いっ、痛いッス!やるから辞めて欲しいっス!!」

「分かったよ」

 

 

握りしめた手を緩めると、琥珀を暗紫色の魔力光が懐中電灯のように下を照らす。つか、俺の魔力光暗っ!だが、今の状況だと黒よりマシか?

 

 

「……マスター、横暴ッス」(ボソッ

「なんか言ったか?」

「な、なんでもないッス!早く行くっス!」

「そうだな」

 

 

ルナと軽い掛け合いを小声でしつつ慎重に降りていくと、幾つかの鉄格子が填まっている牢があった。地下牢かよ。

 

 

その牢の幾つかに横たわっている子供を全員で3人見つけた。辛うじて息はしてるな。

 

 

ん?てことは、奥の牢の天井に一つ子供が通れる位の穴があるがあれはヴァーリが逃げる為に出来たものか?どうやってあそこを爆発させたんだよ……。

 

 

って、いけねー。考える前にこいつら治療しないとな。

 

 

「ルナ、ソロモン王の鍵起動」

「ハイっス!漆さんがマップの英知の泉を起動したままなんで、終末の墓場を起動するっス!そこから紋章ビフロンを選択!いつでもいいッスよ!」

「またアプリを完全に閉じ忘れたのか。まあ、仕方ないか。一人ずつかけていくぞ?」

 

 

そう言って、一人一人に【キュアオール】をかけて全回復させていく。リリカルなのはでの回復魔法忘れたからこういう時重宝するんだよな。

 

 

一通り全員回復させて、ソロモン王の鍵とそのマップを閉じる。さて、

 

 

「回復させたのはいいが、これ、俺が運ぶんだよな?」

「……マスター、ファイトッス!」

「ちきしょー」

 

さっさと入り口まで運んで応援に行ってやる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴァーリside_______

 

俺はあの二人と別れてあいつらを殴り殺しながら先に進みながら思い出していた。

 

 

この施設で俺が物心ついた時には既にあいつらからまるで物を見るような目で、ただの実験動物の一つとして見られていた。俺と同じように連れてこられたやつも、多くは俺より年上だったが、来た当初からのやつもいたが目が死んでいた。諦めなかったやつも時間が経つにつれて気力を失ってそこに居るだけの存在になっていった。

 

 

だが、俺は諦めなかった。いつか目が死ぬ前に教えてもらった外の世界を、空を、海を、一度でいいから見るために。体を強化する薬を飲まされ、キメラや俺と同じ実験体と殺し合いをさせられながら、従順な振りをしつつ機会を伺った。神器の埋め込みに成功したこともあって、俺は不良品として処理されなかった。

 

 

そして、転機が来た!あいつらが俺を入れた牢屋の天井の一部が古くなっていた。そこにくすねてきた爆薬で作って隠していた爆弾を置き、近くに通っていた電気コードを千切り、そこから出る火花を使って導火線に火をつけ、爆発寸前に天井に向けて投げつけた。

 

 

狭い牢屋だったから少し爆発の被害にあったが、無事に穴が空き、羽を使って俺は外に出ることが出来た。俺は急いでそこから逃げた。一応成功作である俺を逃さない、表に出すな、というかのように見つかれば攻撃され、次第にボロボロになっていった。

 

 

それでも、外を走る事が出来る事実に俺は幸せだった。

 

 

そして、今日、一端休憩のためにいたあの場所であの二人と出会った。

 

 

あの家族は不思議だ。初対面で威嚇していた俺を強引ながらも治療し優しくする漆、呆れつつも俺を受け入れてくれた拓斗、戸惑う俺に笑いながら話しかけてきた遥輝。

 

 

少し前までいたあの空間とは比べられないほど温かい場所だ。こんな場所もあるのだと知れて良かった。

 

 

さらに、今、二人は俺の精算に付き合ってくれている。お人好しだ。本当に感謝しきれない。

 

 

クスリと笑いが出たが、周りは死体だらけだ。気にする必要が無い。二人が見ていたら頭が可笑しくなったか心配するだろうな。

 

 

そうして、俺は記憶していたあいつらの脱走口に辿り着いた。排水路にボートが置かれ、それに乗り込もうとしているのに気付きらすぐさま『停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)』を使う。時間が止まっている間に急いで近付き、ボートをぶっ壊した。

 

 

完全に壊れたと同時に時間が動き出し、乗ろうとしていた奴らがボートご壊れて居ることに気付き、目の前に俺がいることに慌てた。

 

 

「な、なんで貴様が!」

「私達の為に戻って来たのでは無いのか!」

「育ててやったのに恩を仇で返すのか?!」

 

 

は?

 

 

「誰がお前らみたいな屑の所に戻るか!俺はこれまでのけりをつけに来たんだ!」

 

 

そう言って、近くにいた奴らの内の一人に一気に近寄り、首をねじ切った。千切れた部分から勢いよい血が噴出する。そいつの背中から悪魔の羽が生えている。

 

 

こいつ、悪魔だったのか。最初に逃げていた奴らが人間ばかりだったから人間だけだと思っていた。

 

 

「ギャーーーーー!!」

「逃げるんだ!」

「俺が先だ!お前は退け!」

 

 

恐慌状態に陥った奴らが蜘蛛の子を散らすように逃げるが逃がすつもりはない。こいつらは全員殺すつもりだ。覚悟しやがれ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして、そこに生きている存在は俺以外そんなしなくなった。

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