面倒くさがりやの異世界道中   作:黒月雫

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少し遅くなりましたが、出来ました。
今回、あの人が出て来ます。

それではどうぞ!


愉快犯がやらかした

4人がこの家に馴染んできて5年が立った。私と拓斗は13才、遥輝とヴァーリが11才、昂と梓とクラウスが10才になる。後から見つかった3人はヴァーリの1つ下の年だった。

 

 

昂はよく私とお茶をするようになったし、梓はクラウスと一緒に公園で遊ぶようになった。……クラウスは泣きそうになるが。だが、遊ぶようになって少ししたらその公園で友達が出来たそうだ。報告された時は、盛大に家族全員で祝った。

 

 

修業ももちろんしている。私は女である故に少ない体力の向上を目指し、拓斗も魔法球を最大20個出せるようになったようだ。遥輝とヴァーリは共にライバル関係になってお互いに組み手をしている。

 

 

昂達も修業はさせている。どうやら3人とも眠らされている間に神器を入れられたらしい。そのため、コントロールを重点的にさせた。

 

 

昂は音姫の双鈴(ミューズ・ベルズ)といって、銀白色の反物に鈴がついているような神器だ。重さや大きさを自在に変えたり鈴の音波で相手の平衡感覚を狂わせることが出来る。

 

 

梓は灼熱炎舞(フレア・ダンス・インシデント)という銀の装飾がついている赤い棍。先に触れると爆発、衝撃波と同時に発生する数十個の火球に触れても爆発、という爆発の多い神器だ。幸い触れていても爆発するかどうかは自分で決められるようだ。

 

 

クラウスは排除の領域(デリート・テリトリー)という黒い金属のアンクレット。直径15メートルの範囲内の人に5倍の重力をかけたり、同範囲の影を操って攻撃したりする。

 

 

今考えても暴発したら多少では済まない被害が出てたな。今ではほぼコントロールが出来るようになったし、新たな戦術を試しに私達と模擬戦するようになった。基本的に負けているが。

 

 

さて、今日は面倒だが全員に偶には作れと強請られたため、昼食を私が作ることになった。普通の料理しか出来ないぞ?ふむ、

 

 

「何を作るべきか……」

「漆さん、漆さん」

「ルナか。どうした?」

「カレーを作って欲しいッス!」

 

 

カレーか……確かに作れるが

 

 

「お前、機械だから食べれないだろ」

「鍋を混ぜながらこれを魔力を込めて読んだら美味しくなるみたいッス。それを確かめて見たいッス」

「それはどこの情報なんだか」

「いいからいいから」

 

 

そう言って魔力を照射して書いたメモが置かれていた。ふむ。これを読むのか。片手間で出来るか。にしても、自分の稼働用魔力をこんなことに使えるのだな。まあいいか。

 

 

「分かった。いいぞ」

「ありがとうッス!」

 

 

さて、作っていくか。まず、じゃがいも、ニンジン、玉ねぎ、鶏肉を一口サイズに切る。鶏肉なのは1番安かったからだ。そして、本来は1回火を通しておくのだが、面倒なので温めたお湯が入った鍋の中に具を全て投入する。中火で煮込んでいる間に米を研いで炊飯器にセットし、スイッチを入れる。肉の色が変わり、ニンジンやじゃがいもが柔らかくなったら灰汁を取り除き、ルーを入れて弱火にする。

 

 

そして更に混ぜながらカレーがトロトロになるまで煮る。この間にルナが言っていたメモの文字を魔力を込めて読むんだったな。

 

 

「えっと何々?

 

素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。

 

降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。

 

閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)。繰り返すつどに五度。ただ満たされる刻を破却する

 

――告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。

 

誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ……?

 

私はカレーに鉄も銀も石も入れて無いのだが。それにこれは私が言うのも何だが堅苦しいな。結局何の文章なんだ?

 

……あ、丁度いいトロトロ具合になったな。隣で炊飯器もなったし。よし、完成だ」

 

 

食べる準備をする為に後ろを振り向いた瞬間庭に魔力が集まったと思ったら、何か赤いものが庭の池に落ちてきた。誰かが何か投げたのか?

 

 

「いっ?!」

 

 

動こうとした途端に発した激痛に呻き声を上げて膝をつき、右肩を抑える。何だ?いきなり右肩に抉られるような激痛が走ったぞ?!さっきまで何とも無かったはずだ!あれか?久しぶりに料理したから筋肉痛になったのか?

 

 

考えているとバタバタと台所に走ってくる音と共にドアが開いた。そこには肩で息する拓斗がいる。

 

 

「何があった?!」

「いや、私にもサッパリ何だが。」

 

 

私が首を傾げていると、庭からドーンっという破壊音が聞こえた。あ、

 

 

「池に何か赤いものが落ちてきたからそれか?」

「は?赤いもの?」

「一瞬見えた。とりあえず」

 

 

わたしが庭をチラリと見る。外の様子は殆ど見えないが、破壊音やら爆発音やらが断続的に響いている。

 

 

「この騒動を止めるぞ。」

「あー、騒音になってるな。了解」

 

 

二人で頷いて庭に出ると、赤い服装をした高校生くらいの男子が年下3人組と戦っていた。男子は池に落ちたせいかびしょ濡れだ。

 

 

赤い服装をした男子は黒い双剣を両手に持ち、昂の鈴の音波にやられながらも鈴を跳ね返し、梓の棍は先に触れないように受け止め、クラウスの重力で動きにくいはずなのに影からの攻撃も避けている。物凄い実力者だが、何故ここにいるんだ?

 

 

とにかく、まずは止めるか。

 

 

「年下3人組、昼食出来たから止まれ」

 

 

そう言うと3人ともピタッと止まり、戦闘を辞めた。それを見た赤い服装の男子も剣をおろした。良かった、すぐに戦闘が終わって。3人は不満そうだが。

 

 

「何でこんなことになってるんだ?」

「池にこいつが落ちてきたのよ!」

「不審者だと思いまして~」

「僕達で、お、追い出そうとしたんだ!」

「そうか。次からは少しは相手の意見を出させるんだぞ?」

「「「はーい」」」

 

 

 

3人を撫でると、とっても喜ばれた。機嫌が直って何よりだ。近くで拓斗が落ち込んでいるのはなぜだ?まあいい。私は男子を見返した。男子は私を見て顔をしかめている。

 

 

「それで、貴方は何故ここに?」

 

 

そう言うと、不思議そうな顔をされた。

 

 

 

 

 

 

「何故も何も、私は君に召喚されたのだが?」

 

 

 

 

 

 

は?

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