fate/stay night のネタバレが少しあります。
それではどうぞ!
私は男子の不思議な発言に対し、訝しげに見ていた。本気でどういうことだ?
「召喚?私はそんなことした記憶がないぞ?ついさっきまでカレーをつくっていたしな」
「だが、君と私の間に繋がりが出来ている。それ故、私は君に召喚されたと考えたのだが?」
「繋がり?」
「君の右肩だな」
「右肩といえば、さっき激痛が走って…………なんだこれは」
男子に指を差された右肩について腫れたかどうか見てないのを思い出し、肩が見える位置まで袖をたくし上げると、赤い刺青が入っていた。なにそれ怖い。
「拓斗、ポルターガイストが発生した」
「それ、意味合い全然違うからな?てか、何で令呪がついてんだよ……」
「ふむ、君は何か知っているみたいだな」
「大体はな。あんたのことも俺達には有名だぜ?」
「ほう……私を知っているのか?」
「後で漆と一緒に説明してやるからちょっと待っててくれ。」
男子の敵意を一蹴した拓斗が私を見て言った。
「漆、カレーを作っていたって言ってたが、それは自分で決めたのか?」
「いや、ルナからリクエストがあってな?それに答えたんだ」
「ルナねぇ……。どんなリクエストを?」
「このメモの文字を魔力を込めて読みながら鍋の中を混ぜると美味しくなるらしいからやってみてほしい、っていう感じの話しだったな」
「因みにそのメモ見せて貰っていいか?」
「別にいいぞ?何をいってるか分からなかったしな」
そう言ってメモを渡すと、読むにつれて拓斗がワナワナと震えだした。どんどんいい笑顔になっていって怖いのだが。
「ルナはどこにいる?」
「台所の机の上だが?っておい、一応聞くがどこに行くんだ?」
「ちょっくらルナにO★HA★NA★SHI★してくるわ。ちゃんと戻って来るからくんなよ?」
「あ、ああ」
そう言って、拓斗が台所へ戻っていく。二人きりになるのは辛いが、止める方が怖い。
「……あれはいいのか?」
「止めて精神的に死にたくない」
だから男子、目を遠くするな。見覚えがあるのか?少なくとも私はあれを止めたいと思わない。というか命が惜しい。とりあえずルナ、南無。
「イヤァァァアアアアアアアアアアアア!ごめんなさいッスゥゥゥゥゥううううううう!!」
~しばらくお待ち下さい~
「待たせたな」
いい笑顔で帰ってきたな。スッキリしてるぞ。何をしたかは突っ込まないが。
「いや。それで、原因は?」
「あのメモに書かれてたのが召喚用の呪文だ」
「は?だが、召喚ということは何か魔法陣が出そうだが、何もなかったぞ?」
「あいつ、隠蔽魔法使って隠してやがった。魔法陣は屋敷一体に魔力で書かれていて、中心がなぜか池の真ん中だ」
ふむ。
「成る程。そんなに魔力を使っていたから料理中静かだったのか。……私の分の折檻も頼んだ」
「了解。後でやっとくわ」
近くで「酷いっス!」とかいう声は聞こえない。とりあえず、立って話すのも辛いため設置されたベンチに座る。
「私の召喚された理由は分かった。だが、私を知っているとはどういうことだ?」
「知ってるっつーか、アニメで見たが正しいな」
「は?」
「もしかして前世か?」
「もしかしなくてもそれだ。とにかく、簡単に説明するぞ?」
言われて私は気を引き締めた。
「まず、刺青とそこの男は密接に関係している。アニメの名前は、【fate/stay night】。続編とか過去編とか色々シリーズがあるが、とりあえず今回はこっちが中心だからこっちを話すぞ。
簡単に言えば、主人公がとある戦争に巻き込まれて参加することになる話だ。その戦争が第五次聖杯戦争。マスターと呼ばれる、七人の魔術師の闘争。他のマスターを全て殺し尽くすまで終わらない、命賭けのゲームだ。
それぞれのマスターは、サーヴァントと呼ばれる使い魔を召喚する。戦闘代行者であるサーヴァントを使役し、他のマスターを全て倒し、最後まで残ったただ一人に、聖杯と呼ばれる景品が与えられる。
サーヴァントは、伝承とか活躍した英雄が多くの人に信仰された存在が聖杯の力で現世に実体化した存在で、令呪―-―お前にとっては右肩にある刺青から魔力を供給され、その代わりマスターには3回までの絶対命令権が与えられている。全て使え令呪は消えて繋がりも消える。
聖杯とは、所有者の願いを叶えるモノ。万能の願望器という、有り得ぬ筈の秘宝。だからこれをこぞって魔術師やサーヴァントが狙うんだ。
結果を言うと、聖杯は第三次聖杯戦争のせいで悪意のたまった状態、解放したら世界がアボンっつーか消滅になるから、愉悦求めてた神父を倒して主人公とそのサーヴァントが聖杯ぶっ壊して終了って感じだ。
んで、俺が知ってるって言ったのは、その物語で主人公と協力関係だったマスターの使い魔がこいつ。クラスはアーチャー。真名は衛宮士郎。主人公が未来で正義の味方になろうとした結果の1つだ。」
目の前で本来当事者しか知らないはずの事実がポンポンと出たせいか、男子が唖然としている。それもそうだな。自分の過去を不特定多数に見られてるなんて怖いだろ。最悪黒歴史とか告白シーンとか見られてるかも知れないんだから。
だが、
「聖杯戦争なんてこの地域であったか?魔力使ってるなら気付きそうだが」
「ねえよ。聖杯戦争も、原因の聖杯も無い。更に言えば魔術用の魔力回路も存在しない」
「な?!なら何故私は彼女から魔力を受け取れているんだ!!」
「それはどういうことだ?」
「あー、普通なら魔力回路が無い人間からは召喚されないし、令呪も出ないんだ。」
成る程な。確かに知らない人間がポンポンとそんな偉人を出したり令呪が出たりしたらテレビ沙汰になるだろうな。
「では何故?」
「そこであの愉快犯がまた関係する。あいつはまず、座から断ちきってこの世界に召喚されたら楽しそうとばかりに計画を練りやがった。やり方はさっき俺が言ったとおりなんだが、何故漆だったかと言うと、漆の体質があったからだ。」
「私の体質?」
「お前の能力故に自分以外の存在と反発せずに融和しやすい体質らしい。そこに目をつけたあいつは、右肩に令呪が出来る土台の回路を作り、それが魂と融合するようにさせた。それもフュージョンに支障が出ないようにしつつ、気付かれないように注意を払ってな。後は何も知らないお前に魔力込めて読ませて完成。」
「うわ……」
それ、衛宮士郎だったか?彼に失礼じゃないか?
「つー訳で、俺からの簡単な説明は終わりだけど、これからどうする?」