泣き虫な僕が大切な友達の為にできること 【完結】   作:豚汁

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前回に引き続き、感想をくださった方々に深い感謝を……

さて、今回はエピローグなのですが……すいません……軽くプロット立ててみたんですが、書きたいのが多すぎて一話にまとめるにはちょっと難しい感じになったので、だいたい四つ(の予定)に分けたいと思います。

ですので、もしよろしければもうしばらく正也君の物語にお付き合い頂ければ嬉しいです……



エピローグ(起)『カッコいい』と『優しい』

「正ちゃん……ことりちゃん……今日の放課後ちょっとだけ遊ばない……?」

 

 

 例の木登り大騒動があってから3日後、学校の授業の合間の休み時間に、穂乃果ちゃんが声を潜めて僕とことりちゃんにそう言ってきた。

 

 

「穂乃果ちゃん……なんでそんなにヒソヒソ声で話してるの?」

 

「しー!海未ちゃんに聞こえちゃうよ正ちゃん!」

 

「穂乃果……聞こえていますよ」

 

 

 穂乃果ちゃんの後ろから、いかにも怒っているようなオーラを出しながら現れる海未ちゃん。あの……ちょっと怖いのは気のせいかな海未ちゃん…?

 

 

「う、海未ちゃん!?違うんだよ、これは……」

 

「はぁ……穂乃果は何回言ったらまだ遊んだらダメだってことが分かるんですか?」

 

 

 そう、海未ちゃんの言う通り、まだ僕たちは絶賛お父さんたちから外出禁止令が出ている真っ最中だった。とてもじゃないけど少なくともあと4日は遊べないことになっている。

 

 

「うん……穂乃果ちゃんごめんね、また今度遊ぼうね」

 

「ことりちゃんまで……も~!穂乃果もうあきたの~~!!だってさ、毎日毎日ずっと家でお店のお手伝いするかじっとしてるかだけなんて、退屈で穂乃果もう死んじゃいそうだよ~~!!」

 

 

 そう言ってごねる穂乃果ちゃん。

 確かに僕だって穂乃果ちゃんの言うように遊びたいけど、流石に今回の僕たちがやってしまった事を思うと簡単には賛成できない自分が居た。

 

 

「穂乃果はワガママ言わないで下さい……あと4日の辛抱ですから何とか我慢して、またその後に遊びましょう」

 

「うう……海未ちゃんのケチーー!」

 

 

 穂乃果ちゃんは教室の外に向かって走り出してしまった。

 

 

「あ!待って下さい穂乃果!次の授業がまだありますよー!」

 

 

 そう言って走る穂乃果ちゃんを追い掛けていく海未ちゃん。僕とことりちゃんは置いて行かれてしまった。

 

 

「ねぇ……正ちゃん。海未ちゃん……ちょっと変わったね」

 

 

 ことりちゃんは穂乃果ちゃんと海未ちゃんが走っていった方を見ながら僕に話しかけてきた。

 

 

「そう……だね、なんていうか前より元気になったっていうか……しっかりしてきたっていうか……」

 

 

 ことりちゃんの言葉には僕も賛成だった。ちょっと暴走しがちな穂乃果ちゃんを止める海未ちゃん……そういった場面がこの3日でもう見慣れたものになっていた。

 

 

「でもね、正ちゃん……なんか今の海未ちゃんの方がことりは好きかな~って思う!正ちゃんはどう?」

 

「うん、僕も今の海未ちゃんの方が好きだよ」

 

 

 僕は以前の海未ちゃんの事を思い出しながらことりちゃんにそう言った。

 ちょっと引っ込み思案な所があって、どっちかっていうと大人しい感じだった海未ちゃんが、今こうして穂乃果ちゃんの暴走を食い止めるストッパー係になろうとしているのだ。        

 僕はそんな海未ちゃんの姿を応援せずにはいられない。

 

 

「ところで正ちゃんは『カッコいい男』になりたいんだったよね……?」

 

 

 ことりちゃんはこっちを向いて僕にそう言ってきた。

 

 

「うん!なりたいんじゃなくて……なるんだよ!」

 

 

 だから僕は胸を張ってことりちゃんにそう返す。

 

 

「じゃあ……正ちゃんもいつか変わっちゃうんだね……」

 

 

 そう言うとことりちゃんは急に元気が無くなった。

 え……?どうしたのことりちゃん…?

 

 

「ことり……ちゃん?」

 

 

 僕はそんなことりちゃんが心配になってそう声をかける。

 

 

「ううん……なんでもないの。ただ……正ちゃんは変わってもいいんだけど、変わって欲しくないなぁ……って思っちゃって」

 

「え……?な、なに言ってるのことりちゃん?」

 

 

 大変です。ことりちゃんの言ってることが僕には分かりません。

 

 

「正ちゃん……まだ小学一年生になりたてだった時、みんなで隣町まで探検しに行った時の事を覚えてる?」

 

「ああ……穂乃果ちゃんが言いだして探検しに行った時の事?」

 

 

 そのことは覚えている。あの日はあの日で大変だった……隣町まで探検しに行ったはいいものの、途中で穂乃果ちゃんと海未ちゃんとはぐれて、僕とことりちゃんの二人で迷子になったんだっけ……その後なんとか二人と合流出来て、たまたま会った優しいおばちゃんに道を教えてもらって何とか家に帰れた記憶がある。

 

 

「あの時……穂乃果ちゃんと海未ちゃんとはぐれちゃって不安で泣いちゃってたことりの事を、正ちゃんは『大丈夫だよ!僕が居るから大丈夫!』って言ってずっと手を握って励ましてくれたよね……」

 

 

 そう言ってことりちゃんは僕の一番思い出したくなかった僕の過去を話し出した。

 

 あ……ああ……!なんであの時僕は出来もしない癖にあんなカッコつけたりしたんだろうか……!

 泣いてることりちゃんを見て、とにかくなんとかしないとって一心でカッコつけて……しかもカッコよく決めれたのは最初だけ、その後の僕はもう……酷かった。

 

 怖い犬に吠えられて涙目になって、しかもあんまりに二人が見つからないから、もしかしたらずっとこの町で迷子になり続けるのかって思って『うぇぇぇーーーん!!ほのかちゃんどこーー!?』って大泣きするといった酷い有様……もう…できれば記憶の闇に閉じ込めておきたかった僕の記憶だった。

 

 

「でも…僕途中から泣いちゃって……カッコ悪かったでしょ、ごめんなさい……」

 

 

 僕はあまりの恥ずかしさでことりちゃんにそう言った。

 

 

「そんなことないよ!正ちゃんは大泣きしちゃってたけど……それでもことりの手は最後まで離さなくて……そしてどんなに泣いちゃってもずっとことりの事を励ましてくれたよ!」

 

 

 そう言えばそうだったっけ……?もうあの時は色々大変で僕も必死だったからもうハッキリおぼえていない…

 

 

 

「そんな優しい正ちゃんは……ちゃんとカッコよかったよ」

 

「ことりちゃん……」

 

 

 

 ことりちゃんの言葉に思わず感動してしまう僕。

 良かった……ちゃんと僕やれてたんだ。

 

 

「……だからね、正ちゃんは変わっちゃっても……今のままの優しい正ちゃんで居てね」

 

 

「……うん、わかったよ。僕はことりちゃんの言う優しさも忘れない男になるね!」

 

 

 ことりちゃんの言いたいことが分かった。

 そうだよね、どんなにカッコよくったって友達に優しくできないんじゃそれは真の『カッコいい男』じゃないよね……うん、わかったよことりちゃん。僕は優しさも忘れないように頑張る。

 

 

 

「ありがとう正ちゃん……それでね……そんな優しい正ちゃんの事をね……ことりはね……その……」

 

 

 そう言って真っ赤になって急にモジモジし始めることりちゃん。

 僕はことりちゃんが何を言っているのか後半がよく聞こえなかったので耳を澄ませる。

 

 

「す、すきで………」

 

 

 

 

 キーン コーン カーン コーン

 

 

「ま、間に合ったーー!」

 

「ホント……穂乃果は危なっかしいんですから……」

 

 

 ことりちゃんが何か言おうとした所で同時にチャイムが鳴り、穂乃果ちゃんと海未ちゃんが帰ってきた。

 

 

「あ!授業始まるよことりちゃん!早く席につかなきゃ!」

 

 

 僕はそう言ってことりちゃんに急いで呼びかける。

 

 

「うう……正ちゃんのばかぁ……」

 

「え……?なんで?」

 

「……もう知らない!」

 

 

 そう言ってことりちゃんは少し怒ったように自分の席に帰ってしまった。

 

 

 結局この後、僕はことりちゃんの機嫌を直すのに苦労することになった。

 

 

 お父さん……女の子は時々わからないことがあるって教えてくれたのは……まさかこういうことですか?

 

 

 




ここまで読んで下さりありがとうございます。

エピローグはこんな感じで穂乃果ちゃん以外の二人にもスポットを当てていこうと思っています。
あと自分なりに撒いていたフラグも回収しておきたいので……あと正ちゃんの飛び箱リベンジがどんな結果になったのか……とかですね。

では、次回は海未ちゃん回になりそうです。また見ていただけると幸いです。

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