では今回はエピローグ二つ目です!
もしよろしければ今回も見ていただけると嬉しいです。
「ねぇ……?海未ちゃんはどうして急にそんなに変われたの?」
ことりちゃんから優しさの大切さを教えられた次の日。
学校でのお昼休みの時間で穂乃果ちゃんが、放課後遊べない不満を晴らすかのように、ことりちゃんを連れて校庭に遊びに行って、海未ちゃんと教室で2人になった時に僕は思い切ってそう聞いてみた。
「そ、そんなに私は変わりましたか?」
海未ちゃんは僕の問いにびっくりしたような……そして少し嬉しそうな反応を見せた。
「うん、ずっごい変わったよ?前までそんな穂乃果ちゃんに注意する事なんてそんなになかったし……それになんだかハッキリ自分の言いたいことが言えてるって感じで……」
…カッコいいなぁ……って、僕は最近の海未ちゃんを見ていてそう思うのだ。
勿論僕はそんな海未ちゃんを応援しているし、頑張ってほしいとは思っているけども……やっぱりどうしてそんなに急に変われたのか僕としてはやっぱり気になってしまう訳で。
だからこそ僕は海未ちゃんにこんな質問をしているのかもしれない。
そして、出来たらそれを僕が『カッコいい男』になる為の参考にしたい!……と僕はそう思っていた。
しかし、海未ちゃんの口からとんでもない答えが飛び出してくると僕は思いもしなかった。
「そうですか……だったらそれは正也の影響だと思います」
そうなんだ!僕の影響で海未ちゃんはそんなにカッコよくなったんだね!
だったら僕も…………って、えええええええ!!??
「え……?え……?」
あまりのその言葉の衝撃に、僕は思わず口をポカンと開けてしまっていた。
「ふふっ……そんなに口を開けてたら馬鹿みたいですよ正也」
「いやいやいやいや……な、なんで?」
僕の反応が面白かったのか、少し笑った海未ちゃんに僕はそう聞かずにはいられない。
一体こんな泣き虫な僕の何が海未ちゃんを変えたのか……気になって仕方がなかった。
「そうですね……少し長くなるんですが良いですか?」
「うん……どうぞどうぞ」
そう言って前置きしてから海未ちゃんはゆっくりと話し始めた。
「私は……木から落ちそうになったあの日のあの時……本当に自分が死んでしまうかもと思って頭がぐちゃぐちゃになっていました」
うん、それはわかる。本当にあの時の海未ちゃんはパニック状態だった。
「でも、その時に穂乃果の声が聞こえたんです……『大丈夫だよ!』って……私はその言葉に安心してしまいました。ああ!これで大丈夫……穂乃果が助けてくれる!って……あの時の私はそんなことを馬鹿みたいに信じていたんです」
……それ、僕も同じだ……僕もそんなこと考えてた。
「でも、それは間違いで……穂乃果が泣いているのを見ながら私は、なんて自分が馬鹿だったんだろうって……後悔しました。穂乃果は強いけど……無敵じゃ無かったんだって」
本当に同じだ……僕と……本当に同じ……!
僕は海未ちゃんの話を聞きながら、今まで海未ちゃんに対して思っていたことが確信に変わるのを感じていた。
出会った日、木の後ろから恐る恐る僕と穂乃果ちゃんとことりちゃんが遊んでいるのをうかがっていた頃の海未ちゃんを思い出す。
穂乃果ちゃんが僕たちの輪に入りたいはずなのに入れなかった海未ちゃんを、僕たちの遊びに巻き込んで僕たちの輪の中に引きいれた日の事を……
やっぱり僕たちは同志だったんだ。穂乃果ちゃんと同じような出会いをして、同じように穂乃果ちゃんに憧れてた同志だったんだ……
「でも私は動けませんでした。どうしたらいいのかわからなくて……でも、そんな時動いたのは正也でした。あの……私たちの中で一番泣き虫だったあの正也が必死になって穂乃果を助けて……私は信じられないような気持ちでした」
海未ちゃんはそう言って一瞬言葉を切り、そして僕の方を見て言う。
「そしたら……正也は言うんです。みんなを助けられる自分になりたいって……『カッコいい男』になりたいって……そんな事を私より泣き虫だった正也に言われたら……私だって変わりたいって思うじゃないですか……!私も正也のように……みんなを助けられるような強い自分になりたいって……!」
海未ちゃんの言葉がだんだん熱を帯びるのを感じる。僕があの時言った言葉がここまで海未ちゃんに影響を与えてたなんて思いもしなかった。
「……だから私が変わったのはあなたのせいなんですよ、正也」
「…ど…どういたしまして……」
僕は海未ちゃんの話を聞いてそう言うしかなった。
何なのだろうか……この嬉しいのか恥ずかしいのかよくわかんないような気持ちは……?
でも確かに僕の言葉が海未ちゃんの心に影響を与えたのは本当みたいだった。
「それに……あんまり正也ばかりにも任せるわけにもいかないですから」
「なんで?僕は大丈夫だよ!きっといつかみんなを助けられるような『カッコいい男』になって……」
僕は海未ちゃんに、いきなり頼りにならないと宣告されたような気分になってそう言い返そうとした。すると海未ちゃんはその言葉を遮るようにしてこう続けた。
「だって、正也が私たちの事を助けるんでしたら………そんな正也の事は誰が助けてくれるんですか?」
「え……?」
「だから正也が私たちを助けて、そして私が正也と穂乃果とことりを助ければ……ほら、私たちは無敵です。だから……一人でカッコつけたりなんて絶対にさせませんよ、正也」
そう言って海未ちゃんは僕に強い意志を感じさせるような瞳で僕を見つめる。
……カッコいい……!な、何だろうこの気持ち……!?胸がすごくドキドキしてる……!
もし僕が女の子だったら危なかっ……って僕は何を考えているのーーー!!??
「だ、大丈夫ですか正也!?」
急に頭を抱えた僕に、海未ちゃんが心配したような顔でこちらを見る。うう……誰のせいだと思ってるんだぁ……
僕はこの時、海未ちゃんはきっと将来は男の子より女の子にモテるようになるだろうと確信した。
「だ、大丈夫だよ海未ちゃん……」
「そ、そうですか……良かったです」
そう言って安心したような顔を見せる海未ちゃん。
僕は……そんな海未ちゃんに伝えたいことができた。
「海未ちゃん……僕も負けないよ。海未ちゃんに負けないぐらい僕も強くなる」
僕はあの日、木の上で誓った時のように意志の火を瞳に灯して海未ちゃんにそう言った。
「はい……!私も負けませんよ、正也」
海未ちゃんは僕に挑戦的な笑顔でそう返した。
ああ……今僕たちってすっごく少年漫画で出てくるライバル同士っぽい会話してる……!
「じゃあ僕たちは今日からライバルだ!一緒に強くなるぞー!」
「えい、えい、おー!です!」
僕は感動のあまりつい勢いでそう言ってしまったが、意外にも海未ちゃんがこのノリに付き合ってくれたのに驚いた。
もしかしたら海未ちゃんは心に熱いものを秘めていた子だったのかもしれない。僕はこのままのノリで続けることにした。
「はい、じゃあ握手!ライバル同士の基本だよね!」
「え………?」
あれ?さっきまでいい感じだったのに急にブレーキがかかったみたいな……どうしたの海未ちゃん?
「い、いいえ……そ、そんな……異性の手を握るだなんてそんなふしだらな……」
海未ちゃんが急にオロオロし始めて、話す言葉もたどたどしい……気のせいかもしれないけど顔も赤い気がする……
え、なんで?幼稚園の頃から今まで何回か手をつないだことあったと思うんだけど……?そんな事言われるの今回が初めてなんだけど……?
「で、ですから私たちにそんな基本は必要ありません!では私はちょっと穂乃果とことりが心配になったので見に行ってきますね!」
そう言って海未ちゃんは赤い顔をしたまま校庭に走って行ってしまった。
お父さん……女の子ってやっぱりよくわかんない時があるんだね……今ハッキリわかりました……
こうして僕には……ライバルが出来た。
ここまで読んで下さりありがとうございます!
思ったことを文章に表現することの難しさを本当に痛感しています……
他の投稿者の皆様を本当に尊敬したいです……
そんな投稿者としてまだまだな私ですが、このエピローグ(あと二話予定)を頑張って書くつもりですので、できれば暖かく見守って頂ければ嬉しいです……
では、誤字脱字、意見や感想などがございましたら是非ともお気軽に感想欄にお願いします。