今回は、ちょっとカットが多めになってしまいました。
それでもいいという方は、どうぞ!
「来たぜ。あれが、洩矢諏訪子……。理科の担当教師だ。」
魔理沙が言った。零は、諏訪子を見る。そして、成る程、と思った。
「確かに、特徴のある帽子だね。」
朱鷺宗が呟く。朱鷺宗が言っている帽子は、少し不思議な姿をしていた。
形だけを見たら、普通に帽子なのだが、諏訪子の被る帽子には、まるで生き物の様に、2つ目がついている。
「はいはい、皆、話はそこまでにして、席に着いてー。」
諏訪子が、掌をパンパンと叩きながら言った。そして、全員が席に着くのを確認すると、
「よし、それじゃあ……。理科のテストを始めるよ。紙は裏返して後ろに配ってね。」
と指示を出して、テストを配った。
「全員に渡ったね。それじゃあ、始め!」
諏訪子のその言葉を合図に、全員一斉に鉛筆を動かす。
「(あれ、これって……。)」
テストの問題をやっていると、零が何かに気付いた。そして、零は、改めて問題を見直す。
「あの、先生。」
「はいはーい。」
零がそう言って手を上げると、諏訪子がスタスタ、と歩いてくる。そして、諏訪子が近くまで来ると、
「あの、これって……。印刷ミス、とかではないですよね?」
と零は聞いた。すると、諏訪子は
「うん、印刷ミスではないよ。」
と返した。零は、それを聞いて、確信したように頷くと、
「分かりました、ありがとうございます。」
と礼を言った。
やがて、少し時間が過ぎ――――――
キーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴った。そして、チャイムが鳴り終わると、諏訪子が、
「はーい、それじゃあ後ろから集めてきてー。」
と指示を出した。そして、後ろの人が集めてくると、それを受け取って、
「じゃあ、皆お疲れ様ー。」
と全員に言って、教室から外へ出た。
そして、時間が過ぎ――――――
「それじゃあ、皆お疲れ様。残るは、体育や情報等の実技だけだ。」
慧音が言った。霊夢がそれに対して、
「やっと終わったわー。」
と反応すると、慧音は苦笑いをして、
「まあ、筆記はこれで終わりだ。実技テスト、頑張れよ。それじゃあ解散!」
と全員、応援の言葉を言って、解散の指示を出した。
「……零、ちょっといいか?」
正義が、零に聞いた。零は、少し考えた後、こくり、と頷いて、正義についていった。
「なあ、零。本当にテスト前の時、何もなかったのか?」
正義が零に聞いた。零は、頷いてその質問に答える。正義は、じっと零を見つめていた。零も、静かに次の言葉を待つ。
二人の間に、沈黙が流れる。
先に、正義が沈黙を破った。
「嘘、だな。」
正義が呟いた。零は、僅かに驚きの表情を見せたが、
「嘘じゃありません。」
と返す。すると、正義は、少し厳しい口調で、
「いいや、嘘だな。俺は能力で嘘を見破れる。嘘ついても、無駄だからな。」
と言った。零は、俯いて、黙りこんだ。
「零。教えてくれないか?何があったのか。」
正義は、静かにそう言うと、口を閉じた。零は、諦めた様に一度息を吐くと、
「実は……。」
と言って、不良に脅され、不正行為をさせられた事を話した。
「……ということです。」
零は、そう言って、話を終わらせる。すると、正義は、
「……そっか。ありがとな、話してくれて。」
と優しく零に言った。そして、後ろを向くと、
「だってさ、先生。」
と言った。すると、影から、紫と藍が現れる。
「成る程な、あの時のはお前の仕業だったか。」
藍が静かにそう言った。零は、小さい声で、
「すみません。」
と謝る。すると、紫が、
「藍、そんな怖い声で言っちゃ駄目よー。さて、零。貴方は、今回不正行為を手助けした訳だけど……。どうするのかしら?」
と笑みを浮かべながら零に聞いた。零が首を傾げると、藍が、
「今回のは、脅されたという理由があるし、実はとある教師に言われて、対策をしておいたんだ。お前が持っていったのは、偽物の答えだったんだ。」
と説明をする。零は、僅かに考えた。そして、ちらっと正義を見る。すると、正義は笑顔で頷き、「お前次第だ」と言った。零は、それを聞くと、何かを決意したように頷き、すうっと息を吸って、
「結果がどうであれ、僕は不正行為の手助けをしたには違いありません。ただ、僕の意見としては、やはり脅されたからやったんだ、というのもあります。なので……。しばらくの間、奉仕活動をして、学園の為に働きます。」
そこまで言うと、また息を吸い、一気に、
「それで、許して下さい。お願いします。」
とまで言って、頭を下げた。すると、紫が、
「分かったわ。」
と言って、頷く。そして、
「それじゃあ、明日から、頼むことにするわ。今日はもう帰りなさい。」
と続けた。零と正義は頷くと、その場から去った。
「紫様。良かったのですか?あのような処置で。」
零と正義の姿が見えなくなった後、藍が紫に聞いた。紫は、
「ええ。下手なことは出来ないのよ。それに、零と同じクラスの数人に、彼の意志に従ってほしい、と頼まれたしね。」
と答えた。藍は、静かに、「そうですか」と反応し、その場を去った。
「零。あの子は……。可能な限り、優しく育てないとね。こんな紙が来た以上……。」
紫は、静かに呟くと、スキマを開き、その場から消えた。
「よし、じゃあ零。明日から、頑張れよ。」
正義は零にそう言うと、背中を向ける。零は、正義が行く前に、と考え、慌てて、
「正義さん、色々とありがとうございました!」
と礼を言って、頭を下げた。正義は、その言葉を聞いて、振り向くと、
「どういたしまして。じゃあな、また明日。」
と笑顔で言って、去った。零は、それを見届けた後、自分の両頬をパン、と叩き、
「ああ言ったからには、頑張らないと!」
と言って、自分の家へと戻った。
はい、というわけで……。次からは、実技テストになります。そして、零の奉仕活動についても、書けたらどんなことをするのか、書きたいと思います。
それでは、次もお楽しみに!