「と言う訳でっ! 織斑さんクラス代表決定おめでとう!」
「おめでとう~!」
クラッカーが鳴らされ、紙吹雪が私の頭に乗る。
食堂の壁には大きく『織斑一夏クラス代表就任パーティー』と書かれた張り紙が付けられていた。
「天羽さん! これは、どういうことですか!?」
授業が終わってから放課後、食堂に来てと言われ来てみると、いきなりクラッカーを鳴らされた。
天羽さんは知っていたようで、また笑っている。
「うふふふ……。クラス代表の権利を一夏ちゃんに譲ったのよ」
つまり、こう言うことだ。
他薦は天羽さんと私、自薦がセシリアさんな訳で、私はセシリアさんに勝った訳だから私にはクラス代表になる権利が手に入り、天羽さんはクラス代表の権利を私に譲った……。
「裏切り者!!」
必然的に残った私がクラス代表になった訳だ。
私は頬を膨らませる。
「いじけないの、いじけないの」
天羽は笑顔で私の頭を撫でる。
未だに納得できない所はあるけど、この笑顔を見せられては怒れない。
「さあ、楽しみましょう♪」
ともあれ、『織斑一夏クラス代表就任パーティー』は10時過ぎまで続いた。
寝室に戻って最初にシャワーを浴びる。
「もう、天羽さんたら……」
あの人は中学時代からの付き合いで、同時に霧のトップでもある。そして私はその仲間だ。
まあ、世界に喧嘩を売った上に、私はあの人について行くことをあの日から決めていた訳だから裏切る事は無いしね。
「鈴は元気にしているのかな……」
ふと、彼女のことを私は思い出した。
中学二年の時に転校してしまったあの子をなぜ思い出したのかは分からないがきっと元気でやっている気がする。
「イオナ。例のアレはどう?」
『シミュレーターは終了していない、だけど発射は可能』
「そう……」
私の右腕にあるシルバーのアクセサリー……白式改に問う。
倉持技研から買い取った白式をメカフェチのヒュウガに渡した結果がこれだったのだ。
霧のコアを入れること。それにより、私は霧の力が使えるようになった。
「念のため、ヒュウガにはいつでも修復出来るように伝えておいて」
『分かった』
髪を拭き、下着を履いて出ると丁度、ルームメイトの簪と遭遇する。
「あ、ごめんね」
「うんうん。大丈夫」
簪も私と同じで倉持技研から買い取ったISの操縦者だった。私の白式のせいでプロジェクトは凍結、加えて私と同じ境遇の人間だった。
最強の姉。これが簪に大きく傷ついた理由。
“誰も私として見てくれない”
私たちは姉のお飾りではない……。だから私たちはこちら側に着いた。
誰もが姉のお飾りではなく、織斑一夏として見てもらう為に。
「タカオは一夏のどこが良かったの?」
簪はシャワーを浴びながら打鉄弐式改に問う。
打鉄弐式改のことタカオは黙りこんでしまった。
『……何というか。その……』
蒼き鋼で試験運用で一度だけ対決したことがあった。
結果は一夏の勝ち。
その時からタカオは一夏に興味を持ち始めた。
その結果、乙女プラグインの開発に成功し、今もこの場まで使い続けている。
『…………かっこよかったから』
聞き取れたかは分からなが、タカオは答える。
『そう言う簪はどうなのよ!?』
「え? 私!?」
『あんたも一夏のこと……』
「ストップ! ストップ!!」
簪は頬を赤くして、話を中断させる。
(人間って複雑だよな……)
この日も平和な日常が続く。