IS~空を舞う蒼き鋼~   作:ぬっく~

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第13話

私は鈴を抱えてピットに戻る。すぐさま医療班に引き渡し、私は鈴を見送る。

ちょうどその時、鈴と入れ替わる形で天羽さんがピットに入ってきた。

 

「一夏ちゃん、腕は大丈夫?」

 

「ええ。流石にあれには脅かされました」

 

最強の盾であるクラインフィールドを突き破るなど、誰が予想しただろう。

これはこれでいい勉強になった。クラインフィールドの中和速度を超える攻撃は通じると言う事に。

 

「時間を作ってあげるから、第一整備室に行きなさい。ヒュウガを呼んでおいたから」

 

「わかりました。では……」

 

そう言って私はピットを出ていた。

 

「そういう事なので、簪ちゃん」

 

次の試合は簪のクラスで、ピットに来ていた。

 

「遊んで来なさい」

 

「はい……」

 

簪は打鉄弐式改を展開して、アリーナに出た。

 

 

 

「たく……。ヤマトの命令だから仕方なく来たけど、ほんと手続きが面倒よね」

 

IS学園物資搬入の入り口で白衣を着た茶髪の女性が面倒くさそうに書類にサインする。

蒼き鋼IS整備長、霧野(きりの)日向(ひゅうが)が来ていた。

 

「はい。これで、いいんでしょ」

 

「はい。物資は第一整備室に搬入しておきます」

 

入国審査をパスしたヒュウガは物資の後から第一整備室に向かう。

 

「……………」

 

ヒュウガは足を止め、後ろを振り向く。

 

(……熱反応。誰かいるわね)

 

だけど、ヒュウガはそれを無視してまた足を進める。

 

 

 

「蒼き鋼の物資が急遽搬入されるなんて……何かあるわね」

 

一人の女子生徒は物資に隠れながら入国審査を受けている女性を監視していた。

入国審査をパスし、移動を開始し、私はその後を追う。

 

「……………」

 

一瞬、気付かれたと思われたが、何も無かったかのようにその女性はまた歩き出した。

女性は角を曲がり、私もその後を追う。

 

「!! いない!?」

 

確かに曲がった所を見たはずなのに、その女性はそこにはいなかった。

 

「やっぱり、ネズミがいたわね」

 

「!?」

 

上の方で声がし、私は視線を上に向けると卵型の何かに乗った女性が私を見ていた。

 

「それで、何の用なのかしら? 更識家当主、更識楯無さん?」

 

「っ!」

 

人間とは思えない覇気を当てられ楯無は冷や汗を掻く。

一方、一夏とは言うと……

 

「ヒュウガ……遅いなぁ……」

 

私は天羽さんに言われ第一整備室にてヒュウガを待っていた。

 

「イオナ。今、ヒュウガはどこにいるか分かる?」

 

『搬入通路の中間地点にいる』

 

「そっか、なら迎えに行きましょ」

 

腕の応急処置を終え、搬入通路へと向かった。

 

 

 

「蒼き鋼……」

 

楯無は動けなかった。

白衣を着た女性は卵型の浮遊装置に座りながらこちらを見ている。

足を組み、手を顎に乗せて、どう見ても隙だらけにもかかわらず、一歩も動けなかった。

 

「用がないなら、行かせてもらうわよ」

 

そう言ってヒュウガは先に進もうとするが……

 

「待ちなさい!!」

 

楯無の大声に止められる。

 

「あなた達は簪ちゃんに一体何をさせたの!!」

 

「……そう言えば、あの子とは姉妹だったわね」

 

ヒュウガは思いかしたかのように楯無の質問に答える。

 

「ん~~。力かな?」

 

「力って……」

 

「そのままの意味だよ。力さ」

 

楯無は納得出来なかった。

昔は仲の良かった姉妹だったが、私が楯無を受け継いだ時に、あの子がこちらの世界に来ないようにと言った言葉のせいで関係が崩れてしまったことは今でも反省している。

そんな子が更識家ですら情報の一つすら手に入れることが出来なかった蒼き鋼の企業所属パイロットになっていたことには驚きを隠せなかった。

 

「あなた達姉妹の関係はとやかく言うつもりはないけど、早くやらないと手遅れになるわよ」

 

「っ!」

 

「どうやら、あのお方が来てしまったようですわね……」

 

「?」

 

奥から誰かが来る気配がし、私たちはそこに視線を向けると。

 

「ヒュウガ、遅いから迎えにきたわよ」

 

「はい、はい。今から行くから先に行ってな」

 

「迎えに来たと言うのに……」

 

迎えに来た一夏はヒュウガの回答に頬を膨らませる。

まあ、そこにいてもしょうがない訳だから、そのまま来た道を戻った。

 

「また、何処かでお会いしましょう。楯無」

 

ヒュウガは手をひらひらと振って行ってしまった。

その場に残された楯無は彼女から放たれる威圧から解放され、その場に座り込んでしまう。

 

「一体何者なの……蒼き鋼って……」

 

楯無がその真実にたどり着くのはもっと先のことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ。

 

整備室に入るやいなやヒュウガは私に跳びついて来る。

 

「イオナね~さ~ま~」

 

言い忘れたが、イオナはメンタルモデルを作る事ができない。ナノマテリアルが無いから。

その為、私に跳びつくしかないのだ。

 

「姉様! ヒュウガは、ヒュウガは、一日千秋の思いで会えることをお待ちしておりました。思えば、姉様が一夏さんについて行ってしまい。あの日より、このヒュウガはもう姉様無しでは生きていけぬい身体に。は! 身体と言えば、どこかにお怪我は? お怪我などはございませんか? ヒュウガにお見せくださいまし! 有るのなら、このヒュウガに」

 

ヒュウガは興奮しながら私の腕にある白式改を外そうとする。

一夏はそんなヒュウガを蹴っ飛ばし、ヒュウガは壁に激突した。

 

「げうっ」

 

「左腕が大破した。次の試合に向けて完全修復したい」

 

「イ……イエッサー……」

 

フラフラと立ち上がり、ヒュウガは展開された白式改の左腕の修復に入った。

ちなみに、今の一夏はイオナと入れ替わる感じで表に出ている。

これが、白式改の裏能力。メンタルモデルとの意識の共有。

身体能力の向上とか色々と出来るのが大きな特徴。

特にやることも無かったので白式改の修復が終わるまで、私たちは寝ることにした。




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