IS~空を舞う蒼き鋼~   作:ぬっく~

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第14話

三組対四組の試合が始まった。

簪は天羽の言われた通りにこの試合は遊ぶ。

三組のクラス代表の子はラファール・リヴァイヴに乗り、簪に仕掛ける。しかし、簪はそれをいとも簡単にかわす。それを永遠と続け、残り時間が5分切った時、簪が動きだす。

打鉄弐式改の常時展開装備である左右の装置が開き、無数のミサイルが打ち出された。

三組の子はそれを見て逃げるが、追尾型のミサイルは彼女の背後を追ってくる。

しかし、簪は彼女の回避先を読み、彼女の前方からもミサイルが迫ってきた。

回避することが出来なかった彼女はミサイルの嵐に飲まれ、全発着弾した時には試合終了のブザーが鳴り響く。

 

『試合終了。勝者一年四組、更識簪』

 

簪は試合が終了するとすぐさま、ピットに戻る。

ピットには天羽が待っていた。

 

「時間稼ぎ、ご苦労様」

 

簪は打鉄弐式改を解除する。

 

「一応、第一整備室にヒュウガがいるからメンテナンスしてきなさい」

 

「はい……」

 

そう言って簪はピットを後にする。

 

「………出てきたらどうですか?」

 

「……………」

 

その場に残った天羽は物影で身を潜めていた誰かに話しかける。

出てきたのは、織斑千冬だった。

 

「先程の試合、手を抜かせていたか」

 

「ええ。一夏ちゃんには完全な状態で戦ってもらいたいからね」

 

天羽は嬉しそうに話すが、千冬はそうでもなかった。

制限時間ギリギリまで、一切攻撃をせず、瞬殺する。異様な戦いに千冬は疑問を感じていたが、天羽と彼女の会話で確信を得る。

 

「天羽、お前の目的はなんだ?」

 

「目的など特にはありませんけど、強いて言うならば強化でしょうか」

 

アドミラリティ・コードのことに関しては話すことは出来ない。

なら、それに最も近いものを答えなければ千冬は納得しないだろう。

 

「では、私はこれで失礼させてもらいます」

 

天羽は千冬の横を通り過ぎ、ピットを後にした。

 

「……少し調べる必要がありそうだな」

 

千冬はまだ複数の疑問が残っていた。

蒼き鋼は霧の進撃の後に建てられた企業、誰も勝てなかった霧を倒した企業、専用機を買い取る程の財産、霧の技術の運用など……未だに明かされていない疑問を天羽は握っている。

だが、千冬はその真実にたどり着いた時、絶望を知ることになった。

 

 

 

「取り敢えず、メンテナンスはこれでいいね」

 

第一整備室ではヒュウガ、一夏、簪がいた。

打鉄弐式改はメンテナンスのみだった為、すぐに終わる。

問題だったのは一夏の白式改の方だった。左腕は大破した為、一から作り直さなければならない。

普通なら数日かかるところだけど、そこはヒュウガの実力でどうにかなった。

簪が稼いでくれた時間のおかげで既に完成している。最終チェックを終えれば、使用が可能になる。

 

「で……あんはどうするの?」

 

一夏の白式改同様に打鉄弐式改に埋め込まれたコア、タカオにヒュウガは問う。

 

『別に。あたしはこのままでいるつもりだけど?』

 

「まあ、あんたたちはメンタルモデルを放棄する代わりにその姿になったわけだし……」

 

『こっちも、こっちで勉強になるのよね』

 

タカオは簪と共同生活をしてそれなりに経つ。

アニメ鑑賞から色々と知らないことがたくさんあり、もし今のタカオがメンタルモデルで生活したとしたら人間と全く変わらないだろう。

 

「そろそろ、全てのクラスの試合が終わるようだよ」

 

『案外早いわね……。簪』

 

「うん。一夏、起きて」

 

簪は眠っている一夏を起こす。

一夏は少し寝むそうに起き上がり、背伸びをした。

 

「んーー。ヒュウガ、修理、ありがとう」

 

「はい、はい。早くいきな」

 

「へいへい」

 

白式改を待機状態にし、一夏と簪は第一整備室を出る。

次の試合は一夏と簪の対決だった。

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