たまにはいいかもな……
ラウラのシュヴァルツェア・レーゲンから激しい電撃が放たれ、強制的に拘束にまわしていたクラインフィールドが防御モードに切り替わる。
「何よ!?」
弾き飛ばされ私は再びラウラの方を見る。そこには装甲が溶け、どろどろになり、ラウラが飲み込まれていく。
『試合中止。全生徒は速やかに避難を。繰り返します』
「厄介な物を持ち込んできましたわね」
「天羽さん!?」
非常警報が鳴る中、観客席にいた天羽が私たちの後ろからやって来た。
その後を職員たちがアリーナに続々と入って来る。
「危ないです。すぐに……」
「いえ、大丈夫でしょう」
天羽さんは姿形が変わったシュヴァルツェア・レーゲンを指差す。シュヴァルツェア・レーゲンは千冬姉が使っていた暮桜へとなっていた。
「VTシステム……」
「VTシステム?」
「うん……違法システム」
簪の言葉を聞いて、私は呆れてため息を吐いた。
霧に対抗する為だろうが、ここまで馬鹿だとは思わなかった。私は雪片弐型を構える。
「面倒事を増やさないでちょうだいよ……」
このままほっといても教員たちによって処理されるだろう。中にいるラウラごと。
流石に消されては目覚めが悪いからこの件は私がやることにした。
「天羽さん。許可は降りましたか?」
「もう少し待ちなさい……いいわよ」
天羽は何処かと通信し、この件を主導権を勝ち取ると親指を立てた。
「では……」
私はクラインフィールドを暮桜の両手両足をがっちりと固定させ、雪片弐型の単一能力をフル稼働させる。
固定され、もがく暮桜の前で私は雪片弐型を振り下ろす。暮桜だったものからラウラが倒れこんできたので、私は受け止める。
「本当に、いい笑顔で気を失っちゃって」
少し、ほっとしながら私はため息を吐いた。
「デュノア社の見取り図は?」
「ここにある」
ヤマトの許可をもらったズイカクは402からデュノア社の見取り図をもらう。
人気のない海岸で釣竿を垂らしながらズイカクは見取り図を広げる。
「ここがメインコンピュータか……」
メインコンピュータがある場所を赤のペンで○をつけ、もうひとつの見取り図を見る。
「この敷地から考えるにこのあたりか?」
「ああ。そこだけ、監視カメラがやたらに多い。まず、間違いないだろう」
自宅の見取り図からデュノア社社長がいるであろうと思われる場所に○をつけるズイカク。
「ヤマトからは正体がばれなければいいと言っていたから夜に決行だな。と言う訳だから402は本社の方をよろしく」
「何故、私までやらなければならない」
「同時にやった方が警備を撒くのに最適だからだよ。どっかの映画で言っていた」
「……わかった。無理だと思ったら引き上げるからな」
「そん時はそん時で連絡してくれよ」
ズイカクは402にデュノア社の見取り図を渡し、釣りの続きを始めた。