「本作戦は織斑、篠ノ之、両名による福音の追跡及び撃墜を。そして、天羽、更識、両名は霧の艦隊の足止めを目的とする。作戦開始は三十分後、作戦要員はISの調整を行え」
作戦が決まり、千冬は各自に指示を言い渡す。
天羽さんもすぐさま本艦の方にある物の許可を得るための交渉に入った。
「束、紅椿の調整は任せたぞ」
「ん~任された~」
束は箒を連れて、紅椿の調整に入った。
私は今、本艦に連絡を入れている天羽さんを見る。
天羽さんも流石に許可を得るのに一苦労していることが、表情で一目でわかるぐらいだった。
「……了解です。簪さん!」
「はい……」
「準備に入ります」
「わかりました」
どうやら、許可を得たらしい。
天羽さんは先に簪を海岸の方に行ってるように言い渡し、私の方に寄ってくる。
「もしもの為に、『白式改』の解除コードも申請しておきました」
「わかりました」
天羽さんはそれを言って、行ってしまった。
私は待機状態の白式改を握る。
「大丈夫……その力だけは使わないから……」
私はそう呟いた。
◇
三十分後。
私の箒はISを展開して、待機していた。
「じゃあ箒……よろしく頼むね」
「ああ!」
私は箒の言葉から僅かながら浮かれていることがわかった。
確かに念願のISを手に入れて浮かない訳がない。
『織斑、篠ノ之。聞こえるか?』
「はい」
「良く聞こえます!」
オープン・チャンネルから千冬の声が聞こえる。
『今回の作戦は一撃必中だ……短時間での決着を心掛けろ! 討つべきは
「了解!!」
千冬はその言葉を聞いて、真耶の方を向く。
「―――天羽に繋いでくれ」
「はい……!」
そして、織斑、篠ノ之のオープン・チャンネルから天羽、更識のオープン・チャンネルへと切り替わる。
「そちらの方はどうだ?」
「機材がもうじき到着します」
「そうか。急げ」
千冬はすぐさま一夏と箒の方に繋ぎ直す。
◇
天羽と簪は浜辺である物の到着を待っていた。
そして、二人のISからその物が近づいているアラームが鳴り、上を向く。
「どうやら、来ました」
天羽が用意したのは宇宙空間にある旗艦装備だった。しかもそれを
急降下するそれを天羽と簪は全て回収し、すぐさま準備に入る。
「では、私は電脳ダイブに入ります」
本来なら3つの旗艦装備のインストールを短時間で一人で同時に行うことは出来ない。
そこで、天羽は全ての艦隊の演算処理を利用して、3つの旗艦装備をインストールことにしたのだ。
よって、物凄いスピードで旗艦装備がインストールされ数分で完全完了する。
「
簪は3つの旗艦装備のインストールを確認し、天羽は起き上がると同時に自分の専用機を呼び出す。
「おいで、ヤマト」
天羽の身体を包み込み、ISが形成されていく。
その姿は戦艦大和をモデルにしたISだった。46cm三連装砲と15.5cm三連装副砲が二門ずつ用意されていた。
「全ての装備を解除」
しかし、今回の作戦には必要ないものなので天羽は武装を解除してIS本体のみにする。
そして、本命の旗艦装備を呼び出す。
「天照、月詠、須佐之男命を展開」
呼び出されたのは大型タンク、四つの大小大型レンズ、大型主砲だった。
「超重力砲との連動開始。エンゲージ」
呼び出された、大型主砲《スサノオ》の発射口が開く。
須佐之男命はどのISに使えるように作られた超重力砲である。
「ミカサ戦術システム起動。全システム連結を確認」
超重力砲は重力子兵器のため、射程が存在しない。エネルギーを供給し続ければ威力は維持され、どこまで届くのだ。
ただし、ISのシールドエネルギー量では精々100キロが限界である。そこで役に立つのが《アマテラス》だ。
大型タンク《アマテラス》はIS50機分のシールドエネルギーが保存されいる。
そして、敵艦を完全捕捉するための装置、四つの大小大型レンズ《ツクヨミ》の出番である。
「目標、大戦艦ヒエイ」
天羽とヒエイの距離は普通のISでは目視できない距離である。しかし、《ツクヨミ》の前ではその距離など関係無い。何故なら地平線の彼方にある物までしっかりと確認できるのだからだ。
「作戦決行と同時に発射します」
簪にオペレーターを任せ、天羽は照準を定める。
そして、その数分後に作戦が決行された。
「新超重力砲! 発射!」
「打ちます!!」
天羽は《スサノオ》のトリガーを引く。
超重力砲は海を割り、連結して突き進む。
そして、一隻の霧を撃沈させた。