IS~空を舞う蒼き鋼~   作:ぬっく~

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第26話

連結(リンク)完了まで後30秒』

 

真っ白な空間。どこまでも続く虚無の世界に、一夏はいた。

イオナの呼び声が聞こえる。

 

(早く……。早く……!!)

 

そしてまた、イオナの声が聞こえる。

 

 

連結(リンク)の完了を確認』

 

 

その声は、何処か温もりに満ちている。

 

 

第三形態(サード・フォーム)『ホワイト・テイル』の構築が完了。とっとと終わらせてこい』

 

 

そんな事言われたら―――。

 

 

「起きない訳にはいかいね!」

 

 

私は全身に纏わりつく物を払う。

 

 

 

 

「!? 南方から何かが福音戦闘地点へと接近中!!」

 

「なんだ!?」

 

「こ、これは!? ISの速度ではあり得ない加速です! でも、これは……!?」

 

真耶が叫ぶ隣で、教員は10パネルのキーボードに指を走らせていた。

 

瞬時加速(イグニッション・ブースト)の最大速度を、突破……! 中央モニターに、画像、きます!」

 

壁を埋め尽くす巨大な電子壁画には、異様なものが映し出された。

 

「なにかの(シード)のような……」

 

それは、言うならば『(つぼみ)』だった。

白い花弁が包み込んでいる、(シード)型の『蕾』。

真っ白な六枚の外核からは、螺旋状のエネルギー片が散らばっている。

それはまるで、雪の欠片のようで―――。

 

「識別コード、出ました! 『ホワイト・テイル』―――GX00-Iona!? びゃ『白式改』と判別可能! バイタル・サイン、織斑くんです!」

 

中央モニターには、福音のいる地点に到達し、役目を果たした外部装甲が四散する光景が映し出されていた。

そして、輝くスノウ・ホワイトのエネルギー翼を広げたのは、一夏だった。

その身に纏っているのは、『白式改』の第三形態(サード・フォーム)『ホワイト・テイル』。巨大なエネルギー・ウイングの意匠がまずに目に入る。

そして、一夏の見た目にも変化が表れていた。

額、頬から輝く紋章があり、髪も黒から水色へと変わっていたのだ。

 

 

 

 

「足止めありがとう……箒」

 

「一夏……なのか? 一体その姿は……なんだ」

 

箒は変わり果てた一夏の姿を見て、戸惑っていた。

 

「説明は後にして」

 

福音は一夏を見るやいなか、脅威度を上げて来たのだ。

 

『《銀の鐘(シルバー・ベル)》最大稼働―――開始』

 

両腕を左右一杯に広げ、さらに翼も自身から見て外側へと向ける。―――刹那、眩い程の光が爆ぜ、エネルギー弾の一斉射撃が始まった。

 

「《クラインフィールド》を展開―――敵の殲滅を開始する」

 

一夏を中心にクラインフィールドが形成され、《ホワイト・テイル》が羽ばたくと、その姿が霞のように消え去った。

次の瞬間、福音の頭上に一夏が現れ、手にしていたヴァールを振り抜く。

 

「!?」

 

間一髪。福音は一夏のヴァールを避けた。

福音も一夏の先程の速度には驚きを隠せなかったようだ。

 

「オマエヲ……コワス!!」

 

《ホワイト・テイル》のエネルギー・ウイングがさらに羽とばたき、一瞬にして福音の前にへと一夏は移動した。

福音は一夏から距離を取ろうとするが、一夏がそれをさせず、ずっと張り付く。一夏の猛攻は止まなかった。大剣クラスのヴァールを片手で左から、上から、下から、その場に残像を残すような速度で剣撃を繰り出す。そして、一夏は福音の片翼を奪う。

 

「シズメェエエエ!!」

 

片側だけの翼になりながら、それでも福音は一度崩した姿勢をすぐに立て直し、一夏の左腕へと回し蹴りを叩き込む。脚部スラスターで加速されたはずのそれは、クラインフィールドに防がれ、逆に福音の脚部を破壊してしまった。

 

「サヨウナラ」

 

一夏は福音の腹部にヴァールを押し付ける。そして、無慈悲にトリガーを引いた。

バラララ!!

零距離からの連射。

福音のシールドエネルギーをガッツリと奪い、崩れるように海面へと墜ちていった。

 

「はっ、はぁっ、はぁっ……!」

 

「無事か!?」

 

見ていることしか出来なかった箒の声を聞きながら、一夏は乱れた呼吸をゆっくりと落ち着けていく。

 

「ぐはっ!? ゲホッ、ゲホッ。……やっぱり、耐えきれなかったか」

 

一夏は口の中から血を吐く。

福音との戦闘で身体が追い付けず、一夏は内臓にダメージを負ってしまった。

 

(これで……)

 

一夏は「勝った」と思った瞬間、海面が強烈な光の珠によって吹き飛んだ。

 

「!?」

 

球状に蒸発した海の中心に青い雷を纏った『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』が自らを抱くかのように蹲っている。

 

「これは……!?」

 

「……いい加減にしてほしいよ」

 

無機質なバイザーに追われた顔からは何の表情も読み取れない。けれど、そこには確かな敵意を一夏は感じ取った。

 

『キアアアアアア……!!』

 

まるで獣の咆哮のような声を発し、福音は一夏へと飛びかかる。




描いてみました!


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