IS~空を舞う蒼き鋼~   作:ぬっく~

27 / 33
第27話

「重力子センサーに感! 浸食魚雷並びにミサイルです! 数……1200!」

 

「反撃にきましたか」

 

天羽は予想通りだったのか、凄く落ち着いていた。

《スサノオ》の再構成とチャージには最低でも10分はかかる。

 

「簪さんは《スサノオ》の演算処理を任せます」

 

「わかりました」

 

天羽はこの場所だけでなく、旅館ごとまとめてクラインフィールドを張る準備に入る。

超戦艦級の演算処理ではこれぐらいのことは、朝飯前であった。

 

 

 

 

余りにも速いその動きに反応できず、一夏は足を掴まれた。

そして、切断された翼から、ゆっくり、ゆっくりと、まるで蝶が蛹から孵るかのように()()()()()()()()()()()

 

「一夏を離せぇっ!」

 

箒はすぐさま雨月・空裂による突撃を行う。

しかし、その刃は空いた方の手で受け止められて止まった。

 

「ダメ! 逃げなさい! こいつは―――」

 

その言葉は最後まで続かず、一夏はその眩い程の輝きと美しさを併せ持ったエネルギーの翼に抱かれる。

一夏は咄嗟にクラインフィールドを展開する。刹那、あのエネルギー弾雨を零距離で食らい、全身をズタズタにされて一夏は海へと落ちた。

 

「一夏!」

 

クラインフィールドの蓄積量が遂に95%を超え、福音のエネルギー弾を全て相殺出来ず、一夏はその身に受けてしまう。

辛うじてだが、意識があり、ギリギリだが態勢を整えるが、もう一夏は戦うだけの力は残っていなかった。せめて、そこに飛んでいることが限界であった。

 

「一夏を―――よくも!」

 

急加速によって接近した箒は、続けざまに斬撃を放ち続ける。

展開装甲を局所的に用いたアクロバットで福音の攻撃を回避する。それと同時に不安定な格好からの斬撃をブーストによって加速させ放つ。

 

「うおおおおおおっ!!」

 

お互いに回避と攻撃を繰り返しながらの格闘戦。徐々に出力を上げていく紅椿に、僅かながら福音が押され始める。

 

(いける!)

 

箒は確信を持って、雨月の打突を放つが―――

 

「なっ! エネルギー切れだと!? ―――ぐあっ!」

 

その隙を見逃さず、福音は箒を捕まえる。

そして、ゆっくりとその翼が箒を包み込んでいった。

刹那、エネルギー弾雨が箒を襲い、全身をズタズタにされて箒は落ちる。

 

「くっ! 箒……ぐっ!」

 

福音は瀕死状態の一夏の首を捕まえる。

そして、ゆっくりとその翼が一夏を包み込もうとしていた。

福音はもう一度、一夏に零距離エネルギー弾雨をやろうとしていたのだ。

 

(ごめんなさい、琴乃さん……!)

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。