IS~空を舞う蒼き鋼~   作:ぬっく~

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第30話

「はい。検査は終わりよ」

 

一夏は上着を羽織る。

臨海学校が終わり夏休みに入った。

 

「取り敢えず異常は見当たらないかったから大丈夫ね」

 

一夏のカルテを持って来たのはヒュウガだった。

臨海学校では応急処置程度だったので、一夏は蒼き鋼の本社である超戦艦ヤマトに来ていたのだ。

親密な検査を受け、特に異常はなしと出たので一夏は一安心する。

 

「イオナの方は?」

 

「う~ん。特には無いが、流石に急な進化だった為、再調整に時間がかかるね」

 

イオナのコアが内蔵された白式改を一夏は見つめる。

本来なら少しずつ成長するISを一夏は強制的に第三形態まで進化させてしまったのだ。

お陰様でISに色々と不具合が生じてしまった。

 

「肉体の最低限界を軽く超えている以上、使うのはオススメしないわ」

 

「イオナには休暇を与えようかな」

 

流石にスクーターにターボを装着させて走らせているような白式改を操縦する気は一夏にはない。

仕方ないので、一夏は白式改を預ける事にした。

 

「くれぐれも調整だけにしてよね」

 

ヒュウガはイオナのことを特に好きで―――いや、好き好き過ぎて一番危なすぎるため、一夏も預けるのは少しためらう。

しかし、白式改を直せる者はこの霧の中でもヒュウガ置いて他にはいない。

 

「何かあったら、ヤマトに言うからね」

 

ヒュウガに釘を刺し、一夏は検査室を退室した。

 

 

 

 

 

「どうしようかな……」

 

イオナの姉妹艦であるイ400に日本まで送ってもらい、一夏は今後のことを考えていた。

現在、IS学園は夏休みに入っており、学園には最低限の生徒しかいない。

 

「う~ん。そう言えば、この後にあれが控えていたな……」

 

一夏はIS学園の行事予定を思い出していた。

夏休みの終わった九月頃にIS学園では学園祭が行われる。

 

「私と簪さんに天羽さんで三人は確定よね」

 

IS学園の学園祭は招待式のため、一生徒につき一人だけ呼ぶことができるのだ。

 

「だと、呼ぶとしたらマヤちゃんかな……」

 

一夏はマヤの性格からして、この学園祭に呼んだ方がいいと考えていた。

他に候補として上がったのは、キリシマ、ハルナあたりだったが……。

 

「う~ん。今、ハルナたちってアメリカの方にいるのよね……」

 

呼び戻すことは不可能ではないが、学園祭だけに任務を中断させてまで来させるのは少し一夏も悩んでいた。

 

「ここは、天羽さんに相談するかな」

 

結局、纏まらなかったので一夏は天羽さんに相談することにした。なので、一夏はIS学園の方へと進路を変更する。

 

 

 

 

IS学園。一年寮。

簪は天羽からお使いを頼まれ、寮を出ようとした時だった。

 

(誰かがいる?)

 

背後の方で生態反応を感知したのだ。

打鉄弐式に霧のコアを内蔵されているから出来ることで本来ならISにそんな能力はない。

簪も最初は気にしてはいなかったのだが、ずっと後を付けていることから、気になる。

 

「誰ですか? 私の後をつけるのは?」

 

簪はその足を止め、後ろに振り向くと物陰に隠れる者に話しかける。

隠れていた者も流石に見つかるとは思ってもいなかったのか、内心がびくりと動く。

 

「…………」

 

出て来る気配もなかったので、簪は持っていた少量のナノマテリアルでナイフを形成する。

そして、その者のいる近くに投擲した。

 

「もう一度言う。隠れてないで出てきて」

 

完全に居場所がばれている。隠し通すのは無理と判断し、その者は姿を現す。

簪も大方予想していたが、まさか当たるとは思ってもいなかった。

 

「簪ちゃん……」

 

簪の後を付けていたのは、簪の唯一姉であり、このIS学園の現生徒会長である更識楯無だった。そして、同時に簪が特に会いたくない人物でもあった。

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