問題児が異世界で白夜叉とラブコメするそうですよ?   作:竜葵 時雨

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どうもお久しぶりです~!
定期テストが終わりましたので再び投稿することができました!

・・・え? なんですって?
「テストの結果はどうだったのか?」


聞かないでください・・・


※これからの投稿期間としては、余程のことがない限り『約1週間に1話』のペースで投稿したいと思います!

これからもよろしくお願いします!



第12話

 白亜と黒ウサギは十六夜たちがいるという談話室に向かっていた。

 

 そして、向かっている道中に黒ウサギから昨日行われたギフトゲームのことについて話をしていた。

 

「え? 耀、怪我したのか?」

 

 耀が怪我を負ったと聞き、驚いた。

 

「YES。でも、ご安心ください。あの程度の傷は二、三日で治りますので。・・・・・・ただ、出血が激しかったので、増血を施しました。輸血となると専門のコミュニティに依頼しなければならないので」

 

「まぁ、〝ノーネーム〟は資金難だからな。金がかからない方法がいいだろう」

 

 そんなことを喋っている間に談話室の扉の前に着き、黒ウサギが扉を開ける。

 

 中には、ソファでくつろいでいた十六夜の姿があった。

 

「おぉ、黒ウサギ。ちょうどよかった。例のゲームなんだが――――って、白亜じゃねえか」

 

「よう、久しぶり。で、例のゲームって何のことだ?」

 

「あぁ、実はな、今度開かれる〝サウザンドアイズ〟のギフトゲームにこのノーネームの昔の仲間が出展されるらしいんだ。しかもそれが、元・魔王様らしい」

 

「へぇ、元・魔王とは面白いな。そのゲームには十六夜は出るのか?」

 

「そんな面白いもの、出るに決まってるだろ。で、黒ウサギ。ゲームはどうなった?」

 

 十六夜は視線を白亜から黒ウサギに移す。

 

 すると、黒ウサギはさっきまでの表情とは打って変わり、泣きそうな表情になっていた。

 

 その理由というのは――――

 

「ゲームが延期?」

 

「はい・・・・・・申請に行った先で知りました。このまま中止の線もあるそうです」

 

 十六夜は肩透かしを食らったようにソファに寝転んだ。

 

「なんて、つまらないことをしてくれるんだ、おい。なぁ、白亜。白夜叉に言ってどうにかならないか?」

 

 十六夜は白亜に問うが、それに答えたのは黒ウサギ。

 

「いえ、白亜さんでもどうすることもできないでしょう。どうやら巨額の買い手が付いてしまったそうですから」

 

「チッ。所詮は売買組織ってことか。まぁ、次に期待するか。ところでその仲間ってどんな奴なんだ?」

 

「そうですね・・・・・・一言で言えば、スーパープラチナブロンドの超美人さんです。指を通すと絹糸みたいに肌触りが良くて、湯浴みの時に濡れた髪が星の光でキラキラするのですよ」

 

「へえ? よくわからんが見応えはありそうだな。なあ、白亜?」

 

「俺に同意を求めるなよ。まぁ、確かに見応えはありそうだが」

 

「それはもう! 加えて思慮深く、黒ウサギより先輩でとても可愛がってくれました。・・・・・・近くにいるのでしたらせめて、一度お話ししたかったのですが・・・・・・」

 

「おや、嬉しいことを言ってくれるじゃないか」

 

 十六夜と黒ウサギははっとして、白亜は別段驚いた表情を見せずに、声のした方向――窓の外を見た。

 

 コンコンと叩くガラスの向こうでは、にこやかに笑う金髪の少女が浮いていた。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 窓の方を見ると、先程から感じていた気配の通り、そこには少女がいた。

 

 その少女を見た黒ウサギは急いで窓に駆け寄った。

 

「レ、レティシア様!?」

 

 黒ウサギが錠を開けると、レティシアは苦笑しながら談話室に入る。

 

 美麗な金の髪を特注のリボンで結び、赤いレザージャケットに拘束具を彷彿させるロングスカートを着た彼女は、黒ウサギの先輩と呼ぶには随分と幼く見えた。

 

 十六夜風に言えば、金髪ロリってところか。

 

 それにしても、レティシアか・・・・・・また懐かしい奴が出てきたもんだ。

 

「こんな場所からの入室で済まないな」

 

「い、いえ。あ、すぐにお茶を淹れてきますので少々お待ちください!」

 

 黒ウサギは嬉々とした表情を浮かべ、小躍りするようなステップで茶室に向かう。

 

 よほど、久しぶりに仲間に会えたのが嬉しかったらしい。

 

 まあ、俺も白夜叉や〝ユグドラシル〟のメンバーに会ったときは嬉しかったもんな。

 

 そんな事を考えていると、レティシアは十六夜に視線を向けた。

 

 十六夜は彼女に奇妙な視線を向けた。

 

「どうした? 私の顔に何かついているか?」

 

「別に。黒ウサギの言う通りの美人・・・・・・いや、美少女だと思ってな。目の保養に鑑賞していた」

 

 やっぱり、そんな事を考えてたか。

 

 しかも結構真剣な表情で答えてるし。

 

 その回答に、レティシアは口元を押さえながら笑いをかみ殺し、上品に装って席に着いた。

 

「ふふ、なるほど。君が十六夜か。白夜叉の話通り歯に衣着せぬ男だな。しかし鑑賞するなら黒ウサギも負けてないと思うが」

 

「あれは愛玩動物なんだから、鑑賞するより弄ってなんぼだろ」

 

「ふむ。否定はしない」

 

「否定してください!」

 

 紅茶のティーセットを持ってきた黒ウサギが口を尖らせて怒る。

 

 だが、本気で怒っているわけではないようだ。

 

 よく見ると、口角がわずかに上がっている。

 

 昔の仲間に会えたことがとてもうれしいようだ。

 

「で、レティシア様。今回はどのような用件で?」

 

「用件というほどでもない。新生コミュニティがどの程度の力を持っているのか、それを見に来たのだ。実は、黒ウサギ達が〝ノーネーム〟再建を掲げたと聞いた。それがどれだけ茨の道か、それが分からないお前ではあるまい」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・だが、そこでとあることを耳にした。神格級のギフト保持者が、黒ウサギ達の同志となったとな。そこで私は一つ試したくなった。その新人達がコミュニティを救えるだけの力を秘めているかどうかを」

 

「け、結果は?」

 

 黒ウサギが真剣な表情で問う。

 

 その問いにレティシアは苦笑を浮かべて、首を振った。

 

「生憎、ガルドでは当て馬にもならなかったよ。ゲームに参加した彼女達はまだ青い果実であったため判断に困る。こうして足を運んだが、お前たちになんと声をかければいいのかと、頭を抱えていたが・・・・・・」

 

 レティシアはまた苦笑をするが、それもすぐに満足そうな表情を浮かべた。

 

「まあ、それも杞憂だったようだな」

 

 そういうと、レティシアは俺の方を向く。

 

「まさか、お前がいるとは思わなかったよ。ハク」

 

「まあな。俺もまた箱庭に戻ってくることも。そしてお前に会うとは1ミリも思わなかったがな。久しぶりだな、レティ。てかお前、ずいぶん小さくなって可愛くなったじゃねえか。だがまあ、元々の姿も可愛く綺麗だったが」

 

「それはこの特注のリボンせいでな。そこまで気にすることではない。・・・・・・というか、相変わらずそんな恥ずかしい言葉を平気で言うもんだ、お前は。・・・・・・これじゃあ白夜叉も大変そうだ」

 

「ん? なんか言ったか?」

 

「なんでもない。さて、どうした黒ウサギ。そんな驚いたような顔をして」

 

 そういうとレティシアは黒ウサギ達の方に視線を戻した。

 

 その視線の先にはポカンとした表情を浮かべた黒ウサギと十六夜の姿があった。

 

「え、えっ? レ、レティシア様。白亜さんと面識があったんですか?」

 

「ん? あぁ、まあ昔、ちょっとな」

 

 そういうとレティシアは懐かしむような表情で、窓の外の夜空に視線を向ける。

 

 黄昏ているレティシアに、十六夜が声をかける。

 

「アンタと白亜の昔話には興味はあるが、今はいい。なあ、オマエ。白亜の実力は知っているかもしれないが・・・・・・まだ俺の実力は分からないだろ?」

 

 十六夜の問いかけにレティシアは視線を十六夜に向ける。

 

「まあ、確かにそうだな。ハクが強くても、他の者が実力不足では話にならない」

 

「その問題を解決する方法、一つだけあるぜ」

 

「・・・・・・何?」

 

「なに、実に簡単な話だ。アンタは〝ノーネーム〟が魔王を相手に戦えるか不安で仕方がない。そうだろ? ならその身で、その力で確かめればいい。――――どうだい、元・魔王様?」

 

 その言葉に一瞬唖然としたが、レティシアはすぐに哄笑に変わった。弾けるような笑い声をあげる。

 

「ふふ、それは思いつかなんだ。実に分かりやすい」

 

 十六夜とレティシアはその場に立ち上がり、笑みを交わす。

 

 その状況に黒ウサギは慌てた様子で、止めに入ろうとする。

 

「ちょ、ちょっと御二人様!? は、白亜さん! 二人を止めてくださいよ!」

 

「やだ」

 

 俺は即答で返す。だって、面白そうじゃん。

 

 そんな俺らの会話には目もくれず、二人は窓から中庭へ飛び出した。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 十六夜とレティシアが行ったギフトゲーム。

 

 結果はまさに、圧倒的であった。

 

 中庭で、天と地で向かい合う二人。

 

 レティシアはギフトカードから取り出したランスを手にし、そのランスをレティシアは怒号と共に放つ。

 

 流星の如く大気を揺らして舞い落ちていく槍を前に、十六夜はあろうことか、

 

「カッ――しゃらくせえ!!」

 

 殴りつけたのであった。

 

「「――は・・・・・・!?」」

 

「へぇ・・・・・・」

 

 その光景にレティシアと黒ウサギは素っ頓狂な声を上げる。

 

 俺は面白いものを見たと、笑みを浮かべた。

 

 そして、十六夜のたった一撃で槍はひしゃげてただの鉄塊と化し、さながら散弾のように無数の凶器となってレティシアに襲い掛かった。

 

 第三宇宙速度に匹敵する馬鹿馬鹿しい速度で迫る凶弾を避けることは、今の彼女では無理であった。

 

 レティシアが血みどろになって落下する覚悟を決めた時、

 

「ったく、お前は何してんだよ」

 

 窓から飛び出した俺はレティシアを抱き留め、同時に迫っていた鉄塊を蹴り上げた。

 

 蹴り上げられた鉄塊は迫ってきた速度を軽く超えた速さで、夜空の彼方へ消えていく。

 

「ハ、ハク! な、何を!?」

 

 レティシアは声を上げ抗議する。

 

 レティシアが見つめるのは俺の手の中に握られた、彼女から掠め取ったギフトカード。

 

 俺はそのカードを見つめ、呆れを含めた溜息をつき、レティシアに言う。

 

「ギフトネーム・〝純血の吸血姫(ロード・オブ・ヴァンパイア)〟・・・・・・はぁ、やっぱり変わってたか。鬼種は残ってるが、神格が残ってないな」

 

「っ・・・・・・!」

 

 俺の言葉にさっと目を背けるレティシア。

 

「なんだよ。もしかして元・魔王様のギフトって、吸血鬼のギフトしか残ってねえの?」

 

「・・・・・・はい。武具は多少残してありますが、自身に宿る恩恵(ギフト)は・・・・・・」

 

 俺の手の中のギフトカードを駆け寄った黒ウサギが覗き見て、十六夜の問いに答える。

 

 その言葉に十六夜は盛大に舌打ちした。

 

「レティシア様は鬼種の純血と神格の両方を備えていたため〝魔王〟と自称するほどの力を持っていたはずです。ですが、今のレティシア様はかつての十分の一にも満ちません。どうしてこんな事に・・・・・・」

 

「そ、それは・・・・・・」

 

 レティシアはそのまま口を閉ざしたまま俯いてしまった。

 

 俺は、このままでは埒が明かないと提案する。

 

「ま、とりあえず、屋敷の中に入ろうぜ。話はそれからでも充分だろ」

 

「だな。おい、黒ウサギ。戻るぞ」

 

「・・・・・・そう、ですね」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 黒ウサギとレティシアは沈鬱そうに頷くのであった。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 中庭から屋敷に戻ろうとする四人。

 

異変はその時に起こった。

 

顔を上げると同時に遠方から褐色の光が四人に差し込み、レティシアはハッとして叫ぶ。

 

「あの光はゴーゴンの威光!? まずい、見つかった!」

 

 レティシアは焦った表情を見せ、光から三人を庇うように前に立ち塞がる。

 

 褐色の光を全身に浴びたレティシアは、瞬く間に石像となって横たわった。

 

 すると、光が差し込んだ方角から翼の生えた空賭ける靴を履いた騎士のような男どもが押し寄せてきた。

 

 その男たちを見た黒ウサギが叫ぶ。

 

「あ、あれはコミュニティ〝ペルセウス〟!」

 

 すると、石像と化したレティシアが姿の見えない何者かに連れ去らわれた。

 

「よし、吸血鬼は回収したな。引き上げるぞ」

 

「ま、待ってください! その方をどうするおつもりですか!?」

 

 去ろうとする彼らに黒ウサギが慌てて問いかける。

 

「この吸血鬼は我々の所有物だ。どうしようと勝手だろ」

 

「これよりこの吸血鬼は、箱庭の外へ売却するのだ」

 

「な、なんですって!? ヴァンパイアは箱庭の中でしか太陽の光を浴びることが出来ないのですよ!?」

 

「これは我らの首領が取り決めた交渉だ。部外者は黙っていろ」

 

「・・・・・・ここは我ら〝ノーネーム〟の本拠敷地内。これはコミュニティへの侮辱行為になります・・・・・・。にもかかわらず、これだけ無遠慮に無礼を働いていながら、非礼を詫びる一言もないのですか!?」

 

 激高する黒ウサギを男どもは鼻で笑った。

 

「ふん。こんな下層に本拠に構えるコミュニティに礼を尽くしては、我らの旗に傷がつくわ。身の程を知れ〝名無し〟が」

 

「なっ・・・・・・なんですって・・・・・・!!」

 

 その言葉に黒ウサギの堪忍袋が爆発した。

 

 黒髪を淡い緋色に変幻し、高く舞い上がらせた。

 

「ありえないですよ・・・・・・献身の象徴とさえ言われたまで言われた黒ウサギをここまで怒らせるなんて」

 

 瞬時に一帯の空気が重圧に変わり、騎士たちは黒ウサギの放つ威圧感にたじろいでいた。

 

 黒ウサギが右腕を上げた刹那、まるで雷鳴のような爆音が周囲一帯を支配し、その右手には閃光に輝く槍が掲げられていた。

 

 騎士たちに動揺が走った。

 

「ま、まさかインドラの武具!?」

 

「ほ、本物のはずがない! どうせ我らと同じレプリカだ!」

 

「その身で真贋を見極められないなら――その身で確かめるがいいでしょう!」

 

 黒ウサギがインドラの槍を打ち出そうとする。

 

 だが、

 

「てい」

 

「フギャ!」

 

 十六夜が後ろからウサ耳を力いっぱい引っ張る。

 

 インドラの槍はあさっての方向に飛んでいき、箱庭の天井に着弾し、その稲妻と熱量は数㎞に亘って天幕を照らした。

 

「おちつけ。白夜叉と問題起こしたくないだろ? つーか、俺が我慢してるってのに、一人でお楽しみとはどういう了見だオイ」

 

「痛い、痛いです! というか怒るとこそこですか!? 今はあの無礼者に天誅を!」

 

「もう全員帰ったぞ?」

 

「え? えーっ!?」

 

「おそらく不可視のギフトで隠れたんだろ。見逃してやれ」

 

「で、ですが!?」

 

「話があるのは奴らの親玉だけだろ? なら、ソイツに話をつけに行くぞ。お嬢様も呼んだ方がいいな。白亜も行くだろ? ――ッ!」

 

 十六夜が先程から黙っていた白亜に視線を向け、息を呑んだ。

 

 そこには、全身に殺気を放ち、黒いオーラを出す白亜の姿があった。

 

 普段の比較的温厚な性格の彼からは想像のつかない姿。

 

 それを見た黒ウサギはもちろん、十六夜までもが鳥肌が立ち、背中に嫌な汗をかいていた。

 

「はは、マジかよ・・・・・・おもしれえじゃねえか」

 

ただし、十六夜に関しては笑みを浮かべていた。

 

そして、白亜は無表情でいつもよりも低い声で、こう小さく呟いた。

 

「ハハッ。・・・・・・こんなにも躾がなっていないヤツは久しぶりに見た。さてと、〝ペルセウス〟・・・・・・どう教育してやろうか・・・・・・」

 

 





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