問題児が異世界で白夜叉とラブコメするそうですよ?   作:竜葵 時雨

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第14話

 あの変態のところから去り、今現在、〝ノーネーム〟の本拠の館にある談話室にてジンと耀も入れた六人がくつろいでいた。

 

 ふと、黒ウサギが思い出したかのように問うてきた。

 

「そういえば、白亜さん。少し気になったことがいくつかあるのですが」

 

「ん? 気になること? なんだ?」

 

「えっと、まず・・・・・・どうやって知ったんですか? 〝ペルセウス〟への挑戦権を示すギフトを」

 

「あぁ、それはだな。俺が『どうにかできないのか?』って白夜叉に聞いたら教えてくれたんだよ。で、思い立ったが吉日ってことで、白夜叉にその場所へこっそり送ってもらったんだ」

 

「そ、そうだったんですか・・・・・・。白夜叉様にはお礼をしなければいけませんね」

 

 俺の言葉に黒ウサギは苦笑を浮かべた。

 

 すると、ソファでくつろいでいた十六夜が声をかける。

 

「あ、俺も気になったことがあるんだが・・・・・・」

 

 一拍置き、目を細めて問う。

 

「白亜、お前・・・・・・〝ノーネーム〟を抜けたのか?」

 

「え?・・・・・・」

 

 十六夜の問いに黒ウサギが声を上げる。

 

飛鳥や耀、ジンも目を丸くしてこちらを見る。

 

黒ウサギは、たまらず追及する。

 

「え、本当なんですか!? 白亜さん!」

 

「ま、まあとりあえず落ち着け、黒ウサギ。というか、なんで気づいた? 十六夜」

 

「いや、お前が『〝ノーネーム〟の助っ人だ』って言ってたじゃねぇか。そこから推測しただけだ」

 

「あ! そういえばそうです!」

 

 黒ウサギが思い出したように頷く。

 

 そして、再び白亜に詰め寄った。

 

「で! どういうことなんですか、白亜さん!? どうしてですか!?」

 

「だから落ち着け! ちゃんと答えるから。まずは座ろう。な?」

 

 そう言いながら、興奮する黒ウサギたちを一旦席に座らせる。

 

 そして、全員が席に着き、落ち着いたところでコホンと咳払いをして説明に入る。

 

「えっと、簡単に説明するとだな。〝ユグドラシル〟と〝ノーネーム〟の二つのコミュニティに所属するのはどうなのかと思ってな。それに俺は、コミュニティのリーダーだからな。だから、〝ノーネーム〟を抜けることになったんだが、前にも話したように〝ノーネーム〟には恩を感じてるから、ほっとくわけにもいかない。というわけで行き着いたのが『ノーネームの助っ人』ってわけなんだ」

 

「そ、そうだったんですか・・・・・・。てっきり、愛想尽かれたのかとばかり。あ、でもそうなると少し気になることが出てきますね」

 

「気になる事ってなんだ、黒ウサギ」

 

 顎に手を当て、考えるようなそぶりをする黒ウサギに十六夜が問う。

 

「白亜さんが抜けたとなると、白亜さんは〝ノーネーム〟とは無関係の人物ということになります。ですので、今回の〝ペルセウス〟のギフトゲームのように〝ノーネーム〟が振った喧嘩、もといゲームには参加できないはずです。ですが――」

 

 黒ウサギは目線を机の上にある〝ペルセウス〟のギフトゲームの契約書類(ギアスロール)――正確にはそのプレイヤー一覧の項目に向ける。

 

 そこには、望月 白亜の文字が書いてある。

 

「――このには、参加できないはずの白亜さんの名前が書いてあります。これはいったいどういう事なんですか? 白亜さん」

 

 再び、その場の全員が白亜に目線を向ける。

 

「あぁ、それは多分・・・・・・これのおかげだな」

 

 白亜は着ていたジャケットの胸ポケットから自身のギフトカードを取り出し、黒ウサギ達に見せる。

 

 そこには、『コミュニティ〝ノーネーム〟』の文字が消えており、代わりにギフトのところに『〝ノーネーム〟の助っ人』の文字が記されていた。

 

 つまりは――――

 

「〝ノーネーム〟には所属はしないが、〝ノーネーム〟の関係者ってことになるのかな。まぁ、一風変わった連盟みたいなもんだ。あ、ちなみにこのギフトは俺が創った」

 

 黒ウサギたちはしばらく呆然としていたが、すぐに戻る。

 

「なるほど・・・・・・そういう事だったんですね。というかギフトを創るだなんて、さすが二桁外門のコミュニティのリーダーですね」

 

 あまりのことに黒ウサギは驚きを通り越して呆れの表情を見せる。

 

 十六夜たちも同じような表情をしている。

 

 白亜はそんな彼らに言う。

 

「まぁ、そういうわけだから少し前とは違う状況になっちまったけど、これからもよろしくな」

 

 白亜の言葉に黒ウサギ達は嬉しそうな表情で頷いた。

 

 

 ◇◇◇

 

 

「あ、そうだ黒ウサギ」

 

 あのあと、しばらく談話室でのんびりとみんなで茶をすすっていると、不意に十六夜が口を開けた。

 

 ちなみに、茶菓子として出ているこの栗羊羹と抹茶のパウンドケーキは俺が〝ユドラシル〟に帰ってきた日の夜に作っておいたもので、手土産として持ってきていたのだ。

 

 〝ノーネーム〟のメンバー(特に女性陣)には好評で皆、美味しそうに食べてくれた。

 

 幸せそうに食べてくれる彼らの姿に俺も知らず知らずのうちに笑みを浮かべた。自分が作ったものを喜んで食べてくれるなんて作った側としてはとても嬉しいじゃん。

 

 だが途中、飛鳥が何かに気づいたように「はっ! 気を付けて食べないと、体重が凄いことになりそうね・・・・・・」といった時、女性陣の動きがピタッと止まったが、結局甘い誘惑には勝てず食べてしまうことになっていた。

 

 今度何か作るときには低カロリーなものを作った方が良いだろう。

 

「はい? なんでしょうか十六夜さん」

 

 十六夜の問いに、まだ食べている途中だった手を止めて十六夜の方を向く。

 

 話は変わるがこの黒ウサギ。このケーキで3つ目である。

 

 ちなみに他のメンバーはというと、ジン君はケーキを1つ。飛鳥は羊羹を2つ。十六夜と耀に関してはもう数えていない。いったいこの二人の胃袋はどうなっているのだろうか。もしかすると、某弾幕ゲームの亡霊少女の胃袋にでも繋がっているのだろうか? もしくは、某聖杯戦争の腹ペコ王の胃袋だろうか。はたまた、某艦隊ゲームの正規空母の胃袋だろうか。この謎はこれからも解明することはできないであろう。

話が変な方向にずれてしまったが、まぁ、ようするに二人はそのくらいたくさん食べていた。

 

 今度何か作るときにはたくさん作っておいた方が良いだろう。

 

「お前、白亜に質問するときに『質問がいくつかある』って言ってただろ。なら、まだ白亜に聞きたい事あるんじゃないのか?」

 

「え? あ! そういえば、そうでした!? すっかり忘れていました!」

 

 黒ウサギは思い出したかのように頷く。

 

 そして、視線を俺に向ける。

 

「あの、白亜さん。先刻、白夜叉様と別れる際に約束がどうのと言っておりましたが、あの・・・・・・支障がなければ教えていただきたいのですが」

 

「あぁ、そのことね。別に大したことじゃないけどな。ただ、白夜叉に〝ペルセウス〟への挑戦権を教えてもらう代わりに、ゲームが終わった後、ふたりで買い物に出かけないかって言われてな。約束っていうのはそういうことなんだ――――って黒ウサギ? どうした?」

 

 俺が説明していると、飛鳥が黒ウサギ、十六夜、耀を呼び、部屋の隅っこで何やら話しているようだ。声は何かをぼそぼそ言っていると分かるだけで、話の内容は聞こえない。

 

 ちなみに、ジン君は何が何やらわからない様子で椅子に座っている。

 

 いったい、四人は何をしているのやら。

 

 俺は、つまようじに刺した栗羊羹を口に含んだ。

 

 

 ◇◇◇

 

 

 ちなみに、四人が何を話していたのかというと・・・・・・

 

「ねぇ! これって、もしかして!」

 

「あぁ、多分お嬢様が思っていることだと思うぞ」

 

「というこはつまり!」

 

「デ、デート・・・・・・という事ですか!?」

 

「しっ! 声がでかい。黒ウサギ」

 

「す、すみません。で、ですが、白夜叉様に限ってそんなことがあるのでしょうか?」

 

「・・・・・・なら、確かめるか?」

 

 十六夜の言葉に飛鳥と耀はいたずらを思いついたような顔をする。

 

 黒ウサギは一瞬ポカンとしたが、すぐに三人が何を思いついたか分かる。

 

「い、十六夜さん。本気ですか?」

 

「ハッ! 本気も何も、こんな面白いことに何もしないわけにはいかなだろ。それに、黒ウサギも気になるだろ?」

 

「そ、それはそうですが・・・・・・」

 

「黒ウサギ。もしかしたら、白夜叉のデレ姿が見れるかもしれないんだぞ」

 

「っ!? わ、分かりました。今回ばかりは、黒ウサギも悪い子になります!」

 

「話が分かるじゃねえか。黒ウサギ」

 

 こうして、〝ペルセウス〟とのギフトゲームの水面下で、とある計画が始まったのだった。

 

 そんなことを白亜は知る由もない。

 

 

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