問題児が異世界で白夜叉とラブコメするそうですよ? 作:竜葵 時雨
この第15話、比較的文字数が少なくなってしまいました。
ですが、次からは文字数を増やします(仮)
第15話
ある日、俺はノーネームのところに遊びに来ていた。
そして現在、黒ウサギとメイド服を着たレティシアと共に農園跡地にいるのだが――
「・・・・・・酷いな。ここにがあの農園区だとは、にわかに信じがたい」
「確かに。・・・・・・石と砂利しかねぇな。それに、土が死んでいる。いやはや、件の魔王は派手にやったねぇ」
レティシアと俺はその場にしゃがみ込む。
俺は二人のようにかつてのこの土地は知らないが、二人の様子から三年前までの土地は豊潤な土地だったのだろう。
だが、今ではもはや見る影もない。
こんな今のノーネームの現状を見たレティシアは険しい表情で呟く。
「・・・・・・驚異的な力だ。これほどの力を持つ魔王など手の指程しか会ったことがない」
そんなレティシアの言葉に黒ウサギは緊張した面持ちで告げる。
「時間操作による土地の自壊・・・・・・これほどまでに大規模な事が可能な種は、〝星霊〟級以上、それも星の運行を支配する類くらいでしょう」
「星の進行を司る星霊となれば、最強のフロアマスター・白夜叉か・・・・・・もしくはかの黄金の魔王、〝クイーン・ハロウィン〟と同クラスの怪物という事になる」
クイーン・ハロウィン・・・・・・あの我儘女王か。あいつちっちゃい割にはめんどくさいからなぁ。・・・・・・よし、会うのは今度にしよう。それがいい。
二人が暗い雰囲気になっている中、俺は呑気にそんな事を考えていた。もう、こんな程度じゃ動じないよ。
「箱庭〝最強種〟の魔王――でございますか」
「そういう事になるな。・・・・・・最悪の冗談だ」
黒ウサギの問いに答えるレティシア。
だが、そんな流れを断ち切るようにこんな事を言ってきた。
「まぁ、でもそこまで気に病むことはないだろう。なんていったって、こっちには助っ人として〝箱庭最強〟がいるんだからな」
「え?」
「おいレティ、そんなニヤニヤ笑いながら人の顔見るんじゃねぇよ。というか、〝箱庭最強〟 っていうのはないだろ」
レティシアの言葉に疑問を浮かべる黒ウサギをよそに話は進む。
「はぁ、〝箱庭席次第一番〟が何を言ってんだか。これだから白夜叉も苦労するわけだ」
「おいおい。白夜叉は関係ないだろう。あと、俺が〝箱庭席次第一番〟って一体いつの話をしてんだよ。〝元〟が抜けてるぞ。〝元〟が。今は、ほかのやつが1番のはずだろ」
「ふふ、悪い悪い」
俺とレティシアの話を聞き、黒ウサギは信じられないような言葉を聞き、レティシアに問う。
「え、え? レ、レティシア様。あのう、今〝箱庭席次第一番〟という言葉が聞こえたのですが、気のせいでしょうか?」
「ん? あぁ。いや、気のせいではないぞ。実際にハクは一番になったことがあるんだ」
「まぁ、少しの期間だったけどな・・・・・・」
レティシアの言葉に黒ウサギは唖然とする。
〝箱庭席次第一番〟――それは、レティシアの言ったように〝箱庭最強〟と言っても過言ではない。
ちなみに、星霊最強個体である白き夜の魔王――白夜叉は現在、箱庭席次第十番である。
まさかそんなすごい人物だとは思ってはいなかった黒ウサギは、しばしの間、彫刻と化していた。
そして、石化が解けたあと、黒ウサギは好奇心などから白亜に色々と聞きたいことを聞こうと思ったのだが、白亜の瞳がどこか悲しみを帯びており、聞くことをやめた。
◇◇◇
その後、俺たちは農園跡地から本拠に戻ろうとした時――――
「く、黒ウサギのお姉ちゃぁぁぁぁぁん! た、大変――――!」
本拠の方から、割烹着姿の年長組の一人――狐耳と二尾を持つ、狐娘のリリが、泣きそうな顔でこちらに走ってきた。
「リリ!? どうしたのですか!?」
「じ、実は飛鳥様が十六夜様と耀様を連れて・・・・・・あ、こ、これ、手紙!」
リリが息絶え絶えに渡してきた手紙にはこう書かれていた。
『黒ウサギへ。
北側の四〇〇〇〇〇〇外門と東側の三九九九九九九外門で開催する祭典に参加してきます。
貴女もあとから必ず来ること。あ、あとレティシアにも。白亜くんも連れてこられるならぜひ、連れてきてちょうだい。
私に祭りのことを意図的に黙っていた罰として、今日中に私を捕まえられなかった場合、三人ともコミュニティを脱退します。死ぬ気で探してね。応援しているわ。
P/S ジン君は道案内に連れてきます』
「「「・・・・・・・・・・・・」」」
「わお、大胆な事やるねぇ十六夜のやつ」
俺以外のメンバーは皆、黙り込む。
そして、たっぷり黙り込んだ後、メンバーの一人――黒ウサギは、悲鳴のような声を上げた。
「な、――・・・・・・何を言っちゃってんですかあの問題児様方ああああ――――!」
黒ウサギの絶叫が一体に響き渡る。
黒ウサギには悪いが、俺としてはこれは面白くなりそうだと、内心微笑んでいた。
(それに丁度、俺たち〝ユグドラシル〟にもその北と東の〝
俺は、ポケットに入っていた十六夜たちが見つけた招待状と同じような招待状を握りしめながら、これから起こるであろう面白いことに心を弾ませた。