問題児が異世界で白夜叉とラブコメするそうですよ?   作:竜葵 時雨

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序章
プロローグ


「さてと、美味く出来てるかなぁ」

 

 火を止めて、作った味噌汁を少しだけ小皿に注ぎ、味見をしてみる。

 

「うん。美味く出来てる。みんなーご飯だよー」

 

「「「は、はーーい」」」

 

 僕は、そう告げると隣の部屋で遊んでいた十数人の子供たちがぞろぞろとやってきた。

 

 ちらっちらっとこちらの様子を窺いながら。

 

 そして、子供たちの後に続くように30代くらいの女性が数人入ってくる。

 

 その女性たちは子供たちの方に向かうが、その中の一人がこちらの方にやってきた。

 

「いつもお食事の準備ご苦労様です。お若いのに大変ですねぇ」

 

「い、いえ。たいしたことではありませんので・・・・・・」

 

 その女性は、朗らかな笑みで労ってくれた。

 

 その笑っていない目を向けながら――

 

 

「で、では僕はこのへんで失礼します」

 

「えぇ、ごゆっくり」

 

 僕は、その場から逃げるようにリビングを出た。

 

 出るときにちらっと見えた子供たちは少し安心した顔をしていた。

 

 リビングを出て自分の部屋に戻った僕は、ベッドに横になった。

 

「はあぁ・・・・・・」

 

 今日何回目かも分からない溜息をついた。

 

「なんで僕、こんな能力(モノ)持ってるんだろうな」

 

 そんなことを呟きながら、襲ってきた睡魔に身を任せ意識を放した。

 

 

 ◇◇◇

 

 

「・・・・・・ん?」

 

 それからどのくらい経っただろうか。

 

 まだ体の中に残っている眠気を何とか追いやる。

 

「んっ・・・・・・ふぁ~よく寝た。今何時だろう?」

 

 枕の横にある目覚まし時計を見てみると、時間は午後3時半。

 

(さっきの食事の時間が12時半だったから、3時間寝てたのか)

 

 寝ていた時間を確認すると、溢れる欠伸を噛み殺しながら起きあがる。

 

「・・・・・・ん?」

 

 ふと、今の見慣れた風景に少し違和感があった。

 

 しかし、その違和感の正体はすぐに分かった。

 

 それは、目覚まし時計のすぐ隣にある封書だった。

 

「寝る前にはなかったよね?」

 

 3時間前の記憶を探るが、該当する記憶はなかった。

 

 そして、その不審な封書には達筆でこう書かれていた。『望月(もちづき)白亜(はくあ)殿へ』と。

 

 僕は、封を切った。

 

 自分でも、躊躇いなくこの不気味な封書の封を切ったことに内心少し驚いたが、不思議なことに、恐怖の部類の気持ちは湧かなかった。

 

 むしろ、嬉々としていた。

 

 そして、中に入っていた文章を読んだ。

 

それにはこう書かれていた――

 

 

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。

 その才能(ギフト)を試すことを望むのならば、

 己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、

 我らの〝箱庭〟に来られたし』

 

 

「・・・・・・えっ?」

 

 無意識に瞑っていた目を開けてみると、そこは上空4000m。

 

 驚くなと言われても無理な話だろう。

 

 そして現在、絶賛落下中。

 

 僕は、あまりのことに最初は混乱してしまったが、数秒もすれば混乱も収まる。

 

 何気なく、周りに視線をやると。

 

「なにこれ・・・・・・」

 

 本日早くも二度目の驚きを得た。

 

 視線の先に広がる地平線は、世界の果てを彷彿とさせる断崖絶壁。

 

 眼下に見えるのは、縮尺を見間違うほど巨大な天幕に覆われた未知の都市。

 

 目の前に広がる世界は、完全無欠に異世界――のはずだった。

 

 この目の前の風景に対する驚きよりも、自分について驚いた。なぜなら――

 

 

 僕はこの世界を知っている・・・・・・

 

 そう、何故かこの世界を知っていた。しかし、そこまで詳しく知っているわけじゃない。

 

 むしろ、()()()()

 

 ()()()()()()()()()()()

 

 矛盾しているが、そうとしか言えなかった。

 

 またもや混乱してきたが、僕の口から無意識に漏れた言葉でさらに混乱してしまった。

 

 

「帰ってきたな・・・・・・〝箱庭〟に」

 

 

その呟きと混乱をかき消すように湖に落下した。

 

 

 




どうも竜葵時雨です!

このプロローグではお分かりの通り主人公の望月白亜が箱庭に来る前のお話ですね。色々と意味深っぽいところもありますがそれは追々と投稿します♪

こちらもお楽しみに♪


ではみなさんまたお会いしましょう!
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