問題児が異世界で白夜叉とラブコメするそうですよ? 作:竜葵 時雨
最近、学校も再開して忙しくなりまして。
そして、近づくテスト期間・・・
いやぁ! 来ないでぇ!!
「仲良くしようか。よろしく」
未だ驚愕の表情を見せている〝サラマンドラ〟の二人に俺はそう口を開いた。
そして、その片方に声をかける。
「・・・・・・ところで、その物騒な物はしまおうか。な?」
俺はそう言って、こちらに切っ先を向けてくるマンドラにその剣を指さす。
マンドラはその言葉に、一瞬ポカンとしたもののマンドラは慌てて剣を戻す。
否、戻そうとした。
マンドラは再びこちらへ切っ先を向ける。どうやらまだ信じられないらしい。
だが、その剣先は先程までとは違い、怯えや恐怖などから震えている。
俺は呆れから溜息を吐き、マンドラに近づく。
すると、意外なところから邪魔が入る。
自分の右側に後ろから何者かが走り抜けたような風が通ったと思ったら、その者はマンドラへと向かっていき、長く伸びた爪をマンドラの首筋へとあてがう。
すると、マンドラの懐に入ったイリスが口を開く。
「ハクがしまえって言った。でも、言うこと聞かった。・・・・・・もし、ハクに刃向うんなら。・・・・・・このままお前の首を飛ばす」
いつものように大人しく、気だるそうにしている彼女とは思えないような迫力をイリスは放っていた。
碧い瞳は血走り紅く染まり、耳や尻尾などは毛が逆立っている。
そんな彼女の殺気に当てられ、マンドラは全身ががくがくと震え、息があがっていた。
「イリス、その辺にしとけ。俺は気にしてないから」
俺はそう言いながら、イリスの頭に手を乗せる。
「・・・・・・ん。分かった。ハクが言うなら」
すると、先程までの迫力が嘘のように静まり、いつものような気だるそうな雰囲気になり、頭に乗せられている手に擦り寄ってくる。さながら、甘えん坊の子犬のように。
ふと、周りを見ると白夜叉と桜、楓以外のメンバーがマンドラまでとはいかないものの、息があがっており、固まっていた。
その様子に白夜叉が溜息を吐き、パンと柏手を打つ。
すると、みな「はっ!?」と意識の狭間から帰ってきた。
その中の一人である十六夜と黒ウサギが口を開く。
「はぁ、はぁ・・・・・・。なんだ今の殺気はッ・・・・・・!」
「はい・・・・・・黒ウサギもここまでの殺気は感じたことがありません」
息絶え絶えの様子で口を開く十六夜だったが、息を整え、調子を取り戻すとこちらに問う。
「なぁ、白亜。お前の仲間ってこんなスゲェヤツばっかなのか?」
「まぁ、だいたいこんなもんだ。あ、でもそこにいる桜が怒ったらこの比じゃないぜ。下手したら殺気だけで人殺せるんじゃないか?」
「ちょ!? 兄さん! それはさすがに言い過ぎじゃないですか!?」
俺が少し笑いながらそう言うと、十六夜たちの左横あたりにいた桜が頬を膨らませながらそう言ってくる。
ふと、桜が何かに気付いたように十六夜たちの方を向くと口を開く。
「あ、そういえばちゃんとご挨拶はしていませんでしたね。はじめまして、白亜の妹の桜です。兄共々よろしくお願いします。・・・・・・それでこちらにいるのが」
「楓と申します。主に桜やハクのお世話や補佐などをしております」
桜と楓がそう言うと、俺が口を挟む。
「それでこいつはイリス。主には・・・・・・まぁ俺たちと一緒に遊んでる」
「イリス。よろしく」
俺の言葉が終わると、イリスも簡単なあいさつをする。
黒ウサギや十六夜たちも彼女たちと挨拶を済ませたのを確認すると、俺は中断されていた話で気になっていたことを白夜叉に問う。
「あ、そうだ白夜叉」
「ん? なんだ」
「さっきそこのやつが、此度の噂がどうのこうのって言ってたけど、噂ってなんだ?」
「そうそう、噂って何のことだ? 俺たちに協力してほしい事と関係があるのか?」
俺の言葉に十六夜も気になっていたのか同じく問う。
「ん? あ、あぁ、いやぁ、すっかり忘れとった」
白夜叉はそういうと、先程までふざけていた表情を消し、真剣な表情になり、袖から封書を取り出すとともに口を開く。
「実はだの。〝サウザンドアイズ〟の幹部の一人が予言をしたためたのじゃ。・・・・・・『火龍誕生祭』にて、〝魔王襲来〟の兆しあり。とな」
その言葉にほとんどの者が絶句する。
十六夜は無表情に白夜叉へ問い返す。
「正直意外だぜ。てっきりマスターの跡目争いとか、そんな話題だと思ったんだがな」
「ふっ、内容を聞かずに引き受けたのはおんしらじゃ。謝りはせんぞぉ」
「違いねぇ。なら俺たちに何をさせてぇんだ? そもそもその予言は当たるのか?」
「まず間違いなかろう。なにせこの封書の送り主は『ラプラスの悪魔』だからの」
――――『ラプラスの悪魔』それは〝サウザンドアイズ〟の幹部の一人で未来の情報《ギフト》を与える。その信憑性は「上に投げれば下に落ちる」とされ、本人は「誰が投げた」も「どうやって投げた」も「なぜ投げた」すらも分かっている。というほどである。つまりは――――
「多分、
「・・・・・・だろうのぅ」
俺の言葉に白夜叉は肯定の意を見せる。
この会話にその場の者全員が、言葉を失った。
「え? ど、どういうことですか!?」
「なるほどな」
黒ウサギが声を荒げると同時に十六夜が白夜叉へ問う。
「今回の一件で、魔王が火龍誕生祭に現れるため、策を弄した人物がほかにいる。――その人物は口に出すことが出来ない立場の相手ってことなのか?」
その言葉に反応したのはジンだった。ジンはハッとサンドラの方を見る。
――――『幼い権力者をよく思わない組織がある』と、北側に来る際、白夜叉との会話にそうあった。
「まさか、他のフロアマスターが魔王と結託して、〝火龍誕生祭〟を襲撃すると!?」
「わからん。だが、我々は秩序の守護者として正しくその何某を裁かなければならない」
「ジンたちには魔王のゲーム攻略に協力してほしいんだ」
白夜叉の言葉にサンドラがそう付け加える。
「分かりました。〝魔王襲来〟に備え、〝ノーネーム〟は〝サラマンドラ〟〝サウザンドアイズ〟の両コミュニティに協力します」
ジンは事の重大さを受け止めるように重々しく承諾した。
「ジン、頑張って。期待してる」
「うん、分かった」
ジンは緊張しながら頷く。それを見た白夜叉は硬い表情を一変させ哄笑を上げる。
「そう緊張せんでもよいよい。魔王はこの最強のフロアマスター、白夜叉様が相手をする故な。おんしらはサンドラと露払いをしてくれれば良い。」
そう呵呵大笑する白夜叉。一方、十六夜がスッと目を細めて不満そうな面持ちを見せる。
「ふふ、それでは気に食わんか? 小僧」
「いいや? 魔王がどの程度か知るにはいい機会だしな。――でも、別に何処かの誰かが偶然に魔王を倒しても、問題はないよな?」
十六夜は笑みを浮かべながらそう答える。それに白夜叉も返す。
「よかろう。隙あらば魔王の首を狙え。私が許す」
こうして交渉が成立した。
各々が部屋を後にするなか、白夜叉が白亜に問う。
「で、おんしは今回どうする?」
「俺達はパスかな。今回は普通に祭りを楽しみに来たし。・・・・・・何もなければ、高みの見物かな」
俺は口元に笑みを浮かべそう答えた。
すると、イリスが白夜叉に問う。
「ねぇ、白夜叉。ここ、お風呂ある?」
「ん? あぁ、あるとも。ちょうど今入り頃だと思うし、〝ノーネーム〟のメンバーと親睦を深めるいい機会だ。一緒に入ってきたらどうかね? まぁ、私も入るがの」
「おっけー、分かった。・・・・・・じゃ、ハク。今度こそ一緒に入ろ?」
「いや、入んねぇぞ!?」
温泉回だと思った?
残念、その前置きでした!
実は自分、書き溜めとかあまりしないので前回のコメントで次回温泉回とか言ってしまいました。すいません。
思いのほか、伸びちゃって温泉回を書けませんでした。
(書きたかったのに! めっちゃ甘々の展開書こうと思ったのに!!)
というわけで、次回こそ温泉回です!
ブラックコーヒーのご準備をw