問題児が異世界で白夜叉とラブコメするそうですよ?   作:竜葵 時雨

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皆さんお久しぶりです。
約1ヶ月ぶりの投稿でございます。楽しみにしていただいた方々には大変申し訳なく思います。


では、第22話、どうぞ!


第22話

 

 温泉卓球勝負では、黒ウサギが最下位、優勝が耀になった。そこへ目覚めた白夜叉に連れられ、現在来賓室にいる。

 

 この来賓室にいるのは、十六夜、飛鳥、耀、黒ウサギ、ジン、白夜叉、そしてトンガリ帽子の精霊がこの場にいる。

 

 そして、この場のほぼ全員が来賓室の席の中心――白夜叉の方へニヤニヤと視線を向けている。当の本人である白夜叉は頬を朱く染め、顔を逸らしている。

 

 ちなみにもう一人の当事者は、まだ気絶から目覚めておらず未だに客間で眠っている。

 

 白夜叉はこの雰囲気を打開すべく、コホンッと咳払いをし口を開く。

 

「そ、それでは皆のものよ。今から第1回、黒ウサギの審判衣装をエロ可愛くする会議を」

 

「ニヤニヤ・・・・・・って!? は、始めません!」

 

「始めます」

 

「始めませんっ!!」

 

 白夜叉の言葉に悪乗りする十六夜。そして、黒ウサギは、白夜叉をニヤニヤしていたため、ツッコミが少し遅れてしまった。

 

このコントのおかげでからかいの対象が自分から黒ウサギへ変わり、ほっと一安心する白夜叉。

 

「もうっ! 魔王襲来に関する重要なお話かと思っていたんですよ!?」

 

「いやいや、審判の話は本当だぞ? 実は明日のギフトゲームの審判を黒ウサギに依頼したいのだよ」

 

「あやや、それはまた唐突で。何か理由でも?」

 

「おんしらが起こした騒動のおかげで〝月の兎〟が来ていると公になってしまっての。こうなったからには出さぬわけにもいくまい。無論、別途応酬も出るので安心せい」

 

 白夜叉の言葉になるほどと納得した一同。

 

「分かりました。明日のゲームの審判・進行役はこの黒ウサギが承ります」

 

「感謝するぞ。・・・・・・それで審判衣装だが、例のレースで編んだシースルーの黒のチェスカートを」

 

「着ません」

 

「着ます」

 

「断っ固着ません! あーもう、二人ともいい加減にしてください!」

 

「「はーい」」

 

 十六夜と白夜叉は気の抜けた返事をする。

 

 すると、先程まで全く無関心だった耀が口を開き白夜叉に問う。

 

「ねぇ、白夜叉。私が明日戦う相手ってどんなコミュニティ?」

 

「すまんがそれは教えられん。〝主催者〟である私がそれを語るのはフェアではないからの。教えられるのはコミュニティの名前までだ」

 

 白夜叉がふと指をパチンッと鳴らすと、耀の前に昼間のゲーム会場で配られたものと同じ羊皮紙が現れた。

 

 その羊皮紙に書かれているコミュニティを見て、飛鳥が驚く様子を見せた。

 

「〝ウィル・オ・ウィスプ〟に――〝ラッテンフェンガ―〟ですって?」

 

 この二つのコミュニティはここの一つ上の階層――六桁の外門から参加しており、実質耀たちの各上の存在である。

 

 一方、十六夜が〝契約書類(ギアスロール)〟を見て、物騒に笑い言う。

 

Rattenfänger(ラッテンフェンガー)――ドイツ語か。なるほど、なら明日の敵はさしずめハーメルンの笛吹きか」

 

「「へぇ」」

 

 飛鳥と耀はどうでもいいようなリアクションを取った。だが、黒ウサギと白夜叉は驚嘆の声を上げる。

 

「ハ、〝ハーメルンの笛吹き〟ですか!?」

 

「どういうことだ小僧」

 

 二人のあまりの驚きように、十六夜は思わず瞬きをしてしまう。

 

 十六夜の様子に気づき、白夜叉が声のトーンを下げ説明する。

 

「すまぬ。召喚されたばかりのおんしらは知らんのだな。・・・・・・〝ハーメルンの笛吹き〟とは、とある魔王に仕えていたコミュニティの名だ」

 

「何?」

 

 十六夜は、魔王という言葉に目を細める。

 

「その魔王は、全二〇〇篇以上にも及ぶ魔書から悪魔を呼び出し――〝幻想魔道書群(グリムグリモワール)〟というコミュニティを率いておったのじゃ」

 

「しかし、その魔王はとあるコミュニティとのギフトゲームで敗北し、この世を去ったはずなのです」

 

「魔王が死んだ以上、〝ハーメルンの笛吹き〟も力を失ったはずじゃが・・・・・・」

 

 白夜叉は十六夜の方を向き問う。

 

「そもそも小僧。なぜ〝ラッテンフェンガー〟が〝ハーメルンの笛吹き〟なのだ?」

 

 十六夜はしばし考えた後、隣にいたジンの頭に手を掴み、

 

「ふっ・・・・・・それは、我らがおチビ様が説明する」

 

「え? あ、はい」

 

 ジンは、突然の事にキョトンとしたもののすぐに十六夜の提案に承諾した。

 

 コホンと一度咳払いをし、ダボダボのローブを整え、ゆっくりと語る。

 

「〝ハーメルンの笛吹き〟という物語がグリム童話にあるのはご存知ですね? 〝ハーメルンの笛吹き〟のハーメルンとは、実際に物語の舞台となった都市の名前です。そして、町の石碑にはこう書かれています」

 

 

『一二八四年 ヨハネとパウルの日 六月二六日 あらゆる色で着飾った笛吹き男に一三〇人のハーメルン生まれの子供らが誘い出され、丘の近くの処刑場で姿を消した』

 

 

 この碑文はハーメルンの街で起きた実在する事件を示すものであり、一枚のステンドガラスと共に飾られている。

 

「このグリム童話の笛吹き男がラッテンフェンガー――ネズミ捕りの男。このネズミ捕りの男とは、グリム童話の魔書にある〝ハーメルンの笛吹き〟を指す隠語です。それは、グリム童話の道化師が、ネズミを操る道化師だったとされるからです」

 

(ネズミを操る・・・・・・ですって?・・・・・・)

 

 飛鳥は、ジンの説明を聞き息を呑んだ。

 

 先程の襲撃が飛鳥の脳裏を掠める。そして、襲われている時に不協和音のような笛の音がかすかに聞こえていたのを思い出す。

 

 飛鳥はふと手元を見る。そこには、付いてきたトンガリ帽子の精霊が気持ちよさそうに眠っていた。

 

 飛鳥はこの精霊と仲良くなった時、この子の名前を聞いた。名前はなかったが、コミュニティの名前を聞いた。その時に彼女が口にしたのは――

 

『ねぇ。あなたはなんというコミュニティに所属してるの?』

 

『らってんふぇんがー!』

 

 ――ラッテンフェンガー。まさに件のコミュニティの名前である。

 

(・・・・・・ラッテンフェンガーが魔王の配下? なら、この子は――――?)

 

 飛鳥の疑問、焦りはよそに話は進んでいく。

 

「ふーむ。〝ネズミ捕り道化(ラッテンフェンガー)〟に〝ハーメルンの笛吹き〟か・・・・・・これが予言の魔王かどうかはともかく、〝幻想魔道書群(グリムグリモワール)〟の残党が忍んでおる可能性が高いな。・・・・・・サンドラの顔に泥を塗らぬよう監視をつけておくが」

 

 ここで白夜叉は十六夜達を見据え、笑みを浮かべる。

 

「万一の場合はおんしらの出番だ。たのむぞ」

 

 〝ノーネーム〟の一同は頷いて返す。しかし飛鳥だけは一人、不安そうな表情をしていた。

 

「さて、これで伝えたいことは概ね伝え終わった。明日に備え、これで解散にしようかの」

 

「え、もう解散すんのか? これからが本題だろう」

 

「ん?」

 

 十六夜の言葉に白夜叉は疑問を浮かべる。

 

 しかし、〝ノーネーム〟一同はうんうんと頷いている。心なしか皆一様にニヤニヤと笑みを浮かべている。

 

 白夜叉はこの皆の雰囲気で今から何をすかに気付き、痙笑を浮かべる。

 

「お、おんしら・・・・・・まさか」

 

 白夜叉は一歩二歩と後ずさりをする。

 

 そんな白夜叉に黒ウサギが目を輝かせる。

 

「さて、白夜叉様! いつから白亜さんのこt」

 

「もうその話題はやめてーー!!」

 

 白夜叉は顔を真っ赤にし、逃げるように来賓室を抜け出す。

 

「追うぞ! 黒ウサギ!」

 

 この十六夜の言葉により、夜中まで白夜叉との鬼ごっこが始まったのだった。

 

 





白亜君が出てこない! 
そして、白夜叉めっちゃ可愛い!!
異論は認めん。


次の投稿もいつになるかはまだ未定でございます。
気長に待っていただけると嬉しいです。

では、第23話でお会いしましょう。では
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