問題児が異世界で白夜叉とラブコメするそうですよ? 作:竜葵 時雨
「な、なんですってーーー!!!」
「いいから、落ち着かんか黒ウサギ」
白夜叉が黒ウサギに声をかけるが、
「これが落ち着いていられますか! だって、ノーネーム以外のコミュニティですよ!? しかもそのコミュニティが箱庭でもトップクラスの実力を持つ〝ユグドラシル〟だなんて!? こんな事がありえるわけ――フギャッ!」
「いい加減黙れ。駄ウサギ」
「は、はい・・・・・・」
興奮しまくった黒ウサギがうざったらしく感じ、十六夜が黒ウサギにチョップをかます。
涙目になる黒ウサギをよそに十六夜が白亜に問いかける。
「んで、白亜。これはいったいどういう事だ? 説明してくれるか」
「そうね。説明してもらわないと困るわね」
「うん」
十六夜の言葉に飛鳥と耀も重なり、白亜に問い詰める。
「んー、どう説明すればいいかな。まぁ簡単説明すれば、実は昔、この箱庭にいたんだよ。その時に所属していた・・・・・・というか、俺が作ったコミュニティが〝ユグドラシル〟ってわけ。んで、ちょっと箱庭から失踪しまったけど、再び箱庭に帰ってきたということだな」
その説明に白夜叉以外のメンバーが唖然となった。
そして白夜叉はというと、まるで昔を思い出すようにどこか悲しげな表情をしていた。
すると、黒ウサギが俺の説明の一部に疑問を持ち恐る恐る問いかける。
「あの、よろしいですか? 先程、『俺が作った』とおっしゃいましたが・・・・・・ということは、もしかして白亜さんはコミュニティ〝ユグドラシル〟のリーダー・・・・・・ということでございますか?」
コミュニティを作る。それは創設者――つまりリーダーと同じ。
その問いに答えたのは、白亜の隣に座る白夜叉が答えた。
「その通りだ、黒ウサギ。ハクは〝ユグドラシル〟のリーダーじゃよ。だが、箱庭からいなくなってからはハクの妹が仮のリーダーとして、今は頑張っとるぞ」
前半は黒ウサギに対してだが、後半は白亜に聞かせるように言った。
白夜叉の言葉に白亜は、
「そうか・・・・・・今あいつがやってんだなぁ。心配をかけちゃったみたいだな」
「そうだ。あやつらにも早くハクの帰還を知らせてやらなければ」
「あぁ、それは俺が直にあいつに知らせるよ。あいつらにも早く会いたいしな」
おそらく、俺が失踪してから結構な年月がたっているだろう可能性が高い。
これは一発ほど殴られるくらいの覚悟はした方がいいかもな。
そんな事を思っていると、黒ウサギが心配そうな顔で問うた。
「あの、白亜さん・・・・・・もし〝ユグドラシル〟のリーダーのであれば・・・・・・その・・・・・・我々ノーネームを抜けるという事でしょうか?」
その問いには、十六夜たちも反応を見せ俺の返答を待った。
だが、白夜叉はまるで答えが分かっているかのような表情をしている。
まぁ、答えはもう決まってんだろ。
「そんなの抜けないに決まってんじゃん。その証拠にカードを見てみろ。〝ユグドラシル〟の下に書いてるだろ〝ノーネーム〟って。俺を箱庭に再び連れ戻してくれたんだ。そのお礼もしないとな」
「あ、ありがとうございます! どうぞよろしくお願いします」
俺の言葉に安堵した表情で答える黒ウサギ。
ちなみに白夜叉はやっぱりなというような顔をしている。
「おう、これからよろしく黒ウサギ。それと十六夜、飛鳥、耀もよろしく」
「おう。よろしく、白亜」
「こちらこそよろしくね。白亜くん」
「よろしく」
すると何を思ったのか、十六夜がニヤニヤしながら黒ウサギに問う。
「なあ、黒ウサギ。さっきお前は白亜の発足したコミュニティは箱庭でもトップクラスって言ったよな?」
「へ? あ、YES! コミュニティ〝ユグドラシル〟は二桁の門、三六外門に位置している箱庭の中でも屈指のコミュニティなのですヨ!!」
その言葉を聞いた十六夜たち三人の表情は驚愕に変わった。
それもそのはずである。
この隣にいる白夜叉が幹部である〝サウザンドアイズ〟の本拠が四桁。その遥か上層、二桁に位置しているのである。
それが意味するのはただ一つ。
相当な実力を持っているという事。
三人は嬉々とした表情になり、十六夜が白亜に問いかける。
「なぁ、白亜! 今度俺と闘ってくれよ!」
「別にいいけど、今度でいいのか? 今じゃなくて」
「ああ。今の話を聞く限り、今のままじゃ俺たちはおそらくお前や白夜叉には勝てない。だから、強くなってお前と闘う。それは白夜叉もな。次は渾身の大舞台で挑むぜ」
その言葉に後ろの飛鳥と耀も頷く。
十六夜たちの宣戦布告を聞き、俺と白夜叉は、
「おう、待ってるぜ。その時まで」
「ふふ、よかろう。楽しみにしておけ。・・・・・・ところでおんしらは、自分たちのコミュニティがどういう状況にあるか、よく理解しておるか?」
白夜叉はスッと真剣な顔で黒ウサギ達を見る。
「ああ、名前とか旗の話か? それなら聞いたぜ」
「ならそれを取り戻すために、〝魔王〟と闘わねばならんことも聞いたのか?」
「・・・・・・。では、おんしらは全てを承知の上で黒ウサギのコミュニティに加入するのだな?」
「そうよ。打倒魔王なんてカッコいいじゃない」
「全く、無謀というか勇敢というか・・・・・・。それならば、そこの娘二人。おんしらは確実に死ぬぞ」
そう言われた飛鳥と耀は、一瞬言い返そうと思ったが白夜叉の物を言わさぬ威圧感があった。
「・・・・・・ご忠告ありがとう。肝に銘じておくわ。次は貴女の本気のゲームに挑むから。白亜くんもね。二人とも覚悟しておきなさい」
「おう。同じコミュニティの同士だ。いつでもかかってきな」
「ふふ、望むところだ。私は三三四五外門に本拠を構えておる。いつでも遊びに来い。・・・・・・ただし、黒ウサギと・・・・・・ハクをチップに賭けてもらうがの」
「嫌です!」
黒ウサギは即答で返す。
てか、なんで俺も景品に?
「なんで黒ウサギがチップにならなきゃいけないんですか白夜叉さま! それと、なんで白亜さんも賭けるんです?」
「さて、なんでかのう・・・・・・・・・・・・ヒューヒュー」
白夜叉はわざとらしく口笛を吹き、視線を逸らす。
なぜか、白夜叉の頬が少し朱く染まっていた。
夕日のせいか?
そんな頬を染める白夜叉の様子を見て白亜と白夜叉以外――特に黒ウサギが驚いたような顔をしていた。
(ま、まさか! この反応はもしかして!? いや、あの白夜叉さまに限って
黒ウサギが何やら難しい顔をして考え事をしていたのを、白亜は知る由もなかった。