駒を操る劣等生   作:夕陽

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第5話

「う~ん。よく寝た」

 

近くにある時計は朝5時を示していた。

因みに、寝たのは今日の1時だ。

 

これが闇夜の生活サイクルである。

 

 

「ん……」スヤスヤ

 

 

あれ可笑しいな?この部屋は、俺以外いないはずなの。

 

隣にいる下着姿の風雪なんてみえない。

 

さて、いつものように修行するか。

 

場所は、庭でいいかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が、兵士の駒を取り出して投げようとするタイミングで、気配を掴んだ。

 

「誰だ」

 

そう問いかけると、影から

 

「よくわかったな。一応気配は消したつもりだったんだが……」

 

と、達也がでてきた。

 

 

「早いな、達也。これから修行か?」

 

「闇夜の方が早かったろ。そうだけど、闇夜は?」

 

「俺はこれから、軽い模擬戦」

 

「……もしかして駒と か?」

 

「ああ。達也も戦ってみるか?」

 

「強さがわからないから、場所を移そう」

 

そういって走り出した。かなり速い。

 

それと並走しながら、

 

「走るんなら、一言声かけてくれてもいいだろ?」

 

「余裕で着いてきて何をいう。……よし着いたぞ」

 

そこは、昨日達也たちとあった砂浜だった。

 

俺は、兵士の駒を2つ投げた。ついでに聖女の駒を1つも投げた。

 

「達也、これと戦ってみてよ。勿論、遠慮なしに」

 

兵士の片方を指差しながら言った。

 

2人の兵士の駒は、俺たちと同じような体型をしている。武器は何も持っていない。

 

 

「いいのか?」

 

「いいよ。強さは時々変わるけど最低でも達也が、楽に勝てない相手になってるから」

 

「……会って2日目の朝なのに何で自信満々に言えるかな?」

 

達也と兵士が構えた。

 

「2人とも好きなタイミングで、初めてね」

 

 

言った瞬間に、達也が動いた。

 

 

 

 

闇夜はその様子を真剣に見ていた。

 

達也の普段の立ち方から武道の心得があるのは知っていたが、予想以上だった。

 

まだ、様子見の段階だが、互角に渡り合っていた。

 

2人が段々ヒートアップしていていったが、ずっと互角の戦いをしていた。

 

 

 

だが、無情にも時間が終わりを告げた。

 

現在の時間は6時半。

 

少し早いが、早めに終わらせないと収拾が、着きそうになかったので、強引に終わらせた。

 

結局、決着つかずになった。

 

 

 

 

 

聖女の力で、達也の傷を治し、別荘へ帰った。

 

結局、闇夜は、修行をしなかった。

 

 

 

 

 

 

別荘に着くと、桜井さんが俺を呼んでいた。

 

桜井さんに連れられ、リビングに行くとテレビ電話に真夜が写っていた。

 

はて?どうゆう状況だこれ?

 

ここには、俺、達也、風雪、深夜、テレビ電話に真夜。

 

……どうゆう状況だろう?

 

 

「昨夜は、お楽しみだったようですね、闇夜」

 

昨夜?確か駒をずっと作ってた筈だ。

 

「どうゆう意味だよ、真夜。」

 

「えっ?風雪にしたこと覚えてないの?」

 

「何もしてないぞ」

 

「覚えて無いのですか?酷いです。私、初めてだったのに……」

 

状況はよくわからないが、何か俺にとって大変なことになっているようだ。

 

 

「あらあら。本当に手を出しちゃたの?これは、責任を取って貰わないとね」

 

「何言ってんの?手を出すわけないに決まってんじゃん」

 

「なら、何で風雪は顔を赤くしているのかしら?」

 

「さぁ?誰かに言われて赤くなってるのでは?」

 

 

淡々と会話をしたいると達也が、肩に手を置いて

 

「こうなった。叔母上は折れないから、諦めろ」

 

と言った。

 

……えっと~、つまり責任?を取ればいいの?

 

「そうね。しかも風雪が闇夜の部屋から出てきてるのを見てるもの。証拠としては、充分だと思うのだけど」

 

……折れない人に動かぬ証拠。諦めるしかないな~。

 

 

「……はぁ。……それで、責任とは何をするんだ?」

 

「そうねぇ。ひとまず、風雪の婚約者になってもらうわ」

 

「政略婚約に似てるな~。 でも、本人の意思は?そんなの嫌だろう?」

 

風雪が、嫌だと言ってくれれば、なくなるはず。

 

「風雪もそれでいいと言っているわ。そうよね、風雪」

 

「はい、お母様」

 

やっぱり、駄目か。

 

「他は無いよな。もう充分責任を果たさないといけなくなったし」

 

「……そうね。他にも風雪専属の執事とかもやって貰いたかったけど。まぁ、いいわ」

 

どうやら、執事服を着なくていいようだ。

 

「あぁ、それと近いうちに、四葉家に来てちょうだい。勿論、風雪も一緒にね」

 

「りょーかい」

 

 

……もしかして占いの良いことって美人の婚約者が出来たことか?

 

でも、無理矢理だからあまり良いことだと思えないな。

 

 

「闇夜さん、よろしくお願いしますね」

 

「ああ、こちらこそよろしく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝食を食べながら今日の予定を決めるようだ。

 

空はどんより曇り強い風が吹いている。

 

マリンスポーツは避けた方が良いと、テレビで言っていた。

 

 

「今日のご予定はどうなさいますか?」

 

と、桜井さんが深夜に訊ねた。

 

「こんな日にショッピングもちょっと、ねぇ……」

 

深夜が首を傾げながら呟いた。

 

「どうしようかしら」

 

逆に質問されて、桜井さんも食事の手を止め首を傾げた。

 

この様子を見ていて、まるで似てない姉妹みたいだな~ と思ってしまった。因みに、姉は桜井さんである。実年齢的には、深夜の方が上なのに。

 

「そうですね……琉球舞踊の観覧なんて如何でしょう」

 

桜井さんは、壁に掛かったディスプレイの電源を入れた。

 

手元のコントローラーを操作して、琉球舞踊公演の案内を呼び出した。

 

「衣装を着れて体験も出来るみたいですよ」

 

「面白そうね。深雪さんと風雪さんはどう思いますか?」

 

「わたしも面白そうだと思います」

 

「貴重な体験が出来そうですね」

 

「ではお車の手配をしておきます。ただ1つ問題が……」

 

深夜、深雪、風雪が頷き合うのを見て、桜井さんは少し、顔を曇らせた。

 

「この公演は女性限定なんです」

 

うん、知ってた。動画映像の下の案内にそう書いてある。

 

だから、俺と達也は別行動。

 

……いや、俺は居候の身だから付いていこうとするのが可笑しいな。

 

「そう……」

 

深夜は小さく千切ったパンを口に運んでモグモグと食べた。

 

「……達也、貴方、今日は1日自由にして良いわ」

 

「はい」

 

「確か昨日の大尉さんから基地に誘われていたわよね?良い機会だから見学して来なさい。もしかしたら訓練に山岳させてもらえるかもしれないし」

 

「わかりました」

 

自由に、と言いながら、きちんとすることを命じていた。

そのあと深雪が一緒に行きたいと言っていた。

 

その後、

 

「ガーディアンの実力を詳しく知りたいから」

 

という理由で、説得?したみたいで達也に同行するみたいだった。

 

 

「闇夜はどうするの?」

 

「う~ん、暇だから俺も達也についていこうかな」

 

と言って達也に同行することにした。

 

そしたら風雪も同行したいと言って来てビックリした。理由は、

 

「婚約者の実力を知ることが出来るかも知れないから」

 

深雪とほぼ同じだった。

こちらもあっさり許可が出た。

 

ただし、名字を『四葉』ではなく『雪柳』を名乗ることと俺と風雪が兄妹の振りをする条件に出された。

 

……その条件必要あるのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、深雪にいつ婚約者になったと質問を適当に流しながら基地に向かった。

 

服装は、俺と達也は無地の半袖シャツにサマージャケット、足首丈の綿パンツ、風雪と深雪は、露出の少なめで柄も控え目な半袖ワンピースに紫外線防止のシースルーガーディアン。まぁ 俺は、あのリストバンドは着けているけど。

 

俺は達也に合わせただけだが、その他は失礼のないように気を使っているみたいだ。

 

 

基地に着くと、

 

「防衛陸軍兵器開発部の真田です」

 

軍人が、そう名乗って出迎えてくれた。

 

驚くことに階級は、中尉らしい。

 

俺と達也が、驚いた表情をしていたからか、

 

「どうかしましたか?」

 

と聞いてきた。

 

「いえ……まさか士官の方にご案内いただけるとは思っておりませんでしたので。それにここは空軍基地だと聞いておりましたから」

 

へー、ここ空軍基地だったんだ。

話聞いてなかったから知らなかった。

 

真田中尉は達也の言葉を聞いて口元をほころばせた。

 

「軍のことに詳しいんですね、君は」

 

「格闘技の先生が元陸軍の方なんです」

 

「ああ、なるほど……。空軍の基地に陸軍の技術士官がいるのは、本官の専門が少々特殊で人材が不足しているからですよ。案内を下士官に任せなかったのは……君に期待しているから、ですね」

 

そう言って真田中尉は人好きのする笑みを浮かべた。

 

『専門が少々特殊で人材が不足している』から、魔法師であるとわかった。

 

達也もわかり、少し警戒したようだが、女子2人は理解してないようだった。

 

 

真田中尉に案内された先には天井の高い部屋だった。

 

ビルの5階建てくらいありそうな高さの天井近くから何本もロープがぶら下がっていて、兵隊たちがロープを登って天井近くから飛び降りて、登って飛び降りて を繰り返していた。

 

ロープを登り降りしているのに、魔法を使っているのがわかった。

 

つまりここにいるのは魔法師ということになる。

 

基地にいる人が全員魔法師というわけでもないだろうが一地方基地にそれだけの数の魔法師を揃えているのは、流石国境最前線というところだ。

 

 

訓練の監督を部下に任せて達也の到着を待ち受けているなんて思ってなかった。

 

「早速来てくれたとは、軍に興味を持ってもらっていると解釈してもいいのかな?」

 

「興味はあります。ただ、軍人になるかどうかは決めていません」

 

「まぁ、そうでしょうな。……そちらの、雪柳くんだったかな?君も興味を持ってもらっているということでいいのかな?」

 

「ええ、いいですけど……なぜ俺にも聞くんですか?」

 

「軍のものが、君が女性を庇って複数人を一瞬で倒しているのを見ていたらしいのだよ」

 

「へー、そうなんですか。……それと達也と同じで軍人になるかどうかは決めていません」

 

「そうですか。君たちはまだ中学生でしたか?」

 

昨日と異なる言葉使いに違和感を覚えている風雪と深雪の視線を感じながら、

 

「中学生になったばかりです」

 

「俺たちは13歳になります」

 

と答えた。因みに、嘘ではない。あの空間では年をとっていないのだから。

 

 

 

 

ロープ登りの訓練をずっと眺めていると、ロープ登りの訓練に参加してみないか、と問いかけられた。

 

「いえ、僕は魔法がそれほど得意じゃありませんから」

 

「俺も得意じゃないので遠慮させていただきます」

 

そう返したら、深雪が

 

「あの、兄さん、と闇夜さんが魔法師だと、何故わかったんですか?」

 

と聞いていた。

 

確かに俺や達也は普段CADを身につけていない。てか、使わない。

風雪と深夜と深雪は携帯端末形態のCADを愛用していて一目見て魔法師だとわかるのは、桜井さんだけだ。

 

しかし、手練れの魔法師は見ただけで魔法師かそうでないか、強い魔法師か弱い魔法師か、わかるものだ。

 

その漠然としたものを口にするのは、とても難しい。

 

「……何となく、ですかな」

 

『はぐらかすつもり!!』という心情で2人がいるだろうと思ってるんだろうな。

 

「いえ、別に韜晦しているつもりは無いのですが、何百人も魔法師を見ていると、雰囲気で分かるようになるんですよ。魔法師か、そうでないか。強い魔法師か、弱い魔法師か」

 

 

2人が動揺が表情に出てきた。

ポーカーフェイスが苦手なのだろうか……。

 

「ところで何故そのようなことを気に掛けるのですかな?」

 

2人の過剰な反応を不審に持ったのかな?

 

「すいません、僕が魔法の才に乏しいことを、妹は気遣ってくれていて……普段から少々神経質になっているんです」

 

「俺の方も同じですね。風雪はあるのに、俺には無いのが少々心苦しいのでしょう」

 

焦ってばかりでどうしたらいいのかわからず困っている風雪と深雪を庇い、会話を続行した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

程なくしてロープ登りの訓練が終わった。

 

今度は組手をするみたいだ。

 

盗める技があれば、盗んどかねば!

 

 

格闘技に興味の無い風雪と深雪は、すぐに退屈してしまっているようだ。

 

 

 

それを無視して組手を凝視していたところ、風間大尉が

 

「司波くんと雪柳くん、見てるだけではつまらないだろう?組手に参加してみないか?」

 

俺と達也は、風雪と深雪をチラリと見て、

 

「そうですね、せっかくですからお願いします」

 

「俺は達也の組手も見たいので数人とやった後にお願いします」

 

達也は、2人を軽々と倒し、3人目は、魔法を使ったこともあり、苦戦していたが 、術式解体を使い相手の体勢を崩しそこに一撃を入れて終わった。

 

 

達也の組手が見れたから、今度は、俺が組手をしようと風間大尉のところに向かうと、風間大尉は誰かと話していた。

 

「ほお、じゃあ見学者の方が3連勝したのか」

 

「そうだ。やってみるか?」

 

「当たり前だ。……ん?」

 

風間大尉と話をしていた人がこっちに気がついた。

 

この隙に風間大尉に組手の相手を教えて貰おう。

 

「風間大尉、俺もこれから組手に参加したいのですが」

 

「ん……そうか。では誰かとして貰おう」

 

「風間、それは自分がやらせてもらう」

 

「柳、達也くんとやるのでは無かったのか?」

 

「こっちのガキの方が気になってな。さぁ、やろうぜ」

 

いつの間にか俺たちから10メートルは他の兵士たちが離れていた。

 

その中には達也、風雪、深雪も含まれていた。

 

 

俺は、頷き構えた。

 

 

 

 

 

 

漸く私の婚約者が組手をするようだ。

 

 

闇夜は、足を肩幅に開き、左足少し前に出し腰を落として少し前屈みになり、腕をブラリと下げていた。

 

あの構えは、何かの流派なのか我流なのかはわからなかった。

 

 

構えてから少したっても動かなかったので、どうしたのか と、首を傾げていると、闇夜が消えた。

 

 

急いで捜すと、元いたところより5メートル程後ろでウライチングスタートの格好を取っていた。

 

周りの人も驚いていたが、組手相手の人が一番驚いていた。

 

 

次の瞬間にはまた姿を消した。

 

ドン!

 

という大きな音が聞こえた方向を見ると、

 

 

頭の上に両腕をクロスさせ、空中にいる闇夜の踵落としを受け止めている柳がいた。

 

その柳の足元は、地面が割れていた。

 

 

その姿を見て、絶句していた。

 

それは私だけではないはずだ。深雪も目を見開いて固まっている。

 

 

闇夜は、そのまま後方に飛んで、すぐさま消えた。

 

瞬間移動でもしたかというようなスピードで相手の後ろに周り込んでいた。

 

首裏に手刀をしようとしたのだろう。だが、当然のように止められて、拳がくり出された。それを空中で体勢を変えて避け、左手が消えたと思ったら トン!と軽い音が聞こえ、相手が少し仰け反った。

そして、地面に足がつくなり後ろに飛んで、距離をとった。

 

 

すぐさま、相手が仕掛けようとしたとき、

 

 

「そこまで!」

 

 

大尉さんの声でこの組手が終わった。

 

周囲は唖然としていた。勿論、私も深雪も達也くんも。

 

 

 

 

 

 

 

組手が終わってすぐさま、相手だった柳さんのところに行った。

 

柳さんは、風間大尉と話していた。

 

「柳さん、腕 大丈夫ですか?」

 

「大丈夫だ。……それにしても何だ、あの速度」

 

「確かに、自己加速魔法も使ってないのにあのスピード。並の魔法師の自己加速魔法を使っている時と同じ位速かった」

 

「それに関しては、簡単いいますと鍛練の1つの結果す」

 

「そうですか……。少しあちらで、お茶でも付き合っていただけませんか?達也くんの『遠当て』のことなども、よろしければおうかがいしたいのだが」

 

「それは俺だけでは、決めれないので皆のところに行きましょうか」

 

そういって、達也たちの方へ行った。

 

 

 

その後、俺の鍛練の仕方についてできる範囲説明した。

 

あのリストバンドを柳さんに着けて貰い、リストバンドの力を体験して貰った。その際に、そのリストバンドを調べてみたいと、目をキラキラ光らせながら真田中尉がいっていたが、まだ遠慮させて貰った。

 

次に、達也の話になり、CADの話になった。その後、真田中尉が研究室に案内してくれ、最終的には俺と達也にCADをあげるということになった。

 

 

達也は拳銃型を二丁、俺はナイフ型を二個貰ってかえった。

 

 

 

 

 

 

私は深雪と紙の魔法書を読んでいた。

紙の書籍にする魔法の解析書は、専門性の高いものばかりで、中学一年生の私たちが一度読んで理解できるものではない。

 

この魔法書は、闇夜が『買い物に行くまでの暇潰しをするのにいいもの』として持って来たものでどこにあったかは不明。

 

その闇夜は、達也くんが持ち込んだワークステーションの1つににCADを繋いで、熱心にキーボードを叩いていると思われる。因みに達也くんの部屋でやっているはずだ。達也くんは暇さえあればCADのシステムを弄っているみたいだ。逆に闇夜は、暇を作ってCADのシステムを弄っている。

 

深雪と一緒に闇夜を呼びに達也くんの部屋にやってきた。部屋の前でノックをする前にドアが開いた。

 

「もうそろそろチューニングが終わるから中で待っててくれ」

 

と言って、勝手に室内に招き入れた。

 

 

部屋の中は、稼働中のワークステーションが2つある程度でほとんど物の無い部屋だった。

 

達也くんもすぐそばにいた。

 

流石に護衛対象が部屋に来たので、そのまま作業をすることは出来ないようだ。

 

 

その際見えたもので、私たちの意識が一杯になった。

 

むき出しのコードでワークステーションに接続された半分解体状態のCADと、ディスプレイを埋め尽くす数式とアルファベットの羅列。

 

CADの開発ラボの様に見えた。

 

闇夜は、既に作業中なのでよく見えないが同じようにみえる。

 

 

「お嬢様、私も作業を再開したもよろしいでしょうか?」

 

深雪の硬直が溶けた。

 

「お嬢様なんて呼ばないで下さい!!」

 

私も硬直が溶けた。一体どうゆうことだろうか?

 

「あの、えっと……そうです!普段から慣れておかないと、思わぬところでボロが出してしまわないとも限らないでしょう?」

 

つまり?

 

「だから私のことは、み、深雪と呼んでください」

 

「……わかったよ、深雪。これでいい?」

 

そのまま深雪は部屋を出ていった。

 

 

 

「お待たせ、行こっか」

 

闇夜が声を掛けてくるまで私はどうすればいいか、戸惑っていた。

 

 

その後のショッピングは、楽しかった。

 

 

 

 

 





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