至らぬ点もあるかと思いますが気に入っていただければ幸いです。
普段人が足を踏み入れることのないような山奥。そこに建てられた屋敷がある。何も知らない人が見ればそれは江戸時代にタイムスリップした錯覚を起こさせるような忍者屋敷。
しかし、中へ入ればその錯覚は一瞬で吹き飛ぶだろう。派手な色の壁に近未来風の部屋が並ぶ。また、一見気付かないが様々なからくりも用意されており、今が江戸時代ではないことを思い出させてくれる。
その屋敷の裏側。庭に五人の青年たちがいた。彼らはそれぞれ赤、青、黄、白、桃色のラインの入った忍装束をまとい、刀身に(変)(技)(呼)と三つのボタンがついた不思議な刀を手にしていた。
「八雲、次は俺が勝つ」
「タカ兄、そんな攻撃じゃ避けるのはイージーだな」
タカ兄と呼ばれた赤い青年――
「シュリケン忍法、水の術!」
そして八雲がはめこんだシュリケンを回転させ、天晴へ刀を向けると刀の先から水が噴き出した。その勢いに天晴は思わず尻もちをついてしまった。尻もちをついて天晴はしまった、という顔をする。
「また俺の勝ちだな。タカ兄」
水に濡れた天晴を見ながら八雲は縁側に腰掛ける。
「くそっ」
「タカちゃんは十分凄かったよ」
地面を思いきり踏みつける天晴に黄色い青年、凪が励ましの言葉をかける。しかし八雲に連敗を喫してしまった天晴は気が立っており、凪をコツンと小突いた。
「痛ぁ」
その気のない声に、天晴もそれを見ていた八雲も一つため息をついた。
そんな男三人衆の奥では、女性二人が戦っていた。一人は白い少女。天晴の妹でもある風花。もう一人は桃色の少女、他の四人の良き姉のような存在の霞。
二人の刀――忍者一番刀が交わる。筋力の差はそれほどなく、均衡状態が続く。しばらくして二人は同時に後ろへ引き、八雲がやっていたようにシュリケンを鍔の部分にはめこんだ。
忍者一番刀は本来鍔がある部分に専用のシュリケンをはめこめるようになっており、対応するボタンを押し、シュリケンを回転させることで、はめたシュリケンに対応した忍法が使えるのである。
さきほどの八雲が使った水のシュリケンの他に、火炎、木、金、土と現在彼らは忍法が使えるシュリケンを所持している。これを総称して五トン忍シュリケンと呼ぶ。
「シュリケン忍法、木の術」
風花は刀から木の枝を発現させる。はずだった。しかし、風花の忍法は失敗し、出てきたのは枯れ木が数本だけ。風花は焦る。
「シュリケン忍法、土の術」
しかしこれは本番と戦闘を意識した修行。霞が待ってくれるはずもなく、枯れ木は霞の発現させた土にたたき落とされ、風花も土まみれになってしまった。
「また失敗……」
口に入ってしまった土を吐き出し、肩を落とす風花。
「こんなんじゃニンニンジャーとしていざというとき、役に立たないよ……」