星城高校の物語   作:Syuka

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 星城高校は、筆者の創作による架空の学校です。そこを舞台としたいろいろな物語をお届けしていく予定。まずは、ウソツキ真実の恋物語。
 ちなみに高校は、作者の母校がモデルですし、実際のエピソードもちらほら紛れ込んだりしていますが、どれがホントでどれが作り話なのか、それはだーれもわかりません、なんちゃって。


第1部 ウソツキ真実の恋物語
第1話  入学式、その前日


プロローグにかえて

 

 この日、市の中心部からは少し離れたところにある星城学校(せいじょうこうこう)では、卒業式が行われた。高校での3年間、さまざまな出来事があったのだろう。卒業式が終わってもすぐには帰らず、校庭などで、仲の良い友だち同士が集まって別れを惜しみあう姿が、あちこちにあった。

 そんななかに、記念写真を撮っている男女2人ずつのグループがある。笑顔と涙の同居する、楽しくもあり、そして悲しくもある数枚の記念写真の撮影が終わると、いよいよ、高校生活ともさよならするのである。

 校舎を振り返り、4人がそれぞれの感傷に浸る中、そのうちの1人、西崎真実(にしざき・まみ)が、その視線を、ゆっくりと3メートルほど右側にいる工藤達也(くどう・たつや)へと向ける。

 その達也のすぐ横には、真実とは幼稚園時代からの友だちであり、この星城高校でもずっと親友として過ごしてきた桜井有紀子(さくらい・ゆきこ)がいた。その有紀子と達也の手は、しっかりとつながれている。2人は、付き合っているのだ。

 その2人の結ばれた手を、見つめている真実。そんな真実の視線に気づいたのか、有紀子が真実へと顔を向けようとしたところで、真実は、すぐそばにいる進藤栄作(しんどう・えいさく)の腕にそっと自分の手をからめてみせた。一瞬、栄作が驚いたように真実の方を見る。長身の栄作の顔を見上るようにして、ゆっくりとうなづいてみせる真実。目を合わせた2人が、微笑む。

 

 この2組の男女は、この星城高校で話をするようになり、お互いのことをよく知り、意識しあうようになっていったのである。

 入学当初は話もしたこともなかった相手と、こうして見つめ合い、寄り添い、しっかりと手をつなぐ。もちろん、彼ら彼女らが、この星城高校での3年間を一生懸命に過ごした結果である。その過程があったからこそ、こうなったのである。

 幼稚園時代に知り合い、小・中・高と一緒にいた真実と有紀子。所属中学のバスケット部を全国大会で準優勝させたほどの名コンピ、達也と栄作。この4人が、それぞれ同じ高校へと進学し、出会い、ともに過ごした3年間。

 せっかく卒業式が行われたところではあるのだが、ここで入学の頃へと時間を戻し、卒業までの3年間にお付き合いを願いたい。これは、本当のことが言いたくてもなかなか言えなかった、ウソツキ真実の恋の物語である。

 

 

 

 

第1話  入学式、その前日

 

 

 まるでピンク色をした巨大な綿菓子みたい・・ ふとそんなことを考えた。どの木も、そんな比喩が不自然ではないほどに、枝いっぱいに咲き乱れた花の色に染まっている。そんな満開の木々から、風が吹くたびに、ひらひらと花びらが舞い落ちてくる。

 そんな桜並木のなかを、彼女はゆっくりと歩いていた。急いで歩く必要などないのだ。そんなもったいないことはしたくなかった。舞い落ちる花びらが、差し出した手のひらに、滑り込むように落ちてくることもある。そんなピンク色の花びらも、次の瞬間には、心地よい春風に乗って飛んでいく。それを目で追っていくのも楽しいのである。

 彼女の名前は、西崎真実。この春から、通称サクラ公園と呼ばれるこの公園のすぐ近くにある、星城高等学校の生徒になる。正式には、明日の入学式を終えれば、ということになるのかもしれないが、そんな細かいことよりも、風に散っていくサクラの花がなんとかならないものか、と思うのである。

 サクラ前線というものがあり、その訪れとともに、あまりの桜の木の多さから、正式名称ではなくサクラ公園と誰からも呼ばれているこの公園に植えられた、たくさんのサクラの木に花が咲く。それはいいのだが、やがて満開を迎えた花が、そのサクラ前線の北上ともあいまって散っていくことになるのだ。それが残念だった。なんとかして、そのサクラ前線の北上を止められないものだろうか・・・

 真実はサクラの花が大好きだった。そして、その花でいっぱいとなるこの公園も。近くに住んでいることもあり、幼い頃、よくこの公園で遊んだものだっだ。その中央あたりにある桜並木の通りが、いまでは彼女のお気に入りの散歩コースになっている。心地よい風と、舞い落ちる花びら。その中をゆっくりと歩いていく真実。

 自分の名前に“桜”の文字がないのが残念だった。真実なんて名前よりも、サクラの子、すなわち“桜子”とでも命名されていれば、きっと自分にピッタリだったろうに、と真面目に考えたこともある。それほどまでにサクラの花が、そしてこの散歩道が気に入っている真実だったが、そのサクラの季節とも言える『春』は好きではなかった。この季節、新しい出会いもあるが、同時に別れを経験する季節でもあるからである。

 明日、自分はこのお気に入りの散歩道をまっすぐに抜け、公園を出て左にある星城高等学校に入学する。そこで新しい友人との出会いもあるには違いないが、いまは、3週間ほど前に行われた中学の卒業式で経験したばかりの悲しい別れのほうが強く頭の中にある。彼女が比較的仲良くしていた友人たちの多くは、川向こうにある精華高校を進学先に選んでいたのだ。精華高校だと真実はバス通学になるが、そこに仲のよかった友人たちがいるのは魅力であった。もっとも、幼稚園の頃からの付き合いで、一番仲の良い、親友と自他共に認める桜井有紀子が同じ星城高校に進学するので、きっと、星城でも寂しいことはないのだろう。

 だが、内気で友だちをつくるのが苦手な真実である。身近な友人の数がたった1人になってしまうのは、やっぱり残念なことであった。精華に比べれば少しだけランクが上となる、そこそこの進学校である星城高校。真実が進学にその高校を選んだのは、親友の有紀子に言わせれば、お気に入りのこの桜並木の散歩道を通って通学ができるから、ということになる。実際は違うのだが、真実もそのことをラッキーだと思っていたので、とくに否定もしていない。

 有紀子のやつめ、と真実は思う。彼女は、自分が欲しかった“桜”の文字を名字に持っている。それが、ちょっぴりうらやましかったりする。いや、かなりうらやましいのである。その思いが高じて、将来、自分に子どもができ、それが女の子だったなら、きっと“桜子”と名づけるのだと、もう今から心に決めている。でも男の子だったら? その場合はどうしようか・・

 “桜”の字を持つ、男の子にふさわしい名前は、現在のところ、思いついてはいないのだった。ならばいっそのこと、名字に“桜”の字を持つ男の人と結婚すればいい・・ しかし、有紀子以外に“桜”の字を名字に持つ人の心当たりなどはないし、あいにく有紀子にお兄さんはいないのだ。弟もいない。いるのは、少しナマイキな亜希子という2つ下の妹だけなのである。

 そのとき、少し強めの風がこの散歩道を吹き抜けた。その風に、たくさんの花びらが舞う。一瞬、目の前がピンク色に染まるかのような、文字通りの花吹雪である。

 キレイ・・ 思わず立ち止まり、そうつぶやく真実。花びらが舞う場面は、見ていて飽きないと思う。ずっと見ていたいとも思う。でも、宙を舞う花びらは無限ではない。満開をやや過ぎた、あのサクラの木々の花びらがすべて散ってしまえば、それで終わりである。そして、夏、秋と季節はめぐっていくのだ。

 

 “悲しいの?”

 

 ふと、そう聞かれたような気がした。お気に入りの散歩道の、ほぼ真ん中あたり。ぽつんと1つだけベンチが置かれているその場所に、自分以外に人影はない。振り返ってみても、もう一度前を見ても、右にも左にも誰もいなかったが、そのとき、自分の頬をスーッと一筋、涙がこぼれ落ちたのである。

 その涙に思わず『違うよ、悲しくなんかないよ』と。前後左右、どこにも人影のないことは確認済み。だから、真実は安心してその言葉を声に出していた。そして、ポケットから取り出したハンカチで、軽く目を拭き、少しだけ歩くスピードを速めて公園の出口へと向かう。

 

 “泣かないでね・・”

 

 後ろから、そんな声が聞こえたような気がした。でも、本当に悲しくなんかないんだよと、心の中で思う。明日は入学式。そして高校生活のスタート。花の女子高生・・ 高校とは、いったいどんなところで、そこで自分はどんな生活を送るのだろう。

 真実は、期待と不安の気持ちでいっぱいであった。そこにもし悲しい気持ちがあったとするなら、目の前で散っていく花びらを止めることができない悲しさ、くらいのものだろう。

 真実は、このまま明日入学する星城高校の前まで行ってみるつもりだった。家族には、明日の入学式の下見だと言ってある。だが、入学試験のときに校舎の中に入ったこともあるし、校門の前も何度も通ったことがある。つまり、いまさら下見の必要はないのであるが、それでも行ってみようと思ったのは、入学前に見る校門や校舎はどんな感じなのだろうかと、ふと思い立ったからであった。その感覚はきっと、明日の入学式を終えてしまえばまた違うものとなってしまう、という気がしたからである。

 3年間お世話になる校舎である。おそらく中へは入れないだろうけれど、その外観だけでもスケッチできたらいいな、とも考えていた。真実の持つ大きめのバッグの中には、彼女の愛用するスケッチブックなどが入っていた。

 

 

  ※

 

 

 公園を抜け、左へ。

 そこからは歩いて3分ほどだろうか。真実の家からでも、15分もあれば星城高校に着く。すでに明日の準備が進んでいるらしく、校門脇には、“第32回星城高等学校入学式”と大きく書かれた看板が置かれている。門から中をのぞけば、それなりに人の姿がある。明日の準備をしている人たちであろう。

 これなら、中に入っても大丈夫かな? と真実は思った。しかし、よくよく考えれば入学式を終えていない自分には、この校門をくぐる資格はまだないはずだし、それに私服である。制服ならばめだたないだろうけど、この格好ではすぐに見つかり、とがめられるに違いない。

 車道の側へと寄った真実は、ガードレールの上に軽く腰かけて持っていたバッグを横に置く。そしてスケッチブックを取り出して表紙を開くと、パラパラとページをめくっていき、何も書かれていないところで止める。

 真実は、どちらかというと人見知りのする内向的なタイプなのだが、こういうときには、道行く人たちの視線は気にならないらしい。そこから見える校舎を真っ白いページのなかに描きとめていく。かなり荒い目のタッチなのだが、みるみるうちに星城高校の校舎が写しとられていった。時間にして20分ほどか。スケッチを終えた真実が、パタンとスケッチブックを閉じ、ふと横をみたとき。

 

「真実、あいかわらず絵、上手だね」

「有紀子じゃない。びっくりしたぁ」

 

 いつのまにそこにいたのか、真実のすぐ横に、真実と同じようにガードレールに体をもたれさせた女の子がいた。春らしい明るいピンク色のワンピースに、濃い目のブルーの帽子をかぶっている。真実とは幼稚園時代からの付き合いとなる“桜”の文字を名字に持つ女の子、桜井有紀子である。

 

「そうやって絵を書いてるとこみると、あんたにバスケットボールやらせたこと、後悔したくなるんだよね」

「なによ、いきなり。それに、いつからそこにいたの?」

「5分くらい前かな。全然気づいてくれないからどうしようかと思ったわよ」

「ご、ごめん。でも、どうしたの? 入学式前の下見?」

 

 それは、自分がここに来た理由である。もちろん有紀子は。それを笑顔で否定した。

 

「まさかぁ。いまさら下見もないもんだよ。何度、この前を通ってると思ってるのさ。真実の家にいくときは、いつもこの道通ってるんだよ」

「そ、そうだよね」

 

 そのとおりだった。同じように、真実が有紀子の家に遊びに行く場合、真実も星城高校の前の道を通るのである。

 

「ほんとは買い物に来たんだけど、ガードレールに腰かけて絵を描いてる女の子を見つけちゃあ、ほっとけないでしょ」

 

 星城高校と通りをはさんだ向かい側には、規模の大きなショッピングモールがある。駐車場も備えた、いわゆる郊外型の大型店舗というやつだ。たぶん、有紀子はそのショッピングモールへと来たのだろう。ちなみに有紀子の家は、そのショッピングモールからは、星城高校より向かって右手、歩いておよそ10分くらいのところにある。そこは、かなり大きな家が並ぶ高級住宅街で、なかにはお屋敷と言った方がぴったりするような家もいくつかあったりする。有紀子の家も例外ではなく、真実が遊びにいくのをためらってしまいそうなくらいの大きな家であった。しかも、お手伝いさんまでいるのだ。もっとも有紀子に言わせれば、いわゆる“ばあや”といった存在なのであり、家族のようなものということにはなるのだが。

 

「こんなところで描かなくても、中に入ればいいじゃない」

「そんなわけにはいかないよ。ほら、まだ私、ここの生徒じゃないわけだし」

「厳密にはそうかもしれないけど、明日だよ、入学式。もうここの生徒と同じだって」

「でも、もういいよ。描き終わったし」

「なんなら私が頼んでみようか、中に入れてくれって」

「いいってば。それより有紀子の買い物は終わったの? まだだったら付き合ってあげるよ」

「え? いいの」

 

 ぱっと、有紀子の顔に笑みが広がる。やはり女の子の買い物は1人よりも2人のほうが楽しい、ということだろう。内気な性格の真実に比べ、有紀子は外交的なほうであった。顔立ちの良さと、明るくよく笑う性格、大きめの瞳がくるくると動き、その表情に絶えず変化をもたらせるとあっては、目が離せない。そんなところから、周囲からの注目度は高い。お手伝いさんのいるお屋敷のような家からもうかがわれるように、いわゆるお嬢様として立派に通用しそうなタイプなのであるが、気取ったところもなく、真実と同じように振る舞いはごくごく庶民的。それもまた、人気を集める理由の1つであった。

 

「練習着を買おうと思ってるんだ。星城バスケ部は服装自由だからね。なにかいいのがないかと思ってさ」

「ふうん。そんなことよく知ってるね」

 

 バスケ部は服装自由、ということを言っているのだろう。そんな話をしながら、2人は目的地であるショッピングモールのほうへと歩き出す。

 

「そりゃあ下調べはバッチリよ。あ、そうだ。知ってる? あの2人組の進学先」

「2人組?」

「そ。我が明星中学バスケット部の全国大会出場を決勝戦で阻止した、憎むべき浅香中学のあの2人組よ」

 

 明星中学とは、真実や有紀子の出身中学である。その3年生のときの夏の大会で、明星の男子バスケット部は好調に勝ち進み、県大会の決勝にまでコマを進めた。そのときの対戦相手が、有紀子のいう2人組のいる浅香中学なのであった。ちなみに、真実と有紀子もバスケット部員だったのだが、真実たち女子部は県大会ベスト8という結果に終わっている。それでも、明星中の男女バスケット部にとっては、過去を含めても最高の成績なのであった。

 そのバスケット部で有紀子は副キャプテンを務めたが、真実はずっと補欠であった。有紀子に誘われるままにバスケット部に入部はしたものの、どちらかといえば絵を描いたりするのが好きだったこともあり、熱心さに欠けたのかそれとも運動神経の問題か、レギュラー入りとまではいかなかったのである。

 

「ああ、あの人たちのことか。でも、よく進学先なんか知ってるわね」

「まあね。で、真実は、どっちの進学先が知りたい?」

「ど、どっちって・・」

 

 チームの司令塔であった工藤達也と、高い身長を活かしたセンタープレイヤーの新藤栄作。その2人のうち、どちらの進路を知りたいのかと、有紀子はそう言うのである。県大会の決勝で明星中学は、この2人のコンビネーションに圧倒されて負けていた。

 有紀子に問われて真実が最初に思い浮かべたのは、2人のうちのリード役の選手のほうであった。どうみてもチームの中心にいて、まとめ引っ張っていた選手だと思うのだが、彼の背番号は14。補欠である真実と同じ番号なのだった。明星中学でなくとも、普通はレギュラーの5人が、4、5、6、7、8、といった背番号を着ける。なのに、あのセンタープレイヤーの彼も、10番をつけていた。それがとても意外に感じられ、有紀子と2人で、その動きに注目したのであった。

 

「ああ、聞いた私がバカだった。14番の彼に決まってるよね、もちろん。だって、そのスケッチブックの中には彼の絵があるんだもんね」

 

 そのとおりだった。女子バスケ部はベスト8どまりだったこともあり、決勝戦のみならず、その後の男子部の試合は応援に行ったのである。そして決勝戦で、いつものクセでスケッチブックを持っていた真実が、その14番の選手をスケッチしたのだった。プレイが新鮮で素直にすごいと思ったし、汗のなかの笑顔のさわやかさにも引かれた。だから真実は、せめてその瞬間を描きとめたいとスケッチブックに向かったのである。普段の彼女は、そのスケッチブックのなかに描かれた絵を人に見せたりはしない。でもこのときは、真実が描いているすぐ隣にいたのだから、有紀子が知っているのもあたりまえなのである。

 

「もう、有紀子ったら・・」

「あはは、ごめんごめん。実はさ、あの2人は同じ高校に進学するのよ。それもね」

 

 わざとなのかどうか、そこで言葉を切り、いたずらっぽい笑みをうかべながら真実の顔をのぞき込む有紀子。その有紀子と目をあわせないように、プイと横をむく真実。

 

「いい、もう聞きたくない」

「あ、ごめん。怒らせちゃった? ごめん」

「ふーんだ」

「ごめん、言うから許して」

「よろしい、それでは悔い改めて、懺悔をなさい」

「ははーっ」

 

 と、ここで2人は声をあげて笑い出す。真実にしても本気で怒ったのではないし、それは有紀子も分かっていた。いつもの、軽いおふざけ、なのである。

 

「あはは、それでね、あの2人、なんと私たちと同じ星城高校なのよ」

「ええっ、うそ!」

「ほんとだって。実は私、さっき学校の中をちょっと散歩してきたのよ」

「中って、星城高校の?」

「そ。もうクラス分けの掲示とかしてあってさ。そのなかに、彼たちの名前があったのよ。もっとも、同姓同名の他人って可能性はあるんだけどね」

 

 なんと大胆なことをするもの、と真実は素直に驚いていた。自分も学校の敷地内に入ってみようかとちらっと思ったことはたしかだが、そんなことできるはずがないと、校門の外で絵を描いたのだ。なのに、有紀子はおしゃれなワンピース姿のままで・・ まさに性格の違いがよくあらわれていた。

 真実が星城高校まで来たとき、すでに有紀子は学校の敷地内に紛れ込んでいたのであろう。そして見学を終え、校門から出てきたときに真実の姿を見つけたのに違いない。それにしても、と真実は思う。あの2人が同じ高校だなんて・・ たしかに同姓同名という可能性はあるけれど、2人も揃ってということになると、その確率はかなり低くなるに違いない。

 

「残念ながら、クラスは違うけどね」

「そ、そうなんだ」

「あ、いまがっかりしたでしょ」

「そりゃあ少しはね」

「よしよし、正直でよろしい」

「ね、私と有紀子はどうなの?」

「ああ、私はB組だったよ。真実はA。ちなみに、工藤達也くんはD、進藤栄作くんはF組です」

 

 その結果は、真実に少なからずショックを与えた。あの2人組、すなわち工藤達也と進藤栄作が別のクラスなのはともかくとしても、有紀子と別なのは、友だちを作るのが苦手な真実にとってはとても残念なことであり、少しだけ不安にもなる真実であった。にしても、見事なくらいにそれぞれバラバラ・・ いったい誰がクラス分けをしたんだか。

 

 

  ※

 

 

 翌日は、入学式の当日である。

 真実は、星城高校の制服である、白のワイシャツに紺のブレザー、そしてちょっとだけミニにしたスカートを着ると、赤いひも状のネクタイを、リボンのように首元で結ぶ。もちろん、どこかしわになっていないか、へんなところはないかを、一通りチェック。

 

「うん、OK。じゃあ、行きますか」

 

 と、独り言。今日は入学式だけなので、とくに持っていく荷物などはない。となれば、いつものスケッチブックだけでいいのだが、たぶん、有紀子のことだ。登校初日から、部活動に参加すると言い出すに決まっている。そのことを打ち合わせておけばよかったのだろうが、うっかり忘れていた。だから、昨日、有紀子と一緒にお揃いで買ったスポーツウェアと、中学のときに使っていたバスケットシューズなどを入れたスポーツバッグに手を伸ばした。あまり荷物を多くしたくなかったので、スケッチブックは置いていくことにした。

 そして、2階の部屋から1階へ降りると、家族とひと言ふた言。既に朝食は済ませているので、そのまま家を出る。5分も歩けば、まだサクラの花の残る、通称、サクラ公園が見えてくる。そのほぼ真ん中あたりの並木路を通り抜けて左へ曲がれば、星城高校だ。

 毎度おなじみのこの道なのに、その道を進むにつれ、なぜか少しずつ緊張してくるようだ。やはり、昨日とは雰囲気が違う。というか、その心理状態が違うのであろう。

 公園の中にはほとんど人影はなく、星城高校へと通う他の生徒の姿もない。まさか、時間を間違えたのかと一瞬不安になったが、腕時計をみても、予定通りの時刻である。単に、この公園内を通学路にしている人がいないということだろう。それはそれで、真実にはラッキーに感じられることであった。

 やがて公園を抜けると、さすがに通りには真実と同じ制服を着た人たちが歩いている。今日は1年生の入学式だけで、在校生たちは明日からのはずだから、これらの人は皆、新入生ということになるわけだ。その人たちの流れに乗って校門の前へ。そこで、真実は一旦立ち止まり、そこから校舎を見上げる。やはり、昨日とは印象が違う。

 ならば、スケッチブックに書き留めておこうと思ったが、今日は、それを持ってきてはいなかった。ならば仕方がない。“これから3年間お世話になります”とばかりに、ペコリとおじきをしてから、真実は校門をくぐった。

 校舎の入口付近に人だかりがあった。そこへ行ってみようと歩き始めたとき。真実は、ポンと肩を叩かれる。

 

「おはよ、真実」

 

 有紀子であった。

 

「あそこにね、クラス分けの掲示がしてあるんだよ。真実はA組だから、いまさら見に行かなくても平気だよ」

「あ、そうなんだ」

「でね、入学式始まるまで、とりあえず教室で待機しておくこと、だってさ」

「わかった。でも、1年生の教室ってどこなのかな」

「あ、それはこっち。おいでよ」

 

 ということで、有紀子に案内され、割り当てられた下駄箱の前で上履きに履き替えてから、教室へ。その棟には、A、B、Cの3クラスが並んでいた。D、E、F組はその2階だという。ちなみに、1クラスは40名で、1学年6クラス。全校生徒720名が定員である。

 クラスの異なる有紀子とはひとまず別れ、A組の教室へ。机に名前の書かれた紙がセロテープで止めてある。黒板には、その席に座って指示を待つようにと書かれていたので、真実は自分の席をさがして、そこに座った。スポーツバックは机の上に置く。

 ゆっくりと教室内を見回してみる。すでに席の7割以上は埋っていたのだが、意外にも、そのなかに真実の知っている顔はないようだ。有紀子以外の友だちは精華に進学しているが、それでも自分や有紀子以外にも同じ中学から星城に進学した同級生はいるのだから、1人くらい知ってる顔があってもおかしくないのになと思っていると、隣の席に座っている女子生徒と目があった。その子が、にっこりと微笑む。

 

「おはよう」

「あ、あの、どうも、はじめまして」

 

 初対面の人と話すのが苦手な真実である。スラスラと言葉が出てくるはずがない。

 

「私、河上和美っていうの。あなたもスポーツやるみたいね」

 

 と、真実の持ってきたスポーツバッグを見ながら言う。“あなたも”というからには、彼女もそうなのだろう。

 

「あ、えっとね、これはその、バスケットボールなの。友だちに誘われてね」

「バスケットかぁ。ねえ、テニスに興味はないの?」

「テニスは、だめよ」

「どうして?」

「だって、恥ずかしいもの。あんなミニスカートでしょ」

「え? だって下にはアンダーはくんだよ。直接下着を見られるわけじゃないのに」

「そうだけど、なんとなく恥ずかしくて」

 

 思いのほか、スラスラと話せている自分に、内心驚いている真実であった。たぶん、相手の子が話し上手なのだろう。

 

「そんなこと言う人初めてよ。でも、バスケットではく短パンだって、太腿までモロミエになるでしょう? 露出度的にはテニスと変わんない気がするんだけど、あれは恥ずかしくないの?」

「スカートじゃないから、大丈夫」

「ふーん。あ、そうだ。バスケットって言えば、うちの中学のスーパースター2人組が入部するはずだから、よろしく頼むわね。男子だけど」

「え? 2人組?」

「そ。私、浅香中なんだけど、浅香中を全国大会で準優勝させた名コンピなのよ。これで、星城高校のバスケ部も全国大会出場間違いなしだよね。それにカッコいいんだ、2人とも」

 

 彼女の話を、目を丸くして聞いている真実であった。なんたる偶然か、目の前の彼女は、浅香中の出身だという。しかも、あの2人のことをよく知っているようだ。同じ中学だから当然かもしれないが、それにしても、明星中を破って全国大会に出場した浅香中が、まさかその大会で準優勝していたとは知らなかった真実である。

 

「ね、ねえ、河上さんだっけ?」

「うん。でも、和美って呼んでくれていいよ」

「ありがと。あの、あのね、私。その・・」

「な、なに?」

「あのね、私、聞きたいことがあるんだけど」

「いいよ。でもその前にさぁ」

「え?」

「あなたの名前、教えてくれる?」

「あ!」

 

 そうだ、まだ名乗っていなかったのだ。そう思った瞬間、顔が赤くなってくるのがわかる。高鳴る心臓の音がドキドキと耳に響く。

 

「ご、ごめんなさい。私は・・」

 

 と、その時。ピンポンパンポンと、おなじみの校内放送を告げるチャイムが流れる。続いて“新入生は指示に従って講堂に集合してください”との放送が。

 

「集合だって」

「う、うん。そうだね」

「続きはあとで。どうやら廊下に出ないといけないみたいよ」

 

 ということで、真実は和美と一緒に廊下へ出る。そこでは、おそらくは上級生であろう男女のペアが、新入生に整列するよう指示をしていた。並ぶ順は適当でよいということで、真実は列の中ほどあたりに並んだ。それから1~2分。ふたたび校内放送がされ、講堂への入場が指示される。いよいよ入学式の会場へと向かうのだ。

 ゆっくりとではあるが着実に、とでも表現しようか。ともかく、歩くスピードはゆっくりではあったが、講堂へと到着し、そこに整列していく。同じ制服姿の女子生徒や、ごく普通の詰め襟の学生服を着た男子生徒たちのなか、真実は、ちらっと横をみた。A組の自分たちが講堂の正面に向かって一番左端に並んだのだから、その右隣がB組のはず。有紀子はどこにいるのだろうか。だが、残念なことにその姿を確認できないうちに、式が始まった。

 B組の隣がC、そしてD組。そこには、あの14番の選手がいるのだと思うと、誰とも知らぬ男子生徒の制服を見ているだけでも鼓動が早くなるのがわかる。あの人たちに会ったらどうしようか、などとそんなことを考えているうちに、式は順調に終わりをむかえる。

 そして、教室へと戻る。予定では、ホームルームが行われたのち解散となっていたが、担任の教師がまだ来ていなかったので、真実は、思い切って横にいる女子生徒に声をかけた。

 

「ね、ねえ河上さんだったよね」

「ん? どうしたの。やっと名前を教えてくれるのかな」

 

 と、少しいたずらっぽい笑みとともに、軽くウインク。

 

「和美って呼んでくれていいよ、あなたをこの星城高校での記念すべき最初の友だちと認め、特別に許してあげる」

「ど、どうもありがと」

「そういえばさ、さっき聞きたいことがあるって言ってたよね」

「うん」

 

 真実が聞いてみようと思ったのは、あの2人組の男の子のことである。どうみてもチームの中心選手なのにどうして背番号は14なのだろうかと、中学時代に疑問に思っていた、それである。だが、それよりも自己紹介のほうが先だと、真実はちょっと姿勢をただす。

 

「私ね、西崎真実。“しんじつ”と書いて“まみ”っていうの。よろしくね」

「へえ、まみちゃんか。あ、いいよね、真実って呼んでも?」

「もちろんよ。それでね、あのさ・・」

 

 ニコニコと笑顔の和美。人当たりの良さをうかがわせる彼女の前なのに、それでも真実は少しはにかんでいた。でも、あの疑問を解明するいいチャンスなのだからと、思い切って。

 

「浅香中の2人組のことをさっき言ってたでしょ」

「? ああ、バスケット部の2人ね」

「うん。でねその2人の背番号なんだけど」

「背番号?」

「そう。ね、どうして14なの? どうして10番なの? どうみてもレギュラー選手だよね」

 

 さすがの和美も、この質問には驚いたらしく、すぐには言葉が出てこない様子である。ということはつまり、真実がもっとも苦手とする、相手が無言状態の沈黙の時間が訪れたということである。が、それもわずかの間ですんだ。ちょうど担任の先生が教室にやって来たからである。

 

「みんな、入学おめでとう。星城は楽しいぞ。ここには、いろいろな伝統があるからな。中学時代の同級生たちがあちこちの高校に進学したことと思うが、必ずおまえたちは、星城に入学して良かったと、そう思うことになる。同級生たちに胸を張って、自慢ができるさ」

 

 と、そんなことを教室中に響かせて余りある大声で言いながらのご登場であった。まだ緊張感の抜けきらない新入生たちである。その瞬間に一切の私語が消え、誰もが先生に注目する。もちろん真実も、正面を向いていた。

 和美とのあいだの沈黙の時間から救われたとはいうものの、質問の答えが得られていないのが残念であった。ホームルームが終われば、きっと教えてくれるだろうとは思うのだが、それにしても和美はどうして沈黙したのだろう。まさか、聞いてはいけないことだったのだろうか?

 ホームルームは、クラスメートたちの自己紹介と明日からの予定などの伝達事項が行われただけで、およそ30分ほどで終わったが、終わった後も、まずいことを聞いたのかもしれないという思いが、後ろを向くことをためらわせていた。その真実の肩を、和美がポンポンと軽く叩く。そうしてもらわなかったら、内気な真実は、おそらく和美の方を向くことはできなかったのかもしれない。

 

「ねぇ、どうしてあの2人の背番号なんて知ってるの?」

「だって私、バスケット部だったから。夏の大会のときの県大会の決勝戦の相手が、私のいた明星中学だったのよ」

「なーるほど。そのとき、他校の選手なのに、あまりのカッコよさに目に止まったってわけだね」

 

 その言葉に、急に赤くなる真実である。和美の指摘が、かなり核心をついていたことを証明した格好である。だが、真実は。

 

「そ、そんなんじゃなくてさ。私はバスケット部のとき補欠だったんだけどね」

「うんうん」

 

 あわてて言い訳をする真実に、楽しそうにうなづく和美。

 

「私も14番だったの、背番号。なのに、同じ14でも、彼はレギュラーなのよね。普通、レギュラーだったら4とか5とか、1ケタの数字でしょ。だから気になってたの、なぜだろうって」

「そうかそうか。いいよ、そういうことにしといてあげる」

「だって、ほんとなんだってば」

「分かった、分かった。でもこれだけは言っとくよ。達也くんに手をだしちゃだめだからね」

「え? どういうこと」

 

 一瞬、笑みの消えた顔でそう言った和美に、真実はあわててそう聞き返したのだが、ちょうどそこへB組に分かれてしまった有紀子がやってきて、和美を紹介するなどしているうち、結局、その話はうやむやとなってしまったのである。もちろん真実はその答えが欲しかったのだが、ついに言い出せずに終わり、和美と別れて有紀子と一緒にバスケット部へ入部しに行くことになったのである。今日は1年生だけの式とはいえ、星城高校では、新入部員獲得のための各部の宣伝活動が校舎の外で行われているらしい。これも、担任の先生が言うところの“星城の伝統”ということになるのだろう。

 その担任の先生の言葉をチラと思い出した真実であったが、そんなささいな言葉はすぐに消え去り、次に和美の一言が、何倍も大きく、そして何度も何度も頭の中に繰り返し浮かんできた。『達也には手を出すな』とは、いったいどういうことなのか。有紀子の後ろを歩きながらも、真実はそのことばかりを考えてしまうのだった。

 やがて、下駄箱のところへ来る。ここで靴を履き替え、校舎の外へ出るのだが、一歩外に出れば、そこでは、新入生を勧誘しようと、各部の部員たちが手作りのポスターなど掲げながら、懸命に声をあげていた。

 

「うわあ、すごい。けっこういろんな部があるんだね」

 

 驚きの声をあげる有紀子。真実も同じことを思っていたが、言葉にはせず、どんな部があるのか、ゆっくりとひとつずつみていた。だが、不思議とどの部も直接声をかけて来るようなことはしない。さあいらっしゃいとばかりに、ただ、自分たちをアピールしているだけだった。

 あとでわかったことだが、これは個人に直接勧誘行為をしてはいけない、という慣習があるからこそだったのだ。

 

「あ、あそこだよ」

 

 と、有紀子が指差したのは、もちろんバスケット部の勧誘部隊の人たちである。その方向へ2、3歩進みかけ、有紀子が真実を振り返る。

 

「真実はどうする? もう無理に薦めたりはしないよ。それに美術部もあるみたいだし」

 

 有紀子の指さす方向に、たしかに美術部からの宣伝部隊がいた。いくつかの水彩画も掲げられている。それらの絵に視線を向けはしたが、真実は、きっぱりと言った。

 

「私も、バスケット部に入るよ。ヘタはヘタだけどけっこう好きなんだもん」

「いいの? あんたの絵の実力だったら、美術部だと大歓迎されると思うんだけどさ」

「でも、絵は美術部に入んなくても描けるからね」

 

 真実は、どちらかというと運動が苦手だと自分で思っていた。それよりも、何か対象物を前にして、絵を描いているほうが合っているのではないかと思っている。だから、バスケット部よりも美術部のほうが、きっとしっくりとくるのだろうが、知っている人が誰もいない美術部でやっていけるのかという不安がある。その点、バスケット部であれば、少なくとも有紀子がいるのだ。しかも、男子ではあるが、あの浅香中の2人だってバスケット部に入るはずなのだから、少しでも近いところにいられればいいと、そう思っての結論であった。美術部でなくても絵は描ける。少なくとも、美術部を選ぶ理由はなかった。

 

「すいません、入部したいんですけど」

 

 有紀子と真実は、2人並んでバスケット部の宣伝をしている人たちの前に進み出る。その真実たちを、バスケット部の先輩たちがあたたかく迎えてくれる。

 

「ようこそ女子バスケット部へ。歓迎するわよ。さっそくだけど、その受付用紙にクラスと名前を・・ 知ってるとは思うけど、今日は受付だけなの。練習には参加させてあげられないけど、いい?」

 

 真実たち2人がスポーツバッグを持っていることに気づいたのか、言葉の調子が途中から変化する。すぐにも練習に参加しようとした真実や有紀子の考えが、その手荷物を通して相手に伝わったのだろう。もっとも、有紀子はともかく真実はそのほうがありがたかった。入部はもちろんするつもりなのだが、何をするにしろ、ともかく少し間をおいて気持ちの整理などしたいほうなのであった。

 言われるままに、受付用紙にクラスと名前、それに住所と電話番号を記入する。まだ白い欄ばかりが並んでいることから、現段階で新入部員は有紀子たち以外に集まってはいないことが想像される。が、それも今日、明日と日にちを重ねるごとに増えていくはずである。

 星城高校では、部活動に入部手続きができるのは、この初日も含めた3日間のみと決められており、その日以外は受け付けないことになっているらしい。この日を過ぎてから入部したくなった人は、まずは生徒会の許可を得なければならないらしい。

 そんな話を聞かされ、部室の場所を聞き、受付期間が終わってから練習に参加する約束をしてその場を離れる。こういうことになっているなど知らなかった真実たちであったが、それらはもちろん、生徒手帳のなかにはっきりと記載されていた。つまり、明確に校則として規定されていたのである。星城の生徒として、当然頭に入れておかねばならないことだった。

 校門を出ると、真実と有紀子の家は逆方向となるので、どこか寄り道するとき以外は、ここで別れることになる。今日は特にいくところもないということで、真実は、有紀子と別れて公園へ向かう。そのサクラ公園では、登校時とは違い、小さな子どもが遊んでいる姿などがちらほらと見られた。そういえば、自分も幼い頃はああして遊んでいたんだなあと、そんなことを考えつつ歩く、サクラの並木道。真実は、その真ん中あたりで立ち止まった。

 まだ、木々に残っている花びらがヒラヒラと舞い落ちる。が、それもあと2~3日もすればなくなるのだろう。もうかぐ、サクラの季節が終わるのだ。別れと出会いを同時に経験せねばならないこの時期。新しい学校、新しいクラスメートたち、そして星城高校バスケット部の先輩たち。その人たちとうまくやっていけるのだろうか。

 ヒラヒラと舞う花びらは、昨日に較べればずいぶんと少なくなった感じがする。が、それも仕方のないこと。真実は大きくうなづくと、ゆっくりと歩き出した。

 




 このお話の始まりは、実は終わりの場面と同じとなる予定。ラストシーンがいきなり、というのはどうなんだろうか。そんなことを思いつつ、書いてみました。どうぞ、よろしく。
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