遊戯王ARC-V 異世界転生の召喚指導官   作:神聖SmD

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Teaching9 若き社長、赤馬零児

刀堂 刃:4000LP

秋月 修也:4000LP

 

「1ターンに2体もシンクロモンスターを出すなんてッ……」

「どうした? ビビっちまったか? 俺はこれでターンエンドだぜ」

 

修也の決闘が始まり、先攻は刀堂刃。先攻初ターンにソウザ、ガトムズという

布陣を手札三枚で揃えた。やはりその展開力は恐ろしい。彼の手札に、さらに

《ガトムズの非常招集》があればさらにガトムズが並んでいたと考えると、

本当に恐ろしいな……Xセイバー。

 

「くッ俺のターンだッ! ドロー!」

 

いきなり相手の場に、2500打点以上のモンスターが2体という非常に

不利な状況での後攻1ターン目。修也のプレッシャーも尋常ではないだろう。

そう考えると手軽に2500打点以上が並ぶ征竜はやっぱりキチガイ(偏見)。

けど、修也の奴。デッキを変えたって言ってたけど……どうしたんだ?

 

「俺は! 《魔の試着部屋》を発動ッ! 800ポイントライフを払い、

デッキから上を4枚見る!」

 

秋月 修也:3200LP

 

《魔の試着部屋》魔

800ライフポイントを払う。

自分のデッキの上からカードを4枚めくり、その中のレベル3以下の通常モンスター

を自分フィールド上に特殊召喚する。

それ以外のカードはデッキに戻してシャッフルする。

 

試着部屋か。ってことはアイツのデッキは【ローレベルバニラシンクロ】?

といったところだろうか? さぁ、どうなる。俺の渡したカードをどう

生かすつもりだろうか。今のところ見当がつかない。

 

「よし。俺は、《ジェリービーンズマン》とチューナーモンスター

《ジェネクス・コントローラー》を特殊召喚! 残りはデッキへ戻す。

さらに、手札から《音速ダック》を召喚ッ!」

「そんな奴ら並べても、俺のモンスターは倒せねぇぜ?

 

モンスターが3体並ぶが、どれもレベルの低い通常モンスターだ。

刀堂刃の言うとおり、戦闘破壊は出来ない。だが、問題なのはそこじゃない。

修也の場のモンスターの攻撃レベルは、9。さぁ見せてやれ。お前のシンクロを!

 

「今度は俺のシンクロを見せてやるよ! 俺はレベル3の《ジェリービーンズマン》

、《音速ダック》に《ジェネクス・コントローラー》をチューニングッ!

猛々しい太古の巨人ッ! 出てこいッ! レベル9! 《鬼岩城》ッ!」

 

激しく地面が揺れ、岩の巨人が現れる。それはただただデカイ。

コロッセオには足を含む下半身しか入らず、上半身はコロッセオより

高い。で、デカすぎ……

 

《鬼城城》☆9 シンクロ

攻2900/守2800

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードの攻撃力・守備力は、このカードのシンクロ素材としたチューナー

以外のモンスターの数×200ポイントアップする。

 

「な、なんだぁ! こいつッ!!」

「これが俺のモンスターさッ!」

「だが、攻撃力は2900! 俺のガトムズの方が上だぜ! 図体だけの

木偶じゃねぇか! 驚かせやがって……」

「それは違うぜ! 鬼岩城はシンクロ素材のチューナー以外のモンスターの

数×400ポイント攻撃力が上がるんだぜ! だから攻撃力は3300だ!」

「なんだとッ!」

 

巨人はズズズ……と音を立てる。コイツが動いたせいでシステムがダウンしたり

しないだろうか心配だ。

 

「行くぜ! バトルだ! ガトムズを粉砕しろッ! <ガイア・クラッシュ>ッ!!」

 

巨人がガトムズを踏みつけ、ガトムズはたまらず爆発。闘技場を衝撃が覆う。

 

「くッ――――なんつぅパワーだッ!!」

 

刀堂 刃:3800LP

 

「俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ!」

「俺のターンだぜッ! ドロー! けどなぁ図体だけで勝てるほど決闘は

単純じゃねぇぜ! チッ……俺はモンスターをセット、カードを2枚伏せて

エンドだ! おら、そっちのターンだぜ!」

 

モンスターと伏せを1枚ずつでターンを渡す。どうやらこのターンは下準備

に回り、次のターンで返すつもりなのだろうか?

 

「よっしゃ俺のターンだ! ガンガン行くぜ! 俺は、《鬼岩城》で

モンスターに攻撃ッ! ついでにこいつも発動だッ!

Aカード、《ブレイク・アタック》ッ! このターンモンスター1体を

選び貫通効果を与えるぜッ! <ガイア・ブレイク>ッ!!」

 

《ブレイク・アタック》A魔

モンスターを1体選ぶ。このターン、そのモンスターが守備表示モンスターを

攻撃したとき、攻撃力が守備力を上回っていればその数値の差だけ相手に

ダメージを与える。

 

「くッ、うおぉ!!」

 

破壊されたのは、《XX‐セイバーエマーズブレイド》だ。確か、リクルーター

効果を持ったXセイバーだったはず。

 

刀堂 刃:1300LP

 

「よし! いいぞ修也!!」

 

貫通ダメージで一気にLPが削られる。よし、これなら勝てる!

 

「うッ……俺はエマーズブレイドの効果で《XX‐セイバーレイジグラ》を

特殊召喚! こいつの効果で、フォルトロールを手札に加えるぜ」

 

《XX‐セイバーレイジグラ》☆1

攻200/守1000

 

このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、自分の墓地の「X-セイバー」

モンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを手札に加える。

 

「よっしゃ! 俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ!」

「随分、やるじゃねぇか……けどなぁ俺だってやられっぱなしって訳には

いかねぇんだよ! ドロー! 俺は、《X‐セイバーパシウル》を召喚ッ!」

 

《X‐セイバーパシウル》☆2 チューナー

攻100/守0

このカードは戦闘では破壊されない。

相手スタンバイフェイズに発動する。

自分は1000ダメージを受ける。

この効果はこのカードがモンスターゾーンに表側守備表示で存在する場合に

発動と処理を行う。

 

「この状況で、攻撃力のモンスターを攻撃表示!?」

 

隣の昌子さんが驚く。確かに知らない人から見れば正気じゃないだろうな。

 

「パシウルはチューナーモンスターなんだ。きっとシンクロするだろうさ」

「なるほど。裏側守備表示ではシンクロできませんものね」

 

「俺は、手札から《XX‐セイバーフォルトロール》を特殊召喚するぜッ!」

「またそいつかッ」

 

先ほどレイジグラで加えたヤツか。ってことはまた連続シンクロがくる。

だが、鬼岩城の攻撃力は3300だ。ガトムズでも届くことは無いだろう。

 

「フォルトロールの効果発動! 墓地から一体特殊召喚するぜ!

甦れ! 《XX‐セイバーフラムナイト》ッ! 行くぜ! 俺は、レベル6の

フォルトロールに、レベル3のフラムナイトをチューニングッ! 

白銀の鎧輝かせ刃向かう者の希望を砕け! シンクロ召喚ッ!

《XX‐セイバーガトムズ》ッ!」

 

2体目のガトムズ。だがこれだけで止まるXセイバーではない。

 

「罠発動! 《ガトムズの緊急指令》発動! 自分の場に、X‐セイバーが

存在している時、墓地から2体X‐セイバーを特殊召喚できる!

俺は、フラムナイトとボガーナイトを墓地から特殊召喚だッ!」

「なんだってッ!?」

 

修也が驚く。やはり伏せていたのはガト緊こと《ガトムズの緊急指令》か。

これで場には、レイジグラ・パシウル・ボガーナイト・フラムナイト・ガトムズ

と揃う。すげぇなこれ……!

 

「俺は、レベル4のボガーナイトにレベル2のパシウルをチューニング!

赤きマントひるがえし、剣の舞で敵を討て! シンクロ召喚ッ!

レベル6、《XX‐セイバーヒュンレイ》ッ!!」

 

《XX‐セイバーヒュンレイ》☆6 シンクロ

攻2300/守1300

チューナー+チューナー以外の「X-セイバー」と名のついたモンスター1体以上

このカードがシンクロ召喚に成功した時、フィールド上の魔法・罠カードを3枚まで

選択して破壊できる。

 

「ヒュンレイの効果発動! その伏せカードを破壊するぜッ!」

 

ヒュンレイの剣撃で修也の伏せカードが破壊される。

 

「俺の、秘蔵の罠が!」

「残念だったなぁ! まだまだ行くぜッ! 俺は、レベル6のヒュンレイに

レベル3のフラムナイトをチューニングッ!」

「まさかッ!?」

 

「また、ガトムズを出すつもりかッ! 何のために――――」

 

どれだけガトムズを出そうと、鬼岩城の攻撃力は超えられない。

なら、何故……だ。

 

「白銀の鎧輝かせ刃向かう者の希望を砕け! 三度現れろッ!

シンクロ召喚ッ! 《XX‐セイバーガトムズ》ッ!! バトルだ!

一体目のガトムズで鬼岩城を攻撃ッ!」

「え、な――――なんで! 攻撃力はこっちが上なのに!?」

 

刀堂刃は笑う。それはもはや勝利を確信した笑みだった。

 

「こうすんの、さッ!」

 

背負っていた木刀で地面を薙ぐ。すると風圧を受けたAカードが宙を舞う。

刀堂刃はそれを掴み――――

 

「Aマジック発動ッ! 《オーバー・ソード》発動ッ! ガトムズの攻撃力を

500ポイントアップだッ! これで攻撃力は――――3600だ!」

「何だってッ!!!」

 

《オーバー・ソード》A魔

アクション魔法

フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。

バトルフェイズ中のみ、そのモンスターの攻撃力は500アップし、

その攻撃は無効化されない。

 

ガトムズの剣が煌めき、鬼岩城の頭上まで飛ぶ。そして、一刀両断した。

 

「うわぁッあああああ!!!」

 

秋月 修也:2900LP

 

「これで終わりだ! お前のシンクロなかなか良かったぜ。けど、

まだまだだな! ガトムズでダイレクト・アタックだッ!!」

 

ガトムズが剣を振りかぶり、振り下ろす。その衝撃波が修也を襲う。

 

「わぁあああああああああッ!!!!!」

 

秋月 修也:0LP

 

「勝者! 刀堂刃!!」

 

「ってて……俺、負けちまった――――」

「修也!!!」

 

俺は、フィールドに倒れる修也の元へ駆け寄る。身体には大事は無いようだ。

 

「大丈夫みたいだな。安心した」

「大丈夫じゃねぇって。負けちまった……」

「そんな気落ちするなって。次また勝てばいい、だろ?」

 

俺は、刀堂刃の方へ視線をズラす。すると、

 

「お前、筋はわるくねぇ。……また決闘してやるよ」

「本当か! 次は負けないぜ!」

「ふッ」

 

俺は心の中で礼を言った。明確な好敵手。その存在が、修也をもっと

強くしてくれるだろう。

 

「あークソ! もっとシンクロしたかったぜぇ!」

「まぁ、そういうなって。高レベルのシンクロを出しただけでも大したものさ」

「先生。俺はもっともっと強くなりてぇ」

「あぁ。勿論だ。お前はまだまだ強くなれるさ」

 

一人、一人通る道は違うが、皆格段に強くなってる。

 

「――――何やら面白そうなじゃないか」

 

この声は――――ッ!!

俺は、振り返る。そこには……

 

「しゃ、社長!」

「あ、赤馬社長がどうしてここへッ!!!」

 

他の講師の顔が驚愕に張り付く。勿論俺を含めだ。

そこには、レオ・コーポレーションの若き社長、赤馬零児がいた。

マジかよ。ここへきて初めて実物をみたが、こうカリスマオーラがすげぇ。

 

「今日ここで、塾生同士の決闘をしていると聞いて来てみたんだが……なるほど。

随分予想外の結果が出たようだな」

 

赤馬零児は顎に手を当てて思案する。この人、ずっと見ていたんではないか?

 

「総合コースの生徒が、各コースのTOPクラスの生徒相手に2勝……

ここ最近の総合コースFの成績の伸び具合の良さは私の耳にも入ってきている。

そして――――君が彼らの担当講師と言う訳か。……末城遊介」

「へ、あぁ。そうです……俺がこの子たちの担任です、ごめんなさい!」

 

凄い威圧的な視線だ! この人俺と同じくらいの歳だよなぁ?

なんでこんな怖いの!? つい謝っちゃったよ! 立場がそうさせるの!?

 

「末城遊介。プロ昇格の話も上がったという噂もあったが、その話を蹴り

暫くはフリーで活動していたそうだが……なぜ、今になって我が《LDS》へ?」

 

え、何その設定俺聞いて無い! ニートだったんじゃないの俺!?

 

「え、あぁ……いや、家に妹が一人なんで家事しないとなって――――

でも働かないとなって……あ、はい」

 

その場の誰もが「え、なにそれシスコン」みたいな視線を送って来る。

やめて! 俺が聞きたいくらいなんだよ!

 

「なるほど。妹さんを思ってか……」

 

え、納得! 納得しちゃうの社長!!?

 

「それでは、どうだろう私と決闘してくれないだろうか?」

「はぇ?」

 

はい?と、え?が重なる。一体どうしてそうなった?

 

「しゃ、社長! どういう――――」

「何、ただの余興に過ぎない、が、私は本気で行かせてもらおう」

「マジっすか!?」

 

いや、この人使用デッキが【DDD】だからガチそのものなんだけどね。

 

「それでは、始めようか」

 

赤馬零児は眼鏡のブリッジを指で押し上げる。その奥の瞳は、冗談を

言っているような顔では無い。どうやら、やるしかないようだ。

というより了解する前から始めようって言ってるし。実際拒否ないのか。

 

「わ、分かりました。やります」

 

俺は、今セットしてあるデッキを外し懐からデッキを出す。

彼の相手を務めるならこのデッキじゃダメだ。

 

「先生、デッキを変えるのかしら?」

「……赤馬零児は相当の手練れだ。師とて、それは理解している」

「つまり、本気のデッキって訳か!」

 

そういうことです。

 

「で、では始めます! フィールド魔法《荒野の決闘タウン》発動!」

 

本日4回目のシステム起動。システムさんご苦労様ッス!

今度は――――あれ、なんか見たことあるような景色。満足タウン?

西部劇のワンシーンのような景観が広がる。あのコロコロする草もある。

 

「「戦いの殿堂に集いし決闘者達が、モンスターと共に地を蹴り、宙を舞い、

フィールド内を駆け巡るッ! 見よ、これぞデュエルの最強進化系ッ……」」

 

『アクショー……ン』

 

「「デュエル!!」」

 

成り行きとはいえ、《LDS》の社長と戦うことになってしまった……

どうなるんだ、この決闘。

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