遊戯王ARC-V 異世界転生の召喚指導官   作:神聖SmD

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2章 舞網cs編 前
practice1、夕暮れの隼


舞網市。ここは《アクション・デュエル》によって栄えている先進都市だ。

そこには数多くの決闘者のための塾。《デュエルスクール》が立ち並ぶ。

ここ《LDS》もそれらの一つであり、またそれらのTOPに君臨する

《デュエルスクール》だ。

俺、末城遊介はそんな《LDS》でバイト講師をしている。

 

「えーという訳で今日からこのテキストを使っていくわけだが……

まぁとりあえずこれを見てくれ」

 

俺はスライドの画面を指す。画面には2枚のカードが表示されている。

1枚は《ブラッド・ヴォルス》。攻撃力1900。レベル4の通常モンスターだ。

古くは海馬瀬人が使用した往年のモンスターである。そしてもう1枚が、

《エルフの剣士》。ブラッド・ヴォルス同様レベル4通常モンスターだ。

こちらはキングオブデュエリスト、武藤遊戯が使用したカードである。

 

「ってことで。本日の講義は“エクシーズ召喚”だ」

 

俺は画面を操作する。この世界の映像技術は非常に発達しており、

PCで操作しただけで思いのままに画面を表示させることができる。

これもソリッドヴィジョン技術の応用なのだろうか。

俺は2体のモンスターを重ねる。

 

「さて、ここで“エクシーズ召喚”の基本についておさらいだ。

そうだな……エクシーズときたら――――レイ。説明頼んだ」

「……了解した」

 

俺が今指名した少年。斎賀レイは、俺の受け持つこのクラスの中で

一番エクシーズ召喚の使用に長けた生徒だ。案の定淡々と説明を行う。

 

「OKだ。エクシーズに関しては流石だな」

「……何ら問題ない」

「よし。さてじゃあ実践問題だ。テキストの14ページを開いてくれ」

 

俺自身も《エクシーズ入門~これで君もかっとビング!~》を開く。

そこにはいくつかの例題が書かれている。

 

「まぁこんな問題今更だと思うが、問題1だ。さて誰に答えて貰うか……」

 

「先生。私が」

 

誰を指名しようか迷っていると、一番前から手が上がる。

手を上げていたのは栄昌子という女子生徒だ。このクラスでいう

優等生キャラとでも言おうか。だが、非常に勤勉で真面目な生徒だ。

 

「昌子か。よし、それじゃ問題だ。

『エクシーズモンスターが場を離れた時、ORUとなっていたエクシーズ素材

はどうなるか』わかるか?」

「エクシーズ素材となっていたモンスターは墓地へ送られます」

「正解だ。よく勉強してるな」

「勿論ですわ」

「じゃ、応用問題な。エクシーズモンスターが《強制脱出装置》の効果対象

になったとしよう。この場合どうなる?」

「うッ……それは――――」

 

昌子が言いよどむ。流石にこれはむずかったか……

 

「あれ? 昌子ねぇちゃんでも分からない問題があるんだな~」

「わ、分かります!」

 

横からヤジが飛ぶ。彼は秋月修也。少々落ち着きが無い悪ガキ系の生徒だ。

 

「分かりました! 正解は、『エクシーズモンスターはエクストラデッキへ

戻り、エクシーズ素材のモンスターが手札へ戻る』です!」

「半分正解、だが半分間違えだ」

「ま、間違えですか……」

「ほかに、正解が分かる人いるか? 間違ってもいいぞ」

 

すると先ほどのレイから手が伸びる。意外だ。基本的に無口なアイツが

手を上げるとは……

 

「……正解は、『エクシーズモンスターはエクストラへ。素材は墓地』だ」

「そうだ、正解だ。よく勉強してるな」

 

流石我がクラスのエクシーズ専門だ。

 

「……そこの女には荷が重かったようだな」

「なッ!? なんですって!!!」

 

レイの余計なひと言が彼女に突き刺さる。レイは昌子に対して少々突っかかる

傾向がある。何故だろうか……

 

「斎賀君。少し間違えただけでそれは言い過ぎではなくて?」

「……すまない。本音が漏れた」

「なッ!」

「おいおい、まだ授業中だぞ。喧嘩はやめろ?」

 

2人の仲裁に入るが、言い争いは止まらない。

 

「おーい誰か止めてくれー……」

 

だが皆「無理に決まってるだろ」という顔を作り成り行きを見守っている。

どうするか逡巡していると、

 

「――――末城講師。いますか?」

 

教室のドアが開き、スタッフと思しきスーツの男性が入って来た。

 

「俺ですか? 一体、どうしました?」

「はい。緊急で講師会議を開きたく」

「え? だって今は授業中ですよ」

 

授業が終わってからでもいいのではないのだろうか?

 

「それが……そうも言っていられないようです。マルコ先生が

何者かに襲撃されました。他にも今日までに何名かの《LDS》の

関係者が謎の決闘者に襲われる事態が数件。ので、対策を立てたいと」

 

黒咲さんか。マルコ先生がついにやられてしまったか……

そうなれば行かないわけにはいかないか。生徒たちの顔にも不安が見える。

《LDS》関係者の襲撃事件と聞けばそうなるのも当然だ。

 

「了解しました。――――皆、今日の授業はここまでだ」

「では、こちらへ」

「はい」

 

俺はスーツ男性へ連れられ、何やら画面が多い指令室のようなところへ

連れて来られる。そこには既に多くの講師、職員がいた。

ここはアニメで「召喚方法は!」ってやってる部屋のようだ。

やがて、社長の赤馬零児が現れる。後ろには理事長のえー名前が思い出せない。

凄い頭のおばさんもいた。これ言ったらクビじゃ済まないな。後で確認しとこ。

 

「社長、ご苦労様です」

「マルコ襲撃事件の詳細を」

「はッ、発生したのは市内NLD38地区。発生時刻は17時54分です。

発生時刻、かなり強い召喚反応を付近で確認しました」

「それで、召喚方法は?」

 

理事長が問う。

 

「エクシーズです」

「エクシーズ? その時刻、榊遊矢は我々と――――」

「そもそも彼にはエクシーズを使う知識も技量もなかった。

しかしこれで榊遊矢が事の犯人でないことの裏が取れた」

 

後々に使いまくるけどね。エクシーズ。

 

「中嶋。マルコの消息は?」

「今だ不明です。が、―――――例の物を」

 

「はッ」と返事をし一人の講師が袋を持って来る。

そこにはかなり破損したデュエルディスク、そしてカードが入っていた。

 

「かなり損傷が激しいですが、彼の物だと判明しています」

「そうか……引き続き《LDS》の総力を挙げ、行方を追え」

「はッ」

 

ここで犯人を言ってしまえば俺が疑われそうだ……

 

「しかし、不可解な点がありますな。何故アクションフィールドでもないのに

そこまで彼のディスクは破損しているんだ……」

 

それに答えを出せるものはおらず。今日の所は警戒態勢を取る事、

マルコ先生については引き続き捜索とのことで会議は終わった。

 

「さて、どうするか……」

 

《LDS》のフロントまで下りてきた俺は、帰るかそれとも市内を

見て回るか悩んでいた。そこへ、

 

「――――なんで、合わせて貰えないのよ!」

「まぁ、落ち着きなよ」

 

この間のLDSの三人組がいた。そういえば、光津真澄はマルコ先生のことを

尊敬していたっけ。塾側も流石に消息不明とは言えず、「面会謝絶」という

扱いにしているのだろうか?

 

「沢渡の時見たく包帯ぐるぐるで他人に会いたくねぇんだろ?」

「マルコ先生をあんな奴と一緒にしないで!」

 

真澄が切れる。沢渡さんも報われない人だなぁ。

 

「あ! 貴方は!」

「やべ」

 

やがて俺を発見した彼らに見つかる。何故だか嫌な予感が……

 

「貴方は確か……そうよ! 総合コースの講師よね!」

「ま、まぁそうだけど。――――なんでタメ口……」

「何か?」

「いえ、なんでも」

 

幾ら成績優秀な生徒でもタメ口って……まぁいいんだけどね。

 

「貴方なら、マルコ先生がどうなってるか知ってるでしょう?」

「それが……こちらもよく把握して無くて――――」

 

そうはぐらかすことにした。

 

「くッ……つかえないわね。なら、私が犯人を見つける!」

「あ、おい! 待てよ真澄!」

 

刃の制止を振り切り、そのまま出口に向かって走り出す真澄。

 

「俺が行くから、君たちは今日は帰るんだ」

 

俺は彼女が走って行った後を追うことにした。相手は黒咲さんだ。

もし遭遇しても彼女では勝てないと思われる。

 

「――――あーもしもし鏡花? 今日遅くなる」

 

 

「おーい。ちょっと待ってくれよ!」

「何、貴方?」

「闇雲に探したっていい成果は得られないだろう? 他の講師やユースの

人たちも動いているんだ。今日はもう帰るんだ」

 

太陽も既に傾きかけている。これ以上女の子一人でふらふらしていれば

別の不審者に捕まりかねない。

 

「何を言っているの! マルコ先生が襲われたのよ!?」

「お、落ち着けって。《LDS》でも総力を挙げて調べてるとこだ。

君たち生徒まで危険にならないようにだ。なのに、自分から首を

突っ込んでもいいことはない。だろう?」

「呑気ね。私のことは放っておいて。――――犯人は私が捕まえる!」

 

そのまま彼女は走り出す。

 

「ちょっと待てって!」

 

負けたらカードにされるんだぞッ!

 

俺は追いかけることにした。

 

 

「くっそ……見失ったよ」

 

彼女を追いかけて暫く。ビルが入り組んでいる辺りで見失ってしまった。

 

「もう暗いし。俺も引き上げる、か……」

 

辺りはさらに日が傾き、間もなく月が顔をだす時間になって来た。

帰るかなと来た道を戻ろうとした時だった、

 

「――――見つけたぞ、《LDS》ッ!」

「え……」

 

背後からくぐもった声が聞こえる。なにこれ……え、やだ。凄い嫌な予感。

どうするのこれー。しょうがない。よし、振り返ろう。

 

「ッ!?」

 

振り返ると、覆面で顔を半分覆い、ゴーグルをかけた男がデュエル・ディスクを

展開させた状態で立っていた。場には既に鳥獣族モンスターと思しきモンスターが

彼の隣に存在している。

 

(まさかこんなところでお目にかかれるとは……)

 

「あのー何か御用ですかね?」

「《LDS》……《LDS》は俺が倒すッ」

「ちなみに理由を聞いてもいいか?」

「貴様に言う必要はない――――来ないならば、こちらから行くッ!」

 

ダメだ。聞く耳なんて持って無い! なら、

 

「――――やる前に、一つ聞いても言いか?」

「……」

「マルコって男をやったのはあんただな?」

 

俺は一応確認を取る。正直この辺のアニメはあまり見て無い。

ニコ〇コで動画は見たけどな。なので、情報を正しておきたい。

 

「マルコ、だと?」

「あぁ。俺と同じ《LDS》の講師の名だ。融合召喚を使う」

「融合……あぁ、あいつか。俺がやった」

 

黒咲は鼻で笑うようにそう言った。

 

「そうか。なら俺にもやる理由ってのが出来たよ」

「敵討ちか? 薄っぺらいな。あのマルコという男もそうだったが、

貴様等《LDS》の決闘には鉄の意志も鋼の強さも感じられん。貴様もそうだろう」

「そうかもしれないけど、アンタのやっていることは正しいのか?」

「何?」

「自分の都合で《LDS》の人たちを襲っているのが、正しいのかと

言っているんだ。話し合おうとは思わなかったのか」

「瑠璃を――――仲間を助けるためなら俺は何でもやる! 御託は沢山だ。

来ないのであれば、こちらから行くッ!!」

「くッ、倒して話すしかない!」

 

「「デュエルッ!!」」




もしかしたら半端な状態で一度UPしてしまった可能性があります。
申し訳ありません。
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