遊戯王ARC-V 異世界転生の召喚指導官   作:神聖SmD

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Teaching1 初めての講義

俺がこの世界。アニメで言うところのスタンダート次元に来て

2日目の朝がやって来た。

 

「しっかし、ここは日本と変わらないなぁ……

ってここも日本か。どれどれ、今日のニュースは」

 

俺はリビングの新聞を手に取る。やはり何よりも大切なのは情報だ。

NOWでHOTな情報を常に仕入れておくのが情報社会の基本だって、

社畜の親父が言ってたもんだ。

 

新聞の盤面を彩るのはやはりと言うか「ペンデュラム」の文字だ。

……負けたストロング某についても触れて差し上げろよ。な?

けど、俺は前の世界でペンデュラムデッキを組んではいなかったものの、

原理自体は理解しているが、この世界の人にとってはまさにNOWでHOTな

ニュースなんだろうな。

同時にモンスターを召喚だぁ!? インチキ効果も(ry

ってどこかのホーガン氏も驚かれることだろう。だが、BFが言うな。

しかし、これがまた賛否両論で「システムを偽装したチート行為」だとか

何だとかいう意見もあるみたいだな。

 

「なるほどな……」

 

ガッチャーンッ

 

「えッ、なんだ!?」

 

後方から食器類が割れた音がした。驚いて振り返ると妹が驚愕の顔つきで

俺を見ていた。え、何……何かした? 俺?

 

「おはようさん。ど、どうしたんだ……? そんな顔して」

「に……」

「に?」

「兄さんが、新聞を読んで……ううん。朝に起きるなんて」

「そりゃ新聞くらい読むだろって、それに朝になりゃ起きる。

ほれ、そこ食器あぶねぇから動くなよ? 後、箒あるか?」

 

俺は、とりあえず新聞で食器の残骸をまとめていく。

いや、箒より掃除機の方がいいかもしれない。

 

「おーい、聞いてる? って……なんで泣いてんのッ!!!!」

「やっとまともな人間に……なってくれたんだ」

「やめよ! その言葉はやめよ? 俺に向けられた言葉じゃないって

知っててもなんだか心苦しい! 無性に謝らないといけない気になる!」

 

こっちの俺! こんな可愛い妹にどんだけ心労かけてんだよッ!

その後、とりあえず掃除機の場所を教えて貰い食器を方付けた。

 

 

閑話休題を入れ。2人で朝食の準備を再び始める。

 

「けど、兄さんは昨日から本当に別人みたい」

「え?」

 

鏡花は指折りしながら言う。

 

「朝に起きるし、夜は寝るし。新聞読むし、トイレに入って手を洗うし」

「ほぼ人として当たり前のことなんだよなぁ……それ。それより、学校の

時間は大丈夫なのか?」

「え、あ……やっばッ! じゃ、後お願いね!」

「ハンカチは持って行けよー!」

 

そのままドタバタと学校へ向かう妹。学生さんは大変だぁ。

……俺も昨日までそうだったんだけどね。

 

「仕事すっかなー俺もなー」

 

それから食器洗いを終え、洗濯に取り掛かる。俺はこう見えても基本的な

家事はほぼこなせるんだ。何故なら、元の世界では両親が共働きで、一人っ子

だった俺は大抵のことは一人でやる必要があったから。

《LDS》でのバイトは午後だし。少しでもこの家に貢献すべきだろう。

 

「さて、まー洗濯機は何処の世界も同じだよな、流石に」

 

見ればごく普通のドラム式洗濯機だ。

 

「はッ……!? こ、ここっこれは!」

 

ほぼ大抵の家事をこなせる高スペック()な俺だが、今まさに危機に

直面してしまった。それは……

 

「女子物の下着……だと。くっそ! どうすりゃいいんだ!?」

 

俺のと混ぜていいのか? それとも別にしてネットに入れて洗うべきか?

やっぱり年頃の子だし……「お兄ちゃんのパンツと洗わないでッ!」って

怒られるよな? ましてや元をたどれば俺は他人だし。他人のパンツと

自分のパンツ一緒に洗濯されるとか嫌だろうな? てか、犯罪じゃねこれ?

 

客観的に見て、中学生の女子のパンツを持ったまま苦悩してる自分が

凄くヤバい奴に思えたので洗濯は後回しにした。これ正解~(クイズ君感)

 

洗濯は後回しにして、とりあえずバイトの用意を始めることにする。

なんでも、自分のデッキを持って来て欲しいらしい。そりゃそうか。

なんたって教えるのはデュエルに関することだしな。

実際に実技を交えつつってことなんだろうか?

しかし、この世界に俺のデッキは無いわけで。とりあえずこっちの俺の

カードを拝借することにした。いいよね多少は。

 

「はぇ~すっごい量……」

 

自分の部屋のクローゼットにはこれでもかってくらいのカードがあった。

流石カードの腕にしか自信の無いニート。こういう時は役立つな。うん。

 

「さてと。あっちの俺のデッキを思い出しつつ組んでみるか、な」

 

俺はカードの山に手を付け始めた。

 

……

………

…………

 

「出来た。心配してたけど、なかなかのものが出来たな」

 

組んだデッキは【スクラップ】デッキだ。俺の好きなテーマ群で、

シンクロは勿論、エクシーズやペンデュラムにも割と柔軟に対応

してくれるフェイバリットデッキだ。

 

「けど、エクストラデッキがなぁ。流石にビュートとかカステルとかは

ないよなぁ。けど別に教材って感じだしまぁいいか」

 

元々カジュアル勢だった俺も高かったし持って無かったからなぁー。

シンクロ、エクシーズ、融合って各種召喚も取り入れられたし。

え? 儀式? ……知らない子ですね。

影霊衣はアレはもう「ネクロス」って召喚法でしょう?

 

「っと。そろそろ洗濯しないとなぁ折角のいい日が勿体ねぇ」

 

俺はデッキをディスクにセットして、洗濯へと戻った。

鏡花のパンツは極力無心になって、俺のとは別に洗濯した。

 

 

夕方、バイト場である《LDS》へ向かう。しっかしデカい。

姿はスーツだ。鏡花に「講師なんだから形くらいはしっかりして」と

言われ着たものの、どうにも動きづらい。

とりあえず時間ももったいないので、フロントへ行く。

 

「こんにちは。あの……今日からここでお世話になる末城ですけど」

「あ、はい。伺っています。では案内しますので――――」

「どうも」

 

昨日とえらい反応違うなーおい。

 

「え、っと。俺はどんな生徒を教える感じですか?」

「はい。末城先生には――――」

 

先生。先生か~……いい響きだぁ。

こう、人の上に立ったという気分になる。

 

「あの……聞いていますか?」

「あ、はいッ! 大丈夫ですツ!!」

「そうですか。では、お願いします。教室はあちらですので。

マニュアルはお読みになりましたよね?」

「えぇ、一応」

 

やっべ、話聞いて無かった。

 

「では私がまずは紹介するので、後について来てください」

「はい」

 

受付の女性は、さきに教室へと入っていく。中からは「えー!」だとか

「楽しみ!」といった声が聞こえる。どうやら俺の担当は、小学生くらいの

ようだ。

 

「では、お願いします」

「はい」

 

出てきた女性と入れ替わる形で中へ入る。さぁ、第一印象が大事だぞ。

かっとビングだ俺ぇ!

 

「どどどど、どうもぉおお……きょ、今日からこのクラスのたん、担当に

なった――――あ、末城遊介でっすツ!」

 

「「「………」」」

 

もう帰りたい。

教室には小学生と中学生が半々くらいでいた。人数は4×3の机あり。

12人いることが分かった。そのほぼ全員が、まるでごみを見るような

目で俺を見ている。

 

「っと、すすまん。緊張して取り乱した。ハハハ……だからその目やめてぇ!」

 

「先生」

 

前の女の子が手を上げる。見た目的に中学生だろうか? どこかのお嬢様

だろうか。気品があふれているといえば聞こえはいいが、どうも「委員長」

って感じの子だ。

 

「な、なにかな?」

「先生は、「ペンデュラム召喚」についてどう思いますか?」

 

お、おお! いきなり質問か。

 

「そうだな。え、っと……君は――――」

「私は、栄昌子です。他塾の塾生が、前代未聞の召喚方法を見せた今。

今後、決闘界は変わるでしょう。それを知りつつ私たちは手をこまねいて

いるだけでいいんでしょうか?」

「手をこまねくって……まぁ確かにペンデュラム凄いけどねぇ。そうだな。

じゃあ、皆はどう思っているんだ? ペンデュラムについて知りたい人!」

 

クラスの中からちらほら手が上がる。やっぱなー今話題だもんなー

 

「先生!」

「ん? どうしたんだ? えー……名前も教えてくれるか?」

「あ、俺。秋月修也な。今日、クラスの連中がさー遊勝塾に見学に行くって

言ってたんだよなー。やっぱ、ペンデュラムってあそこでしか習えないのか?」

 

遊勝塾ね。遊矢君たちの塾だよなぁ。

 

「そんなことないぞ。よし。今日はペンデュラム召喚について授業しよう。

きっと、皆は「あんな召喚法見たことない。きっと特別な技術が必要」って

思っているだろう?」

 

皆俺の言葉に首肯する。なんだ、俺案外しっかり講師出来てね?

俺はホワイトボードにペンでカードを描いていく。

 

「まず、ペンデュラムに必用な物がある。じゃあ、えー昌子さん分かる?」

「あの件の少年。榊遊矢でしたか……彼がペンデュラム召喚を行う時に、

デュエルディスクにセットしていたカードですよね? アレはフィールド魔法

でも永続魔法でも無かったわ」

「そうだ! GOOD!」

「なんでそこだけ英語なんですか?」

 

深い意味は無いよ! 悪かったね!

 

「ん゛……そうだ。今、昌子さんが言ってくれた通りペンデュラムには特別な

カード。「ペンデュラムカード」が必要なんだ」

 

俺はでかでかとカードを描く。

 

「そしてこのカードは「スケール」という特別な数値を持つ。レベルでも

ランクでもない、ね。ペンデュラム召喚に必用なカードは2枚だ」

「なんで2枚必要なんだよ! それってアドバンテージを損してないか?」

 

おいおい、少年がアド損なんて言葉遣うのか……

 

「いや、そうも言えないぞ。とりあえず順を追ってこうな。次だ。

このスケールは1~12まである。これは何を指してると思う?

だれか、答えられる子いる?」

 

すると、3列目から手が上がる。

 

「はい、そこの子!」

「え、っと……モンスターのレベルですか?」

「その通りだ。ペンデュラムカードにはスケールがある。そしてこれは

1~12までだ。そしてペンデュラム召喚はこの2つのセットしたスケール

の間のレベルのモンスターを手札とエクストラデッキから特殊召喚できる」

 

俺は板書の2枚のカードの間に付け加えて情報を描く。

メモを取っている生徒も何人かいた。

 

「なるほど。2つのスケール……たとえばスケール1から12までなら、

レベル2から11までのモンスターなら召喚が可能という事ですね?」

「その通りだ。だが、「通常召喚できるモンスター」に限るから注意な」

「なんだよそれぇ! じゃあ、いくらデカイスケールをセットしても

最上級モンスターのほとんどが出せないじゃないか?」

「そうだな。「特殊召喚が行えないモンスター」や召喚方法に規定があるもの

なんかは出せない。けど、例えばの話だが、ノーコスト。リリースなしで

《青眼の白龍》が出し放題って考えたら強くないか?」

「そんなレアカード持ってねぇっての! けど、確かにすげぇなペンデュラム」

 

やっぱ青眼ってこの世界でもレアなんだなー。

 

「皆、ペンデュラムのことが大体は分かっただろう?」

「えぇ。確かに強力ではあるけれど、対策がないってわけでもなさそうね」

「あぁ。そうだ! 皆、それを覚えておいてくれ。まぁ後は後々ってことで。

じゃあ次は実技やるぞ。君らの実力を見せてもらうから」

 

俺はスーツの上着を脱いでニヒルに笑った。

 




《末城 鏡花》 女 14歳
スタンダート次元の遊介の妹。

《栄 昌子》 女 15歳
遊介のクラスの生徒。典型的な「お嬢様&委員長タイプ」

《秋月 修也》 男 11歳
遊介のクラスの生徒。活発な少年。


ペンデュラムの講義部分はすごく自信ないですけど、見逃してください。

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