遊戯王ARC-V 異世界転生の召喚指導官   作:神聖SmD

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ちょっとしたオリジナルのストーリーを何話か挟みます。
リハビリってやつです。スナック感覚で見て頂ければ幸いです。



S・S  Unknown Cord編
work1、不穏な路地裏で


舞網チャンピオンシップまで残り、一週間というところまで来た。

皆それぞれに緊張感とボルテージが上がっていく。

俺も講師として彼らをサポートし、上へさらに上へと目指し講義にも

熱が入る。

 

「いいか! 例えばの話、相手が初ターン2枚カードを伏せただけで

ターンを回してきたとしよう。この時、どんなことが予想される?

単純にモンスターが引けなかった場合もあるだろうな。

けど、俺ならこう考える。「相手の展開を誘い、妨害した次のターンに攻めてくる」

ってな。だから、伏せられたうち確実に1枚には召喚反応か、攻撃反応系の罠が

伏せられている可能性が高い」

 

俺はやや汚い走り書きになりつつホワイトボードへ書き込んでいく。

時間が惜しい。綺麗に書くなら少しでも彼らに情報を与えたい。

 

「とまぁ、このようにある程度盤面を見て展開を予想するというのは必要不可欠

なスキルだ。武士は相手の伏兵を警戒せずに攻めたりはしないだろう?

かと言って、攻め時を失えばなし崩しにチャンスを失う。だからこその駆け引き。

リスクヘッジの用意も大事だ。例えば伏せカードを除去するカードをデッキに採用

するとかだな。勿論、カウンター罠で無効にするのも構わない。相手の計算を狂わせる

事が出来る! そこは任せる。っと……時間か。早いな」

 

俺はまとめに数行文字を書くと、再び振り返る。

 

「以上! 各自次の時間までに今日の内容を踏まえてデッキを改造、調整

してくるように。チャンピオンシップまでにできる最後の調整だと思ってくれ」

 

「ありがとうございましたー」とやや疲れた声が各自から上がる。

ちょっと詰め込みすぎたかな。

さて帰ってテストの採点と次回のプリントを作らねば。

 

◆

 

「お疲れです。先に失礼しますー」

 

残ってた講師から「お疲れ様ですー」と声が上がる。

これにて今日の業務終了。

フロントを抜け、《LDS》を出ると辺りはやや暗くなっていた。

市街を抜け、土手を歩く。リンリンと何かの蟲が鳴く音のみがしていた。

静かな夕暮れだ。

 

「ん? 着信か。……もしもし?」

『あ、兄さんー?』

「そうだけど。今から帰るよ」

 

電話主は鏡花だった。

 

『そうなの? じゃあ、帰りに野菜買ってきてくれる?

あのね。ニンジンと玉ねぎと、あとアボカド』

「その材料で何を作るのか分からないけど。まぁ、分かったよ」

『ありがとねー』

 

アボカド……。

俺は、今日の夕飯を想像しながらスーパーへ足を向けた。

 

そもそもアボカドって野菜なのか? ずっとフルーツだと思ってた。

そんな事を思いながら足を動かす。

 

『――――よこ……は……やしろ!』

 

ガン!

 

「なんだ?」

 

裏の路地の方向から男のドスの効いた声と、何かを打ち付ける音が聞こえた。

正直嫌な予感しかしないが、行くべきだろう。事件の可能性も0では無い。

俺は、こそりこそりと歩を進める。

 

「ハハ! こいつが……ついに手に入れたぜッ! ヒャハッハハハハ!!」

「返……し」

「っるせぇ! そこで堕ちてろッ!」

「ゥぐッ!?」

 

どうやら倒れている男性から、叫んでる奴が何かを奪った。そういうシーン

らしい。こういう時は……警察に電話だよなぁ。

俺は静かにそこを離れ―――――

 

カラン!

 

ようとした時に空き缶を蹴っちゃいました。僕はもう終わりみたいです。

 

「あ゛ぁッ!? そこに誰かいんのかぁッ!!」

 

心臓がドキッ!と飛び跳ねる。ヤバいヤバい! 逃げるか?いや待て。

相手の運動力が分からない以上逃げて捕まったら? なら出る?

 

「出てこねぇならこっちから行くぞッ!」

「すんませんんんんん!!」

 

俺は転がるように前へ出た。もうダメだ、終わりだ。

殴られて粗挽き肉団子にされるに違いない。BADENDだ。

 

「ッチ、見られたんじゃしょうがねぇ……

兄ちゃん、こっからタダで帰れると思ってねぇだろうな!」

 

思いたい!

 

「オラ、デュエル・ディスクをだしなぁ! 全部奪ってやっからよォ!」

「へ?」

 

デュエル・ディスク……デュエル?

 

「へへっへ……今手に入れたこいつの力を試してやるぜぇ」

「それ、は……使っては――――うぅ……」

 

倒れている男は何か言っている。

 

「あんた、大丈夫か?」

「気、をつけて……くれ、あの――――カード、は……」

「カード?」

 

なんのこっちゃ?

 

「兎に角じっとしててくれ。ここから無事に抜けられたら医者に連れてって

やるから。無事に抜けられたらだが……」

 

俺は倒れ伏す男に、自分のジャケットを掛ける。

 

「へッ、ようやく準備完了か!」

「やるしかない、か。」

 

俺もデュエル・ディスクを腕に装着。普段持ち歩いている中で一番強いと

思っているデッキをセット。

 

「俺が勝ったら、見逃してもらう」

「あぁ、いいぜ。ただし俺が勝ったらお前のカードは全て貰う!」

「……わかった」

 

「「デュエルッ!!」」

 

末城遊介:4000LP

男:4000LP

 

「先攻は、俺だ! フィールド魔法《スクラップ・ファクトリー》を発動!」

 

《スクラップ・ファクトリー》魔

このカードがフィールド上に存在する限り、フィールド上の「スクラップ」と名の

ついたモンスターの攻撃力・守備力は200ポイントアップする。

また、フィールド上に表側表示で存在する「スクラップ」と名のついたモンスターがカードの効果によって破壊され墓地へ送られた時、自分はデッキから「スクラップ」

と名のついたモンスター1体を特殊召喚できる。

「スクラップ・ファクトリー」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

「更に俺は、モンスターを裏側守備表示でセット! ターンエンド」

「俺のターン。俺は、3枚の永続魔法カードを発動する!」

 

……3枚の永続魔法、だと。

 

「《地盤沈下》、《天変地異》、《デーモンの宣告》だぁ」

 

《地盤沈下》

使用していないモンスターカードゾーンを2ヶ所指定して発動する。

このカードがフィールド上に存在する限り、指定したモンスターカードゾーンは

使用できない。

 

《天変地異》

このカードがフィールド上に存在する限り、

お互いのプレイヤーはデッキを裏返しにしてデュエルを進行する。

 

《デーモンの宣告》

1ターンに1度だけ、500ライフポイントを払いカード名を宣言する事ができる。

その場合、自分のデッキの一番上のカードをめくり、宣言したカードだった場合手札

に加える。違った場合はめくったカードを墓地へ送る。

 

「おら、デッキを裏しろ! 

さらに、お前はその2か所のモンスターゾーンを使用出来ねぇ!」

 

デッキを裏、つまりはカードが丸見えの状態で今後プレイすることになる。

そして《デーモンの宣告》のカード。あれは、デッキトップの名前を宣言して

当たってたら手札に加えられるカード。つまり、500LP払えば1ターンに一度

あいつはドロー出来るのと同じことになる。

《地盤沈下》はジャンド系なら痛かっただろうが、俺のデッキはそこまで

展開はしないから痛くないな。そもそもなんでそんなの入れてんだ。

 

「随分と大人しいデッキを使うんだな」

「そいつはどうかな。加えてコイツだ、《魔導書整理》デッキから3枚見て

順番を入れ替えるぜ」

「なるほど……」

 

《魔導書整理》で3枚デッキトップを弄れば、《デーモンの宣告》と次の

ドローカード分を操作できる訳だ。

 

「さらに、《デーモンの宣告》の効果を使うぜ。500LP支払、

《バッド・エンド・クイーン・ドラグーン》を宣言。当然、当りだよなぁ?」

 

男:3500LP

 

《バッド・エンド・クイーン・ドラグーン》☆6

攻1900/守2600

このカードは通常召喚できない。

自分フィールド上の永続魔法カードが3枚以上の場合に特殊召喚できる。

このカードの攻撃によって相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、相手は手札を

1枚選んで墓地へ送り、自分はデッキからカードを1枚ドローする。

また、このカードがフィールド上から墓地へ送られていた場合、自分のスタンバイ

フェイズ時に、自分フィールド上に表側表示で存在する永続魔法カード1枚を墓地

へ送る事で、このカードを墓地から特殊召喚する。

 

「俺の場に永続魔法が3枚以上あるとき、こいつは特殊召喚できるぜぇ!」

 

読めてきたぞ。コイツのデッキが。つまりは永続魔法を組み合わせたコントロール

デッキ。相手の計算を狂わせつつ、自分の有利なようにゲームを作っていく。

なんともいやらしい、それでいて繊細なデッキだ。

……使ってる本人に似合わないが。

 

「おら、攻撃だ! そのモンスターを粉砕してやらぁ!」

「攻撃されたのは、《スクラップ・ワーム》」

 

ワームはそのまま破壊される。

 

「へッ、ただの屑かよ。ターンエンドだ」

「このデッキには屑なんか入ってねぇ! 俺のターン!

俺は、《スクラップ・コング》を召喚ッ! このカードは召喚されたとき、

破壊される!」

 

《スクラップ・コング》☆4

攻2000/守1000

このカードが召喚に成功した時、このカードを破壊する。

このカードが「スクラップ」と名のついたカードの効果によって破壊され墓地へ

送られた場合、「スクラップ・コング」以外の自分の墓地に存在する「スクラップ」

と名のついたモンスター1体を選択して手札に加える事ができる。

 

「は? ハッハ! コイツは傑作だぁ! 召喚したとき、破壊されるぅ……?

ハッハッハハハハ!!」

「そんなに笑えないだろ……回収効果は使わない。そして、この時ファクトリーの

効果が発動する! スクラップモンスターが、効果で破壊されたときデッキから

スクラップ1体を特殊召喚する! 来いッ! 《スクラップ・ゴーレム》!

さらにゴーレムは1ターンに一度、墓地からスクラップを蘇生できる。

俺は、《スクラップ・ワーム》を特殊召喚する!」

「モンスターの自壊が、有利に働きやがったッ」

「これが、スクラップだ! 俺はレベル5の《スクラップ・ゴーレム》に

レベル2の《スクラップ・ワーム》をチューニングッ!

鋼鉄の悪魔、その咆哮、大地を揺るがし敵を砕くッ! シンクロ召喚ッ! 

――――レベル7、《スクラップ・デスデーモン》ッ!」

 

《スクラップ・デスデーモン》☆7・シンクロ

攻2700/守1800

 

「シンクロ、モンスター……だと」

「スクラップ・デスデーモンでバッド・エンド・クイーン・ドラグーンを攻撃!

“scrap knuckle ”ッ!」

 

デスデーモンのナックルがバッドエンドに刺さる。

 

男:2700LP

 

「くッ、チクショウめ!」

「俺はターンエンドだ」

「俺のターン! へッ、来た来た来たキターッ!」

 

な、なんだ……! 何を引いたか、《天変地異》の効果で表になっていても

よく見えなかった。

 

「はは……ハッハハハハ! 引いちまった! アハハハハ……」

 

あの人ヤバいよ。病院行った方がいいんじゃねぇ?

《魔導書整理》で入れ替えたから順番知ってるはずだろうが。

 

「俺は! ――――“3枚の永続魔法を墓地へ送る”ッ!!」

「――――ッ!? 何だとッ!?」

 

俺は知っている――――その召喚法を!

だが、そのカードはこの世界じゃ伝説のはずじゃないのか!

 

「降臨しろォ! 《降雷皇ハモン》だぁ! 

――――アッハハッハハハ! 笑いが止まらねぇ!! 見ろ、見ろォ!!

この圧倒的なまでの、存在感をォおおおおお!!」

 

《降雷皇ハモン》☆10

攻4000/守4000

このカードは通常召喚できない。

自分フィールド上に表側表示で存在する永続魔法カード3枚を墓地に送った場合のみ

特殊召喚する事ができる。

このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、相手ライフに1000ポイントダメージを与える。

このカードが自分フィールド上に表側守備表示で存在する場合、

相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できない。

 

「ハモン……だとッ! なんでお前みたいなモブがそんなカード持ってるッ!?」

「はぁ? 知らねぇなぁなんでだろうなぁ?」

 

ハモンは、アニメGXで三幻魔との1体として描かれていたカード。

このアニメ基準の世界じゃ三幻魔は勿論、オシリス・オベリスク・ラーの

三幻神も伝説となっている。ここに存在しているはずがない。

そもそも、あったとしてもディスクが認識しない可能性の方が高いだろう。

 

「俺はさらにコイツを召喚するぜ! 《トリック・デーモン》!」

 

《トリック・デーモン》☆3

攻1000/守0

このカードがカードの効果によって墓地へ送られた場合、または戦闘によって

破壊され墓地へ送られた場合、デッキから「トリック・デーモン」以外の

「デーモン」と名のついたカード1枚を手札に加える事ができる。

「トリック・デーモン」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

これはヤバいんじゃ……無いだろうか。




ハイ。三幻魔を題材にした話です。多忙の中、オリジナルでもやれればな。
と思いつつ考えてました。
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