《LDS》の決闘場へ移動する。
「さぁ、次は実技の時間だ。まずはペア組め~」
手をぱんぱん叩いて指示を飛ばす。生徒たちは好きな物同士ペアになる。
「昌子さん、どうした? あ、……ペア組めなかったのか」
やっぱりあぶれちゃう子は出ちゃうか。俺の配慮が足りなかった。
「違います! 何ですかその気を遣った目はッ!
私、先生とデュエルしたいです。今後、このクラスの担当に
なる以上。その実力を皆知っているべきだと思いますわ」
周りからも「そうだ、そうだ」的な視線が……困ったな。
「んー俺は構わないけど、そうすると余りが出るだろ? とりあえず
最初はペアでやろう。それが終わったらお相手させて頂くよ」
「……分かりましたわ」
渋々了承してくれたみたいだ。
「よし。じゃあ、始めてくれ!」
夕焼け空に少年少女の声が響いた。
「終わりました。さぁ、先生。私とデュエルしてください」
「早いな~よし、分かったよ……けど、俺は遠慮なんてできないぞ?」
「そんなものは必要ありません」
「ならばよし」俺は、デュエルディスクを展開させる。
周りにはデュエルを終えた生徒達が集まって円を作っていた。
「それじゃあ始めようか」
「えぇ。見せてもらいますわ」
「あの先生大丈夫かな……」
「あぁ。前の先生も栄さんが決闘で負かして辞めちゃったんだよな……」
「そうそう」
あの、聞こえちゃいけないひそひそ話が聞こえたんだけど!?
何、この子そんな強いの!!
――――まぁ、《LDS》の生徒だし当たり前っちゃ当たり前なのかもだけど!
「どうか、しましたか?」
「え、……あ、あぁ! 何でもないさ! さぁいくぞ!」
「「デュエル!!」」
システムが自動で先攻後攻を告げる。先攻は俺か。
「じゃ、俺が先攻ってことでいいかな」
「はい。
分かってらっしゃると思いますが、先攻1ターン目はドロー出来ませんよ」
「あぁ。そうだったな。じゃあ俺のターンからだ」
デッキからカードを5枚引いて準備完了だ。
「いいか。このデュエルで皆に、3つの召喚を見せてやる。俺のターン!
俺は《ゴブリンドバーグ》を召喚!」
《ゴブリンドバーグ》☆4
攻1400/守0
このカードが召喚に成功した時、手札からレベル4以下のモンスター1体を
特殊召喚できる。この効果を使用した場合、このカードは守備表示になる。
「コイツの召喚に成功したとき、手札からレベル4のモンスターを
特殊召喚できる。俺は《スクラップ・ビースト》を特殊召喚!
ゴブリンドバーグはその効果で守備表示になる」
《スクラップ・ビースト》☆4
攻1600/守1300
フィールド上に表側守備表示で存在するこのカードが攻撃対象に選択された場合、
バトルフェイズ終了時にこのカードを破壊する。
このカードが「スクラップ」と名のついたカードの効果によって破壊され墓地へ送られた場合、「スクラップ・ビースト」以外の自分の墓地に存在する「スクラップ」と名のついたモンスター1体を選択して手札に加える事ができる。
俺の場に2体のモンスターが並ぶ。
「アレは、チューナーだ!」
「ってことは、先生はシンクロ召喚をするのか?!」
「いい発想だな、君たち。だが俺がするのはシンクロじゃあない。
俺は、2体のモンスターで――――オーバーレイ」
2体のモンスターが混ざって渦に消える。
「エクシーズ召喚! 来い! 炎樹海の溶岩獣《ラヴァルバル・チェイン》!」
《ラヴァルバル・チェイン》★4 エクシーズ
攻1800/守1000
レベル4モンスター×2
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、以下の効果から
1つを選択して発動できる。
●デッキからカード1枚を選んで墓地へ送る。
●デッキからモンスター1体を選んでデッキの一番上に置く。
「すげぇええ! エクシーズモンスターだ!」
「カッケぇええええええ!!!」
よくよく考えると、「溶岩獣」っていったけどチェインって「海竜族」
なんだよなぁ。恥ずかしい……
「ま、まだまだ行くぜ。俺はチェインのモンスター効果発動! ORUを一つ使い、
2つ目の効果を発動! デッキからモンスターを1枚デッキトップに置く。
さぁ、仕込みは終わりだ。俺はこれでターンエンドっと」
「何かと思えば、エクシーズモンスターと言えど攻撃力1800。
そんなモンスターすぐに墓地に送って差し上げる」
「勉強不足だな。このモンスターの役割は戦闘じゃあないんだぜ」
チェインの真価はその効果にあるのだから。
「なら結果で証明して見せます! 私のターンドロー!」
「さぁ来い! 初めはノーガードでいてやるよ」
「後悔させてあげます! 相手の場にのみモンスターが存在する時、
このモンスターを特殊召喚できます。出でよ、《サイバー・ドラゴン》!」
表サイバー流か。その爆発力はアカン。こりゃ下手するとヤバいんじゃね?
ノーガードどころか1Killされる恐れもあるよね?
《サイバー・ドラゴン》☆5
攻2100/守1600
相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが
存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
「さらに《サイバー・ドラゴン・コア》を召喚します!」
《サイバー・ドラゴン・コア》☆2
攻400/守1500
このカードが召喚に成功した時、デッキから「サイバー」または「サイバネティック」と名のついた魔法・罠カード1枚を手札に加える。
また、相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。
デッキから「サイバー・ドラゴン」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する。
「サイバー・ドラゴン・コア」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
このカードのカード名は、フィールド上・墓地に存在する限り「サイバー・ドラゴン」として扱う。
ほら回りだしたぞ……。
「効果を発動します。デッキから《サイバー・リペア・プラント》を手札に
加えます。さらに魔法カード発動、《機械複製術》」
《機械複製術》魔
自分フィールド上に表側表示で存在する攻撃力500以下の機械族モンスター
1体を選択して発動する。
選択したモンスターと同名モンスターを2体まで自分のデッキから特殊召喚する。
「げ、マジか……こりゃやべぇ」
「攻撃力500以下の機械族モンスター。私は《サイバー・ドラゴン・コア》を
選択します。先生、この意味分かりますわよね?」
「え、どういう事だ?」
「いや、分かんねぇよ」
周りの生徒は今一つ分からないようだな。
「コアはフィールド・墓地では《サイバー・ドラゴン》として扱う。複製術
の効果は選択したモンスターと“同名”モンスターを特殊召喚できる。つまり……」
「えぇ、デッキから2体《サイバー・ドラゴン》を特殊召喚しますね」
このコンボは俺もやられたことがある。インチキだよなぁ?
「すげぇ! サイバー・ドラゴンが一気に3枚も並んだぞ!?」
「ぅあ……圧巻ってのはこういう事をいうんだろうなきっと」
「行きなさい! サイバー・ドラゴンでチェインを攻撃!
<エヴォリューション・バースト>!」
末城遊介:3800LP
「くッ……」
ソリッドヴィジョンシステムの衝撃が身体を襲う。
「終わりですわ! 2体のサイバー・ドラゴンでダイレクト・アタックッ!」
2体のサイバー・ドラゴンが折り重なるように襲い掛かってくるッ――――
「く、クソッ!!」
ドォーン……
「やりましたわ! 大口を叩いていた割に他意無いですわ」
衝撃で煙が舞い、やがてそれも収まる。
「な、ッ!! なんで……ッ!? 攻撃は通ったはずです!」
「――――俺は、一体目のダイレクト・アタックの時にこいつを手札から
特殊召喚した。《バトルフェーダー》」
《バトルフェーダー》
攻0/守0
相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚し、その後バトルフェイズを終了する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
「コイツの効果で君のバトルフェイズを終了させてもらった」
「首の皮1枚でつながったという訳です、か」
「どうだろうな。さて、ここで少し授業をしよう。あの場面。サイバー・ドラゴン
を並べたまでは良かった。なら、なんでエクシーズするなり、融合するなり
しなかったんだ?」
正直サイバーが並んだ時に、
《パワーボンド》→8000のエンドが飛んでくる→\(^o^)/
って流れが見えたんだけど。もしくは、インフィニティで蹂躙されるか。
あっぶね……ホントどきどきしたわ。終わったかと思った……。
「それは……別に、いいじゃないですか!」
「つまり君はまだ、融合召喚とエクシーズ召喚を知らないという答えで
いいかな?」
「くッ……そうですが! なにかいけませんかッ!」
なるほど。やはり、エクストラデッキを用いた召喚はこの世界じゃ、
割と敷居が高いって事だろう。
けど、エクストラなしのサイバー流って構築が気になるなぁ。
エルタニンとかが切り札なのだろうか?
「いや、何も悪いことはない。むしろ君には……君たちはまだ強くなれる!
さぁ、次はこっちから行くぞ! その可能性を見せてやる」
「……ならどうぞ。私は、ターンエンドです」
「あぁ俺のターンだな。ドロー! 《スクラップ・キマイラ》を召喚」
さっきチェインで持ってきたのはコイツだ。
《スクラップ・キマイラ》☆4
攻1700/守500
このカードが召喚に成功した時、自分の墓地に存在する「スクラップ」と名のついたチューナー1体を選択して特殊召喚する事ができる。
このカードをシンクロ素材とする場合、「スクラップ」と名のついたモンスターのシンクロ召喚にしか使用できず、他のシンクロ素材モンスターは全て「スクラップ」と名のついたモンスターでなければならない。
「効果発動! 甦れ、《スクラップ・ビースト》。行くぞ、2つ目の召喚法を
見せてやる! 俺は、レベル4のキマイラにレベル4のビーストをチューニング!
鉄翼を広げ、今ここに降臨しろ! シンクロ召喚!
――――レベル8《スクラップ・ドラゴン》ッ!」
「今度は、シンクロ召喚だッ!」
「すげぇ……かっこいい」
《スクラップ・ドラゴン》☆8 シンクロ
攻2800/守2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
1ターンに1度、自分及び相手フィールド上に存在するカードを1枚ずつ選択して
発動する事ができる。選択したカードを破壊する。
このカードが相手によって破壊され墓地へ送られた時、シンクロモンスター以外の自分の墓地に存在する「スクラップ」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚する。
「これが、シンクロ召喚……」
「そうだ。……けど、これくらい皆すぐに覚えられる」
「え? 俺達でもできるのか、先生!?」
俺はその問いに強く首肯する。
「あぁ! 俺が教えてやるさ。シンクロもエクシーズも、融合もな!
さあ行くぞ、スクラップ・ドラゴンの効果! 自分と相手のカードを1枚づつ
破壊しする。俺が選択するのは《バトルフェーダー》と《サイバー・ドラゴン》!
やれスクラップ・ドラゴン、<Scrap destroy>!」
フェーダーとサイバードラゴンがスクラップドラゴンの一撃で砕け散る。
サイバードラゴンも機械族だしホントのスクラップになってしまった。
「フェーダーは効果で除外される。さあ、お次に融合召喚を見せてやるよ」
「マジかよ! シンクロ・エクシーズ・融合。全部使えるってのか!?」
「言ったろ? 3つ全部見せてやるって。
俺は、魔法カード《ミラクルシンクロフュージョン》を発動ッ!
場の《スクラップ・ドラゴン》、墓地の《ゴブリンドバーグ》を除外し、
融合! 融合召喚! 烈槍携えし竜騎士、《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》ッ!」
《ミラクルシンクロフュージョン》魔
自分のフィールド上・墓地から、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターをゲームから除外し、シンクロモンスターを融合素材とするその融合モンスター1体を融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。
また、セットされたこのカードが相手のカードの効果によって破壊され墓地へ送られた時、自分はデッキからカードを1枚ドローする。
《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》☆10 融合
攻3200/守2000
ドラゴン族シンクロモンスター+戦士族モンスター
このカードは融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚する事ができる。
1ターンに1度、墓地に存在するドラゴン族のシンクロモンスター1体をゲームから
除外し、エンドフェイズ時までそのモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を
得る事ができる。
また、このカードがフィールド上に表側攻撃表示で存在する限り、相手のカードの効果によって発生する自分への効果ダメージは代わりに相手が受ける。
「――――さぁ、本日の授業の最終段階だ」
ドラゴエクィテスはただのロマン。深い意味はないんだ。