遊戯王ARC-V 異世界転生の召喚指導官   作:神聖SmD

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Teaching4 打倒、《LDS》TOPクラス

講師としての生活にも慣れてきたころ。俺がこの次元に来て、

早くも2週間が過ぎようとしていた。

今日は、《LDS》の講師たちが会して会議を行う日なのだが……

 

「あの、すみません……遅れました――――」

 

俺は盛大に遅刻していた。でもさ、交通機関の乱れだし

しょうがないよね! え、社会でそんな事通じない! 社会って怖いね!

 

「君は?」

「あぁ、俺――――いや、私は2週間前からここでお世話になってる末城遊介です。

遅くなってすいません」

 

強面の老講師に頭を下げる。うわこえぇ……

 

「君が、か……なるほど。会議の場に送れてくるとは、ねぇ」

「あぁあの、落ちこぼれの担当ですか……(嘲笑)」

 

複数の講師からも笑いが落ちてくる。それより気になったのは、

「落ちこぼれ担当」ってところだ。なんだよそれ……

 

「え? ……ちょっと待ってください。あの、落ちこぼれというのは――――」

「あぁ済まない。口が滑ったようだ。歳をとると口がしゃべりたがって

仕方ないようだ。気にしないでくれ」

 

ハハハと周りの講師からも笑いが出る。いや、笑えねぇよタヌキが。

 

「俺のクラスの生徒たちが落ちこぼれだって……そういう意味ですか?」

「そうは言っていないさ。ただ《LDS》にはいささか……ね?」

「えぇまぁ……正直、ね」

 

なんだよそれ、俺のクラスの生徒が「落ちこぼれてる」って言ってるような

反応しやがって。流石にカチンと来たぞオイ。

 

「撤回してくれませんか?」

「ん? 今、なんと」

「撤回してくれませんか? 塾で学んでいる以上、上とか下とか無いじゃない

ですか。彼らは今、必死に強くなろうと頑張っています」

「初めて2週間足らずの君に何が分かる?」

「何もわかりません」

 

周りから「なんだそれは」的な笑いが起こる。

 

「ただ、2週間彼ら彼女らと接してきて思いました。彼らには才能も

それに相応の意志があると」

「ハハ、話にならん。さぁさっさと席に着くといい。話が進まん」

「ウチには多くのエリートが居ますからね。正直、君のいう才能というのも

ねぇ……ただの感情移入じゃないのかね?」

「――――そうかも知れまんね。けど、人の上で胡坐かいてるエリート君()に

比べればまだ俺の生徒の方が強いかもしれませんよ?」

 

その言葉に今度は彼らが怒鳴る番になる。

 

「なんだと……ッ。君、今のは聞き捨てならないぞ」

「各コースのエリートを馬鹿にするつもりか!」

「おっと、口が滑りました。けど、俺のクラスの生徒は馬鹿にしても、

エリートの生徒が馬鹿にされると怒るんですね」

「こいつ……言わせておけばッ!」

 

場が一気に殺気立つ。

 

「そこまで末城君がおっしゃるなら、試してみるのは……どうです?」

「ま、マルコ先生。何を――――?」

 

マルコという顎がデカい先生が言う。

ん? あの人黒咲さんにカードにされて――――

 

「彼のクラス……総合コースF組と各、シンクロ・融合・エクシーズコースの

生徒達。どちらが勝つのか。はっきりさせるのはどうですか?」

「おぉ、それがいい」

「そうだわ。そうすれば白黒はっきりします」

 

周りは賛同の雰囲気。だが、俺としても願っても無いことで。

 

「分かりました、お受けします。彼らの実力を……見せて上げますよ」

 

俺はそう言うと堂々と会議室を後に――――

 

「き、君! 会議はまだ終わってないぞ! 席に着きなさい」

「あ、すいません――――」

 

 

「――――と、いう事で君らには各コースのエリートたちと決闘してもらう」

 

「「「は?」」」

 

俺は教室に入ると、生徒達にそう告げた。

 

「先生。それは一体、何があったんですか?」

「うん。よく聞いてくれた昌子さん実はな――――」

 

俺はありのままを語ることにした。

 

「……という事なんだ」

「それは先生が悪いような気がしますが?」

 

他の生徒もうんうん頷く。

 

「いや、このクラスのことを馬鹿にされたんだ。引けるに引けないさ。

それに君らは今日までに他の生徒が一生懸命机上で勉強していることを

すでにできるようになっているはずだ。な、そうだろ、修也!」

「あぁ! その通りだ。俺達も《LDS》ってところを見せてやろうぜ!

それに早く“力”を試してぇ……血が――――“滾る”ぜ」

「お、おぉ……熱いな」

 

彼らには俺が前の次元、世界で知り得たデュエルのことを教えてきた。

そこら辺の決闘者には負けないはず。何故ならもう既にほとんどの生徒

が3つの召喚法を覚え、使えるからだ。

 

「そうだ君たちも《LDS》なんだ。その事実に上も下も無い! 

勝てるはずだ、いや勝つ!」

「ですが先生。《LDS》の各コースのエリートとなると、

大体どの人も今期の勝率80%オーバーの人たちですよ?」

「あぁ、勿論知ってるさ。だからこそ!」

 

俺はホワイトボードに書き殴る。「打倒、TOPクラス」と。

 

「約束の日は1週間後。それまでに数回しか授業は無いが、君たちには

今までのような「一般知識の講義」では無く、「勝つための講義」を

する。いいか。決闘でものをいうのはなんだろうか? 

カードパワーか? 知識か? タクティクスか? レイ、君はどう思う?」

 

俺は2列目の斎賀レイという生徒を指名する。彼は、これまでの授業で

特にエクシーズの扱いに秀でた生徒だ。

 

「そうだな……俺は、知識だと思うが」

「なるほど。――――だが答えは、“全部”だ」

「なん……だと」

 

レイが驚く。

 

「あぁそうだ。けど最も重要なのは、知識だ。知識あってこその戦略であり、

カード選択――――デッキビルドに繋がるからだ。さて、授業に入ろうか」

 

俺は融合・シンクロ・エクシーズと書く。

 

「昌子さん。融合召喚説明を頼む」

「はい。融合召喚は、《融合》魔法カードなどで2体以上のモンスターから

新たにモンスターを特殊召喚する召喚法です」

「ありがとう。今の説明で大体あってる。じゃあ、対融合に対してどうすれば

いいか。これはどうだろう? 融合使いとして、わかるか?」

「え、と……それはちょっと」

「そうだな。例えば、召喚を邪魔するカードを使うんだ。例えばこれだ」

 

俺はカードを1枚取り出す。

 

《昇天の黒角笛》罠

相手モンスター1体の特殊召喚を無効にし破壊する。

 

「《昇天の黒角笛》のカード。《融合》などのカードを使用しての融合

ならこいつみたいな効果で無効にしてやればいい。後はルール効果に

よる融合なら召喚された後に罠カードで破壊するとか、だな」

「なるほど。逆に自分で使用するときはそういったことに気をつければ

いいのですね」

「そうだ。融合に限った話じゃないが、相手の場を確認してから

踏み込むことは決闘の初歩だ。罠があるのに切り札を出して破壊されて

しまうとそこから追い込まれることになるからな。

自分の好きな動きをするためのデッキ構築も必要だ。だが、同時に

相手の動きを“止める”ってのも視野に入れるんだ。ここまでOK?」

 

生徒達は頷きながらメモを取る。それから俺はシンクロ・エクシーズに

ついても同様に説明を進めていった。

 

「さぁて、次は実技だ。いつも通り始めろ~」

 

俺たちはいつものように決闘場に移動して実技を始める。

生徒達の決闘は見るからに2週間前より高次なものになっている。

 

「いいぞ。皆……その調子だ!」

「おい、先生よぉ! 俺とやってくれないか? 新しいデッキ、考えて

来たんだよな。今度のは“熱い”ぜ」

「ん? 修也か。いいぞやっても~後、君はいつも熱いだろうが」

 

修也はシンクロ使いだから、俺はじゃあこのデッキで行くか。

 

「先生、早くしろよな!」

「あーはいはい。焦らすなよ」

 

「先生よぉ。今日のデッキは……“熱い”ぜ?」

「もうそれはいいって……じゃ君の先攻な」

「そっけねぇ!? くそ、見てろよ!」

 

「「デュエル!!」」

 

末城遊介:4000LP

秋月修也:4000LP

 

「やけどすんなよ! 俺のターン。俺はこのモンスターだ!」

「そいつぁ……ッ! 《トーチ・ゴーレム》か!」

 

なんで先攻1ターン目にそんな奴を?

確か修也のデッキはローレベルシンクロだったはず……

 

「俺の場にトーチトークン2体を特殊召喚し、先生の場に《トーチゴーレム》

を特殊召喚!」

 

《トーチゴーレム》☆8 

攻3000/守300

このカードは通常召喚できない。

このカードを手札から出す場合、自分フィールド上に「トーチトークン」

(悪魔族・闇・星1・攻/守0)を2体攻撃表示で特殊召喚し、

相手フィールド上にこのカードを特殊召喚しなければならない。

このカードを特殊召喚する場合、このターン通常召喚はできない。

 

「このターン通常召喚は行えないぞ?」

「知ってらぁ! 俺は、魔法カード《磁力の召喚円 Lv2》を発動!」

 

《磁力の召喚円 Lv2》魔

手札からレベル2以下の機械族モンスター1体を特殊召喚する。

 

「俺は《ワンショット・ロケット》を特殊召喚!」

「ワンショット・ロケットだと!?」

 

ら、ラリィイイイイイイイイイイイイッ!!のモンスターか!

ってことは……やっぱり。アレだよな……

 

《ワンショット・ロケット》☆2 チューナー

攻0/守0

このカードが攻撃する場合、このカードはその戦闘では破壊されない。

また、このカードが攻撃を行ったダメージ計算後、攻撃対象モンスターの

攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える。

 

「俺は、レベル1のトーチトークンにレベル2の《ワンショット・ロケット》

をチューニングッ! その一撃、相手を焼き尽くす! シンクロ召喚ッ!!

――――来いッレベル3、《ワンショット・キャノン》!!」

 

《ワンショット・キャノン》☆3 シンクロ

攻0/守0

「ワンショット・ロケット」+チューナー以外のモンスター1体

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。

フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して破壊し、

そのコントローラーに破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える。

 

「やっぱそいつか……ってことはこのトーチは……」

「あぁそうさ! ワンショット・キャノンの効果発動だッ! フィールドの

モンスターを一体破壊! その攻撃力の半分のダメージを与える!

行けぇワンショット・キャノンッ! トーチ・ゴーレムを破壊ッ!

<ファイナル・キャノン>だぁあああああッ!!!」

 

ワンショット・キャノンから放たれる電子方がゴーレムを貫く。

その衝撃が俺を襲う。なんつぅコンボだ。

 

末城遊介:2500LP

 

「か、考えたな……修也」

「へッこれだけじゃないぜ先生ッ! 燃え尽きんなよ?

俺は、カードを1枚セットしてターンエンド!」

 

単純に攻撃表示でモンスターを出せば、あいつの餌食って訳か。やるな。

先攻1ターン目から相手にダメージを与えるか。せっかちなアイツらしい。

 

「なんだか俺も楽しくなってきたぞ!」

 

講師として生徒の成長を見るのがこんなに楽しいとは思わなかった。




《斎賀 レイ》 男 14歳
遊介のクラスの生徒。クールで静かな少年で、エクシーズ使い。


・『総合コース』
シンクロ・融合・エクシーズを万遍なく学びたい人のためのコース。
各シンクロ・融合・エクシーズコースに専門性は劣るが、多種多様に
学べるメリットがある。A~Fまであり、Aが最高でFが最低の格付けとなる。

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