ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常2~   作:薮椿

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 初めまして!!今回から"初めて"小説を投稿する薮椿と申します。
 新人なので至らぬ点はあるかと思いますが、何卒よろしくお願いします。




 冗談はこれくらいにして、前作から引き続き読んでくださっている方も、今作から読み始めるよという方も、楽しんでいってくださいね!!


μ's編
相変わらず過ぎる日常


 

 音ノ木坂学院に新たな春がやって来た。

 俺たちμ'sのラブライブ優勝の影響で、今年度の入学者数は前年度を大幅に上回り、噂によると新一年生のクラスは5つあるそうだ。これでまたしばらくは廃校という言葉を聞くこともないだろう。

 

 ちなみに音ノ木坂学院は、なぜだか知らないが毎年女子の入学者数が圧倒的に多い。しかしそれによって『よっしゃ!!ハーレムだ!!』と思う男子は極僅かで、この3年間肩身の狭い日々を送るのが鉄板である。

 まぁ女子高校生ってのはおっかないからな。俺も様々な地獄を味わってきた。鉄拳制裁、吊るし上げ、ヒドイ時には天国に昇らされたこともあったな。そういや一時期ヤンデられたこともあったっけ。

 

 とにかく、男子諸君は気を付けた方がいい。知らない間に女子の絶対君主制によって迫害されてしまうぞ。君たちに自由はない。女子が多いからといって、恋人となる人を選べると思うな。

 

 

 

 

――――――という演説を入学式前の会場でやろうと思ったら、案の定生徒会の幼馴染3人衆から弾圧を受けたのであえなく諦めた。

 

 

 

 

 午前中に始業式が終わり、それでこれから入学式が行われるのだが、俺はただいま木の上によじ登って――――

 

 

「おっ!あの新入生の子、可愛いじゃん。めちゃくちゃ大人しそうだけど、その清楚さがいいんだよ!!」

 

 

 新入生の女の子漁りをしている。俺はこの時が来るのが楽しみ過ぎて、昨日全然眠れなかったんだ!!

 またこの1年新たな女の子を観察できると考えたら、もう寝ている場合ではなかった。始業式も適当流し、穂乃果たちの生徒会業務も手伝わずに俺は真っ先にここを陣取って双眼鏡を構えている。そして午後からの入学式へ出るために、ぞろぞろと群れをなして歩いてくる新入生を視姦……じゃなくて観察しているのだ。

 

 

「ん?あの子は新入生にも関わらず胸が大きいな。要チェックだ!!えぇ~っと、メモメモ……」

 

 

 前年度も可愛い子は多かったけど、今年度は単純計算で前年度の5倍の生徒数がいるため女の子の数も5倍いるというわけだ。だから今年度は特に俺のマル秘メモが潤っていく。

 

 しかしその時、俺の後頭部に衝撃が走った。

 

 

「いってぇええええ!!なんだなんだ敵襲か!?俺の陣地を奪いに来た輩はどこのどいつだ!?」

 

 

 その時は新入生の女の子に夢中で、俺は下から自分に放たれた物体に気がつかなかった。その物体が木の下へ転がり落ちる時にチラッと見えたが、俺にぶつけられたのはクルミのようだ。

 どうしてこんなものが俺にぶつかる?

 

 

「誰だ!?俺の至福の時間を邪魔する奴は!?」

 

 

 危うく木から落ちかけそうになるが、何とか体勢を立て直して下を覗き込む。

 そこにいたのは俺のよく知る3人。1人は黄土色の髪をした俺の天使様。もう1人は赤毛のツンデレさん。そして元凶は、俺にパチンコを構えている猫語の達人。

 

 

「花陽、真姫、凛……お前らこんなところで何してんだ?」

「それはこっちのセリフよ!!また馬鹿なことして……」

「馬鹿って言うな!!これは毎年春に行われる神聖なる儀式なんだ、邪魔すんなよ」

「意味分かんない……」

 

 

 この儀式の真の意味を理解していないとは、まだまだ真姫も甘いな。それに前年度はお前も対象になっていたとも知らずに……俺のメモには真姫に関する情報(主に容姿、バストサイズ)などが事細かに記されている。

 よく考えれば懐かしいな、まさか真姫、いや真姫たちと"こんな関係"になるとは思ってもみなかった。

 

 

「そんなに木の上に登っちゃ危ないよ~」

「大丈夫だ花陽、愛してる!!」

「ふぇええええええええええええ!?どうして今そんなこと言うのぉおおお!?」

「凛、撃ち落としていいわよ」

「はいにゃ!!」

「オイッ!!乱れ打ちすんな!!本当に落ちるだろ!!」

 

 

 絶え間なき無慈悲なる連射、どこで覚えたのか凛の的確な発砲により、俺はその場で大きく体勢を崩す。

 そもそも何で俺がこんな目に!?何か悪いことしてた!?しかもさっきから凛の奴、俺の急所ばかり狙ってきやがる……お父さんはお前をそんな子に育てた覚えはありません!!

 

 

「だったら早く降りてくるにゃ!!まだまだクルミはたくさんあるんだからね!!」

「分かった分かった!!」

 

 

 しょうがないから降りてやるか。今年は全くメモが埋まらなかった……でも、まぁ俺はコイツらがいてくれるならそれでいいかな。

 

 俺とこの3人――というより俺と元μ'sのみんなとの関係は、実は恋人同士だったりする。

 初めて聞く人がいれば『はぁ!?』と思うかもしれないが、決して軽い気持ちではなく俺たちで決断したことだ。

 

 

「そもそも、どうしてお前たちがここにいるんだよ?」

「穂乃果ちゃんたちが零君を探してたんだけど、みんな入学式の準備で忙しいから」

「それでお前らが駆り出されたってわけか。全く人使いの荒い奴らだな!!」

「普段散々凛たちをこき使ってる零くんに言われたらおしまいだにゃ……」

「そうね、人生やり直した方がましよ」

「あははは……」

 

 

 なぁ?俺、彼氏だよね?何でこんなに蔑まされてんの?ねぇねぇどうして?

 俺たちがこの関係になってから、段々とみんなからの監視の目がキツくなってきたような気がする。ちょっと別の女の子を見るだけで制裁地獄に陥ってしまう。最近僕の彼女たちが怖いです……

 

 

「こうして見てみると、お前ら2年生になったのに全く変わってないよな」

「別に1年で何が変わるってわけじゃないでしょ。男子みたいに背が伸びることもほとんどないし」

「そうかぁ?花陽も真姫も背、伸びたと思うぞ。凛は……胸をもっと成長させような?」

「…………」

「いてぇえええええええええ!!」

 

 再びクルミが俺に向かって放たれる。本当に痛いからソレ!?

 ちなみに言っておくと、俺は巨乳でも貧乳でもどちらでも満足できるし、相手を満足させてあげられるぞ☆(ワシワシMAX的な意味で)

 

 最近はみんなが俺の変態気質を厳格に取り締まるようになって、希に託された『ワシワシMAX』が十分に発揮できていない。もうパワーを蓄えすぎて、ワシワシMAXを発動させたらみんなを昇天させるどころか戻って来られなくなってしまうだろうな。

 

 

「零君も全然変わってないね。もしかしたら私たちの中で一番変わってないんじゃないかな?」

「変わるなって言ったのはお前らだろ?それに俺はこの変態気質を変える気なんて一切ないね!!人生楽しまなきゃ損でしょ!!てなわけで花陽、今から俺の家に来ない?YA・SA・SHI・KUするよ?」

「えぇ!?でもこの前行ったばっかりだし……」

 

 

「「こ、この前ぇえええええええええ!?」」

 

 

「うぉ!?何だお前ら!?」

 

 

 突然真姫と凛が声を揃えて俺の耳元で驚いた。

 そんなに驚くことか!?でもそういえば、家で真姫と2人きりになったことはないし、凛とも勉強会でしか2人きりになったことはない。意外と1年生組――じゃなかった、2年生組と2人きりであ~んなことやこ~んなことをしていないな。凛の時は、俺が一方的に暴走していたし。

 

 

「花陽大丈夫!?零に汚されてない!?」

「凛のかよちんになにをしたんだにゃあああああああああああああ!!」

「ちょっと待て!!どうして俺が花陽に手を出している前提なんだ!?いてて!!それにどんだけ弾あるんだよ!?」

 

 

 さっきからずっと俺に向かって打ち込んでいるのにも関わらず、一切弾切れにならないそのパチンコはどうなってんだ!?もはや俺に制裁を加えるためだけの兵器と化しているぞ!?

 

 

「違うの凛ちゃん真姫ちゃん!!私はただ零君の家の合鍵を返しに行っただけで、別に変なことは……あんまりなかったよ!!」

「『あんまり』ですって!?凛、零を拘束して生徒会に突き出すわよ!!」

「かよちんの純潔を奪うなんて、零くんサイテー!!かよちんのおとなしい性格を利用して手を出すとは卑怯だにゃ!!」

「オイ!!ここでそんなことを叫ぶな!!新入生や保護者の方に聞こえちまうだろうが!!」

 

 

 マズイ……今ここで俺が変態だってことが世間にバレでもしたら…………新入生から避けられるのは必死だ。もしそうなれば、俺は最後の一年間可愛い女の子と喋ることができなくなってしまう!!

 

 それはイヤだぁああああああああああああああ!!

 

 

「零君も困ってるみたいだし、今のところは許してあげよ、ね!」

「う~ん、かよちんがそう言うなら仕方ないにゃ……」

「ふんっ!花陽に感謝することね」

 

「お前らなぁ……」

 

 

 神崎零、高校生活3年目初日、午前中にしてボロボロになる。

 こうなったのも、この2人(花陽は除いた)を仕向けた生徒会のあの3人のせいだ。こうなったら今日は全力で生徒会業務をサボってやる!!俺の輝かしい最後の高校生活1発目を汚した罪は重いぞ。

 

 

「ありがとな花陽、助かったよ」

「別に私はそんな……」

「そんな謙遜するなって。しょうがない……」

「れ、零君?」

 

 

 俺は花陽の前に跪き、そのまま頭を下げる。大天使花陽様にお礼の言葉を述べるのに、下々の人間が頭を浮かすなんてもってのほかだからな。

 

 

「大天使様、ありがとうございます。このような下衆な人間にご加護を与えてくださるとは思ってもみませんでした。私の頭でよければ存分にお踏みつけください。私はそれだけで幸せなのですから……」

 

「えっ!?えぇええええええええええええ!!」

「馬鹿ね……」

「馬鹿だにゃ……」

 

「お前らには分からないだろうな。大天使花陽様の素晴らしさが、ねぇ大天使様?」

 

 

 俺はそこで下ろしていた顔を上げる。目の前には花陽が立っているので、必然的に俺が花陽を下から見上げる形となる。そこで、俺は見てしまった。花陽のあの中を……女の子の秘密の領域を……

 

 

「白……」

 

 

「え゛!?」

「零、あなたまさか……」

「かよちんのスカートの中……」

 

「ハッ!!また思ったことが口に出て……」

 

 

 そこから真姫と凛の行動は早かった。

 まず俺の顔を後頭部から踏みつけ地面に溶接する。次に凛が花陽を俺から引き離し、真姫が俺をどこから持ってきた分からない縄でぐるぐる巻きにした。

 

 

「キツく締め過ぎだ!!離せ!!」

「どうしようもない変態はその姿がお似合いよ!!」

 

 

 でも花陽なら!!花陽なら俺の味方のハズだ!!大天使花陽様なら、俺を絶対救い出してくれる!!

 

 

「花陽!!助けてくれ!!……って花陽?」

 

 

「ふわぁ、ふわぁ……」

「かよちんが顔真っ赤して気絶してるにゃ!?」

 

 

 スカート覗かれただけで気絶する、ウブな花陽も可愛いなぁあ!!!!

 今すぐにでも飛びつきたいけど、生憎ハムみたいにぐるぐる巻きにされているためイモムシ歩きしかできない。今この時間、世界中で一番情けない姿してんだろうな。

 

 この状況を打破するには……凛のあの性格を利用するしかない。心は痛むが、このまま新入生の前でこの姿を晒したくはないからな。許してくれ……

 

 

「凛!!今度2人でデートしよう!!」

「え……?いいの!?」

「ああ!!でもそうしたら今からデートプランを練りたいんだけどなぁ~~でもこの状態じゃあそれができないんだけどなぁ~~」

「凛!!惑わされちゃダメよ!!これが零の作戦なんだから!!」

「う、う~ん……」

 

 

 揺れてるぞ!!凛のマインドが揺れてるぞ!!

 凛はいつも活発で元気な女の子だが、意外と心は乙女なのだ。ファッションもスカートを好んで履くようになり、同じファッション好き仲間のことりやにこと盛り上がったりもしている。

 

 こうやって凛の乙女心を刺激していけば、いつかは絶対に折れるハズだ!!

 

 

「真姫……俺たち恋人同士だろ?」

「だからなに?彼氏だったらスカートの中を見てもいいって言いたいの?」

「ぐっ、それは…………それはいいとして、もう反省したから許してくれ」

「最初ちょっと迷ったでしょ?」

「ソ、ソンナコトナイヨ!!」

「はぁ~……もういいわ、許してあげるわよ。花陽も休ませてあげないといけないし」

 

 

 もうこの体勢も辛くなってきたし、真姫たちももう疲れてきたのか事態は勝手に終息した。

 もうこれ以上、新入生たちへの晒し者にはなりたくないしな……もう遅いかな。クソッ!!俺の輝かしい最後の高校生活がぁあああ!!

 

 そして凛は気絶した花陽を介抱するため教室へと戻っていった。

 

 

 

~※~

 

 

 

「ねぇ、零?」

「ん?」

 

 

 改めて真姫が俺に質問を投げかけた。

 赤毛の美人な女の子と、ぐるぐる巻きに縛られている変態というシュールな図になっていることは伏せておいた方がいいのだろうか?

 

 

「正直私、絵里たちが卒業してまた毎日が少し寂しくなるなって思ってたの。でも、そんな心配はいらなかったみたい。あなたのおかげで、また楽しい日常が送れそうだわ」

 

「真姫……」

 

 

 コイツ、そんな心配してたのか。心配性なのは今も1年前も全然変わってないんだな。

 

 

「確かに絵里や希、にこが卒業して寂しくなっちまったけど、そんなことで立ち止まってたらアイツらが許さないだろ。卒業生のバトンを引き継いで、今度はアイツらに代わって俺たちが盛り上げる番だ。この学院も、μ'sもな……」

 

 

「零……そうね、あなたが好きな笑顔を忘れちゃダメだったわ」

「そうそう、笑ってるお前が一番可愛いんだからさ!!」

「も、もう!!あなたはすぐそうやって……」

 

 

 全く無駄な心配しやがって……この俺がいる限りこの学院に笑いが起きないことはない。俺が、μ'sのみんなと共に全力で盛り上げてやるよ。

 

 

 

 

 その時、俺の後ろに2つの影が現れた。未だぐるぐる巻きにされている俺の後ろに……

 

 

「あの~……何やってるんです?」

「ハラショー!!もしかして演劇の練習ですか!?」

 

 

「あ、あなたたち……」

 

 

 俺の後ろに現れたのは、この春から音ノ木坂学院に通う新入生の2人――

 

 

 

 

「雪穂!?亜里沙!?」

 

 

 

 

 そして、ここから新しい物語が始まる。

 




 前書きはエイプリルフールのネタのつもりでした。新作一発目から飛ばしてしまって申し訳ないです(笑)


 この小説は短編集ですが、新生μ's結成までは1つの物語とさせて頂きます。



 この作品の設定は、前作の『日常』で公開した情報のまま変えずに執筆していこうかなと思います。まだ出てきていないキャラがたくさんいますが、3話までにはレギュラーキャラをすべて出演させるつもりです。推しキャラが出てきていなくてもご安心を!!


 今作からセリフとセリフの行間をなくしてみました。読みにくかったり、前の方がいいよって方は教えてください。検討します。


 この作品の略し方はどうしようか……?『新日常』にしようか!




 それでは今作もよろしくお願いします!!
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