今回はおっぱい回!零君がおっぱいに掛ける情熱をとくとご覧あれ!(笑)
秋真っ盛りのこの時期にもなってくると、夜は相当冷え込む。そんな俺たちの身体を暖かく癒してくれるのが、そう――――お風呂だ。
1日の疲れと冷えた身体を冷やす、毎日の日常生活最後の快楽。
程よく暖まったお湯に全身を浸けると、寒く凍えた身体に希望を与えてくれるかのような温かい湯が胸のうちに広がっていく。身体に溜まった疲れも滲み出て、いつの間にかお風呂の暖かさに酔いしれて眠ってしまいそうにもなる。
だがしかし、そんな快楽を脅かす出来事が今まさに起きていた。
「えぇ~!?お風呂が壊れたぁ!?」
「何故か知らねぇけどお湯が出ないんだ。冷水でもいいなら入れるが」
「そんなのイヤに決まってるじゃん!!お風呂は現状、お兄ちゃんと唯一カラダの付き合いができる、いわば楽園なんだよ!?それなのに……それなのにこんな仕打ちなんてあんまりだよ!!お兄ちゃんお風呂直してよ!!」
「無茶言うなって。明日修理に来てもらうよう頼んでおいたから、今日だけの辛抱だ」
「あぁ、これがこの世の終わりか…………」
「お前の世界って脆いな……」
このように、神崎家のお風呂場はものの見事に役立たずとなっていた。昨日までは普通に景気よくお湯を放出していたのに、いつの間にこうなったんだ?いくらいくつもの困難を乗り越え"ラブライブ!"に優勝した俺たちと言っても、冷水風呂なんて試練は全力でスルーさせてもらおう。
「でも1日くらい風呂に入らなくてもいいんじゃねぇか。馬鹿騒ぎして汗を流したりしなければ、翌日匂うことなんてないだろ」
「ダメだよそんなの!!お風呂はね、美貌を保つのに必須なんだよ!!お肌や髪なんて、1日手入れしなかったらすぐ傷んじゃうんだからね!!」
「そんなもんなのか……?」
「いくらお兄ちゃんでも、女性の美学をそんなのもで片付けるのは許さないから!!ぐっすり寝ている時に逆レイプされたくなかったら、お風呂に入るための対策を何か考えてよ!!」
「なにその脅し!?」
楓は相当ご立腹らしく、珍しく俺以外のことで必死となっている。
でもその脅しの仕方は何なんだよ……全くお風呂と関係ねぇし。でも、なんだ……ちょっと興味あるかもしれない、楓の逆レイプ。ダメだダメだ!!これ以上の妄想はやめよう、色々規制の対象となってしまう。
でもこんな馬鹿げた論争で互いに貞操を散らすのはそれこそ笑い話にもならないので、しょうがないから何か対策でも考えるか。
そうは言っても、お風呂を短時間で直すなんて荒業、秋葉じゃないんだし俺に出来る訳がない。もちろんアイツに頼むという選択肢は速攻で外した。アイツに任せると媚薬入りのお風呂とかになりかねんからな。
あっ!そう言えば1つ心辺りがあるぞ、この事態を解決する方法が!!
「楓、銭湯に行こう!そこなら暖い風呂にも入れるし、文句ないだろ?」
「銭湯かぁ……でもお兄ちゃんと一緒に入れないじゃん」
「混浴の銭湯なんて聞いたことねぇし、それだけは我慢しろ」
「う~ん、まあしょうがないね。今回はそれで妥協してあげるよ」
「どうして俺が許される側になってんの?俺、別に悪いことしてないよな……?」
相変わらず楓の理不尽さに振り回されているが、それが日常となっているのでさほど頭にも来なければイラついたりもしない。もう反射的に呆れてツッコミを入れるだけの機械と化していると言っても過言では……流石に自虐が過ぎたか。
「でもたまにはいいんじゃねぇの?いつもの日常生活に新たな刺激が加わると、それだけで脳が活性化するって言うし」
「私はお兄ちゃんの裸を見てるだけで活性化するけどね!色んなところが♪」
「ブレねぇなお前……まあいいや、どうせならアイツらも呼ぶか。急な誘いに何人集まるかは分かんないけど」
「いいんじゃない。どうせ1人でお風呂入ってても暇だし、しょうがないから一緒に入ってあげるか!」
おっ、楓がμ'sのメンバーを邪険に扱わないなんて珍しいこともあったもんだ。
何だかんだ言って、やっぱりコイツも穂乃果たちのことが好きなんだよな。そうでないと"ラブライブ!"にも優勝できなかっただろうし、それに――――
とってもいい表情してるじゃん。言葉は素直じゃないけど、その楽しみにしてそうな表情は一切隠せてないぞ?可愛い奴め!!
~※~
そしてその後すぐにμ'sのグループチャットで銭湯に行きたい奴の募集を掛け、指定の時間に現地集合ということで実際に集まってみたのだが――――
「わぁ~!穂乃果、銭湯なんて久しぶりだよ!」
「ことりも小さい頃以来かな?」
「確かに今の時代、銭湯に赴くこと自体が少ないですからね」
「凛は初めてだから、ちょっと楽しみだにゃ~♪」
「私も。家の近くだけど来たことなかったなぁ」
「銭湯……本当に名前くらいしか知らないわね」
「へぇ~、割と年季が入って風情があるじゃない」
「ウチも昭和な雰囲気がする銭湯は割と好きかな」
「このスーパーアイドルのにこちゃんが庶民の銭湯なんて……まあ付き合ってあげるわよ」
「私も銭湯には初めてくるので楽しみです!」
「普通の温泉とあまり変わらないと思うけど……」
――――という訳で、急な募集にも関わらずμ'sメンバーが全員集合するという謎の事態となっていた。コイツら暇なのかよ……俺がグループチャットで誘いを掛けたら、穂乃果やことり、にこ辺りは返信がメチャくちゃ早くてビビったわ。でもまさか全員が来るとは思わなかったけど。
そして全員がゾロゾロと銭湯へ入っていく中、絵里が俺と並んで話し掛けてきた。
「災難だったわね、お風呂が壊れちゃうなんて。いきなり『一緒に銭湯に行く奴いないか?』なんて連絡が来たから何事かと思ったわ」
「急に冷水しか出ないもんだからビックリしてさ。それで楓は我が儘ばかりでうるさいし、仕方ないから久々に銭湯にでもってことになって、ついでにお前らを誘ったんだよ」
「なるほどね。でも私は皆んなと一緒にお風呂に入るのは結構好きよ。凛や亜里沙ほどじゃないけど、私も銭湯初めてだから少し楽しみなのよね」
「お前らは楽しいだろうよ。俺なんて1人で入らないといけねぇんだぞ。俺も一緒に入りてぇ」
「残念でした♪お一人でごゆっくりどうぞ」
何故か絵里は勝ち誇った表情で俺を煽ってきやがる。
馬鹿にすんなよ!例え銭湯が男女別々で区切られていようとも、俺にそんな隔たりは関係ない!!外道な手段をフルに使って、その引き締まったエロい裸体をたっぷりねっとり視姦してやるから覚悟しておけ!!
だけど銭湯には他の客もいるだろうし、流石にそんな目立つ真似はできねぇか。あんな狭い空間で変な行動を起こせば目に付きやすいし……。
他の客がいるだけで風呂覗きを諦めるとは、俺も随分丸くなったもんだ。いや、肝が小さくなったというべきか。
銭湯の中は、如何にも昭和の香りがする木製造りだった。台風が来たら吹き飛ばされてしまうのではないかと心配になりそうだが、今の今まで耐えてきたのだからそれなりに耐久性はあるのだろう。
古いからといってボロっちい訳ではなく、古臭さを感じさせながらも建物の隅々は綺麗でかなり丁寧に掃除されているようだ。この豆な手入れこそがボロっちい銭湯をこの時代まで営業させてきた秘訣なのかもしれない。
なんて久しぶりの銭湯を総評し、俺は皆んなを代表して受付へと向かった。
こんな銭湯の受付だから、それはそれは寂れた婆さんがいるのだろうと思っていたのだが――――
「や、山内先生!?」
「か、神崎君!?それにμ'sの皆さんも……!!」
「あれぇ~?先生どうしてこんなところにいるの!?」
穂乃果、こんなところとは失礼だろ!!
確かに見た目は昭和臭がしてボロっちいけどさぁ……。
「私の親がこの銭湯を経営していて、こうしてたまに手伝っているんです。皆さんこそどうして銭湯に?」
「俺の家の風呂がブッ壊れたので、どうせなら皆んなと一緒に銭湯に行かないかってなったんですよ」
「なるほど。銭湯は家のお風呂とはまた違った気持ちよさがありますから、是非楽しんでいってくださいね♪」
「俺は1人なんですがそれは……って、そういや他にお客さんはいないんですか?」
「最近は銭湯自体があまり流行らないですから……今日は神崎君たちが一番初めのお客さんなんですよ」
「やったぁ~!凛たちが一番風呂だにゃ!!」
確かに家のお風呂があるのに、わざわざ寒い外を歩いてここまで来ようと思わないもんな。
客がいないのは銭湯側にとっては不利益なことだけど、俺たちは貸切だと思ってたっぷりと楽しませてもらうか。
「13人分の料金受け取りました。それではごゆっくり!」
「「「「「「「「「「「「「は~い!」」」」」」」」」」」」」
そして俺たちは人生久しぶり、もしくは初めての銭湯を貸切というVIP待遇で満喫することになった。
まぁ、俺は寂しく1人ぼっち風呂なんだけどな……。誰かの胸を借りてすすり泣きたい。
~※~
「ふわぁ~……生き返るなぁ~!!」
先生の言った通り、確かに家の風呂とは違う気持ちよさがある。まず家の風呂では狭すぎて、全身を伸ばしてくつろぎながら入るなんてできないからな。更に銭湯や温泉のお湯は適温より少し高めの温度なので、身体の老廃物が一気に流れ出す感じがまさに気持ちいい。今日1日は風呂に入れないと思っていたから尚更だ。
「それにしても、本当に人がいないんだな……」
この銭湯、そこまで広くないのに全く人いないせいで凄く広大に感じる。1人でこんな伸び伸びとして申し訳ない気もするが、銭湯に来ることすらもいい機会だし、この際たっぷりとこの気持ちよさに浸らせてもらおう。
すると、誰もいないはずなのにどこからか声が聞こえてきた。
『あっ!雪穂、もしかしておっぱい大きくなった?』
『な゛っ!お、お姉ちゃん!?勝手に見ないでよ!?』
『妹の成長を確かめるのはお姉ちゃんの役目だからね!やっぱ零君を想って大きくしたのかなぁ~?』
『う゛っ……ち、違うもん!!零くんなんて……零くんなんて』
『あはは!相変わらず素直じゃないねぇ~雪穂は!』
『ほ、ほっといてよ!!』
こ、これは……女湯の会話がモロ男湯に流れ込んでいる!!穂乃果たちの声が丸聞こえじゃないか!?
それに雪穂が俺のことを想っておっぱいを大きくしただって!?くそぅなんて可愛いことしてるんだ!俺にもその姿を見せろ!!ていうかおっぱい見せろ!!
『海未先輩ももっとお兄ちゃんを想像して、その控えめなおっぱいを膨らませたらどうです?』
『よ、余計なお世話です!!私は楓がするような下品な行動は謹んでいるので』
『えぇ~でもことり知ってるよ♪海未ちゃん授業中、零くんのことをチラチラ見てるってこと』
『おぉ~!やっぱり先輩もお兄ちゃんににゃんにゃんされることを想像してるんじゃないですかぁ~♪』
『してませんから!!そんな破廉恥な妄想なんて決して!!』
『ムキになるところが怪しなぁ♪』
『ことりじゃあるまいし、授業中にそんなこと一切考えてませんから!』
破廉恥な妄想"は"していないのか?だったら普通の妄想はしてるってことだよな!?あの海未も妄想性癖に手を染めていたとは……一体俺にどんなことをされる妄想してるんだ!?き、気になる……。
『花陽ちゃんの胸、大きくて羨ましいです!』
『あ、亜里沙ちゃん!?あまり見つめないで恥ずかしいよぉ~!!』
『でも零くんって、おっぱいが大きな子が好きなんですよね?』
『甘いわね亜里沙!零はおっぱいの大きさなんて関係なく、女の子のおっぱいなら平等に愛してくれるわよ!』
『おぉ~流石にこちゃんです!説得力あります!!』
『なんかそう言われると負けた気分になるわね……』
『にこちゃん、亜里沙ちゃんより胸ちっさいからだにゃ!』
『アンタに言われたくないわよ!!』
そうだ、俺はおっぱいの大きさなんて気にしない!大事なのは感度だ!!俺の手に吸い付いついて程よい柔らかさがあればそれでいい!!加えておっぱいを弄られて感じる女の子のイキ声が聞ければそれで満足だから!!
くそぉ~おっぱいの話ばかりしてたら、マジで生のおっぱいを見たくなってきたじゃねぇか!!アイツら1人ぼっちの俺の性欲煽ってんじゃねぇぞ!!
『これは真姫ちゃんもウカウカしてられへんなぁ~♪』
『何がよ!?別に零のために胸を大きくしようだなんて思ったことないから』
『別にウチ、零君のために~だなんて一言も言ってないけど?』
『あなたねぇ!!」
『希、もうそれくらいにしておきなさい。真姫の顔が蒸発し掛かってるから』
『ほぉ~やっぱり絵里ちくらいのスタイルになると、いつでも余裕ってことやね♪ウチらに対する嫌味やわぁ~♪』
『どうしてそんな発想になるのよ!!』
『でも零君のことを考えたら、スタイルのいい身体でよかったと思ったことない?』
『…………た、多少は』
マジで!?スタイルや身体付きの話になるといつも自分を謙遜する絵里だけど、やっぱり自分の身体を誇りに思ってたのか。ここで暴露したってことは『いつでも私を襲っていいですよ』というサインなのかもしれない。それに真姫も満更ではない様子だし……ますます性欲が沸き立ってきた!!
もう我慢できねぇ!!俺は隣の女湯に突撃する!!幸い俺たち以外にお客さんはいないみたいだし、受付に座っている山内先生にさえ見つからなければそれでミッション達成だ。
それによくよく考えてみれば、穂乃果たち9人とは恋人同士なんだから、別に一緒の風呂に入ってもやましいことは何もないはずだ!!それに雪穂、亜里沙、楓の3人も恋人一歩手前の関係にまで進展した訳だし、将来いつかは見せてもらうことになる全裸だ、今見ても変わんないだろ!
そうと決まったらこんな1人ぼっちの風呂にいる訳にはいかない!とっととアイツらのおっぱいを拝みに行くとするか!!もうこの溢れ出る性欲、特におっぱいの誘惑に逆らうことなんでできねぇからな!!
俺は男湯を勢いよく飛び出し、自分の衣服が入ってるカゴからバスタオルを取り出す。巧みな手付きで濡れた身体を早急に拭き取って、そのまま腰にタオルを巻きながらこっそりと受付カウンターのあるロビーに戻った。
俺の予想通り、まだ俺たち以外に客がいる気配はない。山内先生は受付で本を読んでいるみたいだし、もしかしたら忍び足で女湯の脱衣所に忍び込めるかも。脱衣所に入ることができたのならもうこっちのものだ。後は皆んなとの桃色の展開が待っている。桃源郷を目の前にした俺は、勢いが違うぞ!!
12×2=24個のおっぱいが俺を待っている!!見えるぞ!たくさんのおっぱいに囲まれる俺の姿が!!
俺は男湯の脱衣所をこのために鍛え上げた忍び足で抜け出し、そのままロビーの壁際を伝って女湯の脱衣所へと向かう。
先生は読書に集中している。身を縮こませ、上手いこと植木の陰に隠れながら行けば確実に侵入できる!!
行ける!!行けるぞ!!もう少しだ!!女湯の暖簾がもうすぐそこに――――!!
「神崎君、何をやっているんですか?」
「い゛っ……!!」
いつの間にか、山内先生が腰に手を当てて俺の隣に立っていた。
クソッ!いつもの俺なら人の気配に敏感なはずなのに、目の前の桃源郷にうつつを抜かして判断力が鈍っていたのか!?まさか如何にも鈍くさそうな山内先生に見つかってしまうとは……神崎零一生の不覚!!
「い、いやぁ~男湯のコーヒー牛乳が売り切れちゃってて。女湯に貰いに行こうかなぁ~と」
「そんなはずありません。あなたたちが来る前にちゃんと確認しましたから」
やはり付け焼刃の嘘はすぐにバレるか……いつもほんわかしていてどこか抜けている山内先生なら黙せると思ったんだがな。でも山内先生相手なら、俺の持論をぶつけて無理矢理この場を押し通ることができるかもしれない。
「先生!!」
「な、なんですか!?」
「俺は何としてでも女湯に行かなければならないんだ!!いつも一緒にいる彼女たちがおっぱいの話題で盛り上がっている……しかも俺の名前を出して!!そんなの俺の性欲が耐え切れる訳ないじゃないですか!!だからこの性欲を発散するためにアイツらの成長したおっぱいを一目見て、あわよくば揉みしだくため、俺は女湯に行かないと行けないんだ!!そうすれば俺もアイツらも気持ちよくなってwin-winの関係になる!!誰も不快な思いはしない!!聡明な先生なら、俺の言っていることが分かるはずでしょう!?」
「いや、全然……」
「そうか、まだ俺の熱弁が聞き足りないんですね……」
ここまで言ってもまだ分からないとは……山内先生は男の性欲というのもがどれほど恐ろしいのか分かっていないみたいだ。流石に『先生の身体に直接教え込んでやりますよ!!』なんて言葉、冗談でも言えたものじゃないけど、性に支配された男を甘く見ると痛い目に遭うってことだけは教えておかないと。
「いいですか先生。今の俺がこの性欲を発散させず外に出たら、どうなるか分かります?」
「ど、どうなるんですか……?」
「まだ分からないか……男っていうのは獣なんです。性に支配された男は、所構わず女の子を食い散らす獰猛な獣と化すんですよ。だから女湯に入れなかった俺が、風呂から出てきた穂乃果たちに何を仕出かすのか……もうお分かりですよね?」
「そ、そんな……まさか!?」
「ご想像の通りですよ。もしかしたら、この銭湯で派手な大乱交会が行われるかもしれません。そうなってしまった場合、銭湯の信用もガタ落ち、経営難に陥るかもしれません」
「あ、あわわ……」
「でも俺を女湯に通してくれさえすれば、アイツらのおっぱいを拝んで揉みしだくだけで事が済みます。それで先生が黙ってくれさえいれば、銭湯の信用も失わずに済むって訳ですよ。どうです?お互いにとってもいい案だとは思いませんか?」
山内先生は目を丸くして驚いている。よほど俺の熱弁に感動したのだろう、今にも泣いてしまいそうな目をしているじゃないか。いやぁ~先生にも俺の気持ちが伝わってきてよかったよ!これで晴れて俺も合法的に女湯に入ることができる訳だ。
まぁこうして必死にならなくても、穂乃果やことり、にこだったら言えばおっぱいくらい見させてくれそうなものだけど。でもこうして苦労して見ることのできる桃源郷だからこそ興奮するんじゃないか!それに今日はμ's全員分のおっぱいを拝める訳だし、元々簡単にはいかなかっただろうしな。
よしっ、最後に追い討ちを掛けてフィニッシュだ!!
「例え控えめでも感度は抜群なにこ、凛、雪穂、海未の綺麗なおっぱい!!俺の手にジャストフィットする、俺のために育ったような穂乃果、亜里沙、真姫、楓、ことりの程よいおっぱい!!そして、俺の手にも余るような顔を埋めたい花陽、絵里、希の巨乳おっぱい!!俺はこんなにも彼女たちのことを知り、愛しているんだ!!だからもう一緒の風呂に入ってもいいでしょう?」
「…………」
先生はもう言葉が出ないほど、俺がアイツらに向ける愛に心を打たれたらしい。自分の学校の先生にまで愛する彼女たちの魅力をここまで熱弁できるなんて……これで先生も納得したはずだ、俺が女湯に行くべきだと。
「お~い先生。俺の気持ちを分かってくれたのなら、早く俺を女湯に通して――――」
「か、神崎君……」
「なんです?あぁ、俺の素晴らしき持論が聞きたいのなら、また時間がある時にでも聞かせてあげますよ!」
「あ、あのぉ~……非常に申し上げにくいのですが……」
「だから何ですか!?」
「う、後ろ……」
「へ……?」
その瞬間、背後から俺の全身を突き刺すような禍々しいオーラが放たれていることに気付いた。まだ振り返ってその正体を確かめていないのにも関わらず、俺の全身が恐怖でガクガクと震え止まらない。
そして俺は、この身も毛もよだつ怒りに満ちたオーラの持ち主を誰だか知っている。だってこのオーラを纏った人物に制裁を受けることなど、日常茶飯事なのだから……。
俺は覚悟を決め、ゆっくりと後ろを振り返った。
「さ、笹原先生……き、奇遇ですねぇ~」
「奈々子が銭湯の手伝いをしていると聞いて様子を見に来たら、まさかこんなところで出会うとは……本当に奇遇だな、神崎」
「そうですねぇ~……それじゃあ俺は男湯に戻りますんで!!ごゆっくりぃ~」
「待て。さっき面白い持論を吐いていたな、もう一度聞かせてもらおうか?」
「だったらどうして俺の肩をそんなに強く握り締めるんですか……って、痛い痛い!!痛いですって!!!!」
なんか俺の肩、ミシミシと音が鳴ってるんですけど!?もしかして骨砕けてる!?笹原先生が馬鹿力なのは知ってたけど、今日はいつもより数倍ご立腹のようだ。これは抵抗しないと――――殺られる!!
「まあまあ先生、とりあえず落ち着きましょうよ。ここは銭湯、1日の疲れを取りつつ他のお客さんとのコミュニケーションを楽しむ憩いの場ですよ?そこでこんな殺伐とした雰囲気を漂わせていたら……客が逃げちゃいますって」
「お前の目は節穴らしいな。周りを見てみろ」
「あっ……」
そうだ……この銭湯、俺たち以外の客がいないんだったぁあああああああああああああああああああ!!
苦肉の抵抗策にも失敗し、遂に万事休すか……?いや、諦めるな!!1年前、穂乃果たちがヤンデレ化した時も決して諦めない気持ちで頑張ってきたじゃないか!!そんな俺がこんなところで命を散らせてたまるかよ!!
「私とお前は教師と生徒の関係だ。もちろん学外でもな。だから今日はたっぷりとお前に指導してやる。学外だから、手加減をする必要もなさそうだしな」
「いや、いつも手加減しているようには見えないんですけど……」
「それにお前にとっても願ってもないことじゃないか。女性と2人きりが好きなんだろ?」
「顔が怖いんですけど!?それに、年の行った人とはちょっと……」
その時、ロビー内に俺たちにも聞こえる音量で"ブチッ"と何かがキレるような音がした。
山内先生はこれから起きることを予知しているのか、目をギュッと瞑ったまま動かない。先生!!そんなことしてないで俺を助けてくれよ!!
「よし、屍になる準備はできたか……?」
「う、うっす……」
そして古びた銭湯に、男の大人気ない叫び声が大きく響き渡った。
そんな中、女湯では――――――
「この声、零君の声だよね?」
「お兄ちゃん、何だかんだ言って1人で楽しんでるじゃん♪」
楽しんでねぇよ!!!!
おっぱいは、皆んな違って皆んないい(格言)
今回はおっぱい回でした!とは言っても、実際にμ'sのおっぱいが曝け出されたわけではないのですが(笑)
この話を執筆しようと思った理由は、ここ最近零君が真面目モード(告白回)だったりツッコミモードであることが多かったので、ここら辺で彼に本来の姿を取り戻させてあげようという、作者である私のありがたい慈悲により執筆されました。
生き生きとした零君を書くのは久しぶりで、執筆最中は私も零君と一緒になって生き生きしていた始末。特におっぱいの持論を語っているところでは、零君と意識がシンクロしてました(笑)
この調子が続けば、R-17.9回も近いかもしれません。まだお相手を誰にするのかは全然決めていませんが……。
次回は予定さえ合えば、24日のクリスマスイブか25日のクリスマスの日に『ことりちゃんの淫語講座:第二弾』を投稿予定です!
聖夜を性夜に変える予定なのでご容赦を!(笑)
先日、この小説の感想数が1000件を突破しました!
ハーメルンでのラブライブ!小説では初の快挙であり、私自身も当初からずっと目標として掲げてきたことなのでとても嬉しく思います。
これまで感想をくださった皆さん、本当にありがとうございました!これからもツッコミあり、変態妄想ありの感想をくださると嬉しいです(笑)
また今まで感想を書いたことないよという方も、これを機会に是非お声を聞かせてください!
実は感想以外でも、お気に入りは1000件、評価は100件を達成しそうなので、そちらもよろしければよろしくお願いします!
Twitter始めてみた。
https://twitter.com/CamelliaDahlia