ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常2~   作:薮椿

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 お久しぶりでございます!今日からまた少しずつ投稿していこうと思います。

 今回の話の主体はまさかの秋葉さん!
 男や恋に無縁な彼女が、唯一好きになった相手とは……?


※後書きに宣伝があるので、是非最後までご覧下さい!


秋葉の初恋

「ったく、どうして私がこんなことを……」

「ゴメンね楓。どうしても人手が欲しくって」

 

 

 何故か私は今、絵里先輩たち大学生組と一緒にお姉ちゃんの研究室の掃除をしていた。

 本当は私の枠はお兄ちゃんだったらしいんだけど、お兄ちゃんは穂乃果先輩たちに受験勉強を教えているので、その代わりに私がここへ狩り出されたって訳。

 

 折角今日はお兄ちゃんのベッドで一日中あ~んなことやこ~んなことをしようと思ってたのに、迷惑過ぎるよホント。

 

 

「最近秋葉先輩忙しそうだし、こうしてにこたちが定期的に掃除してあげないと研究室がゴミだらけになっちゃうのよね」

「妹の私が言うのもアレですが、苦労かけます……」

「別にいいよ。ウチらが好きでやってることやし。それに秋葉先輩には大学に入って色々お世話になってるから」

「何だかんだ言って面倒見はいいですからね、お姉ちゃんは」

 

 

 正直なところ、私やお兄ちゃんにとってお姉ちゃんとの思い出なんて忘れたい思い出ばかりなんだけど、肝心なところでちゃんとお姉ちゃんをするから本気で憎もうと思っても憎めない。何だかんだ言って自分の仕事や勉強で忙しい中でも、μ'sや絵里先輩たちの面倒をしっかり見てくれてるしね。

 

 

「それにしても、見ない間にここまで書類が溜まっていたとは」

「実験結果のレポートに、新規プロジェクトの企画書、免許更新の催促状なんてものまであるわよ。しかも全部同じ書類の束の中に入ってるし」

「先輩の書類管理の雑さは相変わらずやね……」

「書類でも手紙でも何でも、お姉ちゃんは読んだら適当にそこら辺に置いておくクセがありますから」

 

 

 たまにいるでしょ?片付けができない女の人って。お姉ちゃんはまさにその部族に当てはまるんだよ。一緒に住んでいた頃も、私が定期的に掃除してあげないとすぐに部屋を散らかしちゃってたし。やっぱり完璧な人なんてこの世にはいないもんだね。

 

 

「あら、これ何かしら?写真立て?」

 

 

 絵里先輩が書類の山の中から、木製のフレームで縁どられた写真立てを発掘した。

 初めは海外企業への招待状など、本当に大切なモノをしまっておくだけという本来の用途とは違う使い方をされているのかと思ってたけど、先輩が興味津々で見ているのでそうではないのだろう。

 

 

「これ、小さい頃の零と楓じゃない?」

「どれどれ、ウチにも見せて!」

「ほら、秋葉さんも含めて3人で写ってるわ」

「にこにも見せなさいよ!」

 

 

 絵里先輩と希先輩の間に割り込むように、にこ先輩も写真立てに収められている写真を覗き込む。

 私たちが小さい頃の写真……私が中学に上がる前は3人一緒に暮らしていたから、少なくとも私が小学生の頃だよね。むっ、急に幼い頃の自分を見られるのが恥ずかしくなってきた。なんか先輩たちに弄られそうだし!!

 

 

「わぁ~!零くん幼くて可愛いなぁ~♪」

「ホント。アイツの幼い頃の写真って見たことなかったけど、今とは全然違うのね」

「にこっち、幼い零くんに興奮しちゃった?」

「はぁ!?流石に彼氏の幼い姿を見て興奮するほど、()()捻じ曲がっちゃいないわよ!!」

()()……?」

 

 

 にこ先輩、あなたまだこれ以上変態になる気ですか……?先日もお兄ちゃんにドン引きされるほど、お兄ちゃんのパンツにがっついていたのに、これ以上変態さんになったらお兄ちゃんの精神力が持たないよ。

 

 え、私はどうなんだって?もう半年以上も2人で住んでるけど、お兄ちゃんまだピンピンしてるから大丈夫でしょ☆

 

 

「あっ、これ私たち2人がまだ小学生の頃の写真ですね。お姉ちゃんがセーラー服を着てるってことは、この時お姉ちゃんは中学生か」

「へぇ~、秋葉先輩若いわねぇ~」

「にこ、それ先輩の前で言ったら怒られるわよ……」

 

 

 お姉ちゃんまだ21歳だけど、普段からずっと研究室に篭ったり日本や世界の各地を飛び回ったりしてるから、見た目より大人っぽく見えることがあるんだよね。でも今まで幾度となく私たちにされたイタズラの数々を思い出せば、精神年齢はまだまだ小学生並みの子供だよ。

 

 

「楓ちゃんも可愛いなぁ~お人形さんみたいやん♪」

「何言ってるの希。楓は今でも可愛いわよ♪ねぇ?」

「薄々こんな展開になるのは予想してました……」

「顔真っ赤よ楓♪アンタたち兄妹はホントに表情がコロコロ変わって面白いわ!」

「先輩方、いつか燃やします……」

 

 

 なんだろう、この手玉に取られて弄ばれるや~な感じは。初めて先輩たちと会った時は完全にこっちが手玉に取って遊んでいたのに、今ではこうして愛でるように攻め立てられる始末。もう完璧に私の攻略法が分かってきてる……これは早くどうにかしないと。

 

 

「でも秋葉先輩が楓たちの幼い頃の写真を飾っているなんて知らなかったわ」

「ずっと書類の中に埋もれてたんでしょう。お姉ちゃんまともに掃除もしませんし」

「容姿もスタイルも胸の大きさも完璧なのに、どうしてこうもズボラなんだか先輩は……」

「黙っていればモテるんやろうけどね、黙っていれば……」

 

 

 口を開けば憎まれ口を叩き、人を妙なクスリで不幸のどん底に陥れてはそれを見て大笑い、お兄ちゃんの言う通りまさに異星人だよ。お姉ちゃんは地球を侵略しに来た宇宙人で、人間たちを抹殺しようとしているに違いない!!

 

 

「モテると言えば、秋葉先輩って男の人に興味あるのかしら?」

「どうだか。先輩の周りに男の気配なんて全然ないし。それに先輩のことだから、『私の彼氏は研究』とか何とか言い出しそうだけどね」

「先輩自身が男性に興味なさそうやもんね。誰かを好きになったこととかないんと違う?」

 

 

「あるらしいですよ、恋したこと」

 

 

「「「えぇ!?!?」」」

「ちかっ!?」

 

 

 先輩たち3人が私の眼前へと詰め寄った。

 確かにお姉ちゃんに恋なんて無縁な言葉に思えるもんねぇ~。私も片腹痛くなって初めは鼻で笑っていたんだけど、どうやら事実らしいんだよ。

 

 

「どういうこと!?秋葉先輩が恋って……う、嘘でしょ!?」

「相手!!相手は誰なのよ!?」

「どうして楓ちゃんはそんなこと知ってるん!?」

「なに興奮してるんですか落ち着いてください!!一から話しますから!!」

 

 

 先輩たちは目を丸くして驚いているけど、同性(しかも先輩)の興奮姿なんて見たくないって。私が発情するのはお兄ちゃんの前だけだって心に決めてるから。

 

 

「この前お姉ちゃんが家へ帰ってきた時、酒に酔った勢いで色々愚痴ってたんですよ。『高校生は若くていいわぁ~』とか、『お姉ちゃんも学生時代は輝いてたんだよぉ~』とか」

「うわぁ、完全に酔っ払いのノリじゃない……」

「しかも学生時代って、今でも大学生なんやけどね……」

「そうなんですよぉ~。でもあの時はただの酔っ払ったおばさんでしたけど……」

 

 

 酒癖が悪いのはお母さんからの遺伝なのかもしれない。お母さんもお姉ちゃんも酒に酔うとお兄ちゃんや私に鬼絡みしてくるし。将来私は絶対にああはならないから!愛しのお兄ちゃんに迷惑を掛ける訳にはいかないしね!えっ、もう迷惑掛けてるって?またまたぁ~♪

 

 

「それでその時、酔ったお姉ちゃんが口を滑らせたんです。『私も中学の頃は好きな人がいたんだよぉ~』『しかもそれは私の初恋だったんだよぉ~』ってね」

「ま、まさか本当に秋葉先輩が……!?」

「それで相手は!?相手は誰なのよ!?」

「残念ながらそこまでは……」

「なぁ~んだ!面白そうな話だったのに♪」

「先輩の初恋の相手、知りたかったなぁ~♪」

「あなたたち、先輩のことをからかおうと思ってたでしょ……」

 

 

 そりゃあ私だって幼い頃から幾度となくお姉ちゃんの実験台にされてきたし、逆襲できるのならこれをダシに逆襲したかったけど、肝心の初恋相手が分からないとどうにもねぇ~。

 

 無理矢理研究室の掃除を手伝わされて苛立ってるし、掃除なんてやめてお姉ちゃんの悶え苦しむ姿を拝むための材料でも探そうかな。この書類の山の中にお姉ちゃんの痴態となるモノが隠されてるかもしれないし。初恋の経験があるって話だけでも、相当なダメージを負わせられると思うけどね。でも私はそんなのだけじゃ満足できないよ、フフフ……。

 

 

「ねぇ楓。酔っ払った先輩との会話、もっと思い出せないの?」

「あの時は酔っ払いおばさんのウザ絡みから逃げるので精一杯でしたから。でも待てよ、確か――――」

「何か思い出したん?」

「薄らと記憶の片隅に残ってたんですけど、お姉ちゃんが『初恋の人へラブレターを書いたことがある。結局渡してないけどね』って言ってたような……」

「「「ラブレタぁああああああ!?!?」」」

「先輩方、息ピッタリですね……」

 

 

 お姉ちゃんと話していた、というより一方的に絡まれていた時は、逃げるのに必死でお姉ちゃんの話なんてあまり気にしてなかったけど、よくよく考えてみればこの話ってかなりの暴露話、それもお姉ちゃんにとって物凄い黒歴史なのでは?今では男や恋なんて興味ないって公言していたお姉ちゃんが、まさか男を好きになって、しかもラブレターまで書いていたなんてこと……。

 

 

「そのラブレター、この研究室に残っていたりしないかしら。どこかの書類の山に埋もれてるとか」

「絵里ちも何だかんだ言ってノリノリになってきたやん♪」

「だってあの秋葉先輩よ?研究一筋のあの人が、好きな男性にラブレターを送ろうとしていたなんて衝撃的な事実じゃない?」

「それはそうですけど流石にそんな黒歴史、とっくに捨てられていると思いますよ――――って、にこ先輩?さっきから何をしてるんです?」

 

 

 こういった恋愛話が好きなにこ先輩なら会話に割り込んできそうなのに、先輩は先ほど私たちが見ていた写真立てを何やらゴソゴソと弄っていた。

 

 まさかその写真をダシに、お姉ちゃんを脅迫するんじゃ……人の恥ずかしい過去を弄るなんて最低です!!えっ、私も同じだって?またまたぁ~♪私は弄るなんて生温いものじゃないよ、言うなれば復讐なんだよねぇ……フフッ♪

 

 

「この写真立ての中の写真なんだけど、写真が2枚重なってるように見えるのよね。楓たちの写真の裏にもう1枚あるような――――あっ、本当にあった!!」

「うそぉ!?私にも見せてください先輩!!それがあればお姉ちゃんを、お姉ちゃんを!!」

「楓ちゃんもいつものテンションに戻ってきたね」

「さっきまで面倒な顔をしながら掃除してたのに……」

「あのお姉ちゃんに逆襲できる機会が訪れるかもしれないんですよ!?いつも自信満々で憎たらしい笑顔をしているお姉ちゃんを屈服させ、顔を真っ赤にして恥ずかしさに悶える表情を拝めるかもしれないんですよ!?掃除なんてしている場合ですか!!」

「楓が零以外のことでここまで必死になるなんて……」

「秋葉先輩に対して相当深い闇を抱えてるんやね……」

 

 

 まさかこんな簡単にお姉ちゃんに反逆できる機会が訪れるとは思ってもなかったから、余計にテンションが上がっちゃうよ♪これまで幼い頃から私を実験に利用してきた恨み、何百倍にも増幅させて返してあげるからね♪

 

 

 にこ先輩は写真立てから私たちの幼い頃の写真と、その写真と写真立ての間に挟まっていた"もう1枚"を取り出す。

 

 しかしその瞬間、私たちは目を大きく開けて驚いた。なんと私たちの写真と写真立ての間に挟まっていたのは"写真"ではなく、赤いハートマークのシールが貼られている真っ白な封筒だったから。

 

 

 これは、これは間違いなく……!!

 

 

「「「「ラブレタぁああああああああああああああああああああああ!?!?」」」」

 

 

 今度は私も含めた4人全員の声がハモる。

 こんなトントン拍子にお姉ちゃんを追い詰める材料が見つかるなんて……これは神様がお姉ちゃんに復讐しなさいと私に命令しているに違いないよ!!今までお姉ちゃんに会いたいなんて一度も思ったことはなかったけど、今だけは無性にお姉ちゃんに会いたい。会ってお姉ちゃんを悶え苦しませたい!!

 

 

「真っ白な封筒にハートマークのシール……お手本のようなラブレターね」

「あの先輩がこんな可愛いラブレターを初恋の相手に送ろうとしていたなんて……ふふっ、くくっ!」

「にこっち、笑い堪えられてないよ……ふっ♪」

「そういう希先輩だって……フフフ♪」

「あなたたち……先輩が知ったら何されるか分からないわよ」

 

 

 人の恋を笑うなんて最低だってことぐらい分かってる。分かってるけどあのお姉ちゃんだよ?あのお姉ちゃんが誰かに恋をして、しかもこんなテンプレ通りのラブレターを作って、更に今の今まで捨てずに大事に取ってあるなんて、こんなの妹の私からしたら笑うしかないんだよ!!

 

 

「相手は誰なんだろう?にこ先輩、早くラブレター開けてくださいよ!!」

「ちょ、ちょっと待って!流石にこれ以上はマズイんじゃあ……だってそのラブレターのシールを見る限り一回も開けられないみたいだし、もし秋葉先輩がそのラブレターを見たら、誰かがラブレターを見つけて開けたってことがバレると思うのよ」

「何よ絵里、ここまで来て怖気づいたの?先輩の初恋の相手が気にならない訳?」

「き、気になると言えばもちろん気になるわよ。私たちの面倒をよく見てくれてる先輩でもあるんだし……」

「別に見てもいいんと違う?ウチとしては、このまま先輩の初恋の謎を抱えたままこの先を生きていくなんて耐えられへんし。それに後日先輩と会った時、うっかり口を滑らせてしまいそうや♪」

 

 

 にこ先輩も希先輩ももはや心がブラックに染まりに染まりきっている。普通の女性の初恋ならここまで盛り上がらなかっただろうけど、今回の話題の中心はお姉ちゃんなんだもん、そりゃあ自分でも感じたことのない真っ黒な欲望が心の内から湧き出てくる訳だよ。これはもうラブレターを見るしかない!!

 

 

「見たくないなら絵里先輩は研究室から出て行ってください。もしお姉ちゃんにバレても、絵里先輩は関与してないって言いますので」

「楓にそう言われると疑いしかないのよね……はぁ、分かった、私も見るわよ。興味がないこともないしね」

「よしっ!じゃあそうと決まれば早速開封するわよ!!」

「早く、にこ先輩早く!!」

「急かさない急かさない!!」

 

 

 にこ先輩はラブレターを破かないよう、慎重にハートマークのシールを剥がす。もし上手いこと剥がれたら、開封したことがバレずに済むかもしれないもんね。

 

 いつになく真剣なにこ先輩だけど、先輩も早くラブレターの中身を見たいという焦りがあるのか、シールを剥がす指がプルプルと小刻みに震えている。絵里先輩も希先輩ももう少しでお姉ちゃんの初恋の相手が分かると知ってか、ラブレターを凝視しながら固唾を呑んでいる。

 

 それは私も同じ。いよいよお姉ちゃんに復讐、逆襲、反逆……そのすべてを遂行するための材料が手に入る。あの憎たらしいお姉ちゃんを完膚なきまでに叩きのめし、地に這いつくばらせて土下座をさせるまでの一連の計画が頭をよぎってならない。

 

 

 たった1枚。この1枚のラブレターだけで、お姉ちゃんの吠え面を拝むことができるんだ。

 

 

 フフフフフフ……アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!

 

 

 

 

 私が勝利を確信して心の中で高笑いを決めているその時だった、私たちの後ろにある研究室の扉が開いたのは――――

 

 

「いやぁ~まさかこんなに早く日本(こっち)に帰って来られるとは!やっぱり日本の空気はいいねぇ~♪」

 

 

「な゛ぁ!?」

「に、にこ先輩!?」

「およ?みんなそんなところで固まってなにしてるの?」

 

 

 お、お姉ちゃん!!帰ってくるの早すぎだよ!!

 お姉ちゃんの突然の帰宅にももちろん驚いたけど、私たちが一番驚いたのはそこではない。

 

 私たちが何に驚愕したかって、驚いた勢いでにこ先輩がラブレターの一部を破ってしまったことなんだよ!!さっきまで慎重にシールを剥がしていた先輩の指が、驚きのあまり勢い余って滑ってしまったのがすべての原因。お姉ちゃんが帰ってきた時も心臓が飛び出そうだったけど、すぐ隣で"ビリッ"とラブレターが破れる音がした時は心臓が止まるかと思ったよ……。

 

 

 私たちに冷や汗が流れる。まだラブレターの中身を読んでいないこの状況、もしお姉ちゃんにこのことがバレたら私たちに反撃の手立てがない。少なくとも初恋の相手さえ分かればお姉ちゃんを苦しませることができるかもしれないのに……。

 

 

 この状況を脱するため、私たちはアイコンタクトで()()()対処法を考える。

 

 

(にこ先輩!とりあえずラブレター貸してください!!)

(ど、どうするのよ……?もうシールに封筒の紙が付いちゃったから、隠し通すのは無理よ!!)

(分かってます!!絵里先輩、希先輩!ちょっと適当な会話でお姉ちゃんの気を引いてくださいません?)

(えっ!?私たちが!?)

(この状況で四の五の言ってられへんみたいやね……絵里ち!)

(分かったわよ……その代わり、全力で隠し通しなさい)

(もちです!)

 

 

 ここで会話が成立するのもμ'sの絆の強さのおかげだね♪なぁ~んて余裕を振りかざしている場合じゃないんだよねぇ~……とりあえず先輩たちがお姉ちゃんの気を引いている間に、何とか対策を練らないと。

 

 

「先輩、やけに早いお帰りですね……」

「そうなのよぉ~!向こうでの会議が意外と早く終わってね。でも私としては、早くこっちに帰ってこられて嬉しいけど」

「そうなんですか……こちらはあまり掃除が進んでいなくって……」

「いいよいいよ!私が無理矢理頼んだんだし。今から私もやるからさ」

 

 

 よしっ、いいですよぉ絵里先輩、希先輩!そのままお姉ちゃんの気を引いてくださいね。

 

 そして私もやることをやらないと……。まずラブレターのシールに封筒の破れた紙が引っ付いてしまった時点で修復は不可能。だけど破れたのは封筒の部分だけで、肝心の中身の便箋は無事みたい。このまま写真立てに戻すのもアリだけど、正直な話、ラブレターの内容を読んでみたいという気持ちはこの状況でも変わらない。

 

 

 だったら、取るべき選択肢はただ1つ!ラブレターの中身を――――――盗む!!

 

 

(か、楓!?アンタさっきラブレターの中身、ポケットに入れたわよね!?)

(見たいんですから仕方ないでしょう!!それに今の今までラブレターを開封した形跡がなかったってことは、お姉ちゃんがラブレターを読み返したことはないということ。つまりこうすればいんですよ)

 

 

 私はカラになったラブレターの封筒を、私たちの幼い頃の写真と写真立ての間、つまり初めに隠してあった状態と同じ状態になるように戻した。これで写真立ての中身を覗かない限り、ラブレターが開封されたってことには気付かない……と思う。

 

 

(先輩!もう大丈夫ですよ、とりあえず応急処置は施しました)

(そう……なんかどっと疲れたわ)

("ラブライブ!"以上の緊張やったかも……)

 

 

 バレる可能性は0ではないけど、バレたらその時はその時だ。それに私にはとっておきの秘密兵器がある。たった今ポケットの中に入れた1枚の紙切れ、それだけでお姉ちゃんを屈服させることができるかもしれないんだから……フフッ♪

 

 

「あれ、楓ちゃんも来てたんだ。やっほ~!」

「やっほお姉ちゃん♪またこんなに部屋を散らかして、ちゃんと定期的に掃除しないとダメだよ!!」

「楓ちゃん、なんか今日テンション高くない?いつも顔を合わせるといや~な顔するのに」

「えぇ~そんなことないよぉ~♪」

「楓、あなた……」

「ん?どうしたんです絵里先輩?ほら、ちゃっちゃと掃除しちゃいましょう!」

「楓ちゃんの笑顔が黒い……」

「本当に神崎兄妹は、似た者同士ね」

「???」

 

 

 状況が飲み込めず、頭にハテナマークを浮かべるお姉ちゃん。フフッ、その表情可愛いねぇ~。

 さぁ~て、今後どうやってお姉ちゃんを料理してあげようかなぁ~♪煮るなり焼くなり、蒸すなり炒めるなり、ポケットの中のこの紙切れさえあれば何だってできちゃうんだよねぇ~。もう私はお姉ちゃんの実験ペットじゃないよ。もしかしたらこの関係が逆転しちゃうかも……フフフ、楽しみだよ!

 

 

 

 

 そうやって笑っていられるのも今の間だけだから、覚悟しておいてね、お姉ちゃん♪

 

 




 え?秋葉さんの初恋の相手が明かされてないだって?またまたぁ~(笑)


 今回は秋葉さんの過去を少しだけ明らかにしてみました。そうは言っても話の主体が秋葉さんだっただけで、楓の心情の方が目立っていた気もしますが。秋葉"ちゃん"の可愛い姿を期待していた方は済まない。次回以降に期待してもらえれば!
結局初恋の相手は明かされませんでしたが、また機会があれば楓が盗んだラブレターの中身を公表しようかなぁと思っています。もしかしたら、いやもしかしなくても彼女の初恋相手を誰だか予想できる人が大半だと思いますが(笑)

 そして次回以降のいつになるかは分かりませんが、暴走天使楓ちゃんの復讐劇の幕が遂に上がるかもしれません……。


 ちなみに今回、秋葉さんの初恋という新しい設定が明かされたのですが、それ以外にもう1つ『新日常』が始まって以来初めての出来事が起きています。分かった人はいますかね……?


 一応次回は復讐劇……ではなく、穂乃果と雪穂回になる予定です。

 『穂乃果』+『雪穂』=『姉妹丼』

 よし、神回ですね!!(笑)


 そしてここからは宣伝です!
 私と同じハーメルンのラブライブ!小説の作家である、たーぼさんが執筆されている小説『ラブライブ! ~奇跡と軌跡の物語~』とのコラボ小説の制作が決定しました!既に相手方の小説では宣伝されているので、知っている方も多いかもしれませんね(笑)
たーぼさんの小説が先日一周年を迎えたということで、相手方の小説共々盛り上げられるように全力で頑張ります!
そしてまだ相手方の小説をまだ読んでないよという方は、コラボ小説の投稿までに是非読みに行きましょう!

 という訳なので、応援よろしくお願いします!

 投稿日についてはまだ未定なので、決まり次第最新話の後書きにて報告していきます。


新たに高評価を入れてくださった

kokitukaiさん

ありがとうございました!


Twitter始めてみた。
 https://twitter.com/CamelliaDahlia
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