ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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 今回は真姫回です!
 前回の絵里回同様の元ネタを参考にしてみたのですが、文字にしてみると思った以上に犯罪臭がプンプンと(笑)


ツンデレっ娘と一心同体!?

 

「はぁ?真姫の様子がおかしい?」

「うん。そうなんだよねぇ」

 

 

 今まさに寝ようとしていた時、突然楓が俺の部屋にやって来た。

 また一緒に寝ようとか言い出すんじゃないかと思ってたけど、彼女の口から出たのは真姫の様子が最近いつもと違うという、彼女としては珍しく他人を心配する言葉だった。

 

 

「様子がおかしいって、どうおかしいんだよ?」

「なんだかぼぉ~っとしてたり、難しそうな顔してたり、思い当たる節は結構あるんだよ」

「そうなのか。俺が見る限りではそんなことないような気がするんだけど……俺が気付いてないだけなのかなぁ」

 

 

 彼女たちの様子を伺うために常にアンテナを張っているなんて、そんな精神力が削れることはしていないけど、彼女たちの異変にはこの俺がいち早く察知するべきだった。恋人として、そして仲間として、共に歩いて行くと決めたのに……。

 

 でも今はそんなことで悩んでいても仕方がない。目下の目標は真姫の様子がおかしい原因を探ることだ。

 

 

「その様子だと、お兄ちゃんは全く心当たりがないみたいだね」

「あぁ、情けねぇけどな。言い訳じゃないけど、真姫は悩み事があっても自分の中で溜め込むタイプだから」

「こっちから聞き出さないと原因は分からないってことか」

「そうそう。素直じゃねぇからなアイツ」

 

 

 いくら俺に相手の様子を察知する能力があっても、根本的に解決するには相手から悩みを打ち明けてくれないとどうしようもない。真姫はそこのところが不器用だから、こっちから聞いても中々打ち明けてくれないことがあるんだよな。

 

 

「どうするのお兄ちゃん?」

「そりゃあ解決したい決まってるだろ。でも平日は放課後くらいしか会えねぇし、その放課後はμ'sの練習だしで、中々聞く暇がねぇんだよな」

「休日は?」

「俺が家から出たくない」

「本当に悩み解決する気ある……?」

「アイツに悩みがあるかってのはお前の推測なんだろ?そんな推測に休日を潰されてたまるか。真姫の様子は俺が自分の目で見極める」

 

 

 真姫は最近少なくとも俺の前では苦い表情を見せたことはないが、単なる思いすごしで済ますのは俺自身が気になってしまうため、見過ごす訳にはいかない。上手いこと休み時間に呼び出して聞いてみるのが得策かな。

 

 

 そしてもう1つ気になるのが、ここにいるコイツ、楓だ。

 なんか妙に悪い顔をしているような気がするのは俺の思い過ごしか?俺の勘が告げている、今から良からぬことが始まりそうだから、全力で避けろと。

 

 

「実はねお兄ちゃん、私にいい考えがあるんだけどぉ~」

「却下」

「えぇ、どうしてぇ~!?」

「今のお前の顔。確実に良からぬことを企んでいる顔だから」

「フフッ、バレちゃったらしょうがないか……じゃあちょっくら手荒になっちゃうけど、許してね♪」

「お、おい!なんだそれは!?」

 

 

 楓は突然、おもちゃの光線銃の銃口を俺に向けてきた。

 単なる子供騙しのおもちゃなら俺は驚かない。でもそのおもちゃの正体をすぐに察してしまった俺に、大量の冷汗が流れる。

 

 

 この光線銃、絶対にmade in 秋葉だ!!

 

 

「はいばきゅーん!!」

「うわぁ!?」

 

 

 コイツ、なんの躊躇いもなく打ちやがった!?秋葉製の製品の取り扱いにはいつも注意しろって言ってんのに!!

 

 光線銃の銃口から一直線に光が放たれ俺の身体にぶち当たると、その光が瞬く間に全身を包み込む。この感覚……いつやらか感じたことがあるぞ。この身体が不自然なく変形していく、この異質でありもう慣れっこになっているこの感覚を!!

 

 

 そこで俺は一瞬気を失っていたのだが、目が覚めて気付いてみたら――――――

 

 

 

 

 パンツになっていた。

 

 

 

 

「おぉ~!さっすがお姉ちゃんの発明品!!まさかヒトをここまで本物そっくりのパンツに擬態させちゃうなんて。可愛いパンツだよお兄ちゃん♪」

 

 

 パンツ、パンツ、パンツぅううううううううううううううううううううううううう!?なんでこんなことになってんだぁあああああああああああああああああああ!!

 

 今までガキになったり女の子になったりしたことは数あれど、無機物になってのはこれで――――あ、2回目か。そういやスポンジになって絵里と希の身体を洗ったこともあったっけ。だから光線銃のあの光に慣れていたのか……。

 

 

「お兄ちゃんがスポンジになった時のメカを小型化したモノらしいんだよ。この前お姉ちゃんの研究室を掃除した時に勝手に持ってきちゃった♪」

 

 

 怪しいモノをこの家に持ち込むなってあれほど言ってるだろ!!

 ――――と声を出そうとしても出せない。そりゃあパンツになってるんだから仕方ないか。

 

 

「作戦はこうだよ。話によると、真姫先輩は朝シャワーを浴びるらしんだよね。だから私が夜中にあらかじめ先輩の家に忍び込んで、パンツになったお兄ちゃんを洗面所に仕込んでおくの」

 

 

 忍び込むって、また物騒なことを……でも待てよ、そうなるとパンツとなった俺は真姫に履かれるってことだよな……?

 

 

「だからお兄ちゃんは真姫先輩の下着となって、先輩の悩みを探ってきてね♪無理矢理聞き出したら誤魔化されるかもしれないし。あぁ、でもできることなら私が履きたかったなぁ~」

 

 

 まぁパンツにされた時点から大体こうなるだろうとは予想が付いていたよ。真姫の悩みを解決するためとはいえ、バレたら確実に俺をパンツごと八つ裂きするだろうな……。

 

 

「一応念には念を入れて先輩が朝シャワーを浴びたくなるように、寝ている間寝室の暖房をフルパワーにしておいてあげるよ!これで先輩は汗だくになって、確実に朝シャワーを浴びるはず」

 

 

 賢い手なのかそうでないのかは別として、やっていることは完全に嫌がらせの何物でもない。楓の奴、真姫の悩みなんて二の次で、この状況を存分に楽しんでやがる。まあいつものことだがな……。

 

 

「それじゃあお兄ちゃんはちょっと眠っててね!催眠ガスだから、気にしなくても快適な眠りをサポートしてくれるよ!えっ、どうして眠らせるのかって?だって変に暴れられたら、侵入した時に見つかってしまうかもしれないでしょ?ということで、は~いプシュー♪」

 

 

 ゲホッ!ゲホッ!!コイツ、有無を言わさず催眠ガスを吹きかけやがった!!スプレー缶から大量がガスが放出され、パンツとなった俺を包み込む。しかも自分はちゃっかりいつの間にかガスマスクを装着しているし、ただのイタズラにどれだけ用意周到なんだよ!!

 

 ダメだ、抵抗する間もなく眠気が襲ってきやがった。でもこの状態じゃどうすることもできないし、ここは腹をくくって真姫の下着に成りきるしか…………

 

 

「おやすみ、お兄ちゃん。先輩のために頑張ってね♪」

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 そして再び気が付いた時には俺は、真姫の家の洗面所にいた。

 初めは夢であってくれと願っていたのだが、この高級感煽るる無駄に広い洗面所を見渡せる辺り、残念ながら俺は正真正銘のパンツとなっているようだ。しかも楓によると、かなり可愛いパンツになっているみたいで……。

 

 

 窓の外から光が差し込んでいるので、どうやら今は朝みたいだ。

 何より、風呂の中から聞こえてくるシャワーの音にドキドキしてならない。今まで幾度となく女の子のシャワー音を聞いてきたのだが、これほど心臓(パンツの俺にあるのかは知らないが)がバクバク不規則に鼓動するのは初めてだ。今から真姫の局部に直接触れると思えば、そりゃあねぇ……。

 

 

 すると遂に洗面所の扉が開いた。

 そこには、そこには、バスタオルを手に持った真姫の姿が!!水も滴るいい女とはまさにこのことか!!髪や肌から垂れる雫がなんとも艶かしくて色っぽい。

 

 

「ふぅ、昨日はやたら蒸し暑かったわね。まさか部屋の暖房が入っていたとは思ってなかったわ」

 

 

 み、見えた!!真姫の生まれたままの姿を、この目でしっかりと捉えてしまった!!

 俺の手にジャストフィットする程よい胸、引き締まったスタイル、そして今から俺が守ることになる、彼女の大切なところが!!なんか興奮して鼻血出そう!!パンツだけど鼻血が出そう!!

 

 

 そして真姫はバスタオルで自分の身体を拭きながら、パンツとなっている俺に手を伸ばす。

 右足を通し、左足を通し、ふくらはぎ、太ももを経由しつつ、最終的にはもちろん――――――

 

 

 彼女の大切なところへ、ピタッとくっついた。

 

 

 ふぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!

 真姫の大切な部分のカタチがそのままそっくり俺に伝わってきやがる!!まさかこんな形で彼女の局部に触れることになるなんて、もう自分がパンツだってことを忘れて興奮してしまいそうだ。いや、してるんだ!!それにシャワーを浴びた直後だからか、彼女の下半身がほんのり暖かいのが余計にリアルさを際立たせる。まだ彼女に履かれて数秒なのにもうオーバーヒートしてしまいそうだ。

 

 

「なんかこの下着、妙に暖いような……気のせい?」

 

 

 や、やべっ!俺が熱くなると同時にパンツも熱を帯びるのか……じゃあ下手に興奮することもできねぇじゃねぇか!!女の子の大切な部分に触れているってのに、今日一日中ずっと無心でいろっていうのか!?心頭滅却の境地に辿り着かない限り無理だろ!!

 

 だがもし見つかってしまうと、パンツごと廃棄に出される未来しか見えない。ここは彼女の悩みを解決するためにも、まずはその原因を探らなければ!もちろん無心で……って、できるかなぁ?

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 そしてただいま真姫さんは絶賛登校中!

 こんな実況ができるほど、一応心の平静を取り戻した――――かのように思えた。実際には家にいる時と登校中では明らかな違いがある。

 

 それは真姫が歩くために足を動かすたびに、パンツである俺も当然それに合わせて動いてしまう。そうすると伝わってくるのだ、彼女の大切な部分の感触が、手に取るように!!

 

 こんなことを言ったら究極の変態に思えるかもしれないが、今の俺は彼女のおしりと大切な部分の両方を撫で回している感覚なのだ!この感触がさっきから延々と繰り返されているんだぞ!?こんなの無心でいられる訳ねぇだろいい加減にしろ!!

 

 

 いつ気付かれるか分からない恐怖には怯えなければならないものの、気付かれなければこれほどの役得はないのでは?しかも今は彼女のパンツとなっているので、俺の全身で彼女の下半身の感触を味わっていることになる。こんな大胆なセクハラ見たことも聞いたこともないぞ……。

 

 

「ん……?」

 

 

 あっ、真姫が違和感を抱き始めた。パンツのことなのかは定かではないが、察しの良い彼女のこと、もしかしたら俺がパンツになっていることくらいバレてもおかしくはない。だってこれまで何度か秋葉の奇想天外な発明の犠牲になっているんだから、もう今更並大抵の仰天現象でも驚かないだろう。それくらい俺たちは訓練されてきているのだ。

 

 

 その後は無心には成りきれなかったものの、ある程度は慣れてきたので熱暴走だけは抑えることができた。だが結局真姫の局部とおしりに密着していることには変わりないので、いつまた興奮が煽られるか分からない。真姫たちのクラスに体育がないことを祈る!激しい動きをされたら俺が持たなくなりそうだから……。

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

「はーい!それじゃあストレッチを始めてくださーい!」

 

 

 俺の願いは儚く散った。フラグでもないネタでもない、まさか本当に体育があるとは……。

 歩いているだけでも真姫の下半身の感触が手に取るように伝わってきたというのに、あれ以上激しく動かれたら欲求が高ぶりすぎて果てちゃうよ俺。

 

 

 体育の先生の掛け声と共に、2人組でのストレッチが始まった。体操服姿の女の子のストレッチとか、男子の俺は中々見られない光景で非常にワクワクするのだが、残念ながら真姫の体操ズボンに阻まれて見ることはできない。

 

 会話から推測するに、真姫と花陽が組んでいるようだ。

 そして現在、真姫が両足を開いて地面へ座り、花陽が真姫の背中を前へ押して前屈のストレッチをしている最中なのだが、何がヤバイって、予想以上に食い込んでヤバイ!!何が食い込んでるって?俺と真姫のアレだよ察して!!

 

 

「真姫ちゃんどうしたの?調子悪い?」

「えっ、別にそんなことはないけど」

「けど……?」

「いや下着が――――って、なんでもない!!」

「下着……?まさかサイズが合ってないから苦しいとか?」

「……そう。ちょっと食い込んでるというか……ストレッチしながら話す内容じゃないわね」

「そうだね、あはは……」

 

 

 真姫の奴、相当違和感持ってるな……違和感が彼女に伝われば伝わるほど、俺がパンツだとバレた時の極刑が重くなっていくだろう。

 

 だが真姫が動くたびに反応して彼女の下半身を締め付けてしまう。もう俺自身が大人の玩具の一種のようだ。女の子を気持ちよくさせる玩具たちは毎回こんな気持ちを味わっていたんだな。俺は女の子を気持ちよくさせるのが仕事じゃねぇけど……。

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

「真姫ちゃーーーん!!英語の宿題見せてくれない?ちょこっと、ちょこぉ~っとだけでいいから」

「イヤ」

「もーー!真姫ちゃんのケチ!!」

 

 

 凛の奴、やってること一年前の穂乃果と変わらなんな……。

 そんな訳で体育の授業から何とか生還したのだが、肝心なこと、つまり真姫の悩みについては全く分かっていない。そもそも悩みどころかずっとパンツのことを気にしているみたいだし……折角彼女の悩みを解決するためにパンツになったのに、ずっとパンツのことを気にされたら結局本末転倒じゃねぇか。

 

 

「そういえばこの前真姫ちゃん、また男子に声を掛けられてたよね。相変わらず真姫ちゃん人気者だにゃ~!」

「最近また話し掛けられる回数増えたよね。もしかして、真姫ちゃんのことが好きだったりするのかな?」

 

 

 なんだとォ!?俺の真姫に手を出そうとしている輩がいるってのか!?凛と花陽の話が本当なら、俺はその男子を骨にして墓に埋葬しなければならない。

 

 あっ、もしかして、悩みっていうのはそのことだったりするのか?執拗い男子に付き纏われて困っているとか。でも彼女は言いたいことがあるならズバッとストレートに言う性格だし、いちいちそんなことでは悩まないと思うんだけどなぁ。

 

 

「さぁどうかしらね。多分そうだったとしても、適当にあしらうけど」

「そもそも凛たちは零くんたちと付き合ってるしねぇ~」

「流石に同じ彼氏と付き合ってるなんて言えないもんね……」

 

 

 言えないからこそストレートに断ることができず、諦めの悪い男子に付き纏われているとか?そうだとしたら俺も他人事じゃなくなってくるぞ。だけどこの問題に第三者の俺が安易に首を突っ込んでいいものかどうか……やっぱり恋愛は苦手だな。考えるだけでも頭がごちゃごちゃしてきやがる!

 

 

 いかん、考えすぎて段々熱くなってきた。これが知恵熱ってやつなのか?ただでさえ真姫と密着していて蒸し暑いのに、自分から熱くなったらそれこそ彼女にバレてちまうぞ!?とりあえず軽く息を吐いて冷却しよう。彼女に気付かれないように細心の注意を払いながら……。

 

 

「!?」

「真姫ちゃん、どうしたの……?」

「凛、宿題見せてあげるから自分の席に戻りなさい」

「わーい!ありがとう真姫ちゃん!!」

「も、もしかして、さっき言っていた下着のこと?」

「えぇ、なんだか湿っぽくて」

「さっき体育だったからじゃない?今日は結構気温も高いし、いつもより汗かいちゃったんだよ」

「そうなのかしら……」

 

 

 なんか思った以上に怪しまれてる!?もしこれが秋葉の発明品のせいだと気付いた暁には、この2人が真実へ辿り着く時も近い。何とか心を落ち着けて平静を保たなければ!今の俺は真姫を守るパンツ!!彼女の大切な部分をガードするパンツなんだ!!神崎零じゃない、彼女のパンツだ!!

 

 

「気になるから、μ'sの練習前に一度家に帰って着替えてくるわ。みんなには忘れ物して遅くなるって言っておいてくれる?」

「うん、分かった」

 

 

 ふぅ~とりあえず助かった。体育よりμ'sの練習の方が動きが激しいから、練習の時もパンツのままだったら確実に彼女の下半身をグイグイ押し付けられて窒息死していたな……。女の子の大切なところで死ぬのなら本望だけど。

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 現在、真姫は下着を着替えるために一旦学院から下校中。

 11月なのにも関わらず今日はいつも以上に蒸し暑かった。そのせいでパンツは蒸れ蒸れになるし、真姫には何度も怪しまれるしで散々だったぞ。それに彼女の悩みに関しても一切収穫がなく、唯一楽しめたのは彼女の下半身を全身で感じられたことくらいだ。

 

 

「はぁ、いちいち家まで戻るのは面倒ね。今まで下着に違和感なんて感じたことないのに……」

 

 

 そりゃあ自分の彼氏がパンツに擬態しているなんて今までなかっただろうからな。俺だって真姫の感触を味わったことと引き換えに、多大なる精神力を削がれてしまったから、こんなことになるのは後にも先にもこれ一回にして欲しい。これも秋葉や楓のさじ加減だけどさ……。

 

 

 

 

 その時だった。俺の身体に異変が起きたのは。

 パンツとなった俺の身体から僅かに煙が出始めていた。それに俺が意図していないのに俺の身体が、勝手に彼女の下半身をぎゅうぎゅうに締め付けている。

 

 

「ちょっ、なによこれ!?そ、そんなところに……んっ!!」

 

 

 真姫のおしりや大切なところに、俺の身体がどんどん食い込んでいく。本来ならその感触を楽しみたいのだが、この後に起こるであろう展開を予測すると、呑気にそんなのを楽しんではいられない。それに身体がぐにゃぐにゃと押しつぶされる気持ちの悪い感覚で、それどころでもない。

 

 

「あっ、はああっ!」

 

 

 真姫は道の真ん中で色っぽい声を上げているが、俺はそれを気にする余裕もなかった。

 

 そして誰もが予想していたであろうことが遂に現実となる。

 煙が真姫を中心として煙幕となって広がった。その瞬間、俺はさっきまでの押しつぶされた感覚から一気に解放される。動く、手も足も身体全体も……だが、顔だけは真っ暗なままだった。

 

 

「けほっ、けほっ!もう、一体なんなのよ……!!」

「むぐぐぐ……」

「れ、零!?」

 

 

 俺の顔面には、真姫が跨っていた。もちろんパンツとなっていた俺はもう人間に戻ったため、今の彼女のスカートの中は当然――――――

 

 

 

 

 そして閑静な住宅街に、手のひらと頬っぺの衝突音が甲高く鳴り響いた。

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

「で?私の悩みを探るため、秋葉さんの発明品を使って私の下着に擬態していたと……」

「…………」

「…………」

 

 

 俺は真姫から頬に特大級の平手打ちを貰ったあと、密かに後をつけていた楓と共に俺の家で正座をさせられていた。さっきからイライラしたりため息を繰り返したり、怒りと呆れを交互に繰り返しているようだ。今回ばかりは流石に同情するよ。

 

 

「いやぁまさかこんなに早く効果が切れるとは思ってなくって。ゴメンなさい先輩♪」

「謝るのはそこじゃないでしょう!!まず人のパンツに成りすまそうとする、その穢れた発想を反省しなさいよ!!」

「ご、ゴメンなさーーい!!」

 

 

 楓は冗談交じりで謝るも、キレにキレている真姫に圧倒されてしまった。楓が素直に謝罪の言葉を口にするなんて珍しいぞ。それだけ今の真姫に恐れをなしているってことか。それは俺もだけどさ……こんな鬼の形相の彼女初めて見た、今にも首を刈り取られそうなんだけど……。

 

 

「今日のことといいこの前の旧講堂のオークションといい、アンタのことで頭を悩ませていたのよ!!ちょっとは反省しなさい!!」

「えぇ!?私が原因だっただなんてーーっ!!」

 

 

 なるほど、真姫は楓のことで悩んでいたのか。だから俺の前で悩んでいるは姿を見せず、楓の前では苦い表情を見せていたんだな。悩みの原因は楓なんだから、そりゃあそうなるわ。

 

 

「まあまあ、一応楓はお前のことを心配して――――」

「あなたは黙ってて!!」

「はい……」

 

 

 結局、真姫の説教は2時間以上も続いた。

 今日のμ'sの練習に参加できなかったことは言うまでもない……。

 

 

 

 

 ていうか、今回俺も被害者だよね!?

 




 素直な話、真姫ちゃんのパンツになりたい人はたくさんいるはず(断言)


 今回は真姫回でした!
 最近元ネタとなった漫画を一気読みした影響で、ネタの引用が2連発になってしまいましたが、やはりこのネタの発想力は素晴らしいものです。私ももっと勉強しなければ!

 これで新章に入ってからμ's全員のメイン回は一通り完了しました。これからはいつも以上にまたのんびりと執筆していきましょうかね。そして零君自身の回、俗に言う真面目な回も今後予定しています。


 そして次回はいよいよコラボ回です!まだ相手方の小説を読んでいない場合は是非今の間に読んでおきましょう!
 たーぼさんの小説『ラブライブ! ~奇跡と軌跡の物語~』とのコラボ小説は2月7日(日)の21時に投稿予定です!


新たに高評価を下さった

絢未さん

ありがとうございました!


Twitter始めてみた。
 https://twitter.com/CamelliaDahlia

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