ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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 最近ラブライブの小説が増えてきて、私も色々と読みあさっているのですが、その度にこの小説って他の方のラブライブ小説よりかなり異質な気がしてなりません(笑)


神崎零の災難過ぎる朝

 

 

『今日の運勢、第一位はいて座のあなたです!』

 

 

 たとえ占いに全くの興味がなくても、朝の情報番組で2、3分流れる星座占いを見てしまう人は多いのではないだろうか。朝食を取りながら見る人もいれば、出かける身支度をしながら見る人、それも終わって家を出る時間まで多少ウトウトしながら見る人もいるだろう。特に暇ではないが、忙しくもない。ついつい他事をしていてもチラッと見てしまうのが、朝の占いというものだ。

 

 

「一位だ……」

 

 

 俺も希の占いをバカにするぐらい興味ないが、パンをかじりながらついついそこだけは見てしまう。自分の星座が上位に君臨すれば、少しだがホッと安心する。説明はできないが、微妙な嬉しさがこみ上げてくるのは俺だけか。

 

 ちなみに俺はいて座で今日の占いは1位であった。

 

 

『いて座のあなたは、想っている異性に向かって行動するチャンス!あなた自身を存分に見せつけて、異性のハートをぎゅっと鷲掴み!ただし突然のハプニングにはご注意を!』

 

 

「うさんくさ……」

 

 

 元々占いコーナーの時間自体が短いのは分かるが、曖昧なことを言ってお茶を濁すのは止めてもらいたい。だが朝の占いコーナーなんて家を出る頃にはだいたい忘れているのがオチである。

 

 

「着替えよ……」

 

 

 少しウトウトしながらも、朝食を食べ終える頃には自分の占い結果など記憶の彼方で……

 

 

 

 

 …………

 

 

 

 

 あれ?これってなんかデジャヴ?前にもこんなことがあったような気がするし、ほぼ同じセリフを喋ったような気もする。しかも今日の『異性のハートをぎゅっと鷲掴み!』ってやつ、もう既に俺は穂乃果たちのハートを掴んでいるから関係ないな。ハプニングが起きることもないだろう。所詮占いは占いだ、当たる方がどうかしている。

 

 眠くてそんなことを考えるのもメンドくさくなったので、とっとと2階に上がり自分の部屋へと直行する。眠気でウトウトしながらも、部屋のドアを開け放つ。すると――――

 

 

「な゛っ!?」

「お、お兄ちゃん!?た、食べ終わるの早いね……」

 

 

 そこには俺のベッドで寝ている楓の姿があった。しかも俺の枕に顔を埋めて……

 こういう時ってどうしたらいい?自分の妹が兄の枕をクンカクンカしている姿を見てどう対処すればいいのか、最良の選択を教えて欲しい。

 

 

「着替えるから出て行け……」

「えぇ~!?い・や♪」

「相変わらずウゼェな……いいから出て行け!!」

「きゃあっ!!」

「な、なにぃ!?!?」

 

 

 ミノムシのように布団にくるまっていた楓から衣を抜き取ったら、そこには衝撃的な姿が映し出された。

 下着姿ってお前……俺の布団と枕でナニをやっていたんですかねぇ……!!

 

 

「きゃぁ~!!お兄ちゃんのエッチぃ~!!」

「うるせぇ!!妹のそんな姿を見ても興奮しねぇよ!!とっとと着替えて出て行け!!今日お前日直だから早く家を出るって言ってただろ!!」

「くそっ!!日直なんて亜里沙に押し付けてくればよかったよ!!」

「やめろやめろ」

 

 

 使えるものは友達でも使う、それが楓クオリティだ。

 それにしても容姿端麗、スタイル抜群なだけあって下着姿は中々様になっている。これが妹でなければ今ここで襲っただろうがな。

 

 

 ん?これってもしかして朝の占い効果?でも今回俺は何もしていないけど……もう俺クラスになると勝手に向こうからハプニングが舞い込んでくるのかもしれない。もしかしたらちょっぴりアレな展開も訪れるのではないかと予想しちゃったり、しなかったり。何なら『R』指定の展開でも構わんぞ。

 

 

 

 

~※~

 

 

 

 

 朝から一騒動ありバッチリ目が覚めた俺は、一人でトボトボと登校をしている。春というのは『暖かい』というイメージが強いが、意外と天気が崩れやすく気温の変化も大きい季節だ。特に今日は最近の中ではかなり寒く、雲が俺たちと青空を遮断している。遂に春も反抗期に入ったか。

 

 

「あっ、零君じゃん!!おはよう!!」

「おはよう零君」

「穂乃果に雪穂か、おはよう。お前ら朝から元気だな」

 

 

 俺の家と穂むらが近いこともあってか、登校時はコイツらとよく出会う。いつもなら大抵楓もいるため、穂乃果と合わさり朝からうるさいことこの上ない。朝ぐらい俺もゆっくりしてぇよ……

 

 

「おい穂乃果、そんなに走ると危ないぞ」

「大丈夫大丈夫……って、うわぁ!!」

「ちょっ!?お前!!」

「あうぅっ!!」

「いてっ!!ほら言わんこっちゃない!!」

 

 

 案の定穂乃果はつまずいて転んでしまったが、何とか俺が下敷きとなったため地面との接触は逃れられた。ていうかいきなりハプニングが舞い込んできたんですがそれは……

 

 

「イタタ……ありがとね零君。下敷きになってくれて……え?」

「ん……?あっ……」

 

 

 あっ、この柔らかい感触はあれだ、穂乃果の"ほむまん"だ。なんて下ネタみたいなこと言っている場合じゃねぇ!!俺は穂乃果を受け止めようと両腕を前に出してそのまま倒れてしまったため、穂乃果の胸を両手で鷲掴みにしていたのだ!!

 

 これは……触り続けよう。

 

 

「あっ、零君ダメだよ……」

 

 

 て、抵抗されない……むしろもっとやって欲しいかのように恍惚な表情で俺を見つめてきやがる。くそっ!!そんな目で見られたら俺も引けねぇじゃん!!そうだよ!!俺たちは恋人同士なんだ!!弄り合って何が悪い!!

 

 

「……ん?殺気!!」

 

 

 隣から尋常ではないほどの殺気を感じたため、俺は首を顔1つ分横へ動かす。その瞬間だった、耳元で地を揺さぶる衝撃音が聞こえたのは。

 

 

「チッ、外しちゃった……」

「ゆ、雪穂……さん?」

 

 

 俺の顔のすぐ横には雪穂の靴があり、地面との接触面からは煙が上がっていた。雪穂の踏みつけ攻撃は道路にはヒビが入るほどの威力なのか……?さっきもの凄い音がなったけど、もしかして雪穂って人間辞めてる?

 

 

「惜しかったなぁ~、もう少しで鼻の高さがマイナスになる人の顔を拝めたのになぁ~」

「こえぇよお前!!」

 

 

 雪穂のツッコミスキルは前回の一件以降より鋭くなっている。特に俺に対するツッコミは容赦がなく、海未同様の制裁を加えてくることもしばしば。こうなるんだったらクイズなんて出さなきゃよかった……

 

 

「れ、零に穂乃果!?何をしているんですか!?」

「ま、まさか2人ともこんなところで……きゃぁ~~大胆♪」

 

 

 とてもバッドタイミング!!海未とことりまでやって来てしまった!!

 海未は相変わらずこのようなことに耐性がないのか顔を赤面させているし、ことりに至ってはまた妄想の世界に入り込んでしまっている。制止役の海未が来てくれたことに喜ぶべきか、ことりの妄想に巻き込まれることに恐怖するべきか、どちらのせよカオスな状況になることは間違いない。

 

 

「あっ、海未ちゃんにことりちゃん、おはよ~」

「『おはよ~』じゃありません!!どうして零の上に跨っているのですか!?」

「ちょっとドジっちゃって……アハハハ……」

 

 

 それでもなお俺から離れようとはしないんだな。恋人として嬉しいのやら、このままだとまた制裁をもらいそうで悲しいのやら……

 雪穂もさっきから冷たい目で俺を見下してくるし。もっと後輩から慕われるような先輩になりたいものだ。もう遅い?

 

 

「零君もいつまでもそんなところで寝てないで早く起き上がりなよ」

「そう思うなら、まずお前のお姉ちゃんを引き剥がしてくれ……」

「ほら、お姉ちゃん!!零君が困ってるよ」

「えぇ~離れちゃうの~?」

「じゃあこの続きはまた今度な」

「わ~い♪」

 

 

 穂乃果は可愛い!!(確信)

 今突発的に続きとか言っちまったけど、この先って何をすればいいんだ?もしかして男女の営みってやつか。まさか高校生でそんなことを……

 

 

 そこで俺はなんとなしに穂乃果を眺めた。

 

 

「ん?」

 

 

 ぐふぅっ!!キョトンとした顔で首をかしげている穂乃果が可愛すぎて萌え死にそうだった。首を傾けた時に自慢のサイドポニーが揺れるのも可愛い

。もう営んでいいんじゃねぇかこれ!!海未や雪穂がいなければ、俺は間違いなく穂乃果に飛び込んでいただろう。

 

 

「いいから早くそこから離れる!!」

「ちょっと!!首根っこ掴むな!!分かった分かった!!」

 

 

 雪穂は俺の首根っこをガシッと掴み、そのまま横たわっていた俺をグイッと持ち上げた。

 コイツのどこにそんな力があるんだよ!?やっぱり人間辞めてるじゃん!!

 

 

「さっきの続きとは……一体どういうことです?」

「え゛っ!?さ、さぁな」

「とぼけても無駄ですよ。この耳ではっきりと聞きましたから」

 

 

 YA・BA・I!!以前海未からプライベート以外では健全なお付き合いをするように言われたばかりだ。つまりこれだけ女の子と密着し合うのは完全にアウト!!しかも胸まで触ったとコイツに知られたら……

 

 

「零君がさっきまでお姉ちゃんの胸を触っていました」

「オイ雪穂ォ!!なんで言っちゃうんですかねぇ!!」

「零君は一度反省した方がいいよ」

「ドS過ぎる!!そんなに俺が痛み付けられるところを見たいのか!?」

「見たいですよ、変態にはいい薬ですからね♪」

「あっそう……」

 

 

 やっぱり雪穂はドSだった!!しかもニヤニヤしやがって……明らかに俺で遊んでいるだろコイツ。いずれ、いずれ絶対雪穂を快楽の底に沈めて弄んでやる!!俺の復讐は怖いぞ!!

 

 

「零、覚悟はいいですね?約束を破った罰はしっかりと受けてもらいますから」

「そうはいくかよ、俺には奥の手があるんだ」

「奥の手……?」

「ことり!!助けてくれぇ~!!」

「――ってことり頼りですか!?」

 

 

 このような戦争が起きた時は大体大天使ことり様が助けてくれるんだ!!むしろ助けてもらわなければ困る!!久々に"いつものオチ"で終わりそうだからな!!

 どうでもいいけど、『久々に』と『いつもの』って矛盾してるよね?

 

 

 それはさておき、雪穂に首根っこを掴まれたままの俺は身体を捻って雪穂の拘束を解き、そのままことりの方向へ向き直る。だがそんなその一連の行動に俺の身体が着いて来ず、俺は自分の脚をもう片方の脚に引っ掛けてしまった。

 

 

「うわっ!!」

「れ、零くん!?」

 

 

 今度は俺がことりに向かって倒れ込んでしまう。しかしことりの柔らかいクッションのお陰で俺たちは地面に倒れることはなかった。あれ?柔らかいクッション?ことりって枕なんて持ってきてたっけ?合宿にはマイ枕を持参していたのは知っているが、学校に持ってくるものではない。じゃあ俺の顔に当たっているこの柔らかいモノはもしかして……

 

 

「零くんとても大胆だね♪」

「こ、これってことりの……」

 

 

 穂乃果よりも大きいことりのクッションのお陰で何とか命拾いした。

 それにしてもことりのクッションは柔らかい。このままこのクッションで眠りたいぐらいだよ。もうこの話はこれで終わっていいですか?ダメですか、はい……

 

 

「きゃっ!!零くんくすぐったいよぉ♪」

「じゃあもっと顔をうずめてやろう!!こんなけしからん胸をしやがって!!」

「きゃぁ~♪」

 

 

 これ傍から見たら明らかに犯罪者なのではなかろうか?今まさに海未や雪穂に通報されるだけで人生が終わってしまうような気がしてならない。ことりもことりでかなり乗り気だし、このまま突っ切ってやろうか?

 

 

「いいなぁ~ことりちゃん。穂乃果も零君の枕になりたいよ」

「その発言は色々と危ない気がするぞ……」

「カモン零君!!穂乃果も枕になってあげるよ!!」

「ダメぇーー!!零くんの枕になるのはことりだもん!!」

「ことりちゃんばっかズルいよ!!零君は穂乃果たちの共有財産だよ!!」

「ちょっと待て、せめて人扱いしれくれ」

 

 

 たまにあるんだよな、穂乃果とことりが俺を奪い合うことが。そこでプチ修羅場になるのだが、大概海未に止められて有耶無耶にされてしまう。そして犠牲になるのは何故か毎回俺。俺なら殴ってもいいという風潮をまずどうにかしたい!!

 

 

「ねぇ海未ちゃん」

「何ですか雪穂?」

「毎回こうなるの?」

「えぇ、穂乃果とことりが争うこともたまにありますね」

「これは誰が悪いの?」

「とりあえず、零のせいにしておけば問題はありません」

 

 

「待て待て待て!!聞こえてるからな!?淡々と会話してるけどぜぇーーんぶ聞こえちゃってるから!!」

 

 

 さっきのに加えて、全部俺のせいにしておけばいいという風潮もどうにかしたい!!

 海未と雪穂は、影で俺の命を狙っているかのように淡々と会話を繰り広げていた。これではいつW制裁が来てもおかしくはない。この状況を切り抜けるには……

 

 

「穂乃果!!ことり!!なんとか……」

 

「いつまで零君の枕になってるの!!穂乃果も零君を抱き枕にしたいよ!!これから常時携帯するぐらいにはね!!」

「ダメダメ!!いくら穂乃果ちゃんでも渡せない!!このまま零くんを持ち帰って、一生ことり専用抱き枕にするんだもん!!」

 

 

 さっきからこの2人の会話がスゴイことになっているんですけど……むしろスゴイというか怖い。『常時携帯』とか『一生』とかヤンデレじゃないんだからそんな恐怖を煽るような発言はやめてくれ!!冗談、だよね……?

 

 

「じゃあ零君に決めてもらおうよ!!ねぇ零君!!」

「な、なんだよ!?」

「穂乃果の胸とことりちゃんの胸、どっちが気持ちよかった?」

 

 

「「「はぁ!?」」」

 

 

 これには俺だけでなく海未と雪穂も同時に驚いた。

 何を言っているのでしょうかこの穂むらの娘さんは?どっちが気持ちよかったって?そりゃあどっちも気持ちよかったに決まってる。ことりの柔らかなクッションみたいな胸もよかったが、穂乃果の胸の揉み心地もよかった。決められねぇよそんなの!!ここでバシッと決められたら、そもそも9股なんてしないだろ!!

 

 

「零くんどっち!?ことりたちに気を使わなくてもいいんだよ!!」

「そんな簡単に決められるわけ……」

「「決めるの!!」」

「はい……」

 

 

 これってどっちか選んだらもう一人の方は確実に不幸になってしまう。俺としては彼女たちのそんな顔は見たくない。だけどどっちか選ばないと海未と雪穂から制裁をもらう前に、穂乃果とことりから何かされてしまいそうだ。考えろ……どっちも幸せにしてあげられる方法を。

 

 

「もうその辺りにしておきましょう。下手をしたら零が暴走してしまいそうですしね」

「零君ってこんなに変態さんだったんですね……」

 

 

「ちょっと黙っててくれないか貧乳組!!俺は今穂乃果とことりを同時に幸せにする方法をだな……」

「…………」

 

 

 あれ?俺さっきなんて言った?しかも何かが切れた音がしたような。正確に言い換えるなら『キレた』と文字を変えるのが適切か。

 自分の思考と神経をこの状況打破のためにすべて注いでいたため、海未と雪穂に対する言葉が突発的なものになってしまった。だが時すでに遅し……このキレた音は間違いなく、その2人のものだ。

 

 

「…………」

「…………」

 

「お、お二人さん?何か喋ってもらわないとこちらも対応が……」

 

 

 海未と雪穂の表情は、前髪で隠れて全く見えない。それがますます俺の恐怖を引き立てる。

 そしてもうここは戦場なんかじゃない。一歩的な殺戮が行われる処刑所と化した。自分でも俺自身が絞首台への階段の一歩一歩を辿っているのが分かる。

 

 

「穂乃果、ことり……助けて……ってなんでそんな遠くにいるの!?裏切ったな!!!!」

 

「あーもう学校に遅れちゃうよーー」

「今日も楽しい一日になるといーねー」

 

「棒読みすぎるだろ!!何しれっと2人だけで登校しようとしてるんだ!?俺を無視すんな!!」

 

 

 アイツら……海未と雪穂のブラックオーラに怖気づいて逃げやがった!!さっきまで喧嘩してたんじゃねぇのかよ!!もう仲良く話してるし!!俺のことは完全無視かそうなんですね!!

 

 

「じゃあ俺も学院に行こうかな……」

「待ちなさい……話はこれからですよ」

 

 

 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!

 海未に掴まれている肩の骨が今にも破壊されそうでもの凄く痛い。今2人がどんな表情をしているのかは分からないが、それを確かめるために後ろを向いたら最後、命はないかもしれない。

 

 

「海未ちゃん……よくこんな先輩と付き合ってるね」

「全くどうしようもない人で困ってますよ。これは彼女として、徹底的に彼氏を更生させる必要がありますね」

「私も参加していい?」

「いいですよ。雪穂もこれを機会に零を痛みつける快感を覚えるといいです」

 

 

 明らかに『更生』=『殺戮』となってやがる!!逃げようとしても海未が肩を掴む力は凄まじく、一歩たりとも動くことができない。だがヤンデレとなったみんなを救い出したのはこの俺だ。こんな状況、あの頃に比べたら屁でもない!!今から誰も傷つかずに終わる方法を実践してやる!!

 

 

「ひ、貧乳だって需要はあるさ……」

「一応遺言として聞いてあげましょう」

 

 

「俺が揉んで大きくしてやることで、胸の成長過程が楽しめるだろ?大きくなるならお前らもハッピーじゃないか!!そして俺も役得役得で両方幸せに……」

「最低ですね……最低」

「終わりなら、もういいですよね?」

 

「へ?」

 

 

 

 

 そして、俺の命がまた1つ散っていった……。

 

 

 貧乳でも別に気にしないのに……。

 

 

 

 

「まだ言いますか!!」

「聞こえてんのかよ!?!?」

 

 




 恋人同士になったんだからできるネタもある!!そう思っていたのですが、結局いつものオチに収束してしまいました。どこかの「いちゃこら」している平凡君みたいに自然な流れでイチャイチャできればいいんですけどね(笑)

 折角9股告白でハーレムを築いたのだから、そのようなネタもいずれは?そういえばこの小説以外にも9股告白した小説があるとかないとか……是非これを機に探してみてください。9股告白なんて最低ですね!!(自虐)



 以下は全くもって蛇足です。今まで温めていた零君設定集となります。シリーズ累計130話にもなりますから、設定だけでなく文字数がかなり多くなったので暇な方だけどうぞ!!ちなみにシリアスを避けたい方のため、これを読めば『非日常』を読んだ気になれます(笑)


~登場人物紹介:その1~


神崎零(カンザキ レイ)

 『日常』『非日常』『新日常』の主人公。『日常』『非日常』では高校2年生、『新日常』では高校3年生。学院廃校の知らせを受け、たった一人でその解決策を考えていたところに、同じく廃校阻止のために動いていた穂乃果たちと意気投合する。それからスクールアイドルとして活動する穂乃果たちのサポートにあたることになった。

 学業は優秀で、海未や真姫に勉強を教えることができるほど。運動神経抜群、容姿端麗で周りからも評価されるほど完璧な人間で、零自身もそれをよく自慢する。だが性格にはそれをも覆すほど難がある。

 性格は自分でも認めるぐらいの『変態』であり、特にμ'sメンバーに対して容赦はない。だがあくまで紳士的に振る舞うことを信念にしており、彼女たちが本気で嫌がることは絶対にしない。しかし感情が高ぶったときはかなりドSになり、相手が拒否してでも無理矢理手を出す外道っぷりも垣間見える。

 特技は女性のスリーサイズを瞬時に見極めること。これによりμ'sのメンバーはダイエットをせざるを得ない。また記憶力がよく、知識の海と言われるほど様々なことに精通している。例えば弓道部員の海未とほぼ同じぐらい弓道の知識があるなど。さらに咄嗟の判断力や、みんなをまとめるカリスマ性も目を見張るものがある。

 趣味はμ'sのメンバーを弄ぶことと写真を撮ること。本人は記念撮影や思い出と偽って穂乃果たちの写真を撮っているが、明らかに違う用途で使用されている。また極度の妄想グセがあり、妄想が限界に達すると口から言葉として漏れてしまう。それが原因で幾度となく制裁をもらっている。

 家族に姉(神崎秋葉)と妹(神崎楓)がいるが、それぞれ癖の強すぎる性格なため彼曰く、この世で一番会いたくない人たち。零が恐れる唯一の存在である。

 行動派な性格のため、『彼に任せておけばすべてが上手くいく』と言われるほど。その言葉を証明するように、μ'sメンバーが落ち込んだり葛藤したりしたときは必ず手を差し伸べ、彼女たちを導いてきた。μ'sのメンバーを集めたのは実質彼である。穂乃果たちにとってはそれが心の支えとなり、μ'sとして活動する気力の1つでもある。

 そのことからμ'sのメンバー全員から好意を向けられるが、当初は彼女たちから自分に好意を向けられることには慣れておらず、アプローチを仕掛けられても一部曖昧な対応で切り抜けていた。

 そんな完璧と称される彼だが、その性格がゆえ何事にも首を突っ込んでしまう。μ'sメンバーの心に勝手に入り込み、引っ掻き回したせいで彼女たちの恋心を歪んだものにしてしまった。それがμ'sメンバーをヤンデレ化させてしまう要因となる。

 ヤンデレ化した穂乃果たちは零を巡って互いに争い合い、それはまさに殺し合いであった。しかし零は自分の犯した過ちを反省しながらも彼女たちを一人、また一人と救い出し、死者・重症者が0という快挙を成し遂げる。

 その途中、この事態に陥った原因は自分だということに葛藤し、自分の身体が傷ついてでも仲間を助けるという捨て身の精神を持ってしまう。みんなを助けたいという想いだけが先行し、自分自身を殺してμ'sだけを守るロボットのような存在になってしまった。そのせいで彼から笑顔が消えてしまったが、今度は彼に助けられた穂乃果たちに助けられ、彼も再び笑顔を取り戻す。その一件以降は『μ'sは自分が引っ張っていく』のではなく、『自分を含めたみんなで引っ張っていく』ことを決意する。それと同時に穂乃果たちへの想いを改め直し、なんと9人同時全員に告白する。だが穂乃果たちはすんなりとそれを受け入れ、μ'sのメンバー9人全員と恋人関係になる。

 進級後、欠員となった新生μ'sのメンバーを集めることにも貢献。μ'sを見下していた楓や周りに馴染めない雪穂を、μ'sというグループがなんたるかを教える形で導いた。ちなみに雪穂と亜里沙が正式なμ'sのメンバーになったことで、セクハラの対象が彼女たちまで拡大した。



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