ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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なんかサブタイを見てみると感動モノのストーリーみたいですが、中身はしっかりあんなことやこんなことしてます(笑)

 そんな訳で今回は真姫回です。


真姫と極寒の中で

 1月下旬にもなると、冬の寒さが頂点を極まってくる。日中にも関わらず氷点下に相当する気温に学院が包まれ、暖房が効いている教室から出るのも億劫だ。だから体育など言わずもがな、運動場で薄着の体操服+ジャージでは、ジッと佇んでいるだけで氷像となってしまいそうだ。それくらい今年の冬の寒さは厳しい。

 

 まるで雪国のような気温の中、さっきまで俺たち3年生と2年生で合同体育の授業があった。みんながみんなガタガタと震え、いつも暑苦しいくらい元気いっぱいの穂乃果と凛でさえも猫のように運動場の隅で丸くなっていた。サボんなと喝を入れるまでまともに動かなかったくらいに。

 

 逆に海未は寒さは神経が研ぎ澄まされるのなんだの言って、この寒さにも物怖じせずにいつも通りの様子だった。そこで俺が「この寒さで何も感じないのは、歳をとってきたせいじゃね?」と言ったら、いや言い切る前に平手打ちされたんだが……何故に??

 

 

 まあそんなことはさて置き、3年生と2年生の合同体育を終えた俺と真姫は、授業で使った体育用具を片付けるために体育倉庫の前まで来ていた。

 

 

「どうして日直が片付けをしなきゃいけないんですかねぇ~。こういうのは体育委員に任せろよ」

「仕方ないでしょ。あなたのクラスも私のクラスも、体育委員が休みなんだから」

「謀ったなソイツら。ただでさえ寒いのに、体育倉庫なんていう冷凍庫に俺を赴かせるんじゃねぇよ」

 

 

 この学院の体育倉庫は、どういう訳か知らないが何故か校舎裏にある。だから行くだけでも一苦労な上に、段々と日が当たらなくなってくるので寒いのなんのって。今はまだ体育で動いていたおかげで身体も火照っているが、心身に点っている炎が消えたときこそ俺たちの命日となるだろう。

 

 俺はそんな愚痴を言いながら、水の結晶がこびり付いている体育倉庫の扉を、冷たさを我慢しながら開け放った。

 

 

「うおっ、さっむ!冗談で言ってたけど、マジで冷凍庫じゃねぇかここ!!」

「運動靴の裏からも寒さが伝わってくるわね……早く片付けて戻りましょ」

「そうだな。手が(かじか)んで作業効率は落ちそうだけど……」

 

 

 覚悟はしていたのだが、やはりこの寒さは異常だ。中に入った途端、体育倉庫内で(くすぶ)っていた冷気がここぞとばかりに俺たちへと襲いかかってきた。

 しかも今日に限って片付けるべき体育用具もたくさんある上に、体育倉庫内が散らかっていてまず足の踏み馬を確保しなければまともに片付けもできない状況だ。恐らく過去俺たちと同じ経験した生徒が、寒さに耐え切れず体育用具を適当にそこらに放り捨ててそそくさと帰ったのだろう。

 

 

「外からの風が寒いわね。そこそこ陽も当たってきたし、扉を閉めておくわ」

「あぁ、頼む―――――って、あっ!!待て閉めるな!!」

「へっ!?」

 

 

 俺が重大な過ちに気付いた頃には、体位倉庫の扉の閉まる鈍い音が内部に響いた。俺は急いで扉のノブを回すが、予想通りノブは回っても扉が開くことはない。こ、これはやっちまった……。

 

 

「ちょっ、ちょっと何が起こってるのよ!?」

「忘れてたんだ。体育倉庫の扉が壊れていて、内側からは開かないって話を、先生から聞いていたことをな……」

「な゛っ!?どうしてそんな重要なことすぐに話さないのよ!!」

「扉を開けた時のあまりの寒さに、脳細胞まで凍結しちまったらしい……」

「全くもう、どうするのよこの状況」

 

 

 何度か扉のノブを回してはみるが、一向に開く気配がない。そもそもノブがこの寒さで凍結しているため、握る手に力が入らないから余計にだ。強硬手段で扉をぶち破ろうとも思ったが、体育倉庫の扉ってどうもこう分厚く頑丈なんだろうか。流石に俺たち2人の力を合わせてもビクともしないことは、この鉄壁を見るだけでも分かる。

 

 そして、また体育倉庫に閉じ込められてしまったと。そういや1年前は絵里と一緒に監禁されたっけか。どうして俺ってこんなにも部屋に閉じ込められることが多いのだろうか?女の子と2人きりの監禁と聞くとゾクゾクしなくもないが……。

 

 

「次の授業までに別のクラスの連中がここへ来るだろ。それまでの辛抱だ」

「もし来なかったら?」

「お互いにこれまでの人生の汚点を懺悔し合って凍死するしかない」

「ちょっと縁起でもないこと言わないでよ!とりあえず、片付けだけでも済ませましょ」

「ああ。幸いにも、若干光が差し込んでいるから目が見えなくもないし」

 

 

 なんかこのような珍事でも取り乱さない辺り、俺たちって相当訓練されているよな。あんな色物揃いのμ'sの中にいればそりゃそうだし、秋葉によって奇想天外な事態に見舞われてしまうことも多い。この学院で一番鍛えられたのは、もしかして精神の図太さなのかもしれない。

 

 

 そんなこんなで悴む手を無理矢理に操りながらも、俺たちは他の生徒が放置した体育用具を含めて片付けを開始した。本来この俺が他人の放置した仕事なぞするはずがないのだが、どうせこんな密閉空間でやることなんてないから仕方なくだ。それに少しでも身体を動かしていた方が温まるからな。

 

 しかし――――

 

 

「おい真姫、このボールはそっち側だから片付けておいてくれ」

「…………」

「真姫?聞いてんのか?」

「…………」

「おいっ!――――って、どうした?」

「いや、ちょっと寒くて……」

 

 

 真姫をよく見てみると、全身が小刻みに震え、心なしか顔色も良くなさそうだ。それもそのはず、今日は寒さも極まっているため、体育倉庫内は冷凍庫も同然の温度。しかも体育の授業から数十分は経過しているから、温まっていた身体も湯冷めしたかのように冷えてくる頃だ。更に言ってしまえば、今の俺たちの格好は半袖の体操服の上にジャージを羽織っているだけ。上着もなにもない状況で、冷凍庫同然の場所に押し込められていてはこうなってしまうのも仕方ないだろう。

 

 

「大丈夫なのか?俺のジャージ羽織ってろ」

「べ、別に平気よ。そ、それにそのジャージを貰ったら、あ、あなた半袖になっちゃうじゃない」

「声思いっきり寒そうじゃねぇか。そんな奴を放っておけるかって」

「だから大丈夫って言ってるでしょ。心配してくれるのはありがたいけど」

 

 

 こんな時まで素直になれないツンツンな性格を発揮するんじゃねぇよ。とは言ってもコイツの強情さは中々崩せるものでもないし……でも強がってるけど寒そうなのは変わらないしで、相変わらず面倒な性格してやがる。

 

 その後、しばらく真姫の様子を見つつ片付けを続行していたのだが、大丈夫と言った割には身体の震えは止まるどころかさっきよりも激しくなるばかりだ。変なプライド張ってないで素直に寒いって言えばいいものの……ったく、しょうがねぇなぁ。

 

 

「おい真姫」

「なに――――きゃっ!いきなり何するのよ!?」

 

 

 俺はこちらに振り向いてきた真姫の身体に、正面から抱きついた。彼女の全身を俺の身体で包むように、腕でガッチリとホールドする。案の定と言うべきか、彼女の身体は思った以上に冷たく、まるで雪だるまに抱きついているかのようだった。まあ流石にそれは言い過ぎだが、それくらい彼女が冷えているってことだ。

 

 

「服を貸してもらいたくないんだったら、もうこうして人肌で温めるしかないだろ。それに何か?他に手があるってのか?」

「うっ……な、ないけど」

「じゃあおとなしく抱かれとけ。お前の凍えそうな姿なんて見てられん」

「…………ありがと」

 

 

 意外にも素直に俺を受け入れたな。やはり口では強がっていたけど、本当は寒くてならなかったらしい。その証拠に、真姫も俺の背中にそっと腕を回し始めていた。

 

 彼女はいつもオープン淫乱の穂乃果やことりとは違って、普段からこうやって俺と触れ合う機会は少ない。だからこそこうして俺と抱き合えることに喜びを感じていたりするのだろうか?少なくとも俺はそんな気持ちを抱いている。こうやって誰もいない2人きりの状況でないと彼女が恥ずかしがって、恋人らしいこともできないからな。

 

 

「下手に動くよりも、2人で寄り添っていた方がよっぽど暖かいだろ?」

「えぇ。でもこんなに寒いのに、あなたの身体どうしてこんなに暖かいのよ」

「さあ。さっきの体育のせいかもしれないけど、一番の理由は久々にお前とこうして抱き合うことができて嬉しいからかな」

「な゛ぁ!?も、もうっ、あなたはすぐそんなことを……」

「顔真っ赤になってるぞ。まあ、そっちの方が温まっていいと思うけど」

「からかわないでよもうっ!!」

 

 

 俺の腕の中にいて身動きが取れないのに、ジタバタと暴れる真姫が非常に微笑ましい。高校2年生にしては大人び過ぎている彼女だが、取り乱すとまるで小学生のように突っかかってるくるのが、これまた真姫の魅力だ。そんな健気に当てられた俺は、彼女の身体を更に強く抱きしめる。

 

 そこで真姫は「あっ……」と小声を漏らすが、その直後に俺をホールドする力も強まった。なんだかんだ口では反抗しそうになっていたが、抱きしめること自体は受け入れてくれたらしい。身体も程よく温まってきたためか、寒さによる震えも止まっていた。

 

 

 だがこんなほのぼのとした状況にも関わらず、余計なことを考えてしまうのは男の性であろう。俺の中では()()()()()()()()が煮えたぎり始めていた。

 

 正面から全身を密着させて抱き合っているということは、真姫の胸が俺の身体にダイレクトに当たっていることになる。しかも俺たちは薄着の体操着なためか、制服や普段着で抱き合っている時よりもその感触は強い。俺が少しでも身体を動かせば、彼女の胸の形状はふにっと柔らかく変化し、その度に真姫の表情が僅かに崩れる。彼女も全く気にしていない訳ではないのだろうが、俺の好意を無下にしないためにも我慢して黙っているみたいだ。

 

 

「ね、ねぇ零、ちょっと……」

「ん?まだ寒いのか?」

「い、いやそうじゃないけど……」

「けど?」

「うっ……なんでもない!」

 

 

 いやぁ胸が思いっきり押し付けられているのに、それを言い出せずにもどかしくしているその表情が堪らなくイイ!女の子を手玉に取っているみたいで、嗜虐心にゾクゾクと火を点ける。俺がわざと(とぼ)けるたびに、さっきまで寒がっていた彼女が汗をかいてまで焦る姿は、俺の欲望の高鳴りを大いに助長させた。そして俺の中で、真姫を攻め堕としたいと思う気持ちが膨張して破裂しそうになる。

 

 

「全く、まだ寒いなら素直にそう言えって」

「だからそうじゃないから!」

「皆まで言うな分かってるから。俺がもっとお前を温めてやる。寒さなんか一切感じないほど熱くしてやるから」

「い、一体何をする気!?」

「動くなよ。変に動くと身体を痛めるぞ。そらっ!」

「きゃあっ!!」

 

 

 俺は真姫を抱えたままグルリと身体を捻ると、何故か丁度よく敷かれてあったマットに上に真姫を押し倒した。その際に衝撃が掛からぬよう、彼女の頭をを含め全身を自分の身体でカバーしていたため、逆に俺が物凄い振動を被ってしまう。だがこれから真姫を好き勝手できるのなら安いものだ。

 

 もう俺との付き合いが長い真姫のこと、これから自分の身に何が起こるのか分かっているのだろう。冷凍庫のような寒さの体育倉庫とは裏腹に、彼女の身体は微かに火照っているようだ。なんだもう準備万端なんじゃねぇか。

 

 

「あなた、こんなところで女の子を押し倒すなんて正気?」

「俺はいつだって自分の欲求に忠実なんだから正気だよ。それにお前こそ期待してるんじゃないのか?まだ触ってもないのにお前の身体、暖まってるのが分かるぞ」

「そ、それは……」

 

 

 真姫は頬をより一層赤面させながら、プイッとそっぽを向く。本当に嫌なら暴れて抵抗することもできるのに、それをしないってことは少なからず期待はしているってことだ。まあいくら抵抗しようがこの体育倉庫から逃げることはできないので、どちらにせよ俺に身体を弄り倒されるはめになるがな。

 

 俺は真姫のジャージのファスナーに手を掛けゆっくりと降ろす。徐々に中に着ている白の体操着が顕になるが、いきなり押し倒された焦りで汗をかいているのか、この寒さの中なのにも関わらず体操着が薄らと透けている。もちろん彼女の下着の色もじんわりと映りだしている訳で……。

 

 

「赤か。毎回思うけど、お前って結構大胆な下着してるよな」

「自分に似合うと思ってるからその色にしてるだけよ!!別にあなたに見てもらいたいとか、そんなことは全然!!」

「そんなの一言も言ってないだろ」

「あっ……~~~~~~ッ!!!!」

「耳まで真っ赤になってるぞ。まあそんなに見て欲しいんだったら、ゆっくりねっとり鑑賞してやるから」

「ちょっ、ちょっと!?」

 

 

 羞恥心によって慌てふためく真姫に、とうとう我慢の限界を迎えてきた。俺は彼女の体操服の裾を掴んでずり上げ、服の中で息を潜めていた下着をこの下界に引きずり出す。燃えるように真っ赤な下着は、真姫の純白な肌とは対照的でより際立って見える。そしてなにより高校2年生のくせに、オトナの女の魅力がひしひしと感じられる。

 

 真姫は羞恥に襲われながらも何とか胸を隠すため腕を動かそうとするが、俺に身体を押さえつけられているため身動きがとれない。だからただ耳の裏まで顔を真っ赤にして、俺からの辱めに耐えるしかないようだ。そんな表情をされると尚更女の子に屈辱を与えたくなるのが俺。もう下着なんぞでは俺の興奮は発散できねぇ。

 

 

 俺は真姫の下着の前中心を掴むと、下カップに引っかかる胸を無視して無理矢理引き上げる。するとその反動で彼女のベストジャストバストな双胸が、ぷるんと俺の目の前で震えて顕現した。プリンやゼリーが揺れるところを見ても何とも思わないのに、どうして女の子の胸が揺れる光景はこれほど惹きつけられるのだろうか。純白の双丘の頂点に立つ、ピンク色の小さな突起物。そんなちっぽけな存在に、俺は目と意識の両方を奪われてしまう。

 

 

 俺は真姫の柔らかな双胸を両手で鷲掴みにすると、人差し指で突起物を胸の肉に埋没させるように押し込んだ。

 

 

「あっ……んぅっっ!?」

「おっと、いきなり刺激が強すぎたか」

「ちょっ、やっ……!? 指、ギュって……んぁっ、あんっ!?」

 

 

 俺の腕の中で身をよじらせ、抵抗の素振りを見せる真姫。しかし、俺の目から見ればその抵抗は驚きと羞恥心が際さって可愛さしか感じられない。そしてすぐに諦めて俺の寵愛を受けるあたり、俺たちの関係も1年前とは大きく変わったと感慨深くなる。だからこそ、彼女をもっと弄り倒して俺の手で蕩ける表情を見たくなるのだ。

 

 

「巨乳になると、こうやって乳首が沈んでしまうらしいぞ」

「ふぁ、なっ、知らないわよぉそんなのぉ!!」

「見た目の派手さもいいが、お前は俺の手で程よく鷲掴みにできる胸が似合ってるよ」

「っっひゃうぅっっ!?さっきから、触り方がぁっ!!」

「そりゃあもうお前らμ's全員の胸くらい網羅してるっつうの。だから1人1人、どこを攻めればより可愛く喘いでくれるのかくらい知ってるって」

「バカ!この変態ぃぃっ!!」

 

 

 真姫は文句を言いながら抵抗するが、俺は聞かぬふりをして彼女の身体を更に強く押さえつける。右手を胸から離し脇腹を押さえてやると、意外にも弱点だったのかビクビクっと、背中を弓なりによがらせた。そして目だけは彼女の瞳をずっと見つめながら、お嬢様の羞恥心を大いに煽ってやる。

 

 

「そんな変態の手で気持ちよくなっているのはどこのどいつかなぁ~?」

「わ、私は別に気持ちよくなんてぇぇええええええっ!?」

「そんな卑猥な声を漏らしてよく抵抗する気になるよな。まあお前の場合、抵抗して堕ちるそのツンデレ具合が最高なんだけども」

 

 

 初めから堕ちている奴を従わせるのもいいが、背徳感を味わいたいのならコイツのような反抗的な奴をレイプ……もとい襲った方が攻めがいもある。現に気持ちよさそうな声を出していることは事実だし、あとは欲望に忠実になるよう堕とし入れるだけだ。

 

 

「こんな場所でとか言っておいて、やっぱ相当期待してんだなお前。だってこれだけ身体が熱くなってるんだから」

 

 

 卑しい手付きで脇腹から腰へと流れるように撫で回すと、真姫はその動きに呼応するかのように全身をビクつかせる。その光景は非常に滑稽で、見ていて微笑ましい。

 

 

「寒いのにこれだけ身体が火照っていたら、助けに来てくれた人に気づかれちゃうかもな。エロいことして興奮してたって」

「えっ、そ、それは……!!ひっ、ひゃぅぅ……喋ってる間に胸触らないで……」

「μ'sのメンバーでもあって生徒会副会長でもあり、しかもあの西木野家のご令嬢が、これほどまでにエッチを感じてしまう身体になってるなんて誰かに知られたら、どうなるだろうなぁ」

「だったら弄るのやめなさいよぉ……んっ、あんっ!ま、またぁ……」

 

 

 誰かが助けに来たとしても、覆い被さっている俺が離れない限り真姫はこの痴態を見られてしまうことになる。それを恐れてか、真姫は軽く首を振った。まだ胸しか弄ってないのにこの蕩けようは、さてはコイツも花陽や凛みたいに1人でやってやがるな。これはオシオキものだぞ。

 

 

「さあもっと暖まろうか。直接人肌を重ね合って」

「ま、待って、それこそ誰かが来たら取り返しのつかないことに……」

「いいよ別に。真姫と交わることができたって事実があれば、後はどうでもな」

「この変態ぃぃっ!!」

 

 

 変態がなんだ、変態がどうした。目の前に胸を丸出しにした女の子が転がっている上に、興奮に煽られている状態ときた。そんな状況で女の子を襲わない男がどこにいるんだ??後先のことなぞ考えなくてもいい。男なら煮えたぎる欲望を満足させてから前へ進め!性欲を溜めておくと身体が腐っちまうぞ!

 

 

 

 

 しかしそんな意気込みも束の間、タイムリミットの時はすぐに訪れた。体育倉庫の扉を引く音が聞こえ始めてきたのだ。

 それでもなお俺は真姫の胸を弄ろうとしたのだが、本人はそれどころではないようで、脚で俺の身体を軽く押しのける。その後、急ピッチで体操着を正しジャージを羽織った。この間僅か0.0数秒、このような事態のために練習してたみたいだ。

 

 そして、直後に扉が開け放たれた。

 

 

「あれ、零くん、真姫ちゃん?」

「な、なにしてるんですか?そんなところに座り込んで……」

「亜里沙に雪穂か」

「と、特に何もしてないわ!この寒さのせいで床滑っちゃっただけよ!!」

「あれ、私たち何で怒られてるの……?」

「さぁ?」

 

 

 俺たちを救出しに来てくれた雪穂と亜里沙に、半ば八つ当たり感覚で苦しい言い訳をぶつける真姫。まあ合理的な理由と言えばそうだが、急いでいたためか上手く体操着もジャージも羽織れておらず、どこか半裸に見えるのはマイナスポイントだ。だが実際に目の前の2人は真姫の言い訳に納得しているみたいだし、バレてはないみたいだな。

 

 

「体育倉庫の扉って壊れていて、内側から開けないんじゃなかったですか?」

「そうなのよ。でも零が早く言わないせいで……」

「でもよかったじゃん。そのおかげでお互いに暖まれたし」

「えっ、こんな寒いところで?」

「な、なんでもないわよ!!もうっ、この変態……」

 

 

 余計なことを口走ってしまった(故意)俺を、自慢のツリ目で睨みつける真姫。例え仲間でもよほど自分の痴態を知られたくないらしいな。穂乃果やことりを見習……ってはダメか。

 

 でもまあバレないことに越したことはないし、俺もタダで真姫の身体を弄れて楽しかったよ。監禁プレイはあまり好きじゃないけど、ああやって閉鎖空間で2人きりのシチュエーションは割と好みだぞ。今回のように何をやっても誰にも知られることはないし。今日の残りの時間も、なんか清々しい気持ちで過ごせそうだ。

 

 

 

 

 ――――と、意気揚々と体育倉庫を出ようとしたその矢先、扉の影に隠れていた()()()()の声が聞こえてきた。

 

 

「先輩すっごく顔赤いね!フフッ♪この中のことをバラされたくなかったら今晩、私の相手もよろしく、お兄ちゃん♪」

 

 

 そこで俺は今日初めての冷や汗を流しつつ、沈黙のまま体育倉庫を立ち去った。

 




 人肌を重ねてお互いの温もりを感じる。こうして見るとロマンチックに見えるのに、この小説に限り卑猥な表現にしか見えないのが何とも惜しい!

 今回は今までの個人回よりも、真姫のツンデレ要素を活かして話を構成できたかなぁと思っています。本編でも零君が言っていた通り、普段は大人びている彼女ですが、時折見せる小学生並みの突っかかりっぷりに幼さを感じることもあるのが魅力の1つかと思いますね。


 新章に入って残る個人回はシスターズと大学生組の6人になりました。なので次回はその中の誰かになるかも。それ以外にも秋葉さんやA-RISE、久々の詩織さん登場など、執筆したい回がたくさんあってもう……(笑)



Twitter始めてみた。
 https://twitter.com/CamelliaDahlia

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