内容は読む人によってはそこそこ気分を害するかもしれないので、危ないと感じたらそうなる前にブラウザバッグ推奨。
「花陽!淫魔が出たわよ!」
「かよちん!あそこっ!」
「うんっ!花陽、行きます!!」
学院の女子生徒に憑依し、その人を淫乱へと変貌させてしまう通称"淫魔"。
私、小泉花陽は人知れずその淫魔と戦う――――
「変身!!」
――――魔法少女なのです!!
~※~
「はぁ~今回も弱っちい淫魔ばかりで、敵のしっぽを掴めなかったにゃ~」
「そうね。最近被害も広がってきてるし、敵の親玉の情報を早く掴まないと……」
「そうだけど、あまり煮詰めすぎるのは身体によくないよ。ほら、お弁当食べよ」
「そうだね!お昼休みを無駄にしなかっただけでよしとするにゃ!」
お昼休み前。とある女子生徒が淫魔に変貌したという情報を聞きつけ、私はその淫魔を撃破、その子を元の純粋な子に戻すことができました。
私と凛ちゃん、そして真姫ちゃんはこうして人知れず淫魔と戦い、音ノ木坂学院の平和を守っているのです。そのせいで授業や休み時間が無駄になってしまうこともあるけど、みんなを淫魔の手から助けられるのは私たちしかいません。だから私たちは戦う、理由なんてそれだけで十分なのです!
「あの淫魔はまだ弱かったけど、ここのところ力が強まってきているのは確かだわ。こちらも油断しないようにしないとね」
「この凛がいれば大丈夫!しっかりかよちんをサポートしてあげるからね!」
「うんっ、ありがとう!」
凛ちゃんと真姫ちゃんは魔法少女じゃないけど、1人で淫魔と戦う私を偶然目撃してからは共に戦う仲間となりました。2人の担当は淫魔の弱点を探ったり、周りの人の避難誘導、攻撃チャンスの見計らいなど、私の戦闘を的確に手助けしてくれます。初めは襲い来る淫乱少女たちに驚いていましたが、今では3人一丸となって淫魔を撲滅しているのです。
"淫魔"――――女の子に憑依して、その子の性格をとてつもなく淫乱に変えてしまうという魔物。
どこから来るのか誰によって操られているのか、その目的、どれもまだ全然分かっていません。1つ事実を上げるとすれば、淫魔が憑依するのは学院内の中でも美人または美少女と言ってもいいほど綺麗で可愛い女の子だということ。憑依された子はみんな"ご主人様"と呼ばれる存在に忠誠を誓うようになり、人前であろうが淫語連発、痴女行為すらも気にしない、常に発情した淫乱少女になってしまうのです。
その"ご主人様"と呼ばれる存在が恐らく敵の親玉であり全ての元凶。今の私たちがすべきことはその元凶の居場所と正体を暴き、撃破すること。学院の自由と平和を取り戻すには、なんとしてでも早く敵の根城を探さないといけないのです。
「ん?携帯が――――あっ、淫魔が現れたわ!花陽、凛、行くわよ!」
「えぇ~!?まだお弁当食べてるのにぃ~!!」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ、ほら早く!!」
「3人で協力すればすぐに倒せるよ!すぐに戻ってくればまだお昼休みの時間あるから」
「う~仕方ない。この空腹の怒りを、全部淫魔にぶつけるにゃーー!!」
こうして私たちの戦いは、真姫ちゃんの携帯に仕込まれた淫魔感知レーダーの反応によって始まる。淫魔特有の淫猥な雰囲気を認識できるみたいで、3人で戦うようになってから敵の発見が迅速になってとても助かってます。
さっきまでふてくされていた凛ちゃんが真っ先に教室を飛び出していったのを皮切りに、私たちも淫魔の元へと走り出しました。え?あなたたちは生徒会役員だろうって?そ、それは緊急事態なので勘弁してください!
~※~
「あはは!魔法少女っていうのはその程度なのぉ~?」
「うぅ、ほ、穂乃果ちゃん……」
私は黄緑色の魔法少女衣装を身に纏い、現場で暴れていた淫魔の元へ辿り着いたのですが、相手はまさかの穂乃果ちゃんでした!スクールアイドルμ'sに一緒に所属し、頼れる先輩でもあり親友でもあった穂乃果ちゃんと、まさか戦うことになるなんて……。
「ほらほら、攻撃してこないと穂乃果から攻撃しちゃうよぉ~。花陽ちゃんも淫乱にしてあげるね♪常にお股を弄ってないと満足できない身体にしてあげる!」
「卑怯だにゃ!かよちんが攻撃できないと知って!」
「でも穂乃果の淫魔力は今までの淫魔の比じゃないわ。もし花陽がちゃんと戦えたとしても、果たして太刀打ちできるかどうか……」
穂乃果ちゃんはバイオレットのパーカーにフードを被り、頭からはピンク色の角が生えている。そして背中にはコウモリの羽、おしりには悪魔のしっぽがスカートを押し上げ意志を持つようにぴこぴこ動いていた。顔はほんのり赤く染まっており、淫魔に憑依されて淫乱化しているのは間違いなさそう。
でも2人の言う通り、今まで戦ってきた淫魔とは圧倒的に力の差が歴然でした。私が親友を攻撃できないのも相まってか、穂乃果ちゃんの波動の前に屈することしかできません。
「んっ、はぁ♪ご主人様に開発されたおっぱいとお股、気持ちいいよぉ~♪」
「ほ、穂乃果ちゃん戦闘中に破廉恥だにゃ!!」
「こうすることで淫魔力が増幅されるんだも~ん!ひゃっ、あぁっ!!」
「この波動は淫魔力によるものなの!?凄まじ過ぎるわよこんなの!!」
「うぅ、どうやって対抗すれば……」
穂乃果ちゃんは自分の手で胸と股を弄り、自ら絶頂に達しようとしている。このまま自分磨きを続けられてしまったら、穂乃果ちゃんの淫魔力が増大し確実に勝てなくなってしまう。私たちがやられたら、この学院の女の子たちがみんな淫乱に……でも一体どうすれば!?
「おいっ!大丈夫か!?」
その声を聞いた私の心は、絶望から希望に変わりました。
心に掛かっていた闇をかき消すかのように、天から光が差し込んできたのです。
「零!?」
「零くん!また来てくれたんだ!!」
「零君……」
そう、
私たちがピンチに陥るとどこからともなくやって来てくれる、私たちの救世主である愛する人。その姿を見ただけで再び希望が持てる。今まさに淫魔と戦闘中なのに、胸がドキドキと高鳴って止まない。それくらい彼の存在は私の中で大きいのです。
零君は倒れ込んでいる私に駆け寄り、肩を支えて抱きかかえてくれました。
目の前に淫魔がいるっていうのに、私ってば心臓の鼓動が激しくなったまま止まりません!彼がこうして心配してくれるだけでも、魔法少女となり戦ってきてよかったと思います。
「花陽、お前そんなボロボロになって……。早く魔力を注入しないと!」
「は、はいっ!よろしくお願いします……!」
私がよそよそしくなるのは自身の性格上なのですが、それ以上に身が引き締まってしまう理由があります。それは――――
「ほら花陽、少し口を開けて」
「は、はい……」
「いくぞ――」
私の目に、零君の顔がどんどん大きくなって映っています。零君も私と同じく僅かに唇を開き、そのまま私の唇と――――優しく触れ合わせました。
そう、これが魔力を注入する方法。零君からキスをされると、何故か私の身体は大量の魔力で満ち溢れるのです。魔法少女は魔力によって活動する魔法使い、魔力が切れたらもちろん淫魔とは戦えません。ですが彼がいればその魔力が切れる心配もないのです。
だから私の救世主。今まで何度か手ごわい淫魔との戦闘中に魔力が切れかけて諦めそうになったこともありました。だけど彼がいてくれたから、私はここまで戦ってこられたのです。
「はぁ……んっ、ちゅ……」
零君の唇の熱さを感じながら、私は彼からの口付けを全身を使って受け入れます。身体をくねらせ、お互いの唇がより密接に絡みつくように。あまりの熱さに脳がとろけそうになるけど、それでも私はキスをやめない。彼から流し込まれる唾液を身体に含むと、心から魔力が湧き上がってきます。同時にあまりの快楽に頭がぼぉっとしてきちゃうけど、彼の腕の中で気持ちよく意識を失えたのならそれはそれで本望ですかね……?
「あわわ、いつ見ても零くんとかよちんのキスは激しいにゃ~……」
「激しい方が魔力の注入も早いって言うから、仕方ないんでしょ」
うぅん、それは違うよ真姫ちゃん。私は自分の意思で零君を求めているの。だってこんなに気持ちいいことをしている上に魔法使いとして強くなれるなんて、嬉しいことだらけだもん!だからもっとたくさん零君からの愛を注いでもらって、どんどん淫魔を倒して、零君やみんなと平和に暮らせる日々を取り戻すんだ!
そしてたっぷりと零君の愛(魔力)を受け取り、私たちは同時に唇を離した。再び徐々に見えてくる零君の顔。この時間が終わってしまうのは寂しいけれど、今は淫魔から学院の秩序を守るために戦わないと!女の子達が次々と淫乱になっていくのは、もう見てられない。そう、目の前の穂乃果ちゃんも――――
「お待たせしました!もう私は迷いません。穂乃果ちゃんを取り戻すために、あなたを撲滅します!」
「うぅ、さっきより強い魔力の波動を感じる。ここはどうするべきか……」
「かよちん!そのまま穂乃果ちゃんに憑依する淫魔をやっつけちゃえーー!!」
「相手が動揺している今がチャンスよ!」
「うんっ!」
みんなからの声援は、私に底知れぬ力を与えてくれます。目の前の穂乃果ちゃんは穂乃果ちゃんであって穂乃果ちゃんではない。彼女に憑依している淫魔だけをやっつければ、いつもの純粋な穂乃果ちゃんに戻ってくれるはずです!零君のおかげで力も回復したから、ここからは私の独壇場で行かせてもらいます!
だけど、戦闘に不測の事態は付き物と誰かが言っていました――――
「一旦引いて、穂乃果ちゃん」
「えっ!?!?」
「こ、ことりちゃん……。穂乃果たちの戦闘、見てたの?」
「そうだよ、ず~っとね。フフッ♪」
突然戦場に現れたのは、不敵な笑みを浮かべていることりちゃんでした。
ことりちゃんも穂乃果ちゃんと同じく、μ'sの中から淫魔に憑依されてしまったメンバーの1人です。頭には禍々しく光る真っ黒なカチューシャに短い黒い角。背中には黒とピンク色の羽が1枚ずつ生えており、何が嬉しいのかぱたぱたと軽く羽ばたかせています。しっぽも配色は同じで胴体は黒、先端はピンク。まさに自らの淫乱さを具現化しているようです。
ここで、ここで私に旋律が走ります。
ことりちゃんの淫魔の力は凄まじく、以前に一度戦ったことがあるのですが、零君からの魔力補給があっても引き分けに持ち込むのがやっとでした。だから相手に穂乃果ちゃんを加え2vs1で戦うのはあまりにも無謀だと直感的に悟ったのです。
「一旦引くってどういうこと?ご主人様からの命令は絶対なんだよ!」
「大量の魔力を得た花陽ちゃんは強いよ?ここで無駄に体力を消費するよりも、作戦を練って戦闘に挑んだ方がいいと思うけど」
「そっか。なら今日のところは引いてあげるよ花陽ちゃん!」
「えっ、ちょ、ちょっと待って!リーダーの穂乃果ちゃんが抜けちゃったら、これからμ'sの練習はどうなっちゃうの!?」
「穂乃果たちご主人様へのご奉仕で忙しいから、永久的にお休みね♪」
「え゛ぇっ!?」
「そういうことで魔法少女とその取り巻きのみんな、いずれこの学院がことりたちのご主人様の手によって制圧される日を心待ちにしておくといいよ!凛ちゃんも真姫ちゃんも、それに花陽ちゃんも、み~んなご主人様のモノになっちゃうんだから……。それじゃあね~♪」
そう置きセリフを残すと、穂乃果ちゃんとことりちゃんは羽を羽ばたかせて飛び去ってしまいました。
ことりちゃんクラスの淫魔がまた1人増えたとなれば、もうグズグズしている時間はありません。敵が行動するのを待つのではなく、こちらから仕掛けていかないと。手遅れになってしまったその暁には、この学院の女の子たちがみんな淫乱になっちゃう……。そんな破廉恥なこと、生徒会長であり魔法少女の私が絶対に阻止してみせます!
~※~
穂乃果ちゃんが私の前に現れてから数日。妙なことに、あれだけ暴れていた淫魔が最近は全く顔を見せなくなりました。凛ちゃんと真姫ちゃんが捜査を進めていますが、まだその原因は分かっていません。
出ないなら出ないに越したことはないのですが、ことりちゃんの発言を思い出すとそう気を抜いてはいられない。私を倒すために力を蓄えているとか、こっそりと淫魔を増やして戦力を増強させているとか、考えられることは色々ありますから。
しかしそれ以前に、私の身体が違和感に包まれていました。
「なんだろう、最近身体が熱くなること多いな……。でも熱を測ってみたけど異常はなかったし、どうして……?」
穂乃果ちゃんとの戦闘以降、こうして突然身体が熱くなる現象が多くなりました。身体の芯から吹き出るような熱さ。同時に微力ながらも性的な快感が全身を駆け巡ります。それは1日中いつ起こるか分からないので、恥ずかしながら授業中に思わず破廉恥な声が出てしまったこともありました。一定時間経てば元に戻るものの、戻った後もしばらく身体に残った快感に身を震わせるほどです。
でもそれはそれで、少し気持ちよかったり……。
私はちょっと魔が差して、廊下の真ん中で立ち止まり胸に指を当ててしまいます。
「んっ……!」
想像以上の気持ちよさに、卑猥な声と共に身体がビクンと震えました。
どうしてこんなことになってるんだろう。まさか純情魔法少女である私は魔力に守られているため、淫乱になる訳はないのですが……。
「かよちーん!身体の具合どーお?」
「あっ、凛ちゃん。大丈夫、今回はすぐに熱さも引いたから」
「そうなんだ、よかったぁ~!もしかよちんがダウンしちゃったら、淫魔と戦える人が誰もいなくなっちゃうもんね」
「そうなんだよね~。だから早くこの病気を治さないと」
そもそも身に降りかかっているこの現象が病気なのかどうか、私は全く分かりません。お医者さんの卵である真姫ちゃんに聞いても「そんな症状は聞いたことがない」って言ってたし……。これ以上ヒドくなるようだったら病院に行ってみようかな?
「病気ねぇ……。そろそろ頃合いかしら」
「ま、真姫ちゃん……?」
いつの間にか私の後ろに、真姫ちゃんが腕を組んで立っていました。その表情はいつもの冷静で整った顔立ちではなく、頬を緩ませ口角を上げた悪戯っ子のような表情。真姫ちゃんにそんな顔は似合わない訳ではないけど、普段あまりしない顔を見てしまったので多分私の方が変な顔をして驚いていると思います。
それにしてもさっきの"頃合い"ってどういうことだろう……?
そして私はまだ気付かなかった。廊下、私を挟むようにして凛ちゃんと真姫ちゃんが立っていることに。これではまるで私の逃げ道を防いでいるかのようで――――
「花陽。あなたここ最近身体が熱くなる症状に掛かってるわよね?」
「うん。だから真姫ちゃんにも相談したんだよ」
「かよちん。それって具体的にいつから発症したのか覚えてる?」
「えぇと、穂乃果ちゃんと戦闘した日の夜からだったと思うけど……」
「やっぱり!流石ご主人様だにゃ~♪」
「えっ、ご、ご主人様!?それに何の話をしているの凛ちゃん真姫ちゃん……?」
ここで私の背中にぞわぞわと怖気と冷汗が走ります。
凛ちゃんが言った"ご主人様"。その言葉は私が魔法少女になってから頻繁に聞くようになった――そう、淫魔たちが自分たちの親玉を呼ぶときに使う言葉。そしてもう一度凛ちゃんと真姫ちゃんの顔を見てみると、どちらも穂乃果ちゃんとことりちゃんと同じ不敵な笑みを浮かべていたのです。
も、もしかして2人共――――!!
「うっ、か、身体が……!!」
「そろそろ本格的に効いてくる頃だと思ってたわ。ご主人様の魔力がね」
「そ、そんな……凛ちゃんも真姫ちゃんも……!!か、身体が熱い!!」
「それを我慢すれば、かよちんも吹っ切れることができるはずだにゃ!」
「うっ……!」
それからの出来事はあまり覚えていません。身体が燃え上がるような熱さに、私がその場で気絶してしまったからです。
凛ちゃん、真姫ちゃん――――――
あぁ~クソいい展開だとは思いませんかこれ??
前書きで忠告したおかげで批判する人はこの後書きを読んでいないはず。ということは、ここまで読んでくださった方なら賛同してもらえると……信じたい!
ちなみに次回は純情魔法少女花陽ちゃん(快楽堕ち編)。これまでのネタばらしとガッツリとしたエロ展開は次回へ!
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