ラブライブ!~蓮ノ空との新たなる日常~   作:薮椿

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 マジキチ回。今回はことりが襲来します。
()()()()における彼女の魅力、たっぷりと味わってください(笑)



※ちなみに講座回は次回になりました。


空き巣も不法侵入も愛ゆえです!!

 今日は姉の秋葉の呼び出しで彼女の研究室に来ていた。いつも用件を言わずとりあえず来いとだけ言われるので、警戒心は常にMAXにならざるを得ない。未だかつて彼女の研究室から無事に帰れた記憶がないのでどうしても足を踏み入れるのは躊躇するのだが、行かなかったら行かなかったで何をされるのか分かったものじゃない。μ'sをヤンデレ化させたり俺を小さくしたりなんてのはまだ可愛く、海未の尿意を増幅させ焦らせたり、プールの水に女の子だけが発情する細工をしたりと他の人を人体実験に使うことに心が一切痛まないのだ。俺が被害を受けるのはまだいいが、女の子たちに被害が及ぶのはなるべく避けたい。だからもう強制的に彼女の用事に突き合わせれるハメになるって訳。

 

 そんな経緯で研究室に佇む俺は、目の前の巨大モニターに映し出されている映像を見て唖然としていた。

 

 

「どう? よく撮れてるでしょ♪」

「おい……この映像って俺んちじゃねぇか」

「そうそう! しかも現在進行形のね!」

「どういうことだよこれ!? まるで監視カメラみたいじゃん!!」

「うん、だって監視カメラだもん」

「はぁ……?」

 

 

 こっちに来て早々もう頭が痛いんだけど……。

 目の前の巨大モニターには俺の家の玄関先から庭、リビングや脱衣所、挙げ句の果てには俺個人部屋まで何から何まで晒されていた。一体何が目的でこんなことをしているのか、監視カメラの利用用途は何なのか、もう1から100まで全てが分からん!! もしかしてアレか、秋葉の奴とうとうヤンデレちゃんになっちまったか? こうして研究室から愛しの弟くんを常に監視してないと生きていけない身体になっちまったとか……いい迷惑だなオイ。

 

 

「零君が考えてることとは違うから安心して」

「自室が盗撮されてんのに安心もクソもあるかよ!!」

「まあまあとりあえず話を聞いて頂戴な。実は委託先の企業から新型監視カメラの開発を頼まれていてね、一通りサンプルが完成したからこうして私たちの家で確かめてるんだよ。その監視カメラがちゃんと動くかどうかをね」

「話は分かったけど、それを家で試す必要がどこにあるんだよ?」

「えぇ~? だって愛しの零君が私のいない間に家で何をしてるのか気にならない?」

「聞かれても困るんだが……。それに俺の考えてることと全く一緒だったし」

「アハハ! まあ今回の論点はそこじゃないんだけどね♪」

「俺にとっての論点はそこなんだよ!! サラッと流そうとしてんじゃねぇ!!」

 

 

 知らない間に実の姉に生活を隅々まで監視されている驚愕の事実が発覚した。この字面をタイトルにしたラノベの1本や2本くらい作れそうな勢いだが、コイツはそんなことお構いなしに話を別の方向へ逸らそうとしている。もしかして今の家に引っ越してきてからずっと着替えや脱衣シーンを見られていたのだろうか……? そして弟のその映像を見て興奮して、1人でオナニーしていたとか――――ヤバイ、自分で言っていてゾッとしてきた。

 

 

「まあここで零君を呼んだ本題に入るんだけど、先日この監視カメラに面白いものが映ってね」

「面白いもの? 心霊番組に提供できそうな映像でも撮れたのか?」

「違う違う! でも零君にとっては心霊モノよりもずっと恐ろしいかもね♪」

「なんだよそれ……」

「とりあえず見てもらった方が早いかな。その映像は――――あった、この日のこの時間だ!」

 

 

 秋葉がPCを弄って間もなくモニターの映像が更新された。話によれば数日前の自宅の映像らしいのだが、特に変わった点は見受けられない。俺も秋葉も留守にしている時の映像みたいで、リビングや脱衣所はもちろん、玄関先も庭にもこれといった変化はなかった。そりゃそうだ、だって誰もいないんだから。

 

 

「なんだよ何もねぇじゃん」

「焦らないの。あれだけの女の子とエッチをしておきながら早漏過ぎるよ」

「どこをどう捻じ曲げたらそっちの話に脱線するんだ……」

「あっ、きたきたこれだよこの映像だよ!!」

「そんなに声を上げることか……って、え゛ぇぇええええっ!?!?」

 

 

 いつの間にか玄関先に2つの人影が映っていた。1人はここ毎日スクールアイドルの活動を共にしている女の子で、若干くせっ毛のある豊満おっぱい少女の渡辺曜。そしてその隣には、口を開くだけで周囲の雰囲気をラブホテルのような濃厚なピンク色に染めてしまい、俺たちの界隈では歩く猥褻物の異名を持つ――――

 

 

「ことり!? どうしてアイツが!? それになんで曜と一緒にいるんだよ!?」

「私もこの映像に2人が映った時には驚いたよ。でもね、驚くのはまだ早いよ」

「もうこの先の映像を見るのが怖いんだけど……」

「とりあえず音声をオンにしてあげるね。2人の会話、気になるでしょ?」

「監視カメラなのに会話を聞き取れるくらいの音声が入ってるのか?」

「だから新型監視カメラって言ったしょうに。それじゃあこれから始まる地獄絵図をたっぷり味わってね♪」

「もう地獄ってネタバレしてんじゃねぇか……」

 

 

 秋葉が映像の音声を入れると、モニターから監視カメラに録音された音が流れ出した。

 まさか俺に内緒でことりまで襲来していたなんて全く知らなかったぞ。アイツこそ真っ先に俺の元へやって来そうなものだが、一体家の前で何をしでかすつもりなんだ? 想像するだけでも狂気に満ちていて身体が震えてしまうんだが……。それに曜と一緒にいるってのも気になる。いつどこで出会ったとかその経緯を知りたくはあるのだが、そのためにはこの映像を見なくてはいけない。ここまで緊張するのは穂乃果たちに告白した時以来、いやそれ以上かもしれない……。

 

 

『ここが先生の家……』

『あれ? 曜ちゃんは来たことないの?』

『はい。押しかけようと思ったことはあるんですけどやっぱり緊張しちゃって』

『好きな人の家だもんね。仕方ないよ』

 

 

「ちょっと待った! いきなり衝撃の情報が舞い込んできたんだけどどういうこと!?」

「私も驚いたよ。まさか教師が生徒を毒牙に掛けてるなんて、全く節操がないというか零君らしいというか……」

「いや俺自身も驚きなんだって!! 好きってなんだよ!? 初っぱなから頭パンクしそう……」

 

 

 曜からの熱い目線は最近良く感じていたし、プールで妙に発情して抱きついてきたことを考えるとその片鱗は確かにあった。だけどこうして彼女の口からド直球の言葉を聞くのは始めてだ。次に顔を合わせた時どうしようか……。

 

 

『それにしても、いきなり目の前にことりさんが現れたのでビックリしましたよ』

『本当はすぐ零くんに会いに行く予定だったんだけど、ことりと同じ波動を持ってる子がいたから思わず声を掛けちゃった♪』

『出会った時も言ってましたけど、その波動ってなんですか?』

『その反応からしてまだまだ開花してないみたいだね……。よろしい! だったら今日はことりが曜ちゃんの隠れた魅力を満開に開花させてあげます♪』

『よ、よろしくお願いします……?』

 

 

 ことりは満面の笑顔だが、彼女の笑顔はもはや何の信用もならないことは分かっている。どうせ裏ではロクでもないこと考えているのだろう。その証拠にことりの背景にピンク色のお花畑が見える。あぁ、こうしてまた1人女の子が淫乱化の道を歩んでいくんだな……。元々曜にはその毛があったから、ことりも同じ波動を感じたに違いない。これまで穂乃果と千歌、絵里とダイヤと似た者同士が集まっていたが、ここまで危険な2人は後にも先にもないだろう。ことりだけでも相手にするのが手一杯なのに曜までそうなっちまったらと思うと……。

 

 

『それで、どうして先生の家に来たんですか? どうやら留守みたいですけど』

『それは曜ちゃんに零くんの魅力を知ってもらうためだよ!! それにことりも久々に零くんの私物を盗む――――いや留守中に洗濯でもしてあげようかなぁって思ってね♪』

 

 

 もう完全に盗むって言っちゃってるから、後の言い訳が全く言い訳になってないぞ。ちなみにことりの盗みグセは高校生から大学生になった今でもずっと続いている。どうやら俺の匂いが染み込んだ衣類がなければ1日の活力が100分の1になってしまうとか何だとか。そして挙句の果てにはたまに俺の下着を履いて外に出かけているらしい……もう頭が痛いので今回の話休んでいい? もうね、そんなことが頻繁に起こるからいつの日かツッコミを入れることさえやめてしまったんだ。ツッコミで過労死なんて誰も笑ってくれないからな。

 

 

『さて、それじゃあ早速零くんのおウチに入りましょ~♪』

『でも鍵がないですよ?』

『えっ? そんなの適当にこうやれば――――ほら開いた!』

『えぇええええっ!? 一体どうやったんですか!?』

『あのね曜ちゃん、ことりと零くんは常に一心同体なの。だからこんな鍵ごときではことりたちの仲は阻めないんだよ。つまり愛さえあれば関係ないよねってお話♪』

『先生にそこまでの愛を……すごい! 尊敬します!!』

 

 

 いやいや尊敬すんな冷静に考えてみろ、やってることただの犯罪だからな!! それにどういうメカニズムで鍵を開けたんだコイツ、俺の家のセキュリティガバガバじゃねぇか!! もうさっきから超展開過ぎて頭がパンクしそうなんだけど!?

 

 

『誰もいないけどお邪魔しま~す!』

『お、お邪魔します……勝手に入っていいのかな?』

 

 

 そして何の躊躇いもなくズカズカと家に上がり込む不法侵入者:南ことり。さっきの鍵の開け方やこの余裕を見る限り、コイツ俺の知らないところで何度か家に侵入してる相当な手練だろ。よく俺が痴漢だのセクハラだので犯罪者扱いされるけど、ことりの方が不法侵入常習犯や衣類窃盗犯として立派な犯罪者だと思うのは俺だけか? 叩けば絶対に余罪がホコリのように出てくるぞこりゃ。

 

 そうやって映像内のことりが何かしら行動するたびに俺の不安が広がっていく中、彼女は他の部屋に見向きをすることなく一直線にある場所へと向かっていた。

 

 

『あのぉ、どこへ行くんですか?』

『曜ちゃんは感じない? こっちから零くんの雄の香りが漂ってきてることに……』

『雄……? なんですかそれ?』

『その香りを嗅ぐだけで食欲も睡眠欲も性欲も同時に満たせるんだよ。ことりを呼んでいる、この部屋が!!』

『こ、ここは!?』

 

 

 おいおい、コイツら家に侵入して速攻で脱衣所に入りやがったぞ!? 脱衣所の時点でことりが何を目的としているのかハッキリとしただけでなく、彼女の言っていた『雄の匂い』ってのが何なのか大体想像がついちまった。今まで何度も私物を盗られた経験はあるが、こうしてその現場を直接見るのは初めてなので何故か緊張してしまう。もうツッコミを入れればいいのか呆れればいいのか、どんな反応をしたらいいのかも分かんねぇ。

 

 ことりは洗濯機の横に置いてある洗濯カゴを手に取ると、その中身をゴソゴソと探り始める。家に侵入するのも常習犯かと思えば、一切の断りもなく人の家の洗濯カゴを漁るその度胸は今までの不法侵入で鍛えられたものなのだろう。これもう完全に空き巣じゃん……。家に侵入してからというもの彼女はずっと笑顔なのが不気味で、ある意味普通の空き巣なんかよりも数万倍怖い。この映像を持って裁判に持ち込めば200%勝訴する自信があるぞ。

 

 

『あっ、あったあったこれだよことりが求めていたもの!!』

『そ、それは……男性の下着!? ということは先生の……』

『あぁ♡ まだクンクンしてないのにもういい香りが……この微妙に鼻をつく匂いが最高なんだよぉ♡』

 

 

 やべぇコイツ変態だァああああああああああああああああああああああああ!! お前も変態だろって言われても構わない、自分のことなんていくらでも棚に上げてやる!! だから言わせてくれ、コイツ変態だァああああああああああああああああああああああああ!!

 

 

「どう? 中々の衝撃映像でしょ? お姉ちゃんもビックリしたよ、いきなりこんなホラー映像見せつけられたんだもん」

「もう世界のどのホラー映像よりもショッキングだよこれは……」

 

 

 他人事だと思っている諸君はよく想像して欲しい。女の子が自分の家に勝手に上がり込んで、雄の匂いを頼りに一直線に脱衣所へと向かい、そして躊躇なく洗濯かごを漁って自分の下着を盗み堪能している。相手がいくら超絶美少女のことりだと言っても、度を通り越すと怒ったりすることも呆れたりすることもできなくなるんだな……。それに俺は初めて見た、あの秋葉の顔が本気で引きつっている様を。

 

 

『あぁ~この香りでご飯を何杯でも食べられそうだよ。スタイルには気を使っているつもりだけど、零くんの下着と一緒ならそんなこと気にせずパクパク食べちゃいそう♡』

『そ、そんなにいい匂いなんですか先生の下着って……』

『もちろん! もう5年以上この下着と性生活を共にしてることりが言うんだから間違いないよ!』

『ことりさんがそこまで絶賛するなんて……ゴクリ』

 

 

 あれ、雲行きが怪しくなってきたような……。

 ツッコミどころは多々どころか全てがツッコミどころなのだが、曜の目が俺の下着に釘付けになっていることが何よりの懸念事項だ。以前プールで発情しながら抱きついてきたことはあれど、あれは秋葉の仕掛けた罠であり曜本人はまだそこまで淫乱属性が備わってないと思っていた。

 だが、その根底が今まさに崩れ去ろうとしている。曜は口を小さく開き目を丸くして、自分の世界に自身と俺の下着しか存在していないかのように凝視している。ことりが差し出している俺の下着をまじまじと見つめ、段々思春期の女の子とは到底思えない変態的な目線に変貌していく。

 

 

『欲しい?』

 

 

 たった一言の誘惑。しかしことりの誘惑の仕方は他の女の子とは訳が違う。『お願い』のワードだけでこの世の男たちの心を何度も打ち抜き、メイド喫茶でもそのゆるふわボイスで数多の男を悩殺してきた。そんな彼女が妖艶な表情で曜の目の前に俺の下着を突きつけている。字面だけ見ればシュールな光景なのだが、今の曜は己の煩悩に支配されて正常な判断ができないらしく、そんな光景でもツッコミを入れるようなことはしない。曜はただ真っ直ぐ俺の下着を見つめ、例の雄の匂いを感じ取りたいのか鼻の穴を僅かに動かしていた。自分が華の女子高生だってことすらも忘れ、ただ自らの欲望を満たすためだけの獣のように――――

 

 曜はついに手を伸ばした。清楚なイメージが売りのスクールアイドルが男の下着を手に掴み、そのまま鼻元へと近づけていく。

 そして俺は、天使の羽がポッキリと折れ黒く染まった瞬間を目の当たりにする。

 

 

『あぁ……♡』

 

 

 それは甘くも新たな悦びを知ったかのような声だった。曜の表情がことりと全く同じく頬を染め、周囲に真っピンクのオーラを放つ。曜は未知の快感に当てられ息遣いも荒くなり、到底他のAqoursメンバーに見せられない映像が垂れ流されていた。

 

 

『確かにこれは凄まじいです! この下着1枚で人間の三大欲求なんて余裕で満たせますよ!! それこそ一日三食の定義が霞んで見えるかのような……』

『さっすが! 曜ちゃんなら分かってくれると思ってたよ。なんたってことりと同じ波動を持ってるんだからね! それがあればどんな美味しいものよりもお腹が満たされちゃうし、枕カバーにすれば安眠できるし、もちろんオカズにすれば性欲だって満たせちゃう♪』

『すんすん……あぁ♡』

『やんっ、もう夢中になっちゃったんだ♪ でも仕方ないよ、零くんの匂いも体液もたっぷりと染み込んだお宝なんだから』

『ですね……すんすん……はぁ♡』

 

 

 やべぇコイツら変態だァあああああああああああああああああああああああああああ!!

 変態が2人に増えたことで更にカオス感が高まっている。μ'sとAqours、2大スクールアイドルの一員がここまでの痴態を晒すなんてある意味ではお宝映像かもしれないが、俺にとっては世界崩壊に次ぐ恐怖体験だ。今まで変態力なら誰にも負けない自信があったが、この映像を見てようやく分かった。俺ってまだ健全な部類だったんだな。だからこれから俺を変態やら鬼畜やらと罵るのはやめてくれよ。

 

 

『でも曜ちゃん、その下着はね、未完成品なの』

『未完成……ですか? こんなに美味しいのに……』

『それだけでも世界三大珍味を遥かに凌駕してるけど、そこに白いソースが加わればもうこの世のものとは思えない珍味に変わるんだよ』

『ま、まさかその白いソースって!?』

『そう。たまにね、付いてるんだよ。零くんが1人で寂しくシコシコやった後の残り汁が……ね♪』

『先生の……残り汁』

『昨晩はヤってなかったみたいでざんね~ん! でもね、零くんの傍にいれば絶対にその珍味にありつけるチャンスが来るよ。そして待って待って待ちに待って珍味を口にした時……きゃぁ~もう妄想が爆発しちゃいそうだよぉ♡』

 

 

 人んちの脱衣所で何やってんだコイツら……。いつも通り楽しそうに暴走することりと、みっちり淫乱道を叩き込まれている曜。宇宙一必要のない知識をどんどん教え込まれ、またここに淫乱スクールアイドルが誕生してしまった。もう俺が対処するの面倒だから誰かこの子たちの面倒を見てください。あっ、イヤですかハイ……。

 

 

『そのチャンス、次はいつ来るの? ねぇ零くん♪』

 

「えっ、どうしてこっちを……?」

 

 

 これは先日撮られた映像でLIVE映像ではないはずだ。なのにことりはこちらを向いて、モニター越しに俺へ声を掛けた。まさか未来の俺の気配すらも察知してるとか……だとしたらもうコイツ人間じゃねぇ!!

 

 

「それはね、こういうことだからだよぉ♪」

「な、なんだ!?」

 

 

 そして息つく暇もなく、背後から甘い声と共に柔らかい身体に抱きつかれた。背中に当たる弾力性能抜群の双丘、濃密あまあまなスイーツのような香り、何よりこの耳を卑しくくすぐる脳トロボイスの正体は――――

 

 

「こ、ことり!?」

「零く~ん久しぶり~♪ ことりがいない間の性欲処理はどうしてたの? 1人でシコシコしてた? ティッシュに出すなんて勿体無い、これからはちゃんとことりがご主人様専用の携帯肉便器としてお仕えしますからね♪」

「出会って早々飛ばしすぎだ!! お前もっと普通に喋れないのか!?」

 

 

 ことりは俺の身体と一体化するかのごとくベッタリと張り付いたまま離れない。そのせいで背中が彼女のおっぱいを押し潰し、その形が手に取るように伝わってくる。しかも耳元で淫語を連発されているせいで、今まで抑えていた欲求が解放されそうだ。流石はことり、脳内ラブホテルだけのことはあって男の悦ばせ方を熟知してやがる。ていうより、俺の悦ばせ方? そのせいでこうやって迫られても断れず、いつもズルズルとベッドインしちゃうんだよなぁ……。

 

 

「おい秋葉、これどういうことだ!?」

「アハハ! ことりちゃんが零君にサプライズしたいって言うからね。ちょうど新型監視カメラのテストもしたかったし、実験も兼ねてことりちゃんと曜ちゃんに手伝ってもらったんだよ♪」

「なるほど、要するに最初からグルだったのかお前ら……」

「まあ私は全く知らなかったんですけどね。監視カメラが付いていたって話」

「曜!? お前もいたのか!?」

「いましたよ一応……。部屋の裏で隠れて待ってたんですけど、ことりさんが痺れを切らして先に飛び出しちゃったんです」

「零くんが目の前にいるのに我慢できる訳ないよ!! あっ、でも零くんはしっかり我慢しなきゃダメだよ? 早漏さんだったらことりが楽しめないもん!」

「何の話してんだよ……」

 

 

 とりあえず俺は3人にハメられたってことだな。一応言っておくけど、ハメられたってそう言う意味じゃないからね。くそっ、ことりのせいで逐一解説入れないと全部卑猥な意味に聞こえてしまう。

 

 とにかく1週間ぶりにあったことりは相変わらずで、この暴走具合はむしろ安心できる。もはやお淑やかな彼女なんて想像すらできないから。"純粋"という言葉をここまで汚すゆるふわ系女の子も珍しいよな……。

 

 

「ていうかお前何しに来たんだ?」

「そんなの零くんの顔を見に来たに決まってるよ! それにお土産もあるしね!」

「お土産? たかが一週間ぶりくらいで大層な」

「それでもことりにとっては寂しかったんだよ。だから零くんも寂しくならないように、このことりのアレを型取ったオナホをあげるね♪」

「は……?」

「あっ、オナホとか言ったら規制されるかも! ことりのアレを型取った貫通型の合成樹脂物質をあげるね♪」

「そんなこと聞いてんじゃねぇよ!! それに貫通型とか新たな属性が付け加えられてるし!!」

「1人でヤるくらいならこれを使ってね♪ ことりも零くんのアレを型取ったディルド――――太い棒を使うから!」

「お前わざと言い間違えてんだろ!?」

 

 

 今日もことりの口は絶好調である。口は絶好調とかいうと女性が男のアレを舐めるあの動作を思い浮かべるが、もちろんそっちの意味じゃないのであしからず。本来なら曜に色々と聞きたいことがあるのだが、俺の背中に張り付いているコイツを対処しなければ話は進まない。抱きつかれるのは嬉しいんだけどさ、耳元で淫語を連発されるのは精神衛生上よろしくない。

 

 

「秋葉さんのところへ来たのは、その合成樹脂を改造してもらいたかったからだよ。零くんがそのオナホ――合成樹脂にしろ~いのを出したら、ことりのナカにそのしろ~いのが転送される仕組みを作って欲しくてね♪」

「恐ろしいこと考えてんなお前……」

「でも秋葉さんがそれは無理だって。せっかく離れていてもセック――性交渉できるチャンスだったのに」

「そりゃそうだろ。いやできたとしても間接的とかヤった内に入らねぇから」

「ということは、生でヤってくれるってこと!?」

「違うそういう意味じゃない!!」

 

 

 ことりは頬を俺の頬に擦り付け、そのまま長椅子に押し倒してきた。胸やら太ももも測ったかのように押し当ててくるので力が入らず、()()()()()組み伏せられてしまう。気付いている人もいるかもしれないが、彼女は高校時代と比べて確実にパワーアップしている。身体の柔らかさもそうだが、醸し出すピンクオーラの濃厚具合や発情具合まで何もかもだ。そんな彼女に組み伏せられたら並の男なら一発で射精に導かれKOされてしまうだろう。歩く猥褻物の異名が光に光りまくってるな……。

 

 

「曜ちゃん」

「は、はい!」

「ウチの弟くんを好きになるならね、あれくらいやる覚悟を決めないといけないんだよ」

「みたいですねぇ……。私はまだまだスタート地点なんだと思い知らされました……」

 




 μ'sにもAqoursにも、ことり以上のインパクトを備えた子はいないと思い知らされた回でした(笑) そして彼女と同じポジションに上り詰めようとしている曜ちゃんを、是非皆さん暖かい目で見守ってあげてください。

 これまで穂乃果、絵里、ことりの成長した姿を描いてきましたが、やはりみんなレジェンドの名にふさわしい魅力を持ってますね! その魅力が必要かどうかと言われたら……うん(笑)


 次回はことり先生の講座回です!今回は曜の活躍が希薄だったので次が本番!



新たに☆10評価をくださった

紅奏さん、雪白 氷夢さん、トウロウさん、うぉいどさん、Raltさん、かなた〆さん、小魔王パタポンさん、ユノさん、ジマリスさん、秀:海未ライバーさん、堕天使エリーチカさん

ありがとうございます!1話投稿してここまでもらえるのは多分初めてかな?
そして☆10評価の投票者数が200人を超えました!そちらも感謝です!



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 https://twitter.com/CamelliaDahlia

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