スマホを弄るのさえ苦手な花丸、そしていつもの妄想癖が爆発する零君のお話。
※μ'sはお休み
とある日の夜。今日もいつも通り学院での授業を終えた俺は、ベッドの上でゴロゴロしながら携帯を眺めていた。その画面には連絡用アプリが開かれており、画面上部に『国木田花丸』の文字が映し出されている。
だがしかし、肝心のトーク履歴は一切ない。連絡先を交換しただけで彼女と今まで一切携帯で会話をしたことがないのだ。千歌や曜はプライベートなことやどうでもいい内容を送りつけてくるためよく会話をしているし、それ以外のメンバーともスクールアイドルの練習など事務的なことなら会話をしたことがある。その中でも唯一会話をしたことがないのが花丸なんだ。
俺たちはスクールアイドル活動という共通点を除けばそこまで結び付きが強い訳ではない。千歌たち2年生組となら副担任ということもあり接点は強いが、1年生や3年生とはいざ会話をしようとなると何を喋っていいのか分からなくなるのが現状だ。まあ実際に顔を合わせれば何かしら話題は出てくると思うが、改まって携帯でプライベートな会話をしようとは思えないし、いきなり教師から携帯で会話を振られたら相手も困るだろう。だがAqoursの顧問を受け持っている以上、みんなと仲良くなっておきたいっていうのが俺の本音である。
「今日は珍しく花丸とマンツーマンで話す機会があったから、こっちから話を振っても大丈夫だよな?」
実は今日の放課後、Aqoursの練習前に花丸に数学の勉強を教えていた。しかも自習室で俺と彼女の1:1。今までまともに顔を合わせて会話をしたことがなかったので、勉強を教えるのと共に世間話でも盛り上がったんだ。だから心の距離が近くなった今こそ、こうして携帯でも会話をするチャンスではないだろうか。教師が生徒とプライベートな会話をするのは道徳上問題があるかもしれないが、それ以前に同じ部活のメンバーなんだからそれくらいは許してくれ。
「そうと決まれば早速メッセージでも送ってみるか」
勉強会中の世間話で花丸は寝る時間が結構早いって言ってたから、あまり迷っている時間はない。まだ22時でいくら早く寝るといってもまだ早いと思うけど一応ね。ちなみにμ'sのアイツやアイツのこの時間帯は自慰タイムだってことを思い出してしまったが、すぐに頭から振り払った。
『今日の勉強会どうだった? ただその場で勉強するだけじゃなくて、ちゃんと復習しないとダメだぞ』
当たり障りのないこんな感じの内容でいっか。とりあえず送信っと。
~※~
「あっ、先生からメッセージがきた! なになに――――あぁ~心配しなくても、マルはいつも予習復習を欠かさないずら! そうだ、メッセージが送られてきたら返すのが普通なんだよね。でもこの前携帯を買ったばかりだし、機械は苦手だから文字を打つのは緊張するずら……」
『きょうはありがとうございました! ふくしゅうはもうすませたのでばっちりです! またわからないところがあればよろしくおねがいします!』
「これでいいかな? よしっ、送信!」
~※~
「あっ、花丸から返信きた」
『きょうはありがとうございました! ふくしゅうはもうすませたのでばっちりです! またわからないところがあればよろしくおねがいします!』
「なんだこれ、読みにくっ!!」
なんで全部平仮名なんだよ……。あぁ、もしかして変換する前に間違えて送信しちゃったパターンのやつか。俺も時々あるんだよな、文字を打つのが慣れすぎて先走って送信ボタンをタッチしちゃうこと。今のところプライベートの連絡でしかそのミスは起こっていないけど、教育実習生として社会に出ている以上俺もケアレスミスには気を付けないと。
それはそれとして、花丸って文学少女だけにかなり勤勉な子だったなぁ。苦手な数学なのに俺の授業を嫌な顔をせず熱心に聞いていた。Aqoursの練習でもダンス中に苦手なところがあればいつも休み時間に練習しているから、運動音痴なのにも関わらずとても頑張り屋さんなのだ。
「そうだ、今度ダンスも見てやろう。たまには顧問らしいこともしないとな」
『勉強ももちろんだけど、練習していたステップもできるようになったか? また練習成果見せてくれよ。あとさっきのメッセージ漢字に変換し忘れてたぞ』
頑張っている子には手を差し伸べてやりたくなるんだよ。せっかく教師でもあり顧問なんだから、それくらいは協力しないとね。それじゃあこの内容で送信しよう。
~※~
「あっ、返信きた! こうして携帯でお話していると、イマドキ高校生って感じがして嬉しいずら♪ えぇと――――そっか、先生にはまだ練習の成果を見せてなかったんだ。だったら明日にでもマルの成長した姿を披露してあげようかなぁ♪ 先生からの感想も貰いたいし!」
『それではあす、かんそうきかしてください!』
「これを漢字にするにはどうしたらいいんだろう……。う~ん分からないけど多分これであってるはず。うんっ、これで送信!」
~※~
『それでは明日、乾燥機貸してください!』
「は……?」
いやいやいや、どこから乾燥機の話になった?? 激しいダンスで汗だくになるから乾燥機が必要ってことか? 全身生まれたままの花丸が乾燥機の前で身体を乾かすちょっぴりエロい妄想を浮かべてしまうが、あんな純粋で天使な子がそんなことをするはずがない。もちろんそんな光景が実現したら大金を払ってでも見てみたいとは思うけど……。
「教え子を妄想のネタにするって最低だな俺……。まあ妄想内なら何をしても許されるんだけどさぁ」
とにかく今すぐ妄想を止めないと、明日花丸と会ったら罪悪感に押し潰されるかもしれない。だからとりあえず話題を変えよう。そうだなぁ、あの子のことをもっと知りたいから趣味とか聞いてみるか。読書が好きだって言ってたけど、休日とか何してんだろうな。
『そういや、花丸って休日は何してんの? 読書以外の趣味とかある?』
急にプライベートな内容に突っ込んできてなんだコイツを思われねぇかな……。いや、花丸は良い子だからそんな冷たいことなんて考えないはず! それに相手の反応にビビっていてはいつまで経っても仲良くなれないし、この内容で送信!
~※~
「先生とこうしてお話できるのは新鮮だなぁ~って、言ってる傍から返信が来たずら! なになに――――休日かぁ、最近は洋菓子作りにハマってるんだよね。マルの実家はお寺でおやつと言えば和菓子ばかりだったから、いつの日か飽きちゃって自分で作るようになっちゃった。この前の休日はパンとか作ってたなぁ。」
『ぱんつくってます♪』
「えへへ、マルがパン作ってるって言ったら先生驚くだろうなぁ~♪ 送信!」
~※~
『パンツ食ってます♪』
「え゛ぇ゛え゛え゛えええええええええええええええっ!?!?」
パンツを食ってるってことは、噛み砕いて言えばつまりオナニーをしてるってことだよな!? パンツをしゃぶりながらの自慰行為なんてマニアックすぎるだろ!!
あの純粋天使の花丸がまさか男の俺に堂々とオナニーしてることを伝えてくるなんて……。しかも文末の『♪』マークから俄かに漂ってくる淫乱臭は、どこぞの淫乱鳥やブラコン妹を思い出してしまう。
もしかして花丸の奴、普段は清楚な感じを醸し出しておいて、実は隠れ淫乱でした~なんてドッキリを仕掛けようとしてるのか!? とにかくさっきから心臓がバクバクと激しく鼓動して止まらないんだが……。もう明日からどんな顔で彼女と会えばいいんだよ。
「冷房かけてるのに身体が熱くなってきた……。今日のオナネタは花丸に――――って、ダメだダメだ!! さっきからよからぬ妄想が止まらなくなってる……」
教え子に劣情を抱くなんて教師として失格だぞ……。とは言っても既に痴漢やセクハラだけでは飽き足らず、この前公園で曜を襲ってしまった犯罪歴があるのだが。ことりに導かれたとはいえ、今思えばスクールアイドルを青姦するただの変質者だよな俺……。
とにかくこのまま妄想を続けるとドツボにハマって彼女をオナネタにしかねないので、いい感じに話題を逸らそう。そうだなぁ、そういや料理が得意だって言ってたから、今度の休日にでも家に招待してご馳走してもらうか。現役JKでしかもスクールアイドルの女の子の手料理なんて滅多に食えるものじゃないからな。
『今度の休日にでも俺の家に遊びに来ないか? 一度花丸の手料理を食べてみたいからさ。調理器具とか材料は揃ってるから気軽にどうぞ』
教師が生徒を自宅に連れ込むこと自体どうかと思うのだが、まあ今まで幾多の犯罪を重ねてきたからもう今更だろう。この内容で送信だ。
~※~
「うそぉ!? 先生からお誘いの連絡が来た!? しかもマルの料理をいただきたいって!! どうしよう嬉しいけど緊張しちゃうずら……。でもせっかく誘ってもらったのに断るのは申し訳ないよね。よしっ、ここは勇気を出してお邪魔してみようかな。そして――――ふむふむ、材料の心配はいらないと。それじゃあ手ぶらでいいってことだね」
『それではてぶらでおじゃまします!』
「お父さん以外の男の人に料理を振舞うなんて初めてだからドキドキするずら! 送信っと」
~※~
『それでは手ブラでおじゃまします!』
「ゲホッ、ゲホッ! な、何言ってんだコイツ!? 手ブラで来るの!?!?」
なんだなんだ!? 花丸ってあんな童顔なのに中身は痴女だったのかよ!? 誰がどう見ても山奥の村に住んでいる穢れのない箱入り少女にしか見えないのに、まさか上半身裸で外を彷徨くことに一切の抵抗を感じていないとは……。もうこの数分間のやり取りだけで俺の晴れやかな花丸像が一転してピンクに染まっていた。
それにしてもアイツの手ブラかぁ~。1年生にしてはふくよか過ぎるあの胸、もし浦の星が女子高ではなく男子がいたら確実に視姦されていただろう。そんな豊満な胸を小さい手で隠す……いや、絶対に隠しきれねぇな。彼女の小さい手ではあの胸の存在感を隠蔽するなんてまず不可能で、どう隠そうがマイクロビキニのようになるのは否めない。また妄想が暴発して止まりそうにないんだが……。
「待てよ。手ブラってことは、その上にエプロンを着ければ裸エプロンになるじゃん! やべぇ本格的に興奮してきた」
花丸のような巨乳ちゃんの裸エプロンとか、もう想像だけでも一週間はオナネタにできる自信があるぞ。貧乳の裸エプロンは隙間から蕾が魅力であり、巨乳の裸エプロンはエプロンからはみ出る横乳が見所である。だから彼女のぷっくりとしたおっぱいのお肉がエプロンからポロリする瞬間を間近で見られるかもしれない。なんだなんだ最高かよ。
それよりも花丸がここまで淫乱ちゃんだとは思っていなかった。いつもの恥ずかしがり屋の反応はフェイクだったのかな……。だとしたら、意外と下ネタ的な話もOKだったりするのだろうか。下ネタは世界中に通じる人間共通の話題だが、相手にガチで引かれる可能性がある諸刃の剣でもあるので無闇やたらに話を振るようなことをしてはいけない。だが彼女の場合は話が別。自分から振ってきたんだからこちらから振っても問題ないだろう。
「もしこれでアイツが話に乗ってくるんだったら、
『あぁ~熱くてガチガチになってきちゃったわ』
うわぁ~なんて最低な文章を女の子に送りつけようとしてるんだ俺……。しかもJK相手に自分の股間の話題を出すなんて最悪すぎるだろ……。でもさっきも言ったけど、最初に猥談を仕掛けてきたのは花丸だからな! 俺はその振りに便乗しただけだから悪くねぇ!! まあメッセージの内容を見れば見るほど出会い系サイトのイタズラメールにしか見えないけども。
それにだ、引かれたら引かれたで花丸が健全だってことだからそれはそれで問題はない。猥談を続けようとはしているが、やはり心のどこかでは彼女がまだ純粋なままでいて欲しいという切なる願いがあるのかもしれない。
あぁもうなるようになれ! 送信だ!!
~※~
「な、なにこれ……熱くてガチガチ? もしかして先生も何か料理を作ってるのかも!? ということはマルと同じ趣味を持ってるってことだよね? わぁ~先生と共通の趣味があるのって嬉しいずらぁ♪ そうだ、今度先生が料理を作ってる姿も見せてもらおっと! 絶対にカッコイイよね♪」
『こんど、わたしもみにいっていいですか?』
「先生の家に行くのが楽しみになってきたずら♪ 送信っと」
~※~
『今度、私揉みに行ってもいいですか?』
「も、揉む!? どこを!? 話の流れ的に考えれば、俺のあそこ……だよな? ていうことは手コキしてくれんの!?!?」
もう花丸の発言がデリヘルにしか思えねぇんだけど!? あそこがギンギンになってることを伝えたら、心配してわざわざ向こうから揉みにやって来てくれるなんてとても健気(?)な奴だ。淫乱だけど積極的にがっついてこない点も評価するべきところだろう。もう完全に俺の彼女を見る目が変わってしまった。そりゃそうだ、だって休日にパンツをしゃぶりながら自慰行為をしてるくらいなんだから。
ド直球に揉みに行ってもいいか聞いてくる辺り、やはり自慰する時のオカズは手コキモノなんだろうか。女の子が手コキシーンを見るなんてあまり聞く話ではないが、サディストな女の子なら可愛い男を辱めるためにそんなシチュエーションを勉強するのかもしれない。人ってのは裏では何をやっているのか分からないからな。花丸だって清楚に見えるけど実はこっそりAVや薄い本鑑賞に浸っているのかも。うわぁ想像したくねぇけどもうメッセージの内容がそれを物語ってるもんなぁ……。
それだったらもしかして、アイツ手コキするの上手いのかな? ロリ巨乳ちゃんの小さな手であそこを摩ってもらえるなんて、それどんなご褒美? そしてこんな妄想力を働かせたのは数年ぶりかもしれない。性欲旺盛な思春期時代に戻った感じがするよ。
くそっ、妄想が俺の思考を支配して、次にどんなメッセージを送ればいいのか考えることすらできねぇ!! あわよくばフェラとかしてくれちゃったりとか、勝手に妄想が飛躍しやがる!! 止まってくれ俺の妄想!!
~※~
「先生からメッセージが来ない……。まさか突然自宅にお邪魔するって言ったから怒っちゃったのかな!? でも先生が気軽に来いって言ってたし……と、とりあえず謝らなきゃ!!」
『すいません!』
「神崎先生って怒るイメージが全然ないけど、そこに甘えちゃダメだよね。こっちが悪いならちゃんと謝らないと。送信!」
~※~
『吸いません!』
「す、吸う!? 吸うってフェラのことだとすると……俺の妄想が完全に読まれてるだと!? 超能力者かよアイツ!?」
あんな童顔のくせに、人の変態妄想を感知できるとかどれだけ腹黒なんだって話だ。今日マンツーマンの授業をしたあのひと時だけで俺の思考を読み取る力を手に入れたのか。もうこれから花丸の横で下手なことはできねぇな……。
しかし手コキはしてくれるのにフェラはしないって、もうそれ完全にドSの手法じゃねぇか。フェラをするにはこちらから屈辱の懇願をしなければやってはくれないだろう。あんなロリっ子に男のプライドを捨てて口淫を頼んだら最後、もう一生男としての尊厳を取り戻せないと思う。
「ただ携帯で会話をしているだけなのに、ここまで俺の身体を熱くさせるとはやるなアイツ……。しかし本当に裸エプロンを見せてくれたり、手コキをしてくれるのだろうか」
もし花丸がヤリ手のビッチちゃんだったら、今までのメッセージも俺を焦らすだけの虚言に過ぎないのかもしれない。手コキはしてフェラはしないってところを見るに彼女はSっ気丸出しだから、男を弄ぶテクニックくらいは身につけているのだろう。女子生徒に焦らされる男性教師というシチュエーションから背徳感しか生まれないが、JKにシてもらえるのならプライドも何もかも投げ捨てて性欲に従順になってもいいかもしれない。
『まあなんにせよ今度ウチに来いよな。楽しみにしてるから!』
本当に……本当にやってくれるんだよな? 楽しみだなぁ裸エプロンと手コキ。
~※~
「あっ、先生怒ってなかったずら!? よかったぁ~!!」
『わたしもたのしみです!』
「もしかすると先生と一緒に料理ができるかも……? 楽しみずら~♪」
~※~
『私も楽しみです!』
「ま、マジで? 男とヤるのがそんなに楽しみなのかよ花丸……。やっぱ女子高の女の子はみんなヤってんのかなぁ~」
男からしてみれば女子高は秘密の花園的な神聖さを想像するが、実際の女子高の実態は普通の高校よりも殺伐としていて自由気ままだってことを聞く。下着が見えていてもお構いなし、猥談だって平気でする。そのせいで女子高の生徒の貞操観念が低いってことはもう世間一般にも知られていることだ。もちろん全ての女子高がそうでないことを付け加えておくが。
つまり浦の星女学院もルビィみたいなウブっ子もいれば、曜や花丸みたいな痴女っ子もいるってことだ。しかしどちらにせよ俺は容姿が可愛ければ女の子を選んだりはしない。だから花丸がいくら清楚という仮面を被った淫乱だろうが、これからもしっかりと勉強を見てやるしスクールアイドルの指導をしてあげるつもりだ。もちろん明日彼女に会うのは怖いけどね……。
「なんかドキドキしてきた。早く次の休みにならねぇかなぁ」
そんな淫猥な期待を抱きながら、俺はいつの間にか眠ってしまった。結局終始興奮は収まっていなかったが、自慰で種子を無駄に撒き散らすくらいなら来るべき当日に向けてしっかり溜めておいた方がいい。メッセージで男を誘惑してくる淫乱ちゃんには、もれなく熱いミルクを大量にぶっかけてやるからそう思え。いやぁ本当に楽しみだ!
しかしその翌日、花丸が俺のためにパンを作って持ってきてくれた。彼女が休日の趣味として洋菓子作りにハマっていると聞かされた俺は、そこで全てを察して全身から力が抜けた――――という話があることに、この時の俺はまだ知る由もない。
でも彼女が淫乱じゃなくて、ちょっとホッとしたかな……?
とある芸人さんのネタを見て突発的に執筆したくなったので、μ'sを追い出してまで書いてしまいました(笑) 個人的には久々に零君の妄想癖を大爆発させることができて楽しかったです!
ちなみに花丸のためにフォローしておきますと、彼女はしっかり清楚で純粋な子ですから安心してください。
次回は再びμ's襲来編に戻ります。Aqoursからは善子、μ'sからは――――次回までお待ちください!(笑)
新たに☆10評価をくださった
Toka120615さん
ありがとうございます!